転職はしたいけど不安がある方は多いのではないでしょうか?この記事では、現在の転職事情をご紹介した上で、転職したい人が抱える不安の原因や対策を1つずつご紹介していきます。
また、記事のまとめとしては下記の通りです。
- 転職市場は盛り上がりを見せており、今後も好調が続くことが予想される
- 転職理由で多いのは、「労働条件の悪さ」、「給料の低さ」である
- 転職の不安は、原因を特定して対策を打つことで解消される
- 転職エージェントの活用は、転職の不安への対策として有効である
この記事の目次
転職が不安?~現在の転職事情の現状を紹介~
転職したいけど不安が消えないあなたへ。
現在の日本の転職市場は、大きな盛り上がりを見せています。
2000年代になるまでは、新卒で入社したら定年まで働き続けることが一般的であり、転職はどちらかというとネガティブな印象を持たれることでした。
しかし現在の日本企業は、人口減少で深刻な人手不足に陥っています。今後も、終身雇用制度は崩壊の一途をたどり、転職者数はさらに増える予想がされています。
より詳細にみていきましょう。
転職者の数は増えてきている
転職者の数は、ここ数年増加傾向にあります。
総務省の労働力調査によると、1990年代は1年間の転職者数が250万程度で推移していましたが、2000年代にかけて増加し、2006~2007年に346万人とピークに達しました。その後リーマンショックなどの影響で落ち込みましたが、2010年以降連続で増加し続け、2018年には330万人程度まで回復し、今後も増加傾向は続くとみられています。
ただしこの数字は、「就業者のうち前職のある者で,過去1年間に離職を経験した者」となっているので、転職活動を行っていたり、今後転職したいと考えている人も含めると、600~700万人程度になるといわれています。
日本の労働力人口は6700万人程度のため、10人に1人は転職したか、転職したいと考えていることになります。
また、厚生労働省の「平成27年転職者実態調査の概況」の「転職者の状況 」に転職者の割合があるので、是非見てみてください。
転職はエリートしかできない?
転職はスキルのあるエリートしかできないのではないか、と思っていませんか?
転職エージェントや転職サイトの広告では、一流ビジネスマンがさらにステップアップするようなイメージが多く、「自分にはできないのではないか」と思ってしまいますが、そんなことはありません。実際の転職市場では、売り手市場が続いています。
厚生労働省が毎月発表している有効求人倍率(仕事の数÷仕事をしたい人の数)は、2009年の「0.47倍」から右肩上がりを続け、2019年では「1.63倍」と、1970年代の高度経済成長期レベルの高水準となっています。
特殊なスキルがなくても、これまでに自分が働いてきたキャリアを活かせれば、転職は問題なく可能でしょう。
転職者が前職を辞めた理由
転職市場が盛り上がりを見せる中、転職する人が前職を辞めた理由は何なのでしょうか。
以下に紹介するのは、厚生労働省の雇用動向調査で、平成30年1年間の転職者が前職を辞めた理由です。
- 1位 「その他の理由(出向等を含む)」29.4%
- 2位 「定年・契約期間の満了」16.9%
- 3位 「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」10.0%
- 4位 「給料等収入が少なかった」10.2%
- 5位 「職場の人間関係が好ましくなかった」7.7%
- 1位 「その他の理由(出向等を含む)」25.5%
- 2位 「定年・契約期間の満了」14.8%
- 3位 「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」13.4%
- 4位 「職場の人間関係が好ましくなかった」11.8%
- 5位 「給料等収入が少なかった」8.8%
男女ともに、異動や出向、定年や契約満了を除くと、「定年・契約期間の満了」、「労働条件の悪さ」が理由に辞めていることが多く、男性は「給料収入」、女性は「職場の人間関係」も退職理由になっていることがわかります。
実際にこのような理由で悩んでいる方は、転職も選択肢に入れ、検討を進めていきましょう。
転職が不安な原因7選
転職市場が盛り上がっていることをお伝えしてきましたが、やはり転職することに対して不安に思う方も多いでしょう。特に20~30代での初めての転職であればなおさらです。
不安というのは、未知なことに対して感じてしまうため、原因を見つめ対処法を考えておくと不安を解消していくことができます。
ここからは、転職が不安になる原因についてご紹介していきます。
原因その1:根拠がない不安
今、最も多くの人が不安と感じているのは、特に根拠がなく今の職から離れるという事に対して強い不安を感じているという事でしょう。
転職ではなくても、転勤や移動でもよく見られるのが先ほども言っていた根拠がない不安でしょう。全く転勤転職もなく10年間以上続けてきた人に多く見られる不安でしょう。
原因としては、一つの仕事や環境に対して慣れ過ぎであり、モチベーションや変化に対する耐性が極めて低い水準になっていることによるものです。
原因その2:漠然とした不安
原因がはっきりわからない漠然とした不安は、変化に対する不安です。人間の脳には現状維持機能があり、現状から変化することで不安を覚えてしまうためです。
特に同じ部署や同じ業務を長く続けてきた人は、変化への恐れを感じやすいでしょう。
本質的な原因は、変化への慣れが少ないことです。
転職は人生のイベントの中でも大きな変化になり、ストレスを感じてしまうものですが、変化に慣れることが最大の対策になるでしょう。
原因その3:自分のスキルへの不安
第二新卒など社会人経験の少ない状態での転職では、自分のスキルが通用するのか、といった不安を持つ場合があります。実務経験が多くあるベテランでも、職種が変わる場合などで同様の不安が発生します。
このような自分のスキルへの不安は、「短期的にキャリアを考えていること」が問題なので、考え方を変えることで簡単に解決します。
日本企業でマネジメントや経営を目指すのであれば、複数の職域、職種を経験する必要があります。
事業企画をしたいのであれば、営業経験や、企画経験など複数の経験が必要になるでしょう。
短期的な視点でキャリアを見るのではなく、自分の人生の視点でキャリアを見つめて、複数の職種で得られるスキルを計画的に経験していくことを考えましょう。
一般的に5年(約1万時間)本気で取り組めば、プロフェッショナルになるといわれています。仮に仕事人生が40年あるならば、8種類のプロフェッショナルのスキルを身につけることができるということです。
原因その4:労働環境が悪くなるのではないかという不安
転職によって、今の職場より労働環境が悪くなるのではないかという不安を抱える人もいます。
不安の原因は、これまでの職場での同様の経験や、ブラック企業の存在でしょう。
労働環境については働いてみないとわからないことが多いですが、転職エージェントを活用して企業の文化や雰囲気を聞くことで、ある程度回避することができます。
また、優良エージェントであれば、ブラック企業も排除されています。
原因その5:新しい職場での人間関係の不安
新しい職場での人間関係の不安を感じる人も多いでしょう。
不安の原因は、これまでの職場で人間関係がうまくいかなかった経験があることが大きいでしょう。
個人で仕事をする以外に、人間関係の問題はつきものです。
過去に起こった職場の人間関係の問題を客観的に見つめ直し、原因を突き止めて対策を練っておくことで、不安を減らすことができます。
原因その6:自分のストレス耐性への不安
転職を考えていることを社内で口に出すと、「みんな辛いけど頑張っている」、「逃げるな」といったことをいわれる場合があるかもしれません。
不安の原因は、「自分が逃げるクセがあるかもしれない」と自分を責めてしまうことです。
上記のようなコメントに対して、真に受ける必要はありません。
あなたの人生の選択に対し、他人はコメントしても責任は取れませんから、気にせずに自分で判断していきましょう。
それでも不安な場合は、転職エージェントに相談すると、客観的な意見をもらえるでしょう。
原因その7:収入が下がるかもしれない不安
転職を考える際、お金の問題は非常に重要な要素になるでしょう。転職したのに収入が下がってしまうことを避けたい気持ちは、誰にもあると思います。
不安の原因は、転職先企業の待遇に関する情報が少ないことです。
転職サイトを見ていても、年収〇〇〇万~などと具体的に金額がわかるケースは少ないでしょう。
この場合、転職エージェントに相談すれば、希望する収入条件で転職先企業を探してくれます。
また、ジェイックでは転職エージェントについての記事も書いているので、下記のおすすめ記事から是非読んで見てください。
原因その8:転職を繰り返し、行き場がなくなる不安
何度も転職することで、行き場がなくなる不安を抱える人もいます。何も考えずに転職していけば、どんどん行き場が少なくなることは当たり前です。
しかし、このような不安を考えることは意味がありません。
むしろ、1回の転職で満足な結果を得られるように準備をしていくべきでしょう。
そのためには、「なぜ転職をしたいのか」を整理して、「転職後に得たいスキルや将来的なキャリア」を考えていきましょう。
最後に、ジェイックでは別の転職記事でよくある悩みや、その解決方法をご紹介している記事があります。気になった方は下記のおすすめ記事から是非読んで見てください。
転職が不安からポジティブに変換する方法
次に、転職が不安と感じている気持ちをポジティブに変換する方法についてご紹介いたします。
転職が不安からポジティブに変換をする方法は下記のようなものがあります。
- 内定が得られるか不安からポジティブに変換
- 面接で答えられるかの不安からポジティブに変換
- 新しい職場になじめるかの不安からポジティブに変換
上記の3つの事を1つずつご紹介いたします。
内定が得られるか不安からポジティブに変換
転職活動を行うという目的は、内定をいただき転職をするという事です。なので、もしもそれが叶わない場合には、大きく落胆をしてしまうでしょう。ですが、転職先は自分に合った企業であることが大事になってきます。自分に合わない仕事であれば、転職をして辛い思いをする可能性が高いでしょう。
自分と企業が合う合わないを決断をするのは、自分だけではありません。企業側も判断をしています。企業側が内定を出さないという事は、企業側が求めている人材と自分が合わなかったと判断されたという事になります。合わなかった企業であれば「落ちたほうが良い」「辛い思いをしなくて良かった」などと考えると不安な気持ちがポジティブ変換され自然と不安な気持ちは消えるのではないのでしょう。
面接で答えられるかの不安からポジティブに変換
次は、面接官の質問に対して答えることが出来なかったらどうしようという不安もあるでしょう。中には、内定をもらおうとするばかりに、インターネットで調べた良い回答例を暗記し、そのまま答えようとする人もいるのではないでしょう。
しかし、その答えはあまり良いものではありません。面接官は、あなたがこの企業に入り能力を発揮できるかどうかだけでなく、辛い思いをしないかといったことまで、見定めようとしているのです。あなたがその企業とあっているのかという事まで判断してもらるために、面接では聞かれたことを素直に自分の言葉で答える事が良いでしょう。
また、ジェイックでは面接についてご紹介をしている記事なんかもあります。気になる方は是非読んでみてください。
新しい職場になじめるかの不安からポジティブに変換
最後は、新しい職場になじめるかという不安もあるのではないでしょうか。人間関係を一から築き上げるのはやはり大変な事です。ですが、それは新しい職場の人たちも同じことです。今までできていた人間関係の中に新しい人が入ってくるので、不安を抱くことは当然です。
ここで、大切になってくることは、新しい社風やルールに合わせて、前職の仕事のやり方は持ち込まず、分からない事は質問する。そのようにして、新しい職場に自分からなじもうとすれば、次第に良い人間関係が築けたり、職場の雰囲気、仕事にも慣れていくでしょう。
転職が不安な人の対策を紹介
ここからは、転職が不安な人が、どのような対策をとっていけばよいか具体的にご紹介していきます。
先ほどもご紹介した通り、不安は未知なことや、情報が少ないことによって起こります。
積極的に情報を取って、行動することで不安を解消できますから、記事を参考に動いていきましょう。
転職理由を明確にする
まず、はじめにすべきことは、「なぜ転職したいのか」の理由を明確にしていきましょう。
何が嫌で、何のために転職するのかが決まっていないと、数多くの情報の優先順位を付けることができず、迷ってしまい、結果的に不安が解消されないためです。
人間関係をリセットしたいのか、収入を上げたいのか、もっと休みがほしいのか、転職することで解決したいことを整理しましょう。
ノートやスマホのメモに書き出していくことは、わかりやすく効果がありオススメです。
仕事に求めることを明確にする
転職は、「これまでの不満を解決すること」と、「新しく求めることを得ること」の大きく2つの効果があります。
せっかく転職するのであれば、「将来どうありたいのか」、「仕事に何を求めるのか」を整理しておきましょう。
とにかく収入をあげたい、やりたいことのスキルを得たい、人脈を得たいなど、人によって仕事に求めること(価値観)は様々です。
自分の性格もふまえて整理し、優先順位までつけておけると効果的です。
とにかく興味のままに行動してみる
仕事に対する価値観を明確にすることができれば万々歳ですが、「何をしたいのかわからない」といった悩みや不安があることも多いです。
ネットを使って調べていても、実際のことはわかりません。
この場合、とにかく興味のあることに対して行動してみることがオススメです。例えば、Webデザインに興味があれば、実際にHPを作ってみることもできます。
まずは趣味や副業の位置付けで行動することで、見えてくることも多いです。だまされたと思って試してみましょう。
転職経験者の話を聞いてみる
不安の原因である、情報不足に対して、転職経験者の話を聞くことはとても有効です。
ネット上で経験談を調べることも可能ですが、やはり友人や家族など、親しい人の経験談を直接聞くことで不安を解消させられることは多いです。
質問としては、「なぜ転職したいと思ったのか」、「転職してどうだったか」、「どんな不満がどのように解決されたのか」、「具体的な方法・準備」などです。
ネガティブな意見を聞きすぎない
はじめにお伝えした通り、現在では転職は一般的になりましたが、年配の方や転職未経験者からは、ネガティブな意見を出されることも多いでしょう。
転職を経験したことのない人は、そんな自分を正当化したいと潜在的に思っているため、どうしても転職に対してネガティブな発想になりがちです。
ネガティブな意見は聞きすぎても意味を持たないことが多いため、適当に受け流してしまってOKでしょう。
転職が不安な人が利用すべきなのは転職エージェント
ここまでもお伝えしてきましたが、転職は人生の中でも大きなイベントになりますから、不安を感じるのも無理はありません。特に、第二新卒や初めての転職では、経験や情報が少なく、不安になりやすいでしょう。
そんなときは、いきなり転職を行うのではなく、転職準備からはじめていきましょう。
転職を準備するのに最適なのは、転職エージェントの活用です。
転職エージェントは、専門のキャリアアドバイザーがついて、下記のようなサービスを受けることができます。
- 自己分析サポート
- 企業研究サポート
- 書類作成(履歴書、職務経歴書など)
- 面接の練習
- 企業側との調整(選考日程、労働条件など)
また、転職が成功したら、企業側から報酬をもらう仕組みになっているため、利用者は無料でサービスを受けることが可能です。
キャリアアドバイザーに相談に乗ってもらいながら、転職への準備を進めていきましょう。
わからないことは、キャリアアドバイザーに聞けば、友人や家族よりも、より冷静で具体的なアドバイスをもらえます。
不安を抱えたままにするのではなく、まずは転職エージェントに相談するところからはじめていきましょう。