緊張を和らげる方法を学んで面接に備えましょう。
就職活動を進めるうえで避けて通れないのが面接ですが、とかく面接には緊張がつきもの。緊張しすぎると自分の実力通りに話すことができなくなり、緊張が原因で面接に落ちてしまうこともありえます。今回は緊張して失敗することのないよう、緊張を和らげる方法を中心に紹介します。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
緊張の症状と原因
まずは緊張しているという状態について知りましょう
緊張の症状
「緊張しているな」とわかる見た目の変化の一つに、汗が出てくるというものがあります。緊張やストレスによって不安を感じると交感神経が優位になり、汗腺の働きを活発にして暑くもないのに顔や手のひら、脇の下に汗をかいてしまうのです。また、緊張による違う症状としては、瞬きが少なくなったり、表情が固まってひきつってしまったりすることがあります。緊張すると表情を作るための筋肉である表情筋も緊張し、いつの間にか表情が固くなってこわばります。表情が固いと「心に余裕がない」ように感じられ、面接官にマイナス印象を与えてしまうでしょう。
緊張すると、そのストレスに打ち勝とうと「アドレナリン」というホルモンの分泌が活発になります。アドレナリンは自律神経の交感神経を活性化し、それにより心臓の鼓動がバクバク、ドキドキと早くなってしまうこともあります。他にも、緊張すると声が震えたり、顔が赤くなったり、頭が真っ白になったりなど、面接が不利になりそうな様々な症状を引き起こすのです。人前に立って話をする時、これらの症状が出ているならばその人は緊張しているということになります。
緊張の原因
そもそも人はなぜ緊張してしまうのでしょうか。緊張する時、人はストレスを感じています。長期期間ストレッサーにさらされると交感神経ばかりが優位に働き、自律神経が乱れてアドレナリンが過剰に分泌されます。ホルモンのバランスが乱れることにより、たくさん汗をかいたり、表情に乏しくなったり、イライラしたりするようになるのです。また、必要以上に相手を意識してしまうというメンタル的な要因も緊張を引き起こす原因の1つ。相手のことを「敵」や「苦手」だと意識することにより、「失敗できない」と精神的に追い込まれていき、プレッシャーを感じたり、あがったりしてしまいます。逆に、好きな人や、尊敬する人物などと対面した時も、「嫌われたくない」「認めてもらいたい」という気持ちが強くなり、緊張感が生まれてしまうでしょう。必要以上に相手を意識すると、緊張感が高まり、冷静に考えることができなくなってしまうのです。
過去の失敗、苦い思い出などがあると、それが心のトラウマになることもあるでしょう。トラウマ体験を思い出すような状況に陥るとフラッシュバッグが起き、「同じ失敗をしたくない」と条件反射的に緊張してしまうこともあります。普段は忘れているにも関わらず、強く記憶に残るようなミス、対人関係のトラブル、悲しい出来事などある特定の状況になると、自分を守ろうと体が反射的に作用し、体や心に様々な症状が現れてしまうのです。緊張しないように対策をするならば、自分がどんな性格をし、「何」が自身をそこまで緊張させているのか、その原因をしっかり把握することが大切になります。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
時間があるときの緊張への対処法
緊張しやすい人が何も対策せずにぶっつけ本番で面接に挑んでも、ほとんどの場合緊張でガチガチになってしまうでしょう。実は、緊張を対処する方法というのがいくつあります。それらの方法を活用すれば、リラックスした状態で面接に挑むことができるようになるでしょう。不安な状態で面接を迎えることがないよう、次段落より時間があるときにすべき緊張への対処法を紹介します。
対処法1.寝る前に体を温める
面接の前の日は「翌日のことへの緊張や不安」により眠れないことが多く、寝不足では面接で高いパフォーマンスを発揮することができなくなってしまいます。翌日に緊張状態を持ち越すことがないよう、寝る前に体を温めるようにしましょう。体を温めることによって副交感神経が優位になり、脳や体を休息モードにし、眠気を感じるホルモンや、休息を示すホルモンが分泌されます。「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎをマッサージしたり、ぬるめの湯船につかって体を温めたりすると、深い眠りになり睡眠の質もアップするでしょう。
また、考えすぎて疲れた時や一日の緊張を取り除きたい時は、頭皮マッサージをするのが効果的です。頭のコリは自律神経が乱れているサイン。頭をマッサージすることで脳疲労を軽減し、自律神経を整えてリラックスできます。しっかりと頭のコリをほぐすことで頭の血の巡りがよくなり、思考力やひらめき力がアップして、万全の状態で面接に挑むことができるでしょう。
対処法2.脳波への影響がある音楽を聴く
音楽にはさまざまな効能があることが知られていますが、その一つにリラクゼーション効果があります。人間が安静にし、リラックスしている時に出る脳波にα波というものがあります。α波が発生しやすい音楽を聴くことにより、ストレスを沈めたり、体と脳を休め、リラックスをしたりすることができるようになるのです。リラックス効果を高めたいならば、「スローテンポの落ち着いた曲」「一定の心地良いリズム」「リラックスするために作られたヒーリングミュージック」などを意識して曲を選びましょう。
歌詞があると意識が歌詞に向いてしまう可能性があるため、 歌の入っていないインストゥルメンタルのBGMを聴くようにした方が良いです。ただし、音楽を聴く時に一番大事なのは、「自分がリラックスできる曲である」ということです。嫌いな音楽や、趣味に合わない音楽を延々と聴いていては、かえってストレスが溜まってしまいます。自分がリラックスできると感じるのであれば、ヘビーメタルやロック・パンクなどの激しめの曲でもα波を出すことができるのです。
対処法3.瞑想で自分と向き合う
瞑想とは、「心を静めて無心になり、自分自身と向き合って今の自身の心がどう感じているか知ること」です。多くの人の頭の中は、不安や恐怖、過去の失敗など、様々な雑念で溢れています。瞑想することによりこれらの雑念を客観的に見られるようになり、心が乱される要素を取り払うことでストレス解消、ポジティブ思考などに繋がります。瞑想の基本は雑念を排除することであり、雑念を感じとるだけでも効果はあるので、「難しそう」としり込みする必要はありません。
瞑想で最も大切なのは、呼吸です。まず、座って背筋を伸ばし、姿勢を整えます。続いては、呼吸を整えながら、深呼吸を1~2度行いましょう。そして、目をしっかり閉じ、鼻呼吸を始めます。3秒かけて鼻から息を吸い、そのまま3秒間息を止め、最後に6秒かけて息をゆっくりと吐いていきましょう。お腹がふくらんだり、へこんだりする動きを観察しながら、これを3分繰り返します。途中で雑念が湧いた時は、それをいったん受け止め、再び呼吸に意識を戻しましょう。最初は雑念ばかり浮かんできて集中できないかもしれませんが、定期的に続けるうちに瞑想が上手くなっていきます。
対処法4.ストレッチで筋肉を緩める
柔軟性を高めたり、脂肪燃焼を促進させたりするストレッチも、心身の緊張を緩めたりするために有効です。ストレスがかかると、心だけでなく体も緊張します。ゆっくりと筋肉の引き延ばして筋肉の緊張をほぐしてあげることで、副交感神経の活動が優位になり、疲労回復や精神的リラックス効果を得ることができます。
ストレッチは、体の中心部分から始め、腕や足、そして末端という順番で広げていくのが効果的です。一部分の筋肉を20~30秒程度かけ、同じ姿勢を保持しながら行うことにより筋肉を十分に伸ばすことができ、筋肉の緊張がほぐれて気持ちも落ち着きます。リラックス効果を高めるために、ストレッチを行う時は「大きく深く呼吸する」ということを心がけましょう。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
今すぐ緊張を和らげる方法
「これから面接が始まるのに緊張している」という場合、上で説明したやり方は時間がなくてなかなか実践できないでしょう。すぐ目の前に緊張感がある時は、即効性のあるリラックス方法を行う必要が出てきます。次段落からは、今すぐ緊張を和らげたい時に使える方法をいくつか紹介します。
方法1.緊張を和らげるツボを押す
ツボを押すとまずツボ近くにある神経が刺激されます。それが脳や自律神経をコントロールする視床下部に届き、疲労回復やリラックス効果を得られるという仕組みです。「万能のツボ」と呼ばれる、一番有名なツボに「合谷(ごうこく)」というのがあります。合谷は、親指と人差し指の分かれ目のくぼみにあるツボです。この部分を円を描くように回しながら指圧することにより、全身の痛みや、筋肉のコリを和らげて気持ちを落ち着かせることができます。
もう一つ、緊張を和らげるために押すと効果的なのが、「神門(しんもん)」です。神門は、手首の横ジワと、薬指の延長線上が交わるあたりにあるツボです。神門は「心」にかかわる問題に効果のあるツボで、ここをゆっくり指圧することで不安や緊張を和らげることができます。ツボ押しは時と場所を選ばないので、面接の控え室でも試すことができるでしょう。
方法2.呼吸法を工夫する
24時間、365日に絶え間なく続けている呼吸は、私たちの心身の状態と深い関りがあります。呼吸は自律神経に影響を及ぼすと言われているので、呼吸をコントロールすることにより、自律神経のバランスを整え、意識的にリラックス効果を得ることができます。緊張すると呼吸が浅くなるため、心を落ち着かせるためには息を「ゆっくり吐くこと」が大切です。
あらゆる不調を解消する魔法の呼吸法に、おへそから指3~4本分、約10センチの下腹部にある「丹田」を意識した「丹田呼吸法」というものがあります。まず下半身が安定するよう両足を肩幅と同じくらい開き、脱力して椅子に座ります。背筋はピンと伸ばし、両手を丹田に当てましょう。そして、丹田に意識を集中させ、体にある空気を全て外に吐き出します。吐き切った後は鼻から息を吸い、8~15秒ほどかけてゆっくり息を吐き切る、これを10回ほど繰り返して終了です。丹田を意識して深い呼吸をすることにより、気エネルギーが全身をスムーズに駆け巡りって体の調子が整います。
丹田呼吸法に似ているものに、「腹式呼吸法」というのがあります。最初に口を「ふ」の発音の形にすぼめながら、できるだけゆっくり息を吐き切り、そしてお腹をゆっくり膨らませるイメージで息を吸いましょう。「吐くときに腹をへこませ、吸うときに腹を膨らませる」という動作を10回ほど繰り返して終了となります。腹式呼吸法は決して難しいものではないので、一度やり方を覚えればどこでも行うことができます。
3.客観視して受け入れる
緊張のもとになるのは、考えすぎ、心配しすぎなど、メンタル的な部分が原因となっていることも多いです。このような場合は、意識の矢印や考え方のクセを変えることにより、緊張をうまくコントロールすることができるようになります。プレッシャーを克服するためには、自分自身を客観視することが重要です。緊張を感じたら、「ドキドキしているな」「汗が出てきた」など、自身の状態を客観的に言語化します。言語化し、自分のことをまるで他人を見ているかのように冷静に把握することで、焦りや緊張を解きほぐすことができるのです。
緊張してはいけない、焦ってはいけないという気持ちが強くなるほど、不安がさらに加速していきます。「緊張しても大丈夫」と抵抗せず、今の自分をありのままに受け入れることにより、冷静さを取り戻してプラス思考ができるようになっていきます。緊張するような場面で感情をコントロールするために、自分で自分の実況中継・ポジティブな言葉を思い浮かべるこということをためしてみましょう。
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緊張を和らげる飲み物・食べ物
緊張をほぐすために効果的とされる飲み物や食べ物の助けを借りるのもよい方法でしょう。
ハーブティー
ハーブとは健康や美容など、「暮らしに役立つ香りのする植物」のことです。ハーブの種類によって期待できる効能は様々で、天然のハーブの中には心と体のバランスを整えたり、イライラや興奮を抑えたりする効果があるものもあります。ハーブは、植物の芳香を用いた療法であるアロマテラピーの一種であり、心身のストレスを癒やすプロであるセラピストの間でも高く評価されています。リラックスや自律神経を整えるためにオススメなハーブティーは、ジャーマンカモミール、レモンバーム、ジャスミン、オレンジピール、セントジョーンズワートなどです。リラックス効果を高めたいならば、できるだけ自分の好きな香りや飲みやすい味のハーブティーをチョイスしてみましょう。
ホットミルク・ココア
ココアの原料は、チョコレートと同じである「カカオ豆」。このカカオに含まれている「テオブロミン」という物質は、脳内物質のセロトニンの生成を促進し、ストレス緩和やリラックス効果が期待できます。他にも、ホットミルクはリラックス効果や副交感神経を高めてくれる栄養素が含まれています。温かい飲み物を飲むと眠りやすい状態へと導いてくれるので、質の良い睡眠をとりたい時に飲むのも良いでしょう。ホットミルクにはちみつを入れることでマイルドな味わいになり、飲みやすくなります。はちみつとミルクの両方にリラックス作用があるので、合わせることにより疲労回復や安眠効果がさらに高まります。
セロトニン分泌を助ける食品
セロトニンは幸せホルモンと言われる脳内ホルモンで、精神を安定させたり、ストレスを軽減させたりする働きがあります。セロトニンは心の働きにとって大切な三大神経伝達物質の一つであり、精神面だけでなく、睡眠の質や消化や排便、体温調節など、体の様々な働きに関わっています。セロトニンを増やすことでネガティブな気分が解消され、ストレスやイライラも軽減されるでしょう。
セロトニンの材料となる栄養素が「トリプトファン」で、トリプトファンからセロトニンを合成する時に必要になるのが「ビタミンB6」です。トリプトファンは体内で生成できないので、食べ物から摂取することが大切です。この2つの栄養素を摂取したいならば、「肉、魚、大豆・納豆・味噌などの豆製品、ナッツ類、乳製品、バナナ」などを食べるようにしましょう。これらの食材を積極的に摂ることで食生活の見直しになり、当日の面接に万全な状態で臨むことにも繋がります。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
緊張するのは自然なこと!焦らず緊張に向き合おう
どんな人間だって緊張は必ずするものであり、大事な場面で不安を感じるのは自然な人間の現象です。面接では他の就活生や面接官も緊張します。あがってしまっても自分を責めるのではなく、「緊張するのはそれだけ目の前のことに真剣に取り組んでいるからだ」と、自己を受容する姿勢を持つと良いでしょう。また、客観的に観察し、落ち着いて緊張と向き合ってみると、問題の解決につながる糸口も見つけやすくなります。
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