「デザインに関わる仕事に就きたい」と思っていませんか?この記事では、デザインをおこなう仕事を紹介すると共に、必要なスキルや資格、そして特におすすめの仕事についてもお伝えします。この記事をもとに、憧れのデザイン関連の仕事に1歩近づきましょう。
デザインをする仕事とは
「デザインをする仕事」とは、簡単にいうと、モノの形、そして機能を考える仕事のことです。たとえば、コンビニで売られているお菓子のパッケージ開発、日常生活に欠かせない歯ブラシやシャンプーなど、身近なモノや製品のデザインを担うこともあります。
また、携帯ゲームのストーリーを考える、人が来たくなるホームページをつくる、といった仕事もデザインの仕事の一種です。このように、「デザイン」は生活のさまざまな場面で見ることができ、身近だからこそ「自分もやってみたい」と憧れる人は少なくないでしょう。特に、絵を描くことが好き、何かを発信してきたいと思っている、といった人にとっては、デザインを仕事にする人、つまりデザイナーが「天職」に映ることがあるかもしれません。
ただし注意したいのが、デザイナーとアーティストを混同してしまわないことです。アーティストは、ミュージシャンや画家など、自分がもつ感覚や美的センスを外に発信する人のことです。いわゆる「センス」が問われる仕事です。
一方でデザイナーは、センス以上に、相手から求められるものを形にすることが必要となります。多くの場合、デザイナーは「20代の女性に刺さるデザインにしてほしい」「男性が喜ぶ機能を一緒に考えてほしい」など、明確な目的(目標)がクライアントから渡されます。
そして、その目的を忠実に果たすことが求められるのです。つまり、自分ありきの仕事ではなく、相手の要望を形にするからこそ価値が生まれる仕事といえるのです。もちろん、要望を形にするためのデザインスキル、美的感覚などはデザイナーとしては必須の力です。
しかしそれに加えて、相手の意図をくみ取ること、そして「どんな機能があれば人は喜ぶだろう」と誰かの気持ちを常に考えられることも、デザイナーには欠かせない力なのです。
デザインをする仕事の種類と内容
ここからは、デザインをおこなう仕事について具体例を挙げつつ見ていきます。
特に代表的な仕事が、以下の3つです。
- グラフィックデザイナー
- WEBデザイナー
- ファッションデザイナー
では、それぞれの仕事について紹介します。
グラフィックデザイナー
グラフィックデザイナーは、印刷物のデザインを主に行う仕事です。具体的には、雑誌やパンフレット、ポスターなどのデザインをおこないます。たとえば女性誌であれば、モデルの写真の切り取り、見出しを可愛らしい文字フォントに調整するなど、さまざまな点に気を配りつつ紙面をつくっていきます。
グラフィックデザイナーの多くは、デザイン事務所や編集プロダクションに所属し、外部の仕事を請け負うことがほとんどです。そのため、紙面の企画や要望などをクライアントから聞き、その意向に沿ったデザインを形にすることが特に求められます。
また、印刷物には締切がつきものです。そのため、スケジュール管理もグラフィックデザイナーの大切な仕事のひとつです。仕事が重なると忙しくなりやすい、といった一面もありますが、自分が手がけた雑誌やポスターが多くの人の目に触れるのは、大きなやりがいにつながります。
デザイン以外の力も求められる仕事であると理解しつつ、それでも「身近なデザインを手掛けたい」といった思いを持つ人は、グラフィックデザイナーに挑戦してみましょう。
WEBデザイナー
WEBデザイナーは、主にWebサイトのデザインをおこなう仕事です。会社の製品ページからECサイトの構築、なかには個人ブログの立ち上げまで、まさにWEBサイトのスペシャリストともいえる仕事です。
デザイン能力だけでなく、ユーザーがストレスなく情報を探しやすいかどうか、いわゆる「UI(ユーザーインターフェイス)」への知見も近年は特に求められています。もちろん、イメージ通りにデザインをおこなうスキルも必要で、専用ソフトの操作やプログラミングなど、求められるスキルはさまざまです。
WEBデザイナーになり立ての頃は覚えることがあまりにも多く、挫折してしまう人が後を絶ちませんが、逆にいうと多くのスキルが一度に手に入る仕事でもあります。
そして、個人でも仕事を手に入れやすいという一面もあります。そのため、スキルを武器にフリーランスとして活躍していきたいなど、独立志向が強い人はWEBデザイナーに向いているといえるでしょう。
ファッションデザイナー
ファッションデザイナーは、洋服や靴、バッグといったアイテムをデザインする仕事です。ここまで紹介してきた「IT系のデザイナー」とは少し異なり、多くの人がイメージするデザイナーに近い仕事といえるかもしれません。
仕事は多岐にわたり、まずはそのアイテムを使うターゲットの人物像、使用場面、用途といった「コンセプト」を設計します。そして何十案もデザインを描き、素材の選定などもこなします。さらに、多くのスタッフとの連携も必要なため、腰を据えておこなえる仕事とはいえません。
ただし、手がけるのがファッションアイテムである以上、デザイナーのなかでも美的感覚が特に求められる仕事です。流行をつくり出すほどのダイナミックな仕事でもあるので、美的センスに自信がある人、多くの人に影響を与える仕事をしたい人にはぴったりの仕事といえるでしょう。
デザインの仕事で必要な資格とスキル
ここからは、デザインの仕事に就くために必要とされる資格、またスキルについて紹介していきます。
まずは、資格から見ていきましょう。
デザインの仕事で必要とされる資格
デザインの仕事で必要とされる資格は、主に以下のふたつです。
- ウェブデザイン技能検定
- HTML5プロフェッショナル認定試験
これらの資格があると、転職などで有利に働く可能性があります。
ただし、デザインの仕事には資格がなくても就くことはでき、むしろ知識よりも経験が重視される傾向もあります。そのため、まずは実務で経験を積みつつ、あくまで知識の整理、そして不足している技術を補う、といった位置づけで資格取得を目指すと良いでしょう。
ウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定は、WEBデザインの知識やスキルを問う試験です。WEB業界のなかで唯一の国家試験で、信頼の置ける資格として人気を集めています。検定は難しい順に1級から3級まであり、1級は合格率10~20%と難関です。
一方で3級は合格率60~70%と、WEBデザイン初心者であっても手が届きやすく、問われる知識もWEBデザイナーとして知っておきたいことばかりなのでおすすめです。WEBデザイナーの全体像を知るうえで最適な資格のため、特にWEBデザインを仕事にしてきたいと考えている人は挑戦してみましょう。
HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5プロフェッショナル認定試験は、「HTML」を中心としたプログラミング言語の技能をはかる試験です。具体的には、HTML5、CSS3、JavaScriptなどの「マークアップ(WEBサイト内の文章を構造化する作業)」に関する知識や技術が問われます。
現在、IT化が進むなかで、コーディングの知識をもつデザイナーの需要は年々高まっています。ちなみにHTML5プロフェッショナル認定試験は、一度取得した資格に「5年間」の有効期限があります。
5年後に資格が取り消しになることはありませんが、WEBの世界は移り変わりが激しく、5年前の知識が古いものとなることも珍しくありません。そのため、可能な限り5年に一度は受験し直し、新しい知識のキャッチアップに努めることも求められるでしょう。
デザインの仕事で必要とされるスキル
次に、デザインの仕事で必要とされるスキルについてお伝えします。
仕事によってさまざまですが、特に以下の3つのスキルは持っておいて損はありません。
- Photoshop
- コーディング
- WEBマーケティング
では、それぞれについて紹介します。
Photoshop
Photoshop(フォトショップ)は、グラフィックデザインやWEBデザインを作成する機能がそろったソフトです。ほとんどのWEB制作会社で使われていて、Photoshopを使えることを採用の条件とする会社も少なくありません。
ちなみに、似たようなソフトに「Illustrator(イラストレーター)」がありますが、これは、主にロゴやデザインといった「イラストパーツ」を作成するソフトのことです。仕事の場で、PhotoshopとIllustratorが一緒に使われることも珍しくありません。
これらのソフトを操れることは、デザイナーとしての価値を決める大きな意味をもちます。今は無料で学べるサイトも多くあるので、まだ触ったことがない人は今からでも勉強しておきましょう。
コーディング
コーディングも、デザイナーとして持っておきたいスキルのひとつです。そもそもコーディングとは、プログラミング言語を使ってITサービスなどを設計する作業のことです。
特にWEBデザイナーとして働いていく場合は、コーディングは必須のスキルです。具体的には、HTMLやCSS、JavaScriptやjQueryを学んでおくと良いでしょう。
さらに、ActionScriptによるプログラミングができれば仕事の幅が広がり、PHPを身につけておくと、システム開発など、大きなプロジェクトにも声がかかるようになります。
WEBマーケティング
デザイナーとして成長していきたい場合は、WEBマーケティングについても押さえておきましょう。WEBマーケティングとは、WEBサービスの収益を最大化させる施策のことです。
たとえば、WEBサイトのアクセス解析やWEB広告の運用、またブランディング施策の立案なども含まれます。デザイナーも仕事である以上、「利益を生み出すこと」が最終目標であることはほかの仕事と変わりません。
つまりどんなにセンスが良くても、そのデザインでお客様がお金を落としてくれなければ、デザイナーとしては半人前なのです。
そこで大切になるのが、WEBマーケティングです。WEBマーケティングを学び、収益を生み出すことにも長けたデザイナーになれれば、多くの会社から引っ張りだこの存在となることでしょう。
デザインの仕事でおすすめの仕事
ここからは、数あるデザインの仕事のなかでも特におすすめの仕事について紹介します。
具体的には、下記の3つです。
- CGデザイナー
- ゲームデザイナー
- 空間デザイナー
では、それぞれの仕事の特徴を見ていきましょう。
おすすめする理由も合わせてお伝えしますので、参考にしてみてください。
CGデザイナー
まずおすすめしたい仕事が、CGデザイナーです。なぜなら、今後ますます需要が伸びる仕事といわれるからです。
CGと聞くと、映画やプロジェクションマッピングなどを思い浮かべるかもしれません。
しかし、これらはCGデザイナーの仕事のほんの一部です。たとえば建築物の設計、車の部品や車体のデザインといったところまで、CGデザイナーの活躍の場が広がっているのです。
さらに、海外ではCGデザイナーの地位が高く、高いスキルがあればかなりの高年収で採用されることもあります。このように、働ける場所が増えていること、そして高い年収も期待できることから、デザイナーとして安定して働きたい人には特におすすめできる仕事といえるでしょう。
ゲームデザイナー
ゲームデザイナーも、おすすめの仕事のひとつです。その理由は、ゲーム市場がますます伸びていくからです。
今は、子ども以上におとなもゲームに夢中です。電車のなかで、スマホゲームを楽しむ人の姿もよく見かけます。
また、頭の体操やフィットネスゲームなど、ゲームがカバーする領域もますます広がってきています。そのため、これらのゲームをつくり出すゲームデザイナーが活躍できるフィールドも広く、仕事に困ることはまずありません。
成長している領域で仕事がしたい、人を楽しませるような仕事がしたい、と思っている場合は、ゲームデザイナーはひとつの選択肢に入ってくるでしょう。
空間デザイナー
空間デザイナーもおすすめです。なぜなら、指名で仕事が入ると年収1000万円を軽く超えるなど、デザイナーのなかでも特に給料の良い仕事といわれているからです。
そもそも空間デザイナーとは、お店やホテル、旅館などの内装や装飾を考える仕事のことです。「居心地のよい空間」はどの時代であっても求められ、この先も需要が減ることはありません。
また、外国人旅行客を取り込むことが国を挙げての大きな施策となっているため、より快適な空間を目指してリニューアルを図るホテルや旅館も増えています。
そして、そうしたプロジェクトの中心人物として働くのが空間デザイナーです。責任ある立場として多くの仕事を抱え、プレッシャーもかかりますが、完成した空間に多くの人が訪れる姿を見ると疲れは吹き飛ぶものです。
さらに、経験を積めば高年収も期待できるため、WEBデザインには興味を持てない、でもデザインに関わる仕事をしたい、と考える人はぜひ検討してみましょう。