「最終学歴」とは何か知っていますか。以外にも最終学歴について誤解している人が少なくないため、さまざまなパターンごとに正しい学歴の記入方法を紹介します。高卒、専門卒、短大卒、大卒、卒業見込み、大学中退、大学院修了・・・。自分に当てはまるケースを参考にしてみてください。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
この記事の目次
最終学歴とは?
最終学歴と聞くと、最後に卒業した学校と思い込んでいる人も少なくありません。しかしそれは大きな勘違いで、最終学歴とは自身が卒業した中で最も程度の高い教育機関を指します。程度の低い順から並べてみると小学校・中学校・高校・専門学校・短大・大学・大学院という並びになり、例えば大学を卒業した後に専門学校へ入学したケースでの最終学歴は、専門学校卒ではなく大学卒という事になります。つまり履歴書やエントリーシートの学歴欄において、一番最後に書く学校が最終学歴とは限らないのです。ただし途中で中退してしまった学校に関しては、最終学歴と認められません。高校卒業後に大学に入学しても、中退して大学を卒業していなければ、最終学歴は高卒となります。
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履歴書を書く時の注意点
履歴書に学歴を書きこむ時は、どんな点に注意すれば良いのでしょうか。
注意点1. 学歴は高校卒業から記入する
一般的に履歴書の学歴欄は高校卒業から記入します。義務教育期間中に留年するような事は、よほどの事情が無い限りあるものではなく、小学校と中学校は順当に卒業していくのが当然と認識されているのです。ただし高校卒業から記入という絶対的な決まりはなく、状況に応じて書く項目を調整しても問題ありません。高校卒業後に働く人などは学歴欄も空白が多くなるため、もし空白が気になるようであれば、小学校なり中学校卒業から記入しても良しとされています。また高校卒業の記入に関しては、〇〇高校と略さず、〇〇高等学校というように正式名称で書いておくようにします。
注意点2. 中退した場合は学歴に含まれない
大学を中退した場合は、学歴は大学卒業とはなりません。そして最終学歴は高校卒業となります。そもそも最終学歴は「最も高い水準の教育機関を卒業した経歴」となっており、入学しても卒業していなければ学歴として見なされないのです。履歴書には最も高い水準の教育機関を記載するため、大学を中退した場合は高校卒業、高校を中退した場合は中学校卒業と記入します。中退した事実を知られたくない、公にしたくないと考える人もいますが、事実を隠そうとすると大学入学から中退までの期間は空白となり、採用担当者からは「その期間は何をしていたのか」と疑問を持たれます。空白期間に関しては企業も敏感に反応し、書類選考の際に不利に働く可能性が高いため、学歴欄には中退の事実もしっかり記載しておかなければいけません。
注意点3.在学中の場合は卒業見込みと記入する
大学在学中に就活する場合は、まだ卒業出来ていない段階なので「〇〇大学卒業」とは記入出来ません。しかし在学中と記すと、いつ大学を卒業するのかが不明です。大学1年生が一時的にアルバイトをするために提出する履歴書なら「在学中」と記入しても問題ありませんが、就活生が応募資格「大卒以上」の求人に履歴書を提出する場合は、卒業出来る事も明確に表示しておかなければいけません。そのため、在学中の学歴欄の書き方は「卒業見込み」と記しておき、単位を取得し問題がなければ卒業予定という意味をアピールしておきます。ちなみによく似た言葉として「卒業予定」という言葉もありますが、「卒業見込み」の方が説得力があり適切とされています。
注意点として「卒業見込み」と書き込めるのは、既に卒業に必要な単位を全て取得している、または在学中に残りの単位が取得出来る見込みがある場合に限りにます。実際のところ、就活のエントリーは大学3年生の3月ぐらいから始まるため、この時点で単位を全て取得出来ているのはごく少数です。多くの人がまだ取得が必要な単位が残っている状況ですが、卒業する頃には全ての単位が取れている予定であれば過度に心配する必要はありません。逆に必修単位が多く残っており、卒業出来る見込みが無いにも関わらず「卒業見込み」とすると、せっかく内定を貰っても取り消される可能性があります。もし就活中に卒業が遅れる、留年する事が決定した場合は、速やかに応募した企業の採用担当者に連絡を入れなければいけません。
注意点4.学部・学科・専攻も記入する
大学と大学院は学部や学科、専攻まで記入する必要があります。極端に言えば、同じ大学に通っていても文学部卒業見込みの就活生と、工学部卒業見込みの就活生では、在学中に培ってきたスキルや知識は全く違います。また学部の中も様々な学科に分かれています。例えば工学部なら「機械」や「電気電子」、「土木建築」、「情報」、「化学」などあり、各学科で学ぶ内容も異なります。新卒採用の場合は中途採用ほど高いスキルは求めていませんが、将来的には力を存分に発揮してくれる人材を発掘したいところです。学部や学科、専攻まで記してあると、学生時代に学んできた事や習得したスキルもイメージしやすくなり、面接でも具体的な質問が可能になります。自分の事をよく知ってもらうためにも出来る限り詳細な情報を発信する事は大切で、それが自分のアピールポイントにも成り得るのです。
注意点5.大学院は「卒業」ではなく「修了」と記入すること
日常的な会話の中では、大学院を出た人は「大学院卒業」や「院卒」と言われます。ただ履歴書に大学院について書く際は卒業とは書かず、修了と記入します。そもそも大学院には博士課程前期(修士課程)と博士課程後期(博士課程)があり、修士課程で修了する人もいれば、博士課程まで進む人もいます。大学院卒業と記してしまうと、前期のみの修了で修士を取得したのか、または前期と後期の両方を修了して博士号を取得したのかがわかりません。
学校教育法においても大学は卒業、大学院は課程を修了と定められているため、履歴書でも大学院卒業については修了と書くのが正しい書き方です。そして修了課程によって「修士課程修了」か「博士課程修了」なのかも明確に記しておく必要があります。また大学院は専攻名まで入れると非常に長くなる可能性がありますが、省略せず正式名称で記入する事が大切です。
注意点6.語学学校・職業訓練校などは学歴に含まれない
語学や資格取得のためのスクール、予備校通っていた人もいるかもしれませんが、これらは学歴に含まれません。海外の大学に併設されている語学学校もスクール扱いとなり、学歴からは除外となります。そもそも学歴として認められるのは、国公立の学校、若しくは学校法人として認定された私立学校のみとなっており、予備校や語学スクールは学歴欄に記載できる教育機関ではないのです。同様に職業訓練校も学校教育法で定められた教育機関ではなく、最終学歴には該当しません。職業訓練校を記載する場合は、学歴ではなく職歴に書き込むようにします。正式名称と学科やコース、学んだスキルや技術も記入すれば、それが自分のアピールポイントになるかもしれません。また職業訓練校は入学・卒業ではなく、入校・修了とするのが正しい書き方です。
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最終学歴を詐称するとどうなる?
最終学歴の内容を偽ると、「学歴詐称」に該当して最悪犯罪として扱われることもあります。そこで、学歴詐称の主な種類や罰則について詳しく解説します。
学歴詐称の主な種類
・大学の卒業詐称
大企業などでは大卒を応募要件として定めているケースが多いことから、高卒にもかかわらず大学を卒業したという詐称事例が最も多いです。しかし、入社時の身元確認で発覚する場合が多いため、合格したとしても内定取り消しになってしまうだけでなく、軽犯罪法に該当する犯罪として訴えられてしまう可能性もあります。
・逆に最終学歴を低く申告する学歴詐称
企業や公務員などでは、高卒などを対象にした別の就職枠を設けられているところもあります。このような枠を狙って、大卒などの応募者が逆に最終学歴を低く詐称するケースも存在します。
しかし、この場合でも高卒の応募者に対する利益を侵害しているため、学歴詐称に当たります。同様のペナルティを課される可能性がありますので、避けましょう。
・学部や学科の学歴詐称
希望先企業の求める人材が所属していた学部や学科と多少異なる理由などから、同じ大学の別学部などに変えて履歴書を提出するケースも見られます。例えば、工学部所属だったのに、希望先企業がプログラミングを得意とする同じ大学の理学部の学生を求めているので詐称した場合などが考えられます。
しかし、このような場合でも企業の求める応募要件をごまかしていることになりますので、学歴詐称に該当します。
学歴詐称に対する罰則
・内定取り消しや解雇
学歴詐称が発覚した場合には、内定が出ていても取り消されます。また就業した後でも解雇などの重大なペナルティが下されます。さらに学歴詐称によって不当に報酬を得ていた場合には、詐欺罪に問われてしまうケースも考えられます。
・損害賠償請求
場合によっては、損害賠償請求されるケースも考えられます。例えば有名大学を卒業してさまざま経験を積んでいる優秀な人材であり、スキルを期待してさまざまな設備を準備したのに、その経歴が虚偽でありコストが無駄になってしまった場合には、損害賠償請求される可能性が考えられます。
学歴詐称はどうやってバレる?
学歴詐称は入社時の身元確認でバレるケースがほとんどですが、入社後に雇用保険や年末調整で発覚するケースも見られます。これらの制度は公的なものですので、改ざんやごまかしはほぼ不可能でしょう。
またバレた場合には、近隣の職場で噂が広がる可能性もありますので再就職が困難になるリスクも考えられます。そのため、学歴詐称によるトラブルや損害賠償などを避けるために正確な書き方を心がけることをおすすめします。
最終学歴までの実際の書き方
高校卒業の人もいれば、大学や大学院卒業の人もいます。実際に履歴書に学歴を書くとなった時はどのように記入していけば良いのでしょうか。
高卒の場合の書き方
高卒の場合は下記のように記載します。
- 〇〇年 〇月 〇〇高等学校〇〇科 入学
- 〇〇年 〇月 〇〇高等学校〇〇科 卒業
学校の名前は正式名称で書く事がポイントで、高校ではなく高等学校、頭の部分に国立や県立、市立、学校法人も略さず付け加えます。また高校によって学科が分かれている所もありますが、普通科以外の実業系の学科を出ている場合は商業科や工業科、情報科といったように学科名も記載するようにします。
高卒の場合は、どうしても学歴欄に書く項目が少なくなります。空白が気になるようであれば、中学校卒業から記載しても問題ありません。単に空欄を埋めるだけではなく、人によっては思わぬアピールポイントになる可能性もあります。例えば中学校は義務教育なので卒業して当然という風潮がありますが、中学受験をして有名な学校へ通っていた場合は印象も変わります。夢を実現するために努力出来る人として評価に繋がるかもしれません。
大卒の場合の書き方
大卒の場合は下記のように記載します。
- 〇〇年 〇月 〇〇高等学校〇〇科 入学
- 〇〇年 〇月 〇〇高等学校〇〇科 卒業
- 〇〇年 〇月 〇〇大学〇〇学部〇〇学科〇〇専攻 入学
- 〇〇年 〇月 〇〇大学〇〇学部〇〇学科〇〇専攻 卒業
大学は学部、学科、専攻名まで書いておくのがポイントです。実際のところ、学科や専攻の正式名称をきちんと覚えていない就活生も少なくありません。同じような学部であっても、それぞれの大学によって学科名や専攻名も微妙に違う可能性もあるため、100%正しく書くためにも学生証や証明書などで確認しておいた方が賢明です。
学部や学科、専攻名まで必要なのは、大学で何を学んできたかが採用担当者にもわかりやすくなるからです。企業によっては、大学名だけではなく、特定の学部や学科をターゲットにしている事もあり、書類選考がしやすくなります。履歴書を元に面接する際も、具体的な質問が出来るようになり、就活生にとってもアピール出来るチャンスが増えます。面接は時間も限られており、いかに自分を上手に売り込めるかにかかっているため、履歴書で伝えられる情報は漏れなく記載しておく事が大切です。
専門卒・短大卒の場合の書き方
専門卒・短大卒の場合は下記のように記載します。
- 〇〇年 〇月 〇〇高等学校〇〇科 卒業
- 〇〇年 〇月 〇〇専門学校 入学、〇〇短期大学 入学
- 〇〇年 〇月 〇〇専門学校 卒業、〇〇短期大学 卒業
専門学校に関しては認可校と無認可校があり、認可校は公的機関から設置認可を受けているので、履歴書にも専門学校卒業と記載出来ます。一方の無認可校は公的な学歴として認められていないため、学歴欄からは省かれます。
複数の専門学校を卒業している、または専門学校と短期大学の双方を卒業しているケースでは、直近に卒業した教育機関を最終学歴とします。ちなみに教育水準の順序は専門学校と短大は同等となっています。ただし大学卒業後に専門学校にて専門分野を学んだというケースでは、教育水準が専門学校より大学の方が高くなるため、最終学歴は大学卒業となります。
院卒の場合の書き方
院卒の場合は下記のように記載します。
- 〇〇年 〇月 〇〇高等学校○○科 卒業
- 〇〇年 〇月 〇〇大学〇〇学部○○学科 入学
- 〇〇年 〇月 〇〇大学〇〇学部○○学科 卒業
- 〇〇年 〇月 〇〇大学大学院〇〇学研究科〇〇学専攻 修士課程入学
- 〇〇年 〇月 〇〇大学大学院〇〇学研究科〇〇学専攻 修士課程修了
高卒や大卒と違うのは、卒業ではなく修了を用いる点です。修士課程修了、博士課程修了まで記入する事で明確な修了課程がわかります。大学院の正式名称は専攻名まで書くと長くなりますが、一行に書き切れない時は二行に改行しても問題ありません。また大学院の博士課程に進んだものの、修業年限内に博士号を取得できないケースもあります。必要な単位を全て取得しているのであれば、「単位取得後退学」と記載するのが一般的です。必要な単位を取得せず中退したケースと区別するためですが、最終学歴は大学院の修士課程修了となります。
中退の場合の書き方
大学を中退した場合は下記のように記載します。
- 〇〇年 〇月 〇〇高等学校○○科 卒業
- 〇〇年 〇月 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 入学
- 〇〇年 〇月 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 中途退学
大学を卒業せず、途中で退学した事になるため最終学歴は高卒となります。中退という言葉を履歴書に記載すると不利になるイメージがありますが、事実を隠す行為は学歴詐称となり、解雇や懲戒処分の可能性も出てきます。
また大学中退を隠そうとすると、経歴の中に空白欄が出来てしまいます。当然ながら採用担当者がこの期間について見過ごす事はありません。信用出来ない人材として書類選考で落とすか、面接まで進んだとしても確実に面接で質問されます。結果的に隠そうとしても隠しきれるものではないため、最初から正直に記載しておく事が賢明です。また一般的に中退という言葉が広く浸透していますが、本来は「中途退学」と記すのが正しい書き方になります。
最終学歴の書き方に関するよくある質問
中退の経歴がある場合は、中退の旨を記入します。中退は学歴としては見なされないという点には注意しましょう。大学中退の場合、最終学歴は高卒ということになります。
最終学歴の書き方として、いま大学などに在学中の場合は卒業見込みと記入します。新卒採用で就職活動をする場合には、基本的に卒業見込みと各ことになるでしょう。
ジェイックでは、一人ひとりに合わせた履歴書の書き方をアドバイスしています。「就職相談」にお申込みいただき、事前にお伝えいただければ、最終学歴などを含む履歴書の書き方のアドバイスも可能です。就職活動を有利に進めるポイントもお伝えしますので、お気軽にご相談ください。
最終学歴の書き方は「正確に」が一番大事!
最終学歴とは就職活用や資格取得試験において、応募資格に関わる重要な項目です。人によっては学歴欄の最後に記す学校が最終学歴とは限らないため、まずは自分の最終学歴について正確に把握しておかなければいけません。また履歴書において大学や大学院は学科や専攻まで記載する必要があるため、正式名称をきちんと確認しておく事も大切です。
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