「音楽の仕事がしたいけど、どんな種類があるんだろう?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
音楽関係の仕事には、実はいろいろな職種があります。
こちらの記事では、音楽関係の職種・仕事内容・想定年収などについて紹介しています。さらに音楽関係の仕事に就く方法も解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、今後の活動に活かしてみてください。
- この記事では、楽曲の演奏・企画・制作・サポートなどの職種について紹介
- 「音楽関係の仕事9選」では、具体的な仕事内容も解説しています
- 「音楽関係の仕事に就く方法3選」を参考にしてみよう
音楽関係の仕事とは
音楽に関する仕事には、幅広く多種多様な仕事があります。
実際に楽曲を制作する仕事、楽曲を演奏する仕事、楽曲の企画・制作や販売に関する仕事、音楽雑誌の出版など、さまざまな形で音楽関連の事業を展開しているのが「音楽に関わる仕事」です。
この記事では、主に楽曲の演奏・企画・制作・制作に関するサポート(楽器リペアなど)などの職種について、具体的な仕事の内容を紹介していきます。あなたの興味・関心にあてはまる職種を探してみましょう。
音楽関係の仕事9選
さて、ここからはいくつかの職種について具体的な仕事内容をご紹介していきます。
今回は、こちらの9つの職種について解説します。
- 仕事1:歌手/ボーカリスト
- 仕事2:シンガーソングライター
- 仕事3:楽器演奏者
- 仕事4:ピアニスト
- 仕事5:ピアノ調律師
- 仕事6:楽器クラフトマン/楽器リペアマン
- 仕事7:音楽プロデューサー
- 仕事8:作曲家
- 仕事9:作詞家
それでは、順番に見ていきましょう。
仕事1:歌手/ボーカリスト
歌手やボーカリストは、楽曲を歌唱する仕事です。芸能プロダクションやレコード会社・音楽レーベルに「就職」するのではなく、マネジメント契約を結んで「所属」し活動します。
なかには、芸能プロダクションやレコード会社などに所属せず、自身でレーベルや事務所を立ち上げ、活動している人もいます。
主な仕事場は、コンサート会場やイベント会場、レコーディングスタジオなどです。個人やバンド・グループを組んで活動しているケースや、CMソングやバックコーラスなどを中心に活動している人もいます。
歌手の収入について、国や省庁による公式なデータはありません。また個々に大きく金額が変わる職種であるため、平均年収の算出も困難です。ヒット曲を連発するような有名歌手の場合には、数百万や数千万円の給料を得ているケースもありますが、売れない無名歌手の場合には、他にアルバイトをしなければ生活できないほど僅かなこともあります。また、有名歌手であっても、ある年の収入は1億円、次の年には1,000万円前後と大きく変動することもあります。ヒットが続かないと高い収入の維持は難しくなります。
給与制の場合には、一般企業と同じように月給が決まっています。歩合制の場合には、歌手の売り上げによって給料が変わります。CDを発売している場合は、売り上げに応じて歌唱印税などが入ります。
歌手やボーカリストに適性のある人には、もちろん高い歌唱力が求められます。そして、プロフェッショナルとしての自己管理能力、競争が激しく人目に晒される仕事なのでメンタル面での強さも必要となります。
仕事上の注意点は、心身の健康維持に人一倍気を付け、メンテナンスを欠かさないことが第一になります。
仕事2:シンガーソングライター
シンガーソングライターは、楽曲を制作し、みずから歌唱・演奏する仕事です。バンドを組んで活動する場合や、ギターやピアノなどの楽器を演奏しながら弾語りをするスタイルの人もいます。主な仕事の内容は下記の通りです。
- 楽曲の制作
- レコーディング
- ライブ・コンサート活動
- メディア出演
上記のような活動を、周囲のスタッフと協力しながら取り組みます。
前出の歌手/ボーカリストと同様に、芸能プロダクションやレコード会社・音楽レーベルとマネジメント契約を結び所属するか、自分でレーベルや事務所を立ち上げ、活動します。
シンガーソングライターの年収を示す統計はありませんが、数百万円から数億円までかなりの幅があるようです。生計を立てられないくらい低い年収の人も多くいます。
作詞、作曲や歌唱、メディア出演など色々な活動をするので、収入も活動状況に応じて変わります。作詞、作曲や歌唱については、印税が収入源となります。一般的に、歌唱印税はCDや配信等の売り上げのうち1%程度と言われています。また、作詞や作曲の印税は売り上げの数%程度です。この割合も一律ではなく、売れっ子であれば個別の契約により取り分が上昇します。コンサートやメディアへの出演料やグッズ販売などについては、2~5割程度をプロダクションが、残りをシンガーソングライターが得ることが多いようです。その他、カラオケで曲が歌われた時にも1回につき数円の印税が入ってきます。
適性がある人のは、作詞・作曲における卓越した才能、歌唱や演奏の能力を持ち合わせた人物です。前出の歌手と同じく、自己管理能力とメンタル面での強さも必要となります。さらには、人々の心を捉える楽曲を継続して制作していくという、最も難しく、だからこそ実現できた場合の報酬も大きい能力が求められます。仕事上の注意点としては、こうした期待に応えることへのプレッシャーと、どううまく向き合っていくか、ということが挙げられます。
仕事3:楽器演奏者
ひとくちに楽器演奏者といっても、さまざまな種類があります。ポップス、ロック、クラシックなど、音楽のジャンルによっても使われる楽器が違うからです。
楽器演奏者の職種としては、以下のようなものがあります。
- ギタリスト
- ベーシスト
- ドラマー
- トランぺッター
- サックスプレーヤー
- キーボード奏者
- バイオリンやチェロなどの弦楽器奏者
バンドやソロとして活躍する人もいますが、なかにはスタジオ専属のミュージシャンとして活動する人もいます。クラシックを専門とする場合、ソリストや楽団員として活動している人が多いようです。音楽学校の講師やインストラクターと、兼業している楽器演奏者もいます。
収入面について、厚生労働省の令和3年度賃金構造基本統計調査によると、音楽家の平均年収は、38歳で647万円ほどとなっています。
手取り月収は人によって大きく差があり、数百万円になる人がいれば、10万円程度という人もいます。オーケストラの正規楽員であれば給料は月給などの固定給である場合が多く、一般的には月収40万円程度、実際の手取りは32~33万円程度といわれています。ただし所属するオーケストラの規模や支援団体によって幅があり、給料だけでは生活できず、個人レッスンやホテルの演奏アルバイトなどの副業をする人も少なくありません。
楽器演奏の卓越した才能と能力があり、自分の技能を磨き続けられる人に適性があります。自己管理だけでなく楽器のメンテナンスも欠かさず、またバンドやオーケストラなど複数人が関わる形態で仕事をする場合はコミュニケーション力も求められる点を、心に留めておきましょう。
仕事4:ピアニスト
ピアニストは、楽器演奏者の中でも特殊な職業です。ピアノは汎用性が高く、活動の場所も幅広いからです。ピアニストの活動内容としては、主に以下の項目が考えられます。
- リサイタルを開催するなど、ソリストとして活動する
- 楽器のソリストから依頼を受けて伴奏する
- オペラやミュージカル、バレエなどの舞台舞踊にピアノ伴奏する
- アーティストなどの依頼を受けて演奏するセッションミュージシャンとして活動する
- イベントや結婚式披露宴の会場、ホテル、高級レストランやバーで演奏する
- ピアノスクールの講師として働く
- ピアノ教室を開く
このように、他の楽器の奏者に比べ、ピアニストが活躍できる場面は多いのです。優れた技術や表現力があれば、さまざまな場所での活動が期待できます。
収入面については、単独で演奏会を行ったり協奏曲のソリストができるピアニストの出演料は10万円から100万円程度と、そのピアニストの実力と知名度によって大きく差があります。ただ、ソリストとして活躍できる人はごくわずかで、音楽教室の講師や、派遣ピアニストとして結婚式の披露宴などで演奏をしたり、レストランやバーで演奏する仕事をしている人がほとんどです。音楽教室の講師は時給制の場合が多く、1時間1万円前後が相場であるようです。月給制のピアニストの平均給料は17万円~23万円なので、ピアニストの平均年収は約280万円と考えられます。また派遣会社に登録しているピアニストの報酬は、披露宴などでの演奏で1回につき1万円から3万円程度が相場です。レストランやバーでの演奏も1日に3回ほどのステージで約1万円が相場なので、いくつかの仕事を掛け持ちしている人がほとんどです。
適性があるタイプは、ピアノの演奏能力とともに、自分自身をマネジメントし売り込める営業力のある人です。音楽教室や個人レッスンを行う場合は、教師としての特性や熱意も求められます。
仕事5:ピアノ調律師
ピアノ調律師には、音程を正確に聞き取る能力と、ピアノの知識、修理の技術が必要です。その名の通り、ピアノの調律保守を、専門的に行う技術者だからです。
ピアノ調律師の主な仕事は、ピアノの音色の微妙な変化を聞き取り、適切な状態に音程を調整・調律することです。また、依頼主のイメージ通りの微妙な音色を創り出せるよう、整音も行います。最もよい状態で音を出せるようにすることが求められます。
ピアノ調律師になるには「ピアノ調律技能検定試験」という国家資格を取得する必要があります。グランドピアノの調律やその修理をするための知識と実技の習得が重要です。
ピアノメーカーや販売会社・調律専門会社などへの就職、もしくはフリーランスとして、コンサートホールやライブ会場、学校、一般家庭に出向いて仕事をします。
ピアノ調律師の仕事は技術職です。20代から30代前半は年収200万円から300万円前後、40代で400万円くらいというのが年収の平均相場です。全体としては、平均年収は300~400万円となります。
一方、フリーランスの調律師は、調律の代金がそのまま自分の収入になります。代金の相場は1万円から大掛かりなものでも5万円前後です。フリーでベテランの調律師になれば月50件ほどの依頼をこなし、年収は800万円を超える人もいます。調律の経験を積み、一定数の得意客を抱え、顧客拡大のための営業活動も行える状況ならば、会社からの独立という道もあります。あるいは、定年後にフリーの調律師として活動することも可能です。
ただ、この仕事の注意点は、少子化・ピアノ人口の減少・電子ピアノの普及など、ピアノを取り巻く環境は必ずしも芳しくない点です。さらに、調律の頻度は年に1~2回が通常であり、全国のピアノの台数と調律師の人数を考えれば、供給が飽和状態にあると言われています。顧客の獲得競争が激しい職種であることは、認識しておきましょう。
仕事6:楽器クラフトマン/楽器リペアマン
楽器クラフトマンは、楽器をつくる職人です。バイオリンやギターなどを自分の技術と感性で作り上げるため、単なる技術者というよりも、アーティスティックな仕事ともいえます。
楽器クラフトマンの主な仕事は、以下の通りです。
- 楽器のデザイン
- 材料の選定
- 切削と組み立て
- 塗装
デザインから塗装まで、一連の作業を担当します。
楽器職人になるには、職人として信頼を得るために専門学校や熟練職人の下で技術を身に付けることになります。勤務先としては、大手メーカーの工場や楽器工房などが考えられます。
また、楽器リペアマンは、壊れた楽器を修理する専門家です。楽器店や楽器メーカーなどに勤め、店頭に並ぶ前の楽器の最終調整や、依頼された楽器の修理調整を担当します。クラフトマンとリペアマンの仕事を兼任したり、販売スタッフや音楽教室の運営などを兼ねたりするケースも多いようです。
年収相場は300~400万円くらいで、設計などの上流工程にステップアップできればさらに高い年収を目指せる構造のようです。また、どのジャンルの楽器をつくるかによってもかなり年収は変わってきます。例えば、エレキギターの製造工場では製造オペレーターの年収は大体300万円前後からのスタートになります。ピアノの大手メーカーである河合楽器でも、技術系スタッフの大卒初任給は20万円前後で、年収はそれほど高くありません。どちらかと言えばやりがいを重視する人向けの仕事といえます。年収アップを目指すなら技術や経験を積んで設計や企画などモノづくりの上流工程を目指すか、独立するなどの工夫が必要となるでしょう。
この仕事に向いているのは、大前提として楽器が好きな人です。コツコツと地道に経験や知識を積み重ねていくことで収入アップに繋がるので、継続した努力ができるタイプに適性があるでしょう。
仕事7:音楽プロデューサー
音楽プロデューサーは、レコード会社やレーベル制作会社などで、アーティストの音楽制作から発売までの全般的な指揮を執る仕事です。クリエイティブな作業だけでなく、予算調整やスタッフの取りまとめなど実務的な仕事も行います。歌手や演奏家の力を引き出す方法を考えたり、音楽の方向づけやテーマを決めて作詞・作曲家の選定をするなど、仕事は多岐にわたります。
収入面については、音楽系ベンチャー企業や音楽制作会社で正社員として働いたは約300〜400万円となっています。フリーランスの場合、楽曲の制作依頼をたくさん受ければ年収はその分上がりますが、あまり依頼がない場合は大きく年収を伸ばすのは難しいと言えます。
これは実績が伴っていないアシスタント時代の年収が約200万円程度とかなり低いこと、またフリーランスの音楽プロデューサーの場合、音楽制作にかかるコストが大きいことからきていると言われます。こうした点には要注意です。
音楽プロデューサーに向いているのは、世の中のニーズをつかむ力、表現するセンスがある人です。また、アーティスト、スタジオミュージシャン、制作ディレクター、プロモーターなど、たくさんの人とかかわる仕事であるため、高いコミュニケーション能力やリーダーシップも求められます。
仕事8:作曲家
作曲家は、音楽についてのさまざまな知識や感性が必要な仕事です。アーティストやプロデューサーなどクライアントから依頼を受けて、一から曲を生み出す能力が求められるためです。ひとくちに作曲といっても、以下のようにさまざまな分野があります。
- J-POPやロック、演歌などポピュラーミュージック
- TVドラマや映画、アニメ、ゲームなどサウンドトラック
- 現代音楽やオーケストラの演奏用楽曲
- CMソングや演劇、ミュージカルの楽曲
- 校歌や社歌
ピアノやキーボード、ギターなどを使い、メロディーを譜面に書き入れながら制作していきます。最近ではパソコンのソフトを使い、曲作りをする作曲家も少なくありません。
作曲家には、大きく分けて2通りの働き方があります。音楽事務所・芸能プロダクションなどの会社に勤務する方法と、フリーランスで働く方法です。会社に所属する場合には、安定した収入を得られるのが最大のメリットです。 曲作り以外の営業活動やスケジュール管理は専門部署に任せられるため、作曲に専念できます。ただ、会社の方針に沿った曲作りを行うことになり、必ずしも自分の希望する音楽が作れるとは限りません。
一方、フリーランスは個人で活動する形態であり、自分の裁量で仕事を決められます。自分の作りたいジャンルの音楽を、自分の好きなペースで作ることができるのです。しかし、一定の知名度を獲得できなければ安定的に仕事の依頼は来ず、収入も不安定になりがちです。フリーランスは、曲を作る実力はもちろんのこと、営業力やスケジュール管理能力も必要となります。そのため、音楽事務所や芸能プロダクションで経験を積んでから、セカンドキャリアとしてフリーランスで活躍する作曲家も増えています。
収入面についても、会社に所属する作曲家の年収は平均で400~500万円程度です。ただし、会社員は印税契約ではない場合が多く、大ヒットを飛ばしても会社の利益になるだけで、自分の給料には還元されません(一部では、給与に印税収入を加える条件付き契約を結ぶケースもあります)。
フリーランスの作曲家の場合、年収は個人の力量や働き方次第でピンキリです。まだ無名の作曲家が仕事を取ってくる場合には、コンペに参加するケースが多くあります。通常コンペは採用された場合にのみ一定の報酬が支払われるため、選ばれなければ一銭も稼げません。しかし、実力が認められ知名度が上がれば、多くの仕事が舞い込み、一曲あたりの単価が上がるため、多くの収入を稼ぐことができます。
また、仕事を受けすぎてオーバーワークにならないよう、うまく自己を管理する必要があります。キャパオーバーになり品質低下や納期遅延が発生すると評価が下がってしまうからです。これが、この仕事の注意点になります。
仕事9:作詞家
作詞家は、楽曲に合う歌詞を作る職業です。ポップス、ロック、演歌など、さまざまなジャンルの依頼に応じて歌詞を制作します。すでにある楽曲に合わせて歌詞を作る「曲先」と、作詞家が提供した歌詞をもとに作曲家が作曲する「詩先」があり、いずれも楽曲の歌い手やコンセプトなどを考慮しながらふさわしい歌詞をつけていきます。
音楽出版社やレコード会社、アーティスト本人や所属事務所などから依頼を受け、楽曲に合う歌詞を作ることが求められます。作詞家が担当するジャンルとしては、以下が考えられます。
- ポップスやロック
- ドラマやアニメの主題歌、CMソング
- 童謡、演歌
- 校歌や社歌
- 大規模なイベントのテーマソング
作詞家は、音楽制作会社や音楽出版社などと契約を結び、仕事の発注を受け、売上に応じた印税を受け取ります。契約をする場合は、委託契約のような形が多く、売上によって収入が決まるため決して安定した仕事とはいえません。ほんの一握りの売れっ子作詞家は月に数百万から数千万円の印税収入がありますが、それ以外の作詞家は生計を立てられるか否かという瀬戸際の人が圧倒的です。年収は平均して300万から700万円程度といわれていますが、年によってもばらつきがあり、安定しているとはいえません。
適性のあるタイプは、豊富な語彙力と音楽に対する知識や感性を持つ人です。
また、作曲家と同様に、仕事の依頼を受けすぎてキャパオーバーにならないよう、注意が必要です。作品の質の維持と納期厳守が求められます。
音楽関係に必要なスキルと知識
柔軟性のある考え方や俊敏な行動力
音楽関係の仕事は、自分自身がアーティストである場合や、他のアーティストと一緒に仕事をしていく場合もあり、フレキシブルな物の考え方、俊敏な行動力が必要になります。
アーティストの創造をサポートするために、スタッフとしても新しい物事をたくさん吸収し、アーティストにアドバイスを求められた際には対応することもあります。アーティストが何をしたいのか、会社としてはどうしていきたいのか、それぞれが同じ方向ではないことも多いので、折衷案を考えることも必要となります。
また、十分な準備を行ったり、周囲を引っ張っていく力も必要です。なかには突飛な提案をしてくるアーティストもいますので、どう実現するのか、誰へ依頼すれば実現できるかを、様々な観点から考えます。ひとつの方法で課題解決できるわけではない点が、大変である反面楽しい仕事でもあります。
いつでもリラックスできる
職種にもよりますが、会社が定める通りの勤務時間ではなく、変則的な働き方が必要になる場合も考えられます。土日はライブやイベントで出勤となることも少なくないですし、夜中でも連絡が来ることもあります。かなり不規則なタイムスケジュールとなるので、「不規則なスケジュールの中でも、変わらずリラックスできる」スキルも求められます。
常に集中モードの状態でいると疲れてしまい、仕事がスムーズに運ばなくなってしまいます。どんな状況でも、すぐにON/OFFのスイッチを切り替えられることで、常に良い精神状態で仕事に取り組めるようになります。
自分の得意分野/ジャンルを持つ
得意な分野やジャンルを持つことも大切です。必ずしも好きなジャンルで仕事ができるわけではありませんが、得意分野があることで意見を求められたり、自分が好きなことを仕事にできているんだという喜びを感じられるでしょう。業界内での転職の際にも、特定のジャンルに詳しいことがプラスの評価につながる可能性もあります。
ほかにも、SNSによるコミュニケーションが得意であれば、それを仕事に活かすなどの工夫も考えられます。
ただ、好きだからこそこだわり過ぎてしまったり、その分野に詳しくない人への説明が不足してしまうこともあるので、自分を客観視して冷静に対応するスキルも求められます。
音楽関係の仕事に就く方法
音楽関係の仕事に就く方法に、決まりはありません。最近ではSNSの普及などにより、自分をアピールする方法も増えてきています。
しかし、なかには資格が必要な仕事や、企業に就職した方がよい仕事もあります。ここでは、音楽関係の仕事に就くための方法をご紹介します。
資格を取る/専門的な学校で学ぶ
まず、学校の音楽教師を目指すならば資格は必須です。教員職員免許状の取得が、国で義務付けられているためです。音楽系の四年制大学を卒業して資格を取得し、教員採用試験に望むのが一般的です。
ピアノの調律師にはピアノ調律技能士という国家資格がありますが、必須の資格というわけではありません。
そのほかの仕事でも資格が必須なものは特にありませんが、専門的な学校で学んだほうがよいものはたくさんあります。
たとえばピアニストやクラッシック系の楽器演奏者のなかには、音楽系の学校で技術や知識をきっちりと学んできている人が多くいます。ソリストとして華々しく活躍するような人も、音楽系の学校で学んだり、国内外のコンクールで優秀な成績を収めたりしている人が大半です。
あなたの目指している仕事には資格が必要なのか、また、専門的な学校で学ぶ必要があるのかを確認してみましょう。
決まったルート以外で音楽業界へ入る
たとえばボーカル系や、ギターなどの楽器演奏者、作曲作詞家などは、プロになるのに決まったルートはありません。
現代はSNSなどの普及により、どこにチャンスが転がっているかわからないためです。SNSや動画サイトに自作の曲をアップしたことがきっかけで、人気に火がついてプロになった人もいます。
事務所などに所属せず自身でレーベルを立ち上げて路上ライブや音楽配信をしたり、自主制作のCDを発売したりしている人もいます。
音楽活動をしながらコンテストなどに応募し、賞を取ってデビューという道もあります。
もちろん独学ではなく専門的な学校で学び、確かな技術を身につけてから勝負するパターンもあります。いずれにしても、、正規のルート以外で音楽業界に入るためには、自分の作品を人に聞いてもらう・見てもらう機会を多く持つことが必要です。
あなたの活動をより多くの人に知ってもらうためにはどうしたらよいのか、どのようなルートが向いているのかについて、しっかり考えてみましょう。
企業や事務所に就職/所属する
音楽系の仕事をしたい場合は、まず、やりたい仕事に関連がありそうな企業を探してみましょう。音楽系の仕事の多くは、どこかの企業(店舗や教室等も含む)や事務所に就職、所属することで働くことができるためです。
主な分野ごとに簡単にまとめると、以下のようになります。
- 楽器関連分野→楽器メーカーや楽器店、楽器商社
- 作詞/作曲/アレンジの分野→レコード会社や音楽制作会社、音楽系事務所や芸能プロダクション
- コンサート/イベント関連分野→イベント会社やイベント企画部門のある企業
- PA音響分野→ライブハウスやコンサートホール、スタジオ
- 音楽を指導/取材する分野→教師は学校や各種教室、記者・編集者は出版社やWebコンテンツ運営会社
あなたが希望する分野にはどのような求人があるのか、サイトや会社のホームページなどで確認してみましょう。
まとめ
「音楽の仕事」といえば、歌ったり演奏したりするイメージがありますが、実際にはさまざまな職種があります。就職する方法もひとつではないため、選択肢は広いといえます。
今回の記事では取り上げませんでしたが、「コンサート/イベント関連の仕事」や「レコーディングエンジニアなどの音響分野の職種」、「音楽雑誌の記者・編集者」などの職種もあります。
また、固定給なのか依頼案件ごとの報酬なのかなど、収入を得る方法にも違いがあります。音楽に関する仕事に就きたいと考えている方は、自分がどのような働き方・ライフスタイルを実現したいのかについても明確にしておくと良いでしょう。