高学歴なのに仕事ができない人に対する世間の風当たりは、低学歴の場合より強いものがあります。「高学歴なのに仕事ができない人」と呼ばれないためにどうすればいいのか、仕事ができないといわれる人の実態と、仕事ができる人の特徴についてまとめました。
- 高学歴で仕事ができない人の特徴 【プライド高い、不測の事態に弱い、協調性がない】
- 高学歴なのに仕事ができない人にならないよう「仕事ができる人の共通点4選」を知ろう
- 高学歴なのに仕事ができないのは、今の仕事に向いていない可能性も。自己分析やエージェントへの相談などを試してみよう
この記事の目次
高学歴とは~日本における高学歴とその扱い~
学歴社会では無くなりつつある日本ですが、やはり高学歴と呼ばれる人は一目置かれ、優遇される存在となっています。
高学歴の定義
人によって高学歴の基準は違い、とにかく偏差値が高い大学を出ている人が高学歴だと言う人もいれば、4年制大学さえ卒業していれば、どこの大学出身でも高学歴と言う人もいます。ただ一般的に高学歴とは、いわゆる一流難関大学に合格して入学し、卒業した人に向けた言葉です。この一流難関大学の定義も実ははっきりと定まっていませんが、国立大学や人気かつ偏差値の高い有名私立大学は難関大学とイメージされる傾向にあります。
誰もが高学歴と納得する大学は、東京大学や京都大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学といった旧帝国大に加え、一橋大学、東京工業大学が同ランクとなっています。ちなみにこれらの大学を総称して旧帝一工と呼ばれており、どの学部を出ていても高学歴と認識されます。また旧帝一工に含まれずとも、医学部医学科は同等レベルと考えられています。私立大学なら、受験生から人気があって偏差値も高い早稲田大学や慶應義塾大学などは高学歴に分類されます。私立大学は日本中にたくさんあり、レベルもピンからキリまで幅広いのが現実で、国立大学に比べると高学歴と評価される大学の割合は少なくなるかもしれません。
高学歴は優遇される?
以前の日本は学歴社会で、就活でも学歴が大きな影響を及ぼしていました。しかし時代は変わり、学歴に関係なく優秀な人材を採用したいという姿勢を見せている企業も増えてきました。学歴だけで選別していくのは企業イメージが悪くなるという考えもあります。とは言え、就活をしている学生からは「高学歴の方が優遇されている」と不満を漏らす人も少なくありません。実際に高学歴の学生が優遇されている事例はあり、例えば特定の大学のみをターゲットにした就活セミナーや選考会を行う企業もあります。
一部企業にて学歴フィルターを設けていますが、企業側も特に偏差値の高い学生を採用したいと考えている訳ではありません。毎年新卒採用の時期になると、まずは大量の履歴書やエントリーシートをチェックする事になります。人気の企業ほど数も多くなり、面接する余裕が無いという事態に陥る可能性もあるのです。決められた期間の中で内定者を決定していくには、応募者を絞り込む事が効率的で、その絞り込む基準として学歴が取り入れられている訳です。学歴は学生の能力を図る物差しとして基準にしやすく、結果的に大企業の内定者の割合を見ても、旧帝国大など主要国立大学、さらに早慶出身者が多くを占めているのが現状です。
高学歴なのに仕事が出来ない人の特徴をチェック!
世間一般的に高学歴は頭が切れて仕事が出来るイメージを持たれているからこそ、仕事ができない高学歴への世間の風当たりは強いです。ここでは高学歴なのに仕事ができないとされる人の仕事ができない理由をまとめました。
特徴1.プライドが高い
高学歴でも仕事が出来ない理由はいくつか挙げられますが、その背景にあるのがプライドの高さです。高学歴の人は周りから「頭が良くて羨ましい」ともてはやされた人生を歩んできた事もあり、他人に負ける訳がないと思い込んでいるのかもしれません。プライドの高さが邪魔をして仕事が上手くいかない例として、まずは上司や先輩からのアドバイスを素直に聞き入れない人が挙げられます。そもそも新入社員の間は一から教えて貰う立場であり、常に謙虚な姿勢が必要です。言われた事を真摯に受け止め従っていく事で会社も上手く回っていきますが、高学歴でプライドが人一倍高い人は、自分の考えや行動が一番正しいと思い込み、良かれと思って言われたアドバイスに対しても反論したり、逆上したりします。自分の方が学歴が高いからと上司を見下すような態度では、職場の同僚から煙たがられるのも当然かもしれません。
またプライドが高い人は、ガムシャラに仕事をしてアピールする事をカッコ悪いと感じる傾向にあります。学生時代、テストの前に実は必死になって勉強をしていたにも関わらず、「全然勉強してない」と言ってしまうタイプです。ガツガツ頑張らなくても出来る人である事を装いたいのですが、変なプライドは学生時代と違って社会では通用しません。単にやる気がない人に見えて損をする事になります。さらに何事にも完璧を求める人は、一つの仕事に膨大な時間をかけますが、周りが求めるスピードについていけなければ意味がありません。学生の頃は研究熱心と誉められても、社会に出れば協調性も求められるので、和を乱す社員と見なされるのです。
特徴2.不測の事態に対応できない
高学歴の社員は学生時代に一生懸命勉強してきた訳ですから、知識はとても豊富です。基本的に根は真面目な人が多いので、仕事を始めるに際しても、しっかり本を読んだりセミナーに参加して準備万端の状態にしているかもしれません。しかしここで注意が必要なのが、知識を得ただけで自分も出来るような気になってしまう事です。実際、社会人としてスタートすると、マニュアル通りに進まないケースがたくさん出てきます。知識が豊富でも、予想外の事が起きれば自分の頭の中のマニュアルには載っていないため、どうして良いかわからずオロオロしてしまうのです。
現場で求められるのは知識の豊富さより、不測の事態でも臨機応変に対処できる判断力や応用力です。仕事では絶対的な正解は無いため、学業におけるインプット型の知識はほとんど役立ちません。仕事で求められる判断力や応用力は実際に行動して、失敗や経験を繰り返さなければ身に付かないものです。ただ高学歴でプライドが高い人は失敗を恐れるタイプが多く、自分で対処出来ない事に対しては体のいい言い訳を作って逃げてしまいます。しかし保身に走った結果、将来的にはガムシャラに頑張った同期の方が高い評価を受ける事になるかもしれません。
特徴3.協調性がない
高学歴で仕事が出来ない人の特徴として、協調性が無い事も挙げられます。勉強は1人で考えて答えを導き出していくため、周囲と協力し合う必要はありません。しかし仕事は自分だけではなく、上司や先輩、同僚と団結して業務を遂行していかなければいけません。円滑に仕事を進めていくためには、自分が出した意見が周りと食い違った時も素直に話を聞く姿勢が大切なのです。ただ高学歴な人は元々頭が良いため、自分の考えが一番正しいと考える節があります。自己主張が強く周りの意見を聞かない、もし途中で過ちに気付いたとしてもプライドが邪魔をして考えを変えられないといったタイプは周りと歩調を合わせて仕事が出来ません。
強引に自分の考えを押し進め、結果的に失敗すると俄然立場は悪くなります。また例え成功したとしても、周りの社員からは一緒に仕事をしたいと思われなくなります。協調性がない人は、どれだけ能力が高くても仕事の成果は認められず、損をしてしまうタイプなのです。高学歴の人だけが協調性がない訳ではないですが、勉強ばかりしてきて、まともに人とのコミュニケーションをとってこなかった事が、人と合わせるのが苦手という背景を作っているのかもしれません。
高学歴なのに仕事ができない人にならないために。仕事ができる人の共通点を知ろう。
高学歴でも仕事が出来ない人がいる反面、それほど学歴は高くなくても仕事でしっかり成果を出せる人はいます。
特徴1.探求心がある人
仕事が出来る人の共通点として、まず探求心がある人は何事にも熱心に取り組みます。自分の興味がある事はもちろん、それほど興味を持っていなくても仕事を成功させるために、色々な知識を得ようと努力します。自分ではわからない分野も積極的に周囲の人に聞いていくため、自然と知識も豊富になり、仕事の成果も上げやすくなります。
特徴2.謙虚な人
謙虚な姿勢を持ち合わせている事も大事です。慣れない間は仕事で失敗するのは仕方ない事で、アドバイスを素直に聞き入れて、克服しようとする気持ちがあれば仕事上のミスも少なくなります。
特徴3.判断のスピードが早い人
判断のスピードが早い人は、誰からも仕事が出来ると認められるタイプです。仕事をしていると不測の事態に陥る事も出てきますが、頭の中で考え込んでいても先に進みません。こんな時、最大限の判断をして仕事を進めていける人は周りからも頼られる存在です。たとえその時の判断で課題が生じたとしても、臨機応変に対処できる力は評価に値します。
特徴4.コミュニケーション能力が高い人
そしてもう一つ、コミュニケーション能力が高いのも、社会人としての重要な要素です。仕事は1人でするものではなく、特に大きな案件となると多くの人と力を合わせて突き進まなければいけません。人それぞれ性格も違うため、合う合わないはありますが、どんなタイプの人とでも上手く対話が出来る人は重宝されます。人から「次も一緒に仕事がしたい」と思われれば、色々な仕事に挑戦させて貰えるようにもなり、自分自身のスキルもどんどんアップさせていく事が出来るのです。
高学歴なのに仕事ができない?~まとめ~
高学歴なのに仕事が出来ない人について述べてきましたが、実際は学歴が高い人の方が仕事が出来る傾向にあります。難関大学を突破するために重ねた様々な努力や、積み上げた知識は就職後も人生を助けてくれる場合がほとんどです。
高学歴でありながら仕事が出来ないと言われるのは、実はその仕事が向いていない可能性もあります。例えるならばコツコツと研究していくのが大好き、でも人と話すのが苦手といったタイプの人が営業マンとして働くには無理があります。超難関の倍率をくぐって得た仕事だとしても、自分が合わない仕事であれば楽しく感じられません。
高学歴だからといって大企業に勤めなければいけないわけでもなく、人から一目置かれる仕事に就かなければいけないわけでもありません。大切なのは自分の能力を存分に発揮できる職場を見つける事です。自分にはどのような能力を持ち合わせているのかを見極め、職を選ぶ事で、仕事にやりがいを感じるいきいきとした社会人生活を送れるのです。
もし仕事で上手くいかないと感じる場合は、自分の能力が仕事に活かせていない可能性もあるため、他の道への転職を考えるのも一つの方法ではないでしょうか。