文系の経営学部は就職に有利と言われることがありますが、経営学部で学ぶことを活かせる業界や業種にはどのようなものがあるでしょうか。
今回の記事では経営学部の就職について、人気業界やおすすめの職種、就活を有利に進めるポイントなどをまとめてご紹介します。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
この記事の目次
経営学部ってどんなことが学べるの?本当に就職に有利なの?
経営学部は経営についてさまざまなアプローチから学ぶ学部です。具体的には会計やマネジメント、経営などをしていく上で必要な経済知識、法律の仕組みなどから経済全体を学んでいきます。経営は非常に幅広いものです。戦略やマーケティングを手掛けることも、人や組織の形を作っていくことも経営の中に含まれます。また、会社を経営していくための未来を見通す能力や、現代社会におけるルールなどを理解することも経営学の一つです。
経営学部は就職に有利だといわれることがありますが、理由の一つとしてお金の流れ・仕組みや、さまざまな数的データに触れる機会が多いため、ほかの学部生と比べて数字に強い傾向にあるということがあります。また、ビジネスについての知見がすでにあるということも企業からすれば好印象です。ほかには、採用のための筆記試験で出題される問題には、時事的な経済・社会に関するものなどが多く含まれますが、経済学部であれば日々の講義がそのまま対策になります。
なお、経営学部と似た学部に経済学部・商学部などがあります。どの学部もビジネスにおけるお金の流れを学ぶという点は共通しており、学ぶ内容にリンクする部分もありますが、学ぶ目的がそれぞれ異なります。経済学部は企業より大きな単位、社会や日本など、さらに幅広い視点から経済活動を研究していく学問です。また、商学部は財務会計や簿記などといった、実務的な知識・スキルを身に付けることが主な学びの目的となります。
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経営学部卒の就職先
経営学部卒に人気の就職先を紹介します。
経営学部卒の就職先1.金融業界
経営学部では財政や金融に関する知識を生かして金融業界で働こうと考える学生が多くいます。また経営学部では学生のうちに日商簿記などの会計資格を取得する学生も少なくありません。そのような学生時代に取得した資格を活かして働ける業界であることも、人気が高い理由の1つです。
金融業界の主な仕事は企業に融資を行うこと。融資を通して多くの企業と関わることになります。企業は融資を元に、各々の事業を展開していきます。経営学部で学んだような経済の流れや企業が会社を経営する過程を、実際に間近で見ることができます。企業にとって非常に重要な役割をもつ仕事に携わることで、大きなやりがいを感じられるでしょう。ただし、メリットややりがいが多い分、金融業界を目指す人は多く、倍率も高くなります。競争で勝ち残れるよう、しっかり準備して選考に臨むと良いでしょう。
経営学部卒の就職先2.情報・通信業界
情報・通信業界は情報の処理や提供などをメインとしている業界です。その中でもソフトウェア業界、ハードウェア業界、インターネットやweb業界などに分けられます。専門的な業界というイメージもあるかもしれませんが、経営学部で学ぶ内容は、どのような業界でも必要なことであり、分野が細かく分かれる情報・通信業界においても例外ではありません。
なお、情報・通信業界は、分野だけではなく、職種も多岐にわたります。営業はもちろん、エンジニアとしてシステム構築をしたりコンサルティングのような形でソリューションを提供したりすることもあり、会社・業界によって全く異なることが特徴です。
働きたい分野や職種を具体的に絞り込むことが就活成功の秘訣といえるかもしれません。
経営学部卒の就職先3.公務員
公務員も経営学部の学生に大変人気な職業の一つです。一般的に、公務員は大局的な視点からでしか仕事を進めることができません。これは、公務員が公共のために働く仕事だからです。一部の人の利益になることではなく、住民や国民に広く必要なことを行います。そのためには、常に大局的な視点から物事を判断しなければならないのです。しかし、幅広く物事を捉えるからこそ、実態にあまりそぐわない仕事をしてしまう可能性もあります。そこで必要となるのが経営学部としての知識・スキルです。
経営学部で学んできたということは、企業や個人など社会の経済の流れや仕組みの現状を理解しているということです。このような実践的な立場からの知見をもって実務に活かせば、より住民・国民のニーズをくみ取ることができ、有能な公務員になれるでしょう。つまり、「企業とはなんぞや」「経営とはなんぞや」といった視点をもって学んでいることが大切です。
経営学部卒の就職先4.メーカー業界
メーカー業界はモノやサービスを生産する業界のことです。自分たちの普段の生活にも非常に関わりの深い業界と言えます。メーカーは、自社の製品をできる限り多くの顧客に販売し、売上を伸ばすことが主な事業目的です。そのためには、顧客が製品に興味をもってくれるよう、効果的な販売戦略を展開することが必要不可欠です。経営学部で学んで得たマーケティングやマネジメントの知識をフルに活用することで、自社の製品の知名度を高めたり、売上を伸ばしたりすることに繋がります。企業の成果に直結する仕事なので、やりがいを得やすいでしょう。
また、上述の通り商品の販売戦略などを考えられるマーケティング部署は非常に人気ですが、会社の売上に直接関わる業種である営業職もかなり気です。これらの業務担当は倍率が高くなる傾向にあるため、希望する場合は特にしっかり就活対策を行いましょう。
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経営学部卒の就職~おすすめの職種~
経営学部の学生におすすめの職種を紹介します。
おすすめ職種1.営業職
営業職とは自社で顧客の抱えている問題に対し、ソリューションとしての自社製品やサービスを提案することにより、売上を上げることを目的としている職種のことです。顧客との関わりが多く、売上を直接作れる業務でもあることから、企業において非常に重要度の高い職種と捉えられています。営業部を能力の高い社員が集まる花形部署に位置付けている企業も少なくありません。仕事をする上では業界や製品に対する豊富な知識、高いコミュニケーションスキル、顧客のニーズを的確にキャッチする力などが求められます。経営学部の学生は経営についてのノウハウや現代社会のルールをしっかり把握しているので、そういった知識を織り込んで商談内容に説得力を持たせるなど、実務面で生かすこともできるでしょう。
なお、元々購入を検討している顧客だけでなく、購入意欲の低い消費者に対しても自社製品を魅力的に伝え購入まで繋げていく必要があります。ノルマが高く設定されている場合が多く、華やかである反面かなり厳しい職種でもあることは理解しておくべきでしょう。
おすすめ職種2.マーケティング職
マーケティング職とは、企業の売上を向上させるために戦略や企画を立案する職種のことです。先に少し触れた通り、自社の製品を多くの顧客に購入してもらうためには、製品を作りただ売れば良いというわけではありません。顧客が製品に興味を持ってくれるようなプロモーションを考える必要があります。マーケティング職の仕事内容は、自社の製品が関わる市場を詳しく調べ、どのような商品が売れているのか、どのような販売戦略が有効かなどを分析することがメインです。つまり、企業の経営や市場についてのノウハウを活かせる素地があります。経営学部出身に限らず、就活生に非常に人気の高い職種の1つです。
なお、市場の動向を読み解く分析力に加えて、商品やサービスの流行などをある程度敏感にキャッチできるアンテナがあるかどうかも非常に重要なポイントです。マーケティング職を狙うなら、普段からさまざまなことに興味を持ち、幅広くアンテナを張りながら情報収集をする力を身に付けておくと良いでしょう。
おすすめ職種3.専門職
資格を必要とする専門職に就く人も少なくありません。具体的には公認会計士や税理士などが挙げられます。公認会計士とは、企業の会計を監査する専門職です。企業が作成した収支関係の書類をチェックし、その内容に誤りがないかを確認します。細かな数字を取り扱う業務であり、また企業内のお金の流れに関する知識が必要なので、経営学部で学んだことをフルに活かすことができるでしょう。なお、公認会計士になるためには国家試験に合格する必要があります。就職先としては会計事務所や監査法人などがポピュラーです。
税理士は企業や事業主などの依頼を受け、税務書類の作成や税務上のアドバイスなどを行うのが主な仕事です。税理士として働くためには国家試験を合格しなければなりません。税理士試験は11の科目があり、そのうち5科目の試験に合格すれば試験突破となります。さらに2年の実務経験を積むことで、税理士の資格が得られます。これらの資格を取得するためには高度な専門知識が不可欠であり、かなり多くの学習時間が必要になります。
おすすめ職種4.事務職
事務職とはパソコンを利用してデータの入力を行ったり、企業に必要な書類・資料を作成したり、事務的な業務を担当する職種のことです。事務職の中にはさらに「総務事務」「経理事務」「営業事務」などさまざまな分野があります。それぞれの分野を専門的に担当する場合もあれば、複数の分野を兼務する場合もありますが、どのような分野でも経営学部で学んだことを活かせると考えられます。例えば経理事務は企業の収入・支出などお金の動きを把握し管理する業務です。経営学部では簿記を始め多くの数字に触れ、数的能力を上げるのでそのスキルを活かして経理などで活躍することができるかもしれません。また、営業事務は営業部署に関する事務を担当する業務です。先に述べた通り、営業職は経営学部での知見を活かしやすい仕事なので、営業事務も経営学部の経験をしっかり使えるでしょう。
なお、事務職にはパソコンを扱う業務が多いため、書類作成などをスムーズに行える程度のパソコンスキルは必須です。また、学部を問わずかなり人気の高い職種なので事前にしっかり準備をして選考に挑むべきでしょう。
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経営学部の就職活動を有利に進めるためには
経営学部の学生が就活を有利に進めるためにまずしておきたいことは、インターンへの積極的な参加です。できる限り多く参加して、その会社や業界の仕事を体験してみましょう。自分が働くイメージが明確にできるかどうか、その仕事が自分に合っているかどうかなどをしっかり判断することは非常に重要です。自分が働くビジョンを具体的につかめないと、せっかく就職できても働き始めてからギャップに苦しむ可能性があります。就職した企業で長く働くためには、自分のもつ企業のイメージと、実際の企業の状況との差をできる限り埋めることが大切なのです。
また、時間があるのならば日商簿記検定やFP、TOEICなどの資格を持っておくと良いでしょう。資格は就職活動の上での武器になります。また、資格取得のために学んでいく中で、実務上必要な知識を得たりすることもできるでしょう。そのほか、事前に企業研究を行い、自分が経営学部で学んだ知識などと照らし合わせて入社したい理由をブラッシュアップしていくことも不可欠です。
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経営学部の就職~まとめ~
経営学部生の就職活動の実態について理解できたでしょうか。就活に有利だといわれる経営学部ですが、自分の人生観ややりたいことなどが決まっておらず中途半端な気持ちで就活するのは危険です。知識やスキル、資格などをもっていても、その企業で働きたいという強い意志がなければ、企業に良い印象はもってもらえません。しっかり自分や企業と向き合い、万全の準備をしてから就活に臨みましょう。
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