「バイトを辞めたい。でも辞める決心がつかない」と悩んでいる方もいるかもしれません。
この記事では、バイトを辞められない理由と考え方、辞める際におすすめのバイト先への伝え方、辞めるまでの流れについて解説しています。
円満な辞め方のポイントを押さえて、スムーズな退職を目指しましょう。
バイトを辞めたいのに辞められない理由
バイトを辞めたい気持ちはあるが、辞められずに悩んでいる方は多くいます。バイトを辞められないときにありがちな理由は、以下の5点です。
自分がいないとお店が回らないと思っている
人手不足なバイト先で自分がいないとお店が回らず、辞めるとバイト先に支障が出ると思っているパターンです。ですが実際には、経営できなくなるほどの大きな支障は出ません。
その理由として、ひとり人が辞めた程度で回らなくなる職場はないためです。これはバイトに限らず、正社員などでも同じです。
ひとりが辞めたとしても、店舗側は新しいスタッフを雇うなりいまいるスタッフのシフトを調整するなりして、残ったメンバーでなんとかお店は回ります。飲食店などは人件費が多くかかるため、常にバイトを最小限にして店を回しているところが多いですが、人手が足りていないのはそもそも経営者側の問題です。
責任を持って仕事に取り組む姿勢は素晴らしいことですが「自分が辞めたらこの職場はどうなるのか」まで考える義務はありませんから、安心して辞めて大丈夫です。
責任者に伝えるのが怖い
店長や管理者が威圧的だったり、よく怒る人の場合はこのように感じることがあるでしょう。
しかし「バイトを辞めたい」とスタッフから言われて受け入れないような責任者の場合は、責任者側に問題があります。労働者には勤務先を自由に選べる権利があり、社内規定に沿っていれば、本来好きなときに辞めてよいのです。
責任者に伝えるのが怖くて辞めるのを躊躇している方は、以下のように捉えてみましょう。
- バイトを辞めれば、怖い責任者とも関わらなくていい
- 辞めたいと伝えて怒る責任者であれば、そもそもそんなバイト先は離れた方がいい
勇気を出して、辞めたい意思を伝えてみましょう。
バイト先に仲の良い友達が多い
バイト先に友達が多くいて「辞めると関係性が切れてしまうのではないか」と恐れているパターンです。
ですが本当に仲のよい友達であれば、バイトを辞めても関係性が切れることはありません。あなたも仕事や学校が離れていたとしても、定期的に会う仲の友達がいるのではないでしょうか。
それに本当の友達なら、あなたの事情をしっかり理解してくれることでしょう。友達のことを気にして罪悪感を持つ必要はありません。
お世話になったという恩がある
バイト先にお世話になっていて、辞めたいと伝えるのに気が引けるパターンです。たしかにお世話になったバイト先ならば、少しでも長く働くことで貢献できる面もあるでしょう。
ですが、あなた自身がバイトを辞めたい状況下にあるのなら、はっきりとその意思を伝えることも大切です。そもそもあなたのことを考えてよくしてくれるバイト先ならば、あなたが本当は辞めたいのに無理に頑張って働くことは望んでいないでしょう。
次のバイトを探すのが面倒
次のバイト先を探すのが面倒だと感じてしまい、ダラダラとバイトを続けてしまうパターンです。
この場合は、あなた自身が真剣にバイトを辞めたいと思っていないかもしれません。はっきりと働きたい場所が見つかっているなら、自然と行動に移せるからです。
「今のバイト先に行きたくないが、次に働きたい場所も見つからない」という場合、中途半端な気持ちでバイト先を変えてしまうと、似たような後悔を繰り返す可能性があります。あなたが働きたいと思える環境について、1度ゆっくり考えてみてはいかがでしょうか。
バイトを辞めたいときの伝え方【よい例と悪い例】
バイトを辞める決断がついたなら、次は実際にバイト先に辞める旨を伝える必要があります。バイトを辞める際の伝え方も非常に重要です。辞める旨を伝える際の「悪い伝え方」と「よい伝え方」について、それぞれ解説します。
悪い伝え方
悪い伝え方をしてしまうと、相手にとって印象がよくない状態で退職することになるためおすすめしません。ここでは、悪い伝え方の例文を3つご紹介します。
「人間関係や労働環境がつらいので辞めます」
「バイト先に不満の原因があってやめる」という印象になってしまいます。バイト先に非があるような伝え方をするとよくない理由は次の2点です。
- もう辞めるバイト先にあえて悪い印象を与える必要はない
- 「じゃあ〇〇を改善するから残ってほしい」などと引き止められる可能性がある
辞めるバイト先に、本当の理由を伝えなくても問題ありません。職場には非がないことを伝えたほうがスムーズです。
「自分には合わないので辞めます」
以下の理由から、あまりよくない表現です。
- あえて言わなくてもよい
- 「合わないというよりも仕事ができなかっただけでは」と思われる可能性がある
考え方は人それぞれであるため、自分の考えや性格にバイト先の方針が合わないこともあるでしょう。ですがバイト先を円満退職したいのであれば、言わないほうがよいでしょう。
「来週いっぱいで辞めたいです。それ以降は出勤できません」
以下の理由から、非常識な伝え方です。
- 一方的に自分の都合を押し付けている
- 職場に迷惑がかかる可能性が高い
あなたなりの事情があるにせよ、一方的に「この日までで辞めます」と言ってしまうと、バイト先は代わりの人を急いで探さなければいけません。期間が短いと代わりの人が見つからないこともありますから、余裕を持って伝えることがマナーです。
よい伝え方
バイトを辞めたい時におすすめなよい伝え方の例文を3つご紹介します。ここでいうよい伝え方とは「相手を嫌な気分にさせず円満退職できる」ということです。
「就職活動に集中したいので、辞めさせていただきたいです」
このような伝え方は、バイトを辞める際にとても効果的な伝え方です。その理由は以下の2点です。
- 自分の目指すものがあり、いまのバイト生活では実現できないから
- 相手には責任がないことだから
前向きな理由を伝えてバイトを辞めるのが、誰も嫌な気分にならない1番の理想形といえるでしょう。もちろん嘘をつくのはよくないですが、正当な理由かつバイト先にはどうしようもできない理由であれば、むしろ前向きに応援してもらえることも多いといえます。
「家庭の事情で、バイトが続けられなくなりました」
仕方ないと捉えられる理由を伝えるのも効果的でしょう。効果的な理由は以下の2点です。
- やむを得ない事情であること
- 家庭のことはバイト先にはどうにもできないことだから
家庭を理由にするのも、スムーズにバイトを辞めやすい伝え方です。
「来月末にバイトを辞めたいと考えているのですが、大丈夫そうでしょうか」
バイトを辞めるのに効果的というよりも、相手によい印象を持たれやすい伝え方になります。その理由は以下の2点です。
- 期間に余裕を持って伝えている
- 職場側の都合を確認している
期間に余裕を持って伝えれば、店長なども余裕を持って次のバイトを探したり、いまいるバイトメンバーにシフト調整をおねがいしたりすることができます。「こちらの都合も考えてくれている」と、よい印象につながります。
バイトを辞めるまでの流れ
実際にバイトを辞めるまでの流れを押さえましょう。計画的に行動を起こしていくことで、あなたがバイトを辞めた後も、残った人たちが円滑に仕事を進められます。バイトを辞めた後も関係を続けたい人がいるならば、辞めるまでの流れはしっかり理解し、常識的な対応をしたいところです。
誰に伝える必要があるのか
辞めたい旨を誰に伝えるのかについてですが、まずは直属の責任者です。店舗であれば店長、オフィスならば部署の管理者となります。理由としては、関係性上の筋を通す必要があるからです。ですから、たとえば以下のような人に、先に辞めたい旨を伝えるのはNGです。
- 同僚
- 先輩、後輩
- 直属の責任者以外の社員
- 直属の責任者の上司
直属の責任者からすれば「聞いてない」「どうして自分に先に言わないのか」ということになり、印象が悪くなります。
伝え方においては、対面で伝えることがマナーです。気まずい空気になることを恐れて電話やメールなどで伝えてしまう人もいますが、「対面で伝える方が誠実」と考える人は多いため、直属の責任者とほとんど会えない状況でないかぎり、しっかり対面で伝えるようにしましょう。
いつまでに伝える必要があるのか
バイトを辞めたい場合、辞めたい日の1か月前までには伝えたいところです。ただし1か月前というのはあくまでも目安ですから、あなたが働いているバイト先の労働契約書を確認してください。
法律上では14日前に辞めたい旨を伝えれば退職できることになっていますが、多くの職場の労働契約には「退職の旨は1か月以上前に伝えること」と書かれているケースが多くあります。業務の引き継ぎや次の人手を探す手間を考えると、1か月程度の期間は必要だからです。
実際には、14日前では他の人に迷惑もかかってしまう可能性が高くなります。できれば、辞めたい日の1か月前までには責任者に伝えましょう。
伝えた後は何をするのか
バイトを辞めたいと伝えた後は、退職に向けた準備を進めます。具体的には以下の内容について確認し、行動に移しましょう。
有給消化
有給は、社員だけでなくバイトにも付与されているものです。長く働いていたバイト先を辞める場合は、事前に確認をしておきましょう。有給が残っているのかを責任者と確認し、どのように使ったらよいかを相談します。
業務の引き継ぎ
あなたが担当している仕事がある場合、これまでの仕事を誰に引き継ぐのかを確認しましょう。直属の責任者の指示を仰ぎ、それに沿って業務の引き継ぎを行います。
周りの人に伝えるタイミング
周りの人に辞めることを伝えるタイミングも、直属の責任者と相談が必要です。自分のことであっても軽々しく周りに伝えていいわけではありません。理由は、あまりに早く辞めることを伝えると、周囲の人とギクシャクする可能性があるためです。
周りの人にいつごろ伝えるかも、可能であれば事前に責任者と相談しておくことをおすすめします。
給料の受け取り
給料が振り込みの場合は特に問題ありませんが、給料が手渡しで支払われている会社の場合、いつどうやって受け取ったらいいかについて確認をしておきましょう。
返却物や提出物の確認
バイト先に返却するもの(制服・名札・入館証など)と、辞める際に必要な提出書類などがあるかどうかを確認します。期日においても、最終出勤日までなのか後日なのか、事前に聞いておきましょう。
最終日の挨拶
最終出勤日には、挨拶を求められることも多いです。そこで少しでも好感のもてる挨拶ができると、バイト先の人にもしっかり感謝の気持ちが伝わるでしょう。挨拶をする際のポイントは、以下の2点です。
- 感謝の気持ちを伝える
- 発表できる場合は今後の予定(例:就職活動をする、進学するなど)
とにかく大事なのは「ここで働くことができてよかった」という気持ちを伝えることです。この一言があるだけで印象はとてもよくなります。とくにお世話になった人には、事前に個別でお礼を伝えておくといいでしょう。全体の挨拶と違って、相手に特別感を感じてもらえます。
そして可能であれば、バイト先の人たちにお礼のお菓子や手紙などを渡せると好印象に繋がりやすいです。バイト先にお世話になったという想いがあり、気持ちよくバイトを辞めたいと思う方は、ぜひ実践してみてください。