「保険会社の仕事内容を知りたい」と思っていませんか?いわゆる「生命保険の営業」以外にも、職種はあります。この記事では、保険会社の仕事についてご紹介するとともに、保険会社の仕事のやりがいや活かせるスキル、大変なことについても解説します。
保険会社の仕事とは
保険会社の仕事は、一言でいうと「保険」という商品をお客様に販売する仕事です。病気になったり、事故に遭ってしまったりと、突発的な事態が起きる可能性は誰にでもあります。そして、もしもこうした場面に遭遇してしまったとき、お金の不安を真っ先に解消してくれるのが「生命保険」や「損害保険」といった保険なのです。
保険会社の仕事は、これらの保険をお客様に提案することがメインとなりますが、その仕事は大きく次の3つに分けることができます。
- 提案・販売
- アフターフォロー
- 企画・開発
それぞれについて、見ていきましょう。
提案・販売
保険会社の仕事の代表格ともいえるのが、保険の提案・販売業務です。いわゆる「保険営業」の仕事に該当し、保険をまさに売っていく仕事をおこないます。
そもそも保険商品には、多くの種類があります。そのなかでどの商品がお客様に必要かを考えなければ、満足してもらえる提案はおこなえません。そのため、まずはお客様の「課題」や「ニーズ」を捉えることは欠かせず、提案前の「ヒアリング(要望を聞くこと)」が保険会社の社員の腕の見せ所ともいえるのです。
一方で仕事でもあるため、売上も上げていかなければいけません。お客様に保険を買ってもらうためのセールストーク、信頼関係を築くうえでのコミュニケーション能力など、「売るための力」が必要となる場面も多い仕事といえるでしょう。
なお、提案・販売業務は「アウトバウンド」「インバウンド」のふたつに分けることもできます。アウトバウンドとは、電話や飛び込みなどで新規のお客様に営業をかけていくスタイルの仕事のことです。一方でインバウンドとは、店舗に来店したお客様に保険を提案していく仕事を指します。
対象とする相手は異なりますが、どちらにせよお客様にとって最適なプランを考え、納得のいく保険商品を提案していく仕事に違いはありません。
アフターフォロー
アフターフォローも、保険会社の大切な仕事のひとつです。無事に保険を契約してもらって、それでお客様との関係がすぐに切れることはありません。その先も、関係は長く続いていきます。プラン変更や、契約内容に関する問い合わせ、万が一の場合の保険適用など、契約後の業務は多岐にわたるのです。
また、1年前と1年後で、お客様の生活状況が大きく変わっていることも当然ありえます。子どもが産まれたり家を買ったりと、ライフスタイルにさまざまな変化が起きる可能性もあるでしょう。
生活が変わると、将来への備えや不安も変わってくるため、その時々のお客様の状況に合わせた保険商品を提案していくのも保険会社に求められる大切な役割といえます。
企画・開発
保険会社の仕事として、企画・開発の仕事もあります。保険会社の商品は、まさに「保険」です。その保険商品を新たに生み出し、既存の保険を改良していくのが企画開発の主な仕事です。
どんなに優秀な営業社員がいても、商品が魅力的でないとお客様は買ってくれません。時代も変わっていくため、お客様が求める保険も少しずつ変わっていきます。
そのため、常に新しい保険商品の開発をおこなう必要があります。保険商品をつくるのは非常に大変なことですが、収益性も考えつつ、お客様、そして保険会社双方にとって最適な商品をつくりあげるのが企画・開発の仕事といえるのです。
保険会社の仕事のやりがい
保険会社で働く「やりがい」をお伝えします。実際に働くなかで、保険会社の仕事に楽しさやおもしろさを感じる人は、とくに次の4つにやりがいを感じる人が多い傾向にあります。
- 不安や悩みに寄り添える
- 人生をサポートできる
- お金の知識が身につく
- 結果が給与に反映される
それぞれについて、見ていきましょう。
不安や悩みに寄り添える
保険会社の仕事は、お客様の不安や悩みに寄り添う仕事です。「まだ子どもが小さいから自分に何かあったときが心配」「住宅ローンの返済が控えている」など、他人にはなかなか話せないような情報を打ち明けられる場面も多々あります。
保険会社の社員とお客様といった関係を超え、人生全般の「相談相手」としての役割を担うこともめずらしくありません。
こうした不安や悩みに近くで寄り添えるのは、まさに保険会社の仕事ならではのやりがいといえます。そして、お客様のモヤモヤとした気持ちが晴れる保険商品を提案でき、その提案に感謝されたときに、この上ないやりがいを感じる人も少なくないのです。
人生をサポートできる
「人生をサポートできる仕事」という点も、やりがいに感じるポイントのひとつです。たとえば食品や飲料なども、生活にとって欠かせない商品であることに間違いはありません。しかしお客様の手に一度でも商品が渡ってしまうと、売り手とお客様との関係は基本的には終了します。
一方で保険は、買ってもらったあとにアフターフォローが続いていく商品です。「終身保険」など、お客様の安心を一生涯支えていく保険もあります。
このように保険会社の仕事は、買ってもらって終わりではなく、買ってもらったあとにもサポートを続けられる仕事といえます。「人生を長く支えていきたい」といった想いを持つ人には、特にぴったりの仕事といえるでしょう。
お金の知識が身につく
お金の知識が身につくことにやりがいを覚える人もいます。保険会社の仕事は、保険に関する知識だけでなく、年金や、公的な支援制度についての知識も必要となる仕事です。
お客様とライフプランを考えていくなかで、住宅ローンや、税金といった領域での専門的なアドバイスを求められる場面も少なくありません。そしてこうした知識は、保険会社で働く社員自身の生活においても十分役立つものです。
一般的な会社員の場合、お金についての知識を専門的に身につける機会はなかなかありません。一方で保険会社で働くと、実生活でも使えるさまざまなお金の知識が手に入るため、自分自身の知識が向上したり、実生活に活かせたりすることに楽しさを感じる人もいます。
結果が給与に反映される
多くの保険会社では、保険を提案販売する営業社員に対して「インセンティブ」を用意しています。インセンティブとは、個人で売り上げた金額によって支給されるボーナスのようなものです。
基本的には保険を販売した分だけインセンティブは上がっていくため、売上成績によっては多くの給与を手に入れることができます。
「保険を○件売る」といったノルマが課されるケースも多いため、人によっては厳しさを感じる仕事でもあります。一方で自分の頑張りが「報酬」として目に見える形で評価されることに対し、つらさより喜びを感じる人も多いでしょう。こうした人にとっては、保険会社の仕事は大きなやりがいを感じられる可能性が高いのです。
保険会社の仕事で活かせるスキルや資格
保険会社の仕事で活かせるスキル、資格を紹介していきます。そもそも保険会社の仕事は、特別なスキルや資格がないと働けない仕事ではありません。しかし、これからお伝えする力などを採用の場面でアピールできると、内定の確率を高められる可能性もあるでしょう。
保険会社の仕事で活かせるスキル
まず、保険会社の仕事で活かせるスキルをふたつ紹介します。
- 接客販売経験
- プレゼンテーション経験
それぞれについて、見ていきましょう。
接客販売経験
接客や販売の経験がある人は、保険会社の仕事に求められるスキルを持ち合わせているといえます。なぜなら、高いコミュニケーション能力、そして傾聴力を身につけている可能性が高いからです。
保険の仕事は、お客様と密接に関わっていく場面が多々あります。特に新規のお客様のもとに飛び込んでいく場合、初対面であっても打ち解けられるコミュニケーション力が欠かせません。さらにお客様の悩みを聞き出し、適切な商品を提案していく力も求められます。
こうした仕事のため、これまで接客や販売の仕事のなかでさまざまな人を相手にしてきた人は、保険会社の仕事で求められる力をすぐに発揮できる可能性が高いのです。
プレゼンテーション経験
プレゼンテーション経験も、保険会社の仕事で活かせるスキルのひとつです。お客様に商品を説明する場面ではもちろん、保険商品を企画開発する人もプレゼンテーション能力が必要です。
つくりたい商品は何か、それがお客様、そして会社にとってどんなメリットをもたらすか、といったことを論理的にプレゼンできないと、自分の提案が社内で認められていかないからです。
保険会社の仕事で活かせる資格
「これを持っていないと入社できない」といった資格はありませんが、しいて言えば「FP」は取得しておいて損はありません。
FP(ファイナンシャルプランナー)は、お金に関しての知識が幅広く学べる資格です。社会保険や投資商品、不動産や相続まで多様な知識を満遍なく学べる資格として、多くの社会人から人気を集めています。
特に保険会社で働く社員は、お金の知識とは切っても切れない関係にあります。FPで学ぶことを知識として知っておくとお客様への提案の幅も広がるため、持っておいて損はない資格といえるでしょう。なおFP3級は合格者が多く比較的簡単なため、資格取得をアピールしたい場合には最低でもFP2級以上の取得を目指してみてください。
保険会社の仕事で大変なこと
保険会社の仕事について、そのやりがいや、活かせるスキルなどをお伝えしてきました。一方で、人によっては保険会社の仕事に大変さを感じる可能性もあります。入社後に「こんなはずではなかった」と思ってしまわないためにも、次の3つの「大変なこと」をあらかじめ理解しておきましょう。
- ノルマに追われる
- 仕事がハードになりがち
- 商品の説明がむずかしい
それぞれについて、見ていきましょう。
ノルマに追われる
保険会社の仕事のなかで、保険の提案販売の仕事、つまり「保険営業」に就く場合、ノルマに追われる可能性が高いことは事実です。毎月の売上を厳しく管理されることもあり、達成しないと、厳しい口調で上司から詰められることも考えられます。
保険営業の場合、個人の成果に応じてインセンティブがもらえるケースがほとんどです。その一方で、成果に関係なくもらえる「基本給」を低めに設定している会社も少なくありません。
そのため、成果が上がらずノルマを達成できない人のなかには、厳しい生活を送らざるを得ない人もいるのです。
仕事がハードになりがち
保険はアフターフォローが必要な商品のため、お客様との関係が続く限り何かしらの業務が発生します。新型コロナウイルス感染拡大があってからは対面の営業は縮小しているかもしれませんが、従来は保険を売るため、たとえ悪天候でも、営業社員がお客様のもとに足を運ぶ姿というのは、日常的に見られる光景でした。
保険会社の仕事は、人と接する機会がきわめて多い仕事でもあります。「何度もしつこい」「もう勧誘するな」など、冷たくあしらわれたり心無い言葉を投げかけられたりしてしまう可能性もあります。体力だけでなく、精神的なタフさも求められる仕事といえるのです。
商品の説明がむずかしい
たとえば保険営業の場合、お客様に対し、保険の内容を細かく説明しなければいけません。しかし保険は、複雑な商品です。提案書や契約書にしっかり目を通したとしても、すぐには理解できないような言葉が並んでいることもめずらしくありません。
ただし保険会社の社員として、保険商品についての知識を知っていることは大前提です。お客様からの質問に素早く、正確に答える必要もあります。
そのため難しい保険知識を覚えていくことはもちろん、新しく展開される保険商品についての理解も深めていく必要もあるなど、常に勉強の毎日に追われる可能性もあるのです。
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