「ハローワークの適職診断ってどうなの?」という人向けに、ハローワークで受けられる適職診断の種類や特徴、メリットやデメリットなどを解説します。また、ハローワーク以外でおすすめの適職診断ツールも紹介するので、あなたに向いてる仕事に転職する参考にしてください。
- ハローワークの適職診断を活用して、自分にぴったりの仕事でストレスなく働こう!
- ハローワークで受けられる「4つの適職診断」について知り、活用してみよう
- ハローワークの適職診断は、職歴がない人・未経験の仕事に挑戦したい人におすすめ
この記事の目次
ハローワークでできる適職診断の種類
ハローワークで適職診断ができることを知らない方は意外と多いものです。
「自分に合った仕事をしたい」と思っている人は多いのですが、そもそも自分の強みや関心について自分自身でも分からないことも多いです。
そんなときに役立つのが、適職診断です。特にハローワークでは主に4つの適職診断を利用できるため、これらを使わない手はありません。
自分にぴったりの仕事でストレスなく働きたい人は、このあと紹介する適職診断をぜひ受けてみてください。
一般職業適性検査(GATB)
一般職業適性検査(GATB)は、仕事に必要な9種類の能力を測定する検査です。
紙筆検査(筆記検査)と器具検査に分かれ、それぞれ言語能力や数理能力、また手先の器用さなどが評価されていきます。
検査は40~50分程度で終了し、13領域40適性職業群に分けられた仕事のなかから自分の能力にマッチした仕事を知ることができます。
VPI(職業興味検査)
VPI(職業興味検査)は、自分がどのような職業に興味を抱いているかを客観的に知れる検査です。
具体的には「6つの興味領域(現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的))に対する関心度合いなどを知ることができ、たとえば「現実的タイプ」と診断された場合には、道具を扱ったり、物をつくったりすることに興味があるタイプといった診断結果が出されます。
検査は160個の職業名に対する興味の有無を回答するだけで、採点時間を含めて15~20分で終了します。
参考:VPI職業興味検査
VRT(職業レディネス・テスト)
VRT(職業レディネス・テスト)は、職業に関する興味度合いを測る目的で利用される検査です。「職業興味」を測定するA検査、「基礎的志向性」を測定するB検査、そして「職務遂行の自信度」を測定するC検査から構成されています。
質問項目が分かりやすく、誰でも簡単に取り組めることが特徴で、自分の個性や強み、そして興味関心に沿う職業群を総合的に理解することが可能です。なお、検査は40~45分で終了します。
キャリアインサイト
キャリアインサイトは、「能力」「職業興味」「価値観」「行動特性」という4つの適性評価ツールを使い、自分に合った仕事を知ることができる検査です。
検査はECコースとMCコースに分かれ、ECコースは18歳から34歳程度の若年で職業経験がない人、もしくは仕事経験が少ない人を主な利用対象者としています。一方でMCコースは35歳から60代程度で、職業経験のある人が主な利用対象者です。
制限時間は特に決められていませんが、ECコースは約105分、MCコースは約80分で終了する構成となっています。
参考:キャリアインサイト
ハローワークの適職診断を受ける方法
ハローワークの適職診断を受ける方法を、次の4つのステップに沿って紹介します。
- 電話予約
- ハローワークで検査を受ける
- 結果を印刷
- 職業相談
電話予約
まずは、ハローワークに電話して予約を取ります。
場所にもよりますが、基本的には午後2時から午後4時の間など、決められた時間に受験することが求められます。
ハローワークで検査を受ける
予約日時にハローワークに行き、検査を受けます。実施方法は検査ごとに異なりますが、たとえば「キャリアインサイト」の場合にはパソコンに案内され、画面上に表れる質問に答えていきます。
結果を印刷
全ての項目の入力を終えたら、検査は終了です。結果はその場で印刷でき、持ち帰ることも可能です。キャリアインサイトの場合には、「能力とマッチした職種リスト」や、職業に対する興味度合いなどを知れる「プロフィールシート」が印刷できます。
職業相談
診断結果をもとに、ハローワークの相談員と話もできます。転職に向けてのアドバイスも受けられるので、診断を終えたら職業相談も受けてみると良いでしょう。
ハローワークの適職診断を受けるメリット/デメリット
ハローワークの適職診断を受けるメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。
診断を受けようか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
ハローワークの適職診断を受けるメリット
ハローワークの適職診断を受けるメリットは、次のとおりです。
- 視野が広がる
- 面接に活かせる
視野が広がる
適職診断を受けると視野が広がります。
多くの場合、仕事探しをすると自分が知っている仕事だけを見てしまいがちです。しかし、一口に仕事といってもその種類は山ほどあり、自分が知らない仕事が実は「天職」である可能性もあります。
その点において、適職診断は自分の特性にマッチした仕事を客観的に示してくれるため、視野を広げる意味でも有効なツールといえるのです。
面接に活かせる
適職診断を受けると、その結果を面接で活かすことができます。
面接では、「この仕事に活かせるあなたの強みは何だと思いますか?」といった質問がよくされます。このとき、適職診断をもとに理解した自分の強みや特徴が分かっていれば、こうした質問に対してもスムーズに答えることができるのです。
ハローワークの適職診断を受けるデメリット
ハローワークの適職診断を受けるデメリットを紹介します。受験を考えている人は、主に次の2点のデメリットはあらかじめ押さえておきましょう。
- 結果に引きずられてしまうことがある
- 職場の雰囲気との相性までは分からない
結果に引きずられてしまうことがある
ハローワークの適職診断を受けると、その結果に引きずられてしまうことがあります。
たとえば「営業に挑戦したい!」と思っている人が適職診断を受け、「あなたは事務仕事が向いています」と診断されたとします。このとき結果を信じ過ぎてしまうと、せっかくの夢を自ら閉ざしてしまう可能性があるのです。
そもそも適職診断に100%完ぺきなものはありません。「あのとき自分の気持ちに正直に行動しておけば良かった……」と後悔してしまう可能性もあるので、まずは自分の思いや夢を第一に考え、そのうえで診断結果はあくまで参考程度に留めておくのもひとつの手といえるでしょう。
職場の雰囲気との相性までは分からない
ハローワークの適職診断を受けても、基本的には職場との雰囲気や相性までは分かりません。あくまで「適職」を見つけるツールのため、「固い雰囲気の会社に向いているか」「風通しの良い職場のほうが力を発揮しやすいか」といったことまでは分からないのです。
しかし長く働き続けるうえでは、仕事が自分に向いていることはもちろん、その会社で良好な人間関係を築けるかどうかも大切な意味を持ちます。そのため仕事選びをする際には、その会社の雰囲気が自分とマッチするかもしっかりと確認するようにしましょう。
ハローワークの適職診断を受けるべき人の特徴
適職診断は就活や転職に役立つツールのため、すべての人に利用をおすすめしたいですが、特に次の特徴に当てはまる人はまずは診断を受けてみることをおすすめします。
- 働いた経験がない人
- 未経験の仕事にチャレンジしたい人
働いた経験がない人
働いた経験のない人は適職診断にチャレンジしてみてください。なぜなら就業経験のない人は、「自分がどんな仕事が向いているか」といったことを判断する知識や知見に乏しいケースがほとんどだからです。
就業経験がないと「対人関係を築くのは得意」「細かい作業は苦手」といった感覚がつかめません。そのため手探りで仕事探しをすることになりますが、結局は何となく知っている仕事や給料が高そうな仕事、といった漠然とした仕事選びに終始してしまいます。
こうした仕事探しを避ける意味でも、まずは自分に向いている仕事を探す「ヒント」として適職診断をぜひ活用してみましょう。
未経験の仕事にチャレンジしたい人
未経験の仕事にチャレンジしたい人も、適職診断をぜひ積極的に受けてみてください。
前述のとおり、自分が挑戦したい仕事があれば、たとえそれが診断結果で示された仕事と違っても挑戦するべきといえます。一方で未経験の仕事に就けた人のなかには「イメージしていた仕事と違った」「自分に全く向いていない仕事だった」と後悔する人も少なくありません。
夢や思いを追いかけることも必要ですが、その仕事で長く働くことを考えると、その仕事が自分に向いているかどうかを冷静に考える目も必要です。あとあと苦しまないためにも、「目指している仕事が自分に合うか」といったことを適職診断を使って理解しておくのも大切なことといえるでしょう。
ハローワークの適職診断を受ける際の注意点
ハローワークの適職診断を受ける際に注意したいことをお伝えします。
いざ受けるとなったときに慌てないように、次の2点を必ず理解したうえで受験に臨むようにしましょう。
- 場所によって受けられる時間が違う
- 検査項目が多い
ハローワークによって受けられる時間が違う
ハローワークは、場所によって開庁時間が微妙に異なります。基本的には平日の8:30~17:15の間で開いていますが、受験予定のハローワークの開庁時間は念のため確認しておきましょう。
また、開庁時間内でいつでも受験できるとも限りません。受験する検査によって所要時間も異なるため、予約の際に「受験可能時間」「検査ごとの所要時間」をハローワークの担当者に聞いておくと良いでしょう。
検査項目が多い
ハローワークの適職診断は検査項目が多い点にも注意が必要です。
たとえば「一般職業適性検査(GATB)」の場合、11種類の筆記検査などを受けなければいけません。およそ15~20分で検査が終了する「VPI(職業興味検査)」であっても、160個もの職業に対する興味関心をそれぞれ答えていく必要があります。
もちろん、正確な診断結果を手に入れるには与えられた質問項目にすべて答えることが欠かせません。「向いている仕事が簡単に分かるから」と気軽な気持ちで行くと、その検査項目や質問数に圧倒されてしまう可能性が高いので注意しましょう。
ハローワーク以外のおすすめ適職診断
ハローワークで受ける診断ツール以外でおすすめの適職診断を3つ紹介します。
気になるものがあれば、ぜひ受けてみてください。
- フューチャーファインダー
- VCAP
- エゴグラム
フューチャーファインダー
フューチャーファインダーは、16のタイプのなかから自分に合った仕事を探せる診断ツールです。登録は必要ですが、高校生以上であれば無料で誰でも利用できます。
受験はインターネット上でおこない、所要時間はおよそ25分です。約150問の質問に答える必要があるため根気が試される一面もありますが、それだけ正確な結果が出る診断ツールとして人気を集めています。
参考:フューチャーファインダー
VCAP
VCAPは心理学を利用した適職診断テストです。診断結果が200以上のタイプで示されることが特徴で、「仕事の鬼タイプ」「ジャイアンタイプ」などユニークなタイプも少なくありません。
インターネット上の専用のサイトから受験でき、およそ5分で終了します。登録不要で無料で利用できるので、気軽に受けられる適職診断を探している人にぴったりです。
参考:VCAP
エゴグラム
エゴグラムは、自分の性格を客観的に知ることができる診断ツールです。50個の質問に「はい」「いいえ」「どちらでもない」の三択で答えていくだけで、自分の性格や心の“クセ”が理解できます。
なお、インターネット上にはさまざまなエゴグラムの検査がありますが、サイトが異なるだけで基本的にはどれも同じ質問が並んでいます。5分以内で簡単に診断できるのでぜひ試してみてください。
参考:エゴグラム
ハローワークの適職診断に関するよくある質問
ハローワークの適職診断についてよくある質問にお答えします。
ハローワークの適職診断は無料?
ハローワークの適職診断は無料です。なぜなら、ハローワークは国が運営している公共の施設だからです。そのため適職診断も無料で利用できるだけでなく、職業紹介や職業相談といったことも全て無料でお願いすることができます。
ハローワークの適職診断は予約が必要?
ハローワークの適職診断は予約が必要です。なお、受験可能時間はハローワークによって異なりますので、予約の際に時間についてもあらかじめ確認しておきましょう。詳しくは「ハローワークの適職診断を受ける方法」で解説していますので参考にしてください。
ハローワークの適職診断は正確?
ハローワークの適職診断は、基本的には正確な結果が出てきます。なぜなら、多くの診断ツールに比べて検査項目数が多く、それだけ精緻に分析しているツールといえるからです。ただしあくまで診断に過ぎないため、その結果を闇雲に信じ過ぎるのは避けたほうが良いでしょう。
まとめ
仕事は、日々の生活と切っても切り離せないものです。「どうせ働くなら、自分に合った仕事でイキイキ楽しく働いていきたい」と考える人も多いことでしょう。
こうした点において、ハローワークの適職診断は仕事の向き不向きを知るうえで有効な手段となってくれるはずです。受験後には結果を踏まえて担当者に転職の相談もできるので、自分にぴったりの仕事を探したい人はハローワークにぜひ足を運んでみてください。
「ハローワーク 適職診断」によくある質問
ハローワークの適職診断を受ける方法は、4つのステップに分かれております。電話予約、ハローワークの検査、結果の印刷、職業相談です。詳しくは「ハローワークの適職診断を受ける方法」に記載しております。
ハローワークの適職診断を受けるべき人の特徴は、2つあります。働いた経験がない人未経験の仕事にチャレンジしたいといった特徴を持っている人です。詳しくは「ハローワークの適職診断を受けるべき人の特徴」に記載しております。
こんな方におすすめ!
- 自分に合った仕事が見つかるか不安
- ハローワークのサービスに物足りなさを感じている
- ハローワークしか利用したことがない
- 自分に合った仕事が見つかるか不安
- ハローワークのサービスに物足りなさを感じている
- ハローワークしか利用したことがない