引きこもりを脱出したいがきっかけがなく、ずるずると引きこもり生活を続けている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、ニートを脱出したいと考えている人向けに、ニートを脱出するための唯一の方法について解説します。それ以外にも、脱出できる人の特徴や、脱出できないと感じてしまう理由についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 引きこもりを脱出できる人は「周囲を頼れる」「後回しにしない」「強い気持ち」
- ひきこもりは「まず一歩踏み出すこと」から脱出できる
- おすすめの脱出のきっかけは「ボランティア活動」「アルバイト」「正社員就職」
- 脱出のポイントは「目標は小さく」「焦らない」「相談相手」「失敗を肯定する」
この記事の目次
引きこもり脱出の現状【脱出できない理由も解説】
引きこもりとは何なのか、今の日本にどの程度いるのかや、引きこもりから社会復帰をして就職した人の割合はどれくらいなのか、引きこもりを脱出できないのはなぜかについて、それぞれご紹介します。
引きこもりとは【現状についても解説】
厚生労働省「ひきこもり施策について」の定義によると、引きこもりとは「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」のことを指すとされています。
引きこもりのいる世帯数は全国で約32万世帯にのぼるなど、大きな社会問題のひとつに数えられていますが、近年、ひきこもりの高齢化・長期化が指摘されています。
内閣府「若者の生活に関する調査報告書2016.」と、内閣府「生活状況に関する調査報告書2019」を見てみると、具体的には、15~39歳では約54万1000人が引きこもり状態にあるといわれるのに対し、40~64歳は約61万3000人とおよそ7万人多く、さらに「ひきこもり期間」は7年以上が半数を占めていることがわかります。
引きこもりを脱出できる人の割合
内閣府「生活状況に関する調査(平成30年度)」によると、過去に引きこもり経験があった人の現状は、以下の通りです。
- 正社員として働いている…46.3%
- 正社員以外(アルバイトなど)として働いている…27.4%
このように、過去に引きこもり経験があった人の約7割は、引きこもりを脱出して社会復帰できていることがわかります。
一方で、精神疾患などの病気を抱える引きこもりの場合、「無職」が76.6%と最多になっています。
精神的な病気などがある場合は、通院や療養も必要になるため、引きこもり脱出に時間はかかりそうです。一方、そういった症状がない人の場合、いずれは何らかの方法で引きこもりを脱出し、社会復帰できている人の割合も一定数いることがわかります。
引きこもりを脱出できない理由とは
引きこもりをなかなか脱出できない要因としては、以下の3つが考えられます。
要因1.病気の長期化
前述しましたが、特に「精神障害」が引きこもりの背景となっているケースは多く、厚生労働省発表の「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」によると、主に次のような障害が指摘されています。
- 適応障害
- 不安障害
- 強迫性障害
このほかにも、うつやパニック障害、自律神経失調症なども考えられます。精神的な病を持つ人は傷つきやすい傾向にあり、対人関係においても、気を遣いすぎて疲れてしまう様子が見られます。
一度快方に向かっても、何かのきっかけでまた再発してしまうなどのケースもあり、結果として長期に引きこもってしまうことも多いのです。
また、はじめはストレスを避けようと家に閉じこもっていた人が「マイナスなことばかり考えてしまって将来に希望が持てない」「動く気力すら起きない」と感じ、精神障害を二次的に発症してしまうケースも確認されています。
要因2.挫折経験から立ち直れていない
たとえば以下のような挫折経験があり、まだ立ち直れていない人もいます。
- 第一志望の学校に行けなかった
- 資格試験に落ちた
- 就活したがうまくいかなかった
- 失恋した
- 夢や目標があったが断念した
誰にでも、挫折はあります。しかし、大きな挫折経験がなかった人やプライドが高い人の場合、行動することが怖くなったり、無気力になったりして、引きこもって何もしなくなってしまうことがあるのです。
はじめはささいなことがきっかけでも、引きこもっているうちにどんどんネガティブになり、外に出ることが怖くなる…という負のループもあり得ます。
要因3.学校や職場の人間関係に馴染めなかった
引きこもりのきっかけとして比較的多いのが、人間関係における失敗です。たとえば学校で友人ができず「ぼっち」になった、職場で心を開ける人がおらず孤立した、いじめやハラスメントを受けた、などです。
本来、転校や転職などをする方法もありますが、人間関係がうまくいかなかった経験から、人と関わることが怖くなって引きこもりになるケースは少なくありません。
相性が合わない人と関わったり、嫌なことをされたり言われたりする経験は誰にでもありますが、その経験によるショックがあまりに大きく、自信喪失になって引きこもりが長引くことはめずらしくないのです。
引きこもりを脱出できる人の特徴
引きこもりを脱出できない要因について前述しましたが、実際には、引きこもりから社会復帰できた人もたくさんいます。引きこもりを脱出できる人の特徴とその理由について、それぞれご紹介します。
特徴1.一人で抱え込まずに周囲を頼れる
一人で無理に解決しようとせず、周りの人や機関・サービスなどに頼れる人は、引きこもりから脱出しやすいといえます。
たとえば、勇気を出して、引きこもりの社会復帰や就職支援をしている民間やNPO団体などのサービスにアクセスするのもひとつの方法です。
自分のダメな部分を受け入れ、人にさらけだせるという時点で、引きこもり脱出に一歩近づいているのです。
特徴2.問題に感じた時に後回しにしない
「引きこもりのままではダメなのはわかっているけれど、まあ、いますぐ何かしなくてもいいか」と考え、そのまま…という人もいるかもしれません。
一方で、引きこもりであることを自分の問題として認め、なんとかしようという想いがある人は、後回しにせず行動します。
その結果、引きこもり期間が短期間で終わったり、早い段階で自分に合う仕事が決まったりすることも多いのです。
特徴3.引きこもりを脱出したい強い気持ちがある
引きこもりをしている人のほとんどは「いまの状況をどうにかしなければ」と思っているはずです。
しかし同時に、人と関わらず外に出ない生活をしていれば傷つくことがないのも事実で、そこに心地よさを感じてしまう人もいます。
「大変なこともあるかもしれないけれど、絶対に引きこもりを脱出して社会復帰するんだ」という決意がある人であれば、引きこもりを卒業できるまでなんらかの行動を続けるため、結果として早めに脱出できるのです。
引きこもりを脱出する時のきっかけとは
引きこもりを脱出できた背景には、何かしらのきっかけがあることがほとんどです。引きこもりを脱出する際に多いきっかけについて、ご紹介します。
きっかけ❶友人や周囲の環境の変化
たとえば、以下のような周囲の変化がきっかけで、引きこもり卒業を考えることがあります。
- 友人の結婚
- 親の定年退職
- 兄弟が実家を出て一人暮らしを始める
「周りは人生のターニングポイントを迎えているのに、自分は何も変わっていない」という焦りが、引きこもり脱出のきっかけになることがあるのです。
きっかけ❷20代から30代になることによる焦り
一般的に、20代と30代の世間から見たイメージは、以下のようにそれぞれ異なります。
- 20代…「まだ若いから」という目で見てもらえる
- 30代…大人として一定の役割を求められる(仕事や結婚など)
このように、30代になったとたん、求められるものや見られ方が大きく変わってしまうのです。
引きこもりでも、「20代の引きこもり」よりも「30代の引きこもり」のほうが、客観的に「このままだとヤバい」という想いになりやすいでしょう。
きっかけ❸小さな成功体験を積む
引きこもりから、以下のような小さな成功体験を積むのもおすすめです。
- 家族以外の人と少しだけでも会話をする(コンビニ、美容院など)
- 近所を散歩してみる
- 電車やバスに乗って出かけてみる
- 就活相談ができる施設やサービスに連絡してみる
- 外での活動に参加する(ボランティアや短期バイトなど)
周りから見ればそう大きなことではないような行動でも、ひとつずつ着実にやっていくことで、自分の自信につながっていくことも多いのです。
引きこもりを脱出できる唯一の方法を紹介!
引きこもりを脱出することは可能です。ここでは、引きこもり脱出のための3つの方法と、弊社ジェイックの就職支援サービスについてご紹介します。
まずは一歩踏み出すことでしか脱出できない
引きこもりを脱出できる唯一の方法は、一歩踏み出して行動することです。まずは自分ができる、スモールステップからで良いのです。
残念ながら、引きこもりを脱出したいという「想い」だけでは、現実は変わりません。とにかく現状を変えるためには、あきらめることなく何かしら動いてみることで、いずれ必ず道が開けてきます。
引きこもりを脱出する方法を一挙紹介
引きこもり脱出のために、以下3つの方法を選ぶことをおすすめします。
ボランティア活動
たとえば地域でできる活動や、地域のイベントのお手伝いなどです。ごみ拾いや介護施設の手伝いなど、経験がなくてもできるボランティアは複数あります。
ボランティア活動に参加している人の年齢層は、学生や主婦、シニア、社会人までさまざまです。「引きこもりの自分が参加しても大丈夫か」など引け目に感じる必要はありません。
あくまでボランティアですから、参加してみて合わないと感じたら、無理に続ける必要はありません。一度でも「人の役に立てた」という実感を持つことが、今後の行動につながっていくケースがあります。
アルバイトをする
未経験OKのアルバイトを見つけて、一日など短期からでも良いので働いて見るのもおすすめです。仕事をして給料をもらうという経験を通じて「また社会復帰して働けるかも」という手ごたえを感じられます。
注意点としては、アルバイトは「安定性」や「手に職をつける」という点においてはやはり欠けていて、長く続けるのにはリスクがあるという点です。
まずは少しずつアルバイトの機会を増やしてみて、大丈夫そうだと感じたら、できるだけ早めに就活を開始するのがおすすめです。
正社員になる
引きこもり脱出の理想的なゴールは、正社員として就職することです。一社会人として企業に勤め、組織のなかで仕事をするなかで得られるものは多いでしょう。どんな仕事に就くとしても、就職して働くという経験は、その後の人生において必ず役立ちます。
正社員就職をしてキャリアやスキルを積んでいったり、仕事を任されたり、人から必要とされたりすることが、揺るぎない自信になっていきます。
精神的・経済的に安心感のある生活が送れるようになるためにも、体調などに問題がなければ、がんばって引きこもりからの就職を目指してみましょう。
就職エージェントの利用
正社員就職を目指すなら、就職エージェントを上手く活用するのがおすすめです。
就職エージェントとは「キャリアアドバイザー」と呼ばれる就職支援のプロがマンツーマンで、求職者の就活をサポートするサービスです。
就職エージェントの利用が特におすすめなタイプは、「就職支援のプロに相談しながら就活を進めたい」と考える人です。これまでの経歴や自己PRに自信がない人は、就職エージェントに相談することで効率よく就活を進められますし、自信を持って臨めるようになるでしょう。
就職エージェントは、会社ごとにサービスの対象が変わります。
- 第二新卒向け
- 20代向け
- 就職未経験に強い
- 女性向け
就職エージェントを利用するときは「このサービスは自分の属性に合っているか」をよく考えて登録しましょう。複数の就職エージェントに登録しても構いません。気になるものがいくつかある人は一通り登録して、利用しながら比較・検討していくのがおすすめです。
エージェントによってサービス内容も異なりますが、一般的には以下のサービスが利用できます。
- 求人の紹介
- 求人の申し込み
- 応募書類の添削
- 個別面談
- 面接対策
私たちジェイックも就職エージェントを運営しており、社会人経験が少ない人の就職支援を得意としています。
ジェイックの「就職カレッジ®️」では、転職活動のノウハウやビジネスの基本が学べる「就職支援講座」も行っています。
支援講座の受講者は、社会人経験が短い人であっても採用したいと考えている優良企業20社と一斉に面接ができる「集団面接会」に参加できます。書類選考なしで、1日に複数の会社と面接ができるため、最短2週間で内定の獲得も可能なシステムです。転職できるか不安な人にも、利用しやすいサービスとなっています。
まずは、就職やキャリアの悩みを相談したいという方でもご利用可能です。
転職エージェントの活用に興味のある人は、ぜひご検討ください。
引きこもりを脱出するためのポイント
「引きこもりを脱出したい気持ちはあるけど、なかなか一歩踏み込めない…」こうした気持ちを抱いている人も少なくないでしょう。動く気力が湧かず、でも動かなきゃ、といったジレンマのなかで戦っている人も多いかもしれません。
こうしたなかで引きこもりを抜け出すためのヒントを、4つお伝えします。
目標は小さく
「引きこもりを脱出して立派に社会復帰しよう」と、無理をして最初から大きな目標を掲げる必要はありません。
一方で多少遠回りでも、周りを見渡せば頂上につながる“徒歩のルート”が見つかるはずです。たとえば就職相談サービスに連絡してみる、昨日は家から出なかったが今日はスーパーまで買い物へ行けた、などでも大きな一歩です。
小さな目標をクリアしていくと、自分に自信がついていきます。まずは自分にできることから始めていきましょう。
焦らない
引きこもり脱出に、焦りは禁物です。「家族の目が気になるから早く抜け出したい」「早く働かないと……」と焦る気持ちは十分理解できます。しかしたとえ抜け出せたとしても、自分の気持ちに整理がついていないままでは、何かしらのできごとをきっかけに、再度引きこもってしまう可能性があります。
大切なのは、引きこもりから脱出しようと考えることではなく、「この先引きこもらないためにはどうすればいいんだろう?」と考えを転換することです。
まずは焦らず、引きこもらないためのアクションにも目を向けてみましょう。
相談相手を見つける
人に頼っても大丈夫です。相談をすることで道が開けた例は、いくらでも見つかります。
そもそも、たとえ引きこもっていない人であっても、自分ひとりだけで生きていくのは不可能です。誰もが、誰かに支えられて生きています。支えられたら、次は誰かを支える立場に回ってあげる。こうして社会は回っていきます。
今は、誰かを支えることは考えなくても大丈夫です。これまで誰かに支えられてきて、今度はあなたを支えたいと考えている人がきっと見つかります。自分だけの力だけでなく、誰かの力を借りることも考えてみましょう。
失敗を肯定する
失敗は、すり傷のようなものです。たとえば、自転車を練習したときのことを思い出してみてください。はじめは、誰もが乗れないところからのスタートです。練習し、転んで痛かった記憶もよみがえってくるかもしれません。
ですがそうしたいくつもの傷を経て、「漕いでいる」という意識をせずとも自転車に乗れるようになります。
一方で「失敗しないために自転車を漕ぐにはどうしたらいいだろう」と考えていたら、いつまでたっても自転車には乗れません。なぜなら「自転車に乗る」という成功を手にいているうえで、失敗はつきものだからです。
失敗の先に成功があることを、まずは信じましょう。あのときの「傷」があったからこそ、今の自分がいる。こう思えたとき、少しだけ世界が広がって見えてくるはずです。
まとめ
引きこもり脱出のための方法は、意外とシンプルです。引きこもって一人で部屋にいると「もう自分なんてダメだ」とネガティブになりがちですが、いざ外に出てみれば、受け入れてもらえる場所は必ずあります。現状だけを見て、悲観的に捉えすぎないようにしましょう。
引きこもりからの脱出は無理ではありませんが、若ければ若いほど成功しやすいのも事実です。引きこもり脱出の第一歩として、ニートや引きこもりの方の就職実績が豊富な弊社ジェイックへ、ぜひお気軽にお問い合わせください。
「引きこもり脱出」に関するよくある質問
まずは、一歩踏み出すことです。ボランティアやアルバイトに参加し自信をつけるのも良いでしょう。最終的には、早めに就職を目指すのがおすすめです。
周囲の環境の変化や年齢がきっかけになりやすいほか、小さな成功体験を積むことでポジティブになっていき、外に出て社会復帰したいという行動につながることがあります。
自分だけで抱え込まず、人に頼りましょう。ジェイックの「就職相談」にお申込みいただければ、プロのキャリアアドバイザーが現状をヒアリングしたうえで、引きこもり脱出のためのアドバイスをさせていただくことが可能です。