「第二新卒からの正社員転職は厳しい」という意見や、そもそも「第二新卒は甘い」という意見をネット上で見かけることがありますが、はたしてこれらの意見は本当なのでしょうか。
この記事では第二新卒の方が正社員への再就職を目指すことは難しいのか、そしてもし転職活動をする場合に役に立つ、転職しやすい職種や具体的な転職方法についてご紹介しますので、是非参考にしてみて下さい。
第二新卒からの正社員転職は厳しい?
第二新卒とは、大学などの学校を卒業して就職し、そこから3年以内に転職活動をする人のことを指します。果たして、第二新卒からの正社員転職は可能なのでしょうか。第二新卒からの正社員転職は可能なのか、第二新卒でもなかなか転職できない人の特徴について、それぞれご紹介します。
第二新卒の転職について、以下の記事でもくわしくご紹介しています。
第二新卒の転職のポイントや注意点も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
第二新卒でも正社員転職は十分に可能
結論から言うと、第二新卒から正社員転職ができる可能性は十分高いといえます。第二新卒の採用に積極的な企業も比較的多くありますので、安心してください。
企業目線の第二新卒のメリットとしては、以下があります。
- 若くて伸びしろがある
- 基本的なビジネスマナーが身に付いている
- 前職で学んだスキルがある
まず、第二新卒の年齢層の多くは20代前半~半ばです。企業からすると新卒でなくともまだまだ若く、今後の成長が期待できる年代です。
前職でビジネスマナーを身につけてきていることも、企業としては第二新卒を採用したい理由のひとつになっています。「第二新卒=社会人としての基本や常識が備わっている人材」という安心感があるのです。
前職の職種に関する専門スキル、またはコミュニケーションスキルや資料作成のスキルといったように、ビジネスに活かせる何らかのスキルが少なからずある点も強みです。
第二新卒から正社員転職が難しい人の特徴
比較的転職しやすい第二新卒ですが、なかなか正社員転職が決まらない人もいます。
第二新卒からの転職が難しい人の特徴としては、以下があります。
- 大手企業ばかり応募している
- 転職理由がネガティブ
- 志望動機があいまい
- 前職から何も学んでいない
- ビジネスマナーが身に付いていない
第二新卒であっても、大手企業への入社難易度の高さは同じです。既卒やニート・フリーターと比較すると採用の可能性はまだ高いかもしれませんが、狭き門には変わりありません。
「上司と合わなかった」「ノルマがきつかった」などのネガティブな理由を企業に伝えている、志望動機や熱意が伝わらないなどの場合も、採用はされづらくなります。
「前職では、とりあえず言われたことをこなしていた」など仕事への意欲が低い人も企業からは見抜かれてしまうでしょう。また、第二新卒であっても、たとえば正しい敬語が使えない、身なりがだらしないなど、採用に不安を覚えるレベルの立ち振る舞いの人は敬遠されがちです。
第二新卒から正社員に転職しやすい職種
第二新卒は、未経験の職種にチャレンジするチャンスでもあります。転職市場の需要が高いこともあり、前職と全く関係のない職種への挑戦もしやすいということです。
ここでは、第二新卒の方が正社員転職する際におすすめの職種と向いてる人の特徴について、平均年収も合わせてご紹介します。
1.営業職
doda「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 【最新版】」によると、営業職(20代)の平均年収は378万円です。
営業の仕事で扱うのは、モノなどの「有形商材」、サービスなどの「無形商材」のいずれかになります。自社製品・サービスの提案や受注、新規クライアント開拓、定期フォロー、他部署や協力会社との連携、必要に応じて納品や導入サポートなどの実施などが、主な仕事内容です。
営業職に向いてる人の特徴としては、以下があります。
- 人が好き/人への興味が強い人
- 予定外のことにも冷静に対応できる人
営業は、常に人との付き合いややりとりが発生する仕事です。担当するクライアントが多いほど覚えなければいけない人の数も増えるため、人と話すことや関係性をつくっていくことが得意な人のほうが、やはり活躍しやすい仕事です。また、クライアントからの急ぎの用事や予期せぬアクシデントなどが発生しても、混乱せず落ち着いて対処できる人のほうが適性があります。
2.ITエンジニア
doda「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 【最新版】」によると、ITエンジニア(20代)の平均年収は372万円です。(※技術系【IT/通信】の平均年収)
ITエンジニアの仕事内容は、情報技術を駆使して、システムの設計や開発、テスト、保守・運用などの工程が主な仕事内容です。
ITエンジニアに向いてる人の特徴としては、以下が考えられます。
- 将来の働き方の選択肢を広げたい人
- 粘り強い人
ITエンジニアの仕事は、たとえばフルリモートだったり、フリーランスになったり、クライアント先へ常駐したりと、一定以上のスキルを身につければさまざまな働き方がしやすい職種のため、自分の希望に合う働き方を目指していきたい人にもおすすめです。また、途中でトラブルが起きたりエラーが出たりしても投げ出さず進められる人にも適性があります。
3.販売職
doda「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 【最新版】」によると、販売職(20代)の平均年収は298万円です。
販売職は、食品や衣料品、雑貨、家電製品、コスメなどの美容系、家具、書籍など、非常に幅広いジャンルです。それぞれ、接客やレジ、品出し、清掃、受発注や問い合わせ対応、催事準備などが主な仕事内容です。
販売職に向いてる人の特徴としては、以下があります。
- 仕事の成果をダイレクトに感じたい人
- マルチタスクが得意な人
自分が接客したお客さんが商品を購入してくれたり売上が伸びたりと、販売職は自分のがんばりや工夫次第で成果が出やすいため、そういったことにやりがいを感じる人にはおすすめです。また、複数の業務を同時進行することも多いため、そういったことが苦にならない人のほうが適性があります。
4.介護職
求人ボックス給料ナビ「介護福祉士の仕事の年収・時給・給料情報」によると、介護職の平均年収は305万円です。
要介護の高齢者の利用施設において、利用者の暮らしのケアやフィジカル・メンタル面のサポート、レクリエーションの実施、利用者家族への対応などが主な仕事内容です。高齢者施設は複数種類あり、介護が必要な度合いなども異なります。
介護職に向いてる人の特徴としては、以下があります。
- 手に職をつけたい人
- 将来は関連企業で働くことも視野に入れている人
介護の仕事は、専門スキルや知識を身につけたい人にも適性があります。意欲的にキャリアを積めば、将来的に実務経験を活かして介護用品や高齢者サービスなどを扱う関連企業での仕事への転職もしやすいため、そういったキャリアパスを目指す人にもおすすめです。
5.マーケティング職
enworld「マーケティング職への転職!仕事内容や年収、必要なスキルも解説!」によると、マーケティング職(20代)の平均年収は400万円です。
データの分析などから顧客の行動やニーズを捉え、モノやサービスを売る・売上を上げるための戦略や計画を立案し、実行・改善していくのが主な仕事内容です。
マーケティング職に向いてる人の特徴としては、以下があります。
- 企画や提案のアウトプットが得意な人
- 数字やデータを読む・扱うことが好きな人
主に「売る」「売上や数値を伸ばす」ためのアプローチ方法を考えていくことになるため、そういったことを考えるのが得意な人にはおすすめです。具体的な数字やデータを参考に判断していくことも多くなるため、数字やデータを見る・分析して戦略を立てていくのが上手な人にも適性があります。
第二新卒から正社員への転職を成功させる方法
最後に、第二新卒から正社員転職を成功させるための具体的な5つの方法について、それぞれご紹介します。
1.転職理由を明確にする
第二新卒として転職する理由を自分のなかで明確にして、人にも説明できるようにしておきましょう。
たとえば「給料が低いから」「やりたい仕事ではなかったから」などのネガティブな理由ではなく、第三者が聞いても納得できるポジティブな転職理由を考えることが大切です。
転職理由がはっきりしていれば採用の可能性が高まるほか、入社後も、自分の価値観や考えがブレにくくなります。
2.将来なりたい姿をイメージする
自分が将来なりたい姿を、具体的にイメージしてみましょう。「そのためには、転職してこういう企業でこういう経験を積みたい」「転職先ではこういうスキル・知識を身につけたい」など、逆算して考えていくのがおすすめです。
「いきなり先のことをイメージするのは難しい」という方は、たとえば3年後、5年後というように、比較的近い理想の未来からイメージしてみてもよいかもしれません。
3.転職理由となりたい姿に一貫性を持たせる
1、2で考えた転職理由と将来なりたい姿に、ズレがあってはいけません。そのズレは違和感となり、企業に伝わってしまいます。
第二新卒は転職しやすいとはいえ、企業としては「なぜうちの会社に入りたいのか」「どのようなキャリアプランを描いているのか」は、採用選考の際に重要視します。転職理由ややりたいことなどに一貫性があるかどうかは、転職成功を左右する大きな要素のひとつですので、きちんと準備をしましょう。
4.応募先企業の研究をする
転職成功には、応募先企業を徹底して研究しておくことが欠かせません。
第二新卒が企業に応募する前に考えておくべき項目としては、以下があります。
- サービス内容の理解
- 会社の強み・弱みの研究
- 自分が入社することによる会社へのメリット
その企業のサービス内容は社会においてどのような意味を持つのかや、競合他社などと比較した会社の優位性や課題、採用されたら会社にどのように貢献できるのかについて、それぞれ時間をかけて考えておきましょう。
5.面接対策をする
第二新卒が面接で聞かれる質問は、ある程度共通しています。たとえば、以下の2点は、第二新卒はほとんどの企業で聞かれる可能性が高いでしょう。
- 前職を辞めた(辞める)理由
- 前職でどのような業務を担当していたのか
まず、なぜ前職を辞めようと思ったかは100%聞かれます。すべて正直に答える必要はありませんが、前向きかつ違和感のない理由を考えるのがおすすめです。
前職の在籍期間に関わらず、どんなことをやっていたのかについても少なからず聞かれます。前の会社のことや担当していた業務内容は、ある程度しっかりと答えられるようにしておきましょう。
第二新卒の面接について、以下の記事でくわしくご紹介しています。
第二新卒の面接で聞かれることが多い質問やそれぞれの回答例なども記載していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
第二新卒の正社員転職は、社会人経験がない状態からの就職と比較すると難易度が低めで、未経験の職種にもチャレンジしやすいため、20代で転職したい人にはおすすめの方法のひとつです。
とはいえ、第二新卒だからといって必ずしも志望する企業に採用されるとは限りません。また、企業からは少なからず「うちもすぐ辞めるのではないか」という懸念は持たれがちです。第二新卒の転職を成功させたい方は、説得力のある転職理由を伝えられるよう準備しましょう。ジェイックでは第二新卒の転職支援も実施していますので、お気軽にお問い合わせください。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい
よくある質問
第二新卒の正社員転職は比較的しやすいものの、就活は通常の中途採用よりも難しくはなります。キャリアやスキルがある人を中途採用したい企業の場合、第二新卒の採用の優先度は高くはないからです。不安な方はジェイックの「就職相談」で、一度ご相談だけでもしていただくことをおすすめします。
第二新卒の転職を納得いくものにするためには、正しい方法で就職活動に取り組むことが欠かせません。はじめての転職となるため、人によっては転職先がミスマッチになってしまうリスクもあります。「ジェイック」の就職カレッジ®は第二新卒の方も対象としているため、ぜひ参加をご検討ください。
「第二新卒でも正社員転職は十分に可能」でご紹介していますが、第二新卒は、企業の需要は高めです。まだまだ若くビジネスマナーやスキルがある程度身についているため、ゼロから育てる新卒よりも手間がかからず、かつ、自社で活躍する人材に成長するポテンシャルも十分にあるからです。
営業やマーケティング、ITエンジニアなど、複数の職種をおすすめします。第二新卒は、未経験の職種にキャリアチェンジできる可能性も高いため、やりたい仕事やチャレンジしたい仕事が見つかった人にとっては、いい機会でもあります。くわしくは「第二新卒におすすめの職種は?」をご覧ください。