引きこもりから社会復帰をどうにかできないかと思っていませんか?
この記事では社会復帰支援サービスや社会復帰する時のポイントについてまとめました。
社会復帰に向けて動き出すために、できることから手を付けていきましょう。進んだり戻ったりしながら少しずつの一歩を積み重ねていくことが大切です。
- 引きこもりの期間が長くなるにつれて社会復帰の難易度は上がってしまう
- 引きこもりから社会復帰を目指すなら、ハローワーク、ひきこもり地域支援センターのほか、ジェイックの就職カレッジ®なども活用しよう!
- 引きこもりから社会復帰するコツは、無理せず自分のペースで、自分に適した働き方を見つけること
この記事の目次
引きこもりの社会復帰は難しい?
一般的に1度引きこもりになると、時間がたつにつれて社会復帰は難しくなるといわれています。ここではそれを裏付けるデータを紹介しましたので、参考にしてください。特に今「引きこもりは楽そうでいいな」と思っている人にこそ、見ていただきたいデータです。
引きこもりの社会復帰率を紹介
日本の引きこもりの社会復帰率は、低い状態にあるといえます。
引きこもり状態の人の就業経験は15歳~39歳で62.5%、40歳~69歳で90.3%です。今の自分を変えたいと思う人は75.7%いますが、努力しても希望の職種に就けないとあきらめている人も61.1%います。
内閣府が行った調査では、引きこもりの数は生産年齢人口(15歳~64歳)において全国で推定146万人いると報告されています。50人に1人が引きこもりであるという結果でした。
仕事で外出する必要がなく、私用でもほとんど外出しない「広義のひきこもり」は、15歳から39歳で2.05%、40歳~64歳で2.02%の割合です。
参照:内閣府「こども・若者の意識と生活に関する調査 (令和4年度)」
15歳~36歳対象調査データ
40歳~69歳対象調査データ
引きこもりの働く意欲に関する調査
123人の引きこもりに対して行った調査では、74.8%が「働きたい」と回答しています。引きこもり状態にある人の働く意欲は、高いといえるでしょう。その一方で、「働きたいと思わない」人が17.1%います。
引用:オンラインを活用した ひきこもり支援の在り方に関する 調査報告書
次に、各世代の就労意欲に関する調査を紹介します。
年齢層 | 就労したい | 就労したくない | 内容による | 無回答 |
---|---|---|---|---|
20代以下 | 72.70% | 13.60% | 0.00% | 13.60% |
30代 | 78.60% | 14.30% | 2.40% | 4.80% |
40代 | 73.20% | 19.50% | 0.00% | 7.30% |
50代以上 | 70.60% | 23.50% | 0.00% | 5.90% |
どの世代の就労意欲調査でも「就労したい」と感じている人は70%以上おり、就労意欲は世代問わずに高いことがわかります。
年齢を重ねるごとに「就労したくない」人の割合が増え、40代では「働きたくない」人は20%近い結果でした。20代以下は「無回答」が13.6%いることから、実際には「就労したくない」人が結果以上にいる可能性があります。
引きこもりの継続期間に関する調査
続いて、引きこもりになってからの期間をまとめた表を紹介します。
現在の外出状況になってからの期間 | |||
15歳~39歳(690名) | 40歳~69歳(698名) | ||
3か月未満 | 17.8% | 3か月未満 | 7.7% |
3か月~6か月未満 | 9.7% | 3か月~6か月未満 | 3.7% |
6か月~1年未満 | 11.4% | 6か月~1年未満 | 7.7% |
1年~2年未満 | 14.5% | 1年~2年未満 | 11.0% |
2年~3年未満 | 15.1% | 2年~3年未満 | 20.8% |
3年~5年未満 | 12.9% | 3年~5年未満 | 15.0% |
5年~7年未満 | 5.4% | 5年~7年未満 | 9.2% |
7年~10年未満 | 3.8% | 7年~10年未満 | 7.7% |
10年~15年未満 | 4.6% | 10年~15年未満 | 6.3% |
15年~20年未満 | 2.3% | 15年~20年未満 | 3.2% |
20年~25年未満 | 1.0% | 20年~25年未満 | 2.0% |
25年~30年未満 | 0.4% | 25年~30年未満 | 1.6% |
30年以上 | 0.1% | 30年以上 | 3.0% |
無回答 | 0.9% | 無回答 | 1.0% |
引用:内閣府「こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度)」
15歳~39歳対象調査データ
40歳~69歳対象調査データ
上記の表からわかるのは、以下の2点です。
- 15歳~39歳の若い世代の約4割は1年以内に社会復帰しているが、40歳~69歳は2割もいない
- 引きこもり期間が5年以上続くと、どの世代も社会復帰率が著しく低くなる
就職活動では、ニート(無職)期間が1年以上あると就職難易度が上がるといわれています。
この調査の結果から、少しでも年齢が若く、ブランクを空けずに就活をすることで社会復帰の可能性が高まることがわかります。
引きこもりになったきっかけ
厚生労働省の平成30年版厚生労働白書では、学校や職場など多くの時間を過ごす場所に引きこもりのきっかけがあることがわかっています。具体的には、職場やクラスになじめずに人間関係に悩むことや、挑戦した結果の挫折がひきこもりのきっかけに挙がっています。
- 不登校 (小学校・中学校・高校)
- 職場になじめなかった
- 就職活動がうまくいかなかった
- 人間関係がうまくいかなかった
- 病気
- 受験に失敗した (高校・大学)
- 大学になじめなかった
- その他
このように、引きこもりになる原因は、日常生活で失敗した体験が影響しているのです。
また、コロナウィルスの流行によって、外出の機会が減るなどの社会的要因も引きこもりの要因となっています。
引きこもりになるきっかけは、環境に大きな原因があると考えられます。誰でも引きこもりになる可能性があるといえるでしょう。
引きこもりの社会復帰が難しい理由
引きこもりからの社会復帰が難しい理由は、非常に多岐にわたります。個人個人で抱えている事情や周囲の環境が異なるため、社会復帰へのハードルは個人によって異なる傾向にあります。
ここでは学術論文や実際の調査データの声から、社会復帰が難しい理由を大きく6つに大別しました。KHJ 全国ひきこもり家族会連合会のオンラインを活用した ひきこもり支援の在り方に関する 調査報告書から実際の調査の中の声を引用しながら、社会復帰を難しくさせている理由を解説していきます。
1. アイデンティティが持てなくなってしまっているから
引きこもりの社会復帰が難しい理由として、アイデンティティの喪失が挙げられます。
アイデンティティとは、自分自身の社会における存在意義であり、自らの価値を認めるために必要なものです。
引きこもりとアイデンティティの関係性において、下記の論文が発表されています。
このような視点から見ると、〈ひきこもり〉という状態は、社会からの期待を実現する手段を喪失した自己が、社会の期待に応えるという方向にも、自己実現を目指すという方向にも動くことができなくなっている状態と捉えることができる。いわば、社会と自己との結びつきの喪失である。
引用:札幌学院大学心理臨床センター「〈ひきこもり〉とアイデンティティ拡散」
アイデンティティを持てなくなった引きこもりの人は、社会との関係性をなくしてしまった状態であるといえるでしょう。これは「自我同一性の拡散」と呼ばれる状態で、社会活動における自分の価値を見いだせなくなります。
企業に勤め社会復帰を目指すなら、面接を避けては通れません。自分の価値や企業に与えられるメリットをアピールするために、自分のアイデンティティが必要です。しかし、社会との関係性を失った状態の引きこもりの人にとって、社会における自己の存在価値を見つけることは難しい課題だといえます。
2. 人と関わるのが怖いから
人と関わることを恐れるあまり、社会復帰が遠のいている可能性があります。
社会の中ではコミュニケーションは必要不可欠ですが、対人関係が苦手な人もいます。実際に引きこもりなってしまった人は、コミュニケーションに対するハードルの高さを感じていました。
年齢相応の社会経験を積めていない上に、子供の頃から集団に適応できてこなかったため、一般就労時のコミュニケーションのハードルが非常に高い。いつも周囲に気を遣い、緊張しながら過ごしているが、それでもコミュニケーションでのミスは発生した。ミスの度合いが大きいと、集団内での立場が取り返しのつかないレベルで悪くなった。
引用:特定非営利活動法人 KHJ 全国ひきこもり家族会連合会「オンラインを活用した ひきこもり支援の在り方に関する 調査報告書」
仕事などで怒られることが続き、自信をなくして引きこもりになった人は多くいます。散々怒られた過去の経験が頭をよぎり、人と関わるのが怖いと感じてしまうのも無理はありません。
多くの引きこもりが、家族以外の人と関わらない生活を送っています。社会復帰したくても、コミュニケーションの壁が大きな問題となって立ちはだかっているのです。
3. 過度なストレスを経験したため
過度なストレスがきっかけで引きこもりになると、精神的ダメージから立ち直れず、社会復帰が難しくなります。
社会や法律がパワハラをどれだけ規制しても、暴言やいじめの被害者は増え続けています。
人の名前が覚えられずかなりおこられた。ば声をあびせられた。仕事が覚えられず、つかえない人間だと言われた。
引用:特定非営利活動法人 KHJ 全国ひきこもり家族会連合会「オンラインを活用した ひきこもり支援の在り方に関する 調査報告書」
自分を否定されるストレスに耐え続けた結果、心には大きな傷ができてしまうのです。ストレスから逃げるため、引きこもりの期間が長くなってしまいます。集団生活から離れている期間が長引くと、社会復帰したくても仕事に戻る意欲は失われていく一方です。
引きこもりが習慣化してしまうと、他人とのコミュニケーションが大幅に減り、他人に会うことだけでもストレスを感じ始めます。自己肯定感が下がり自分を否定し始め、すべてに対して前向きな行動ができません。
過度なストレスが原因で不安感を抱えたまま、引きこもり生活を続けている人がいます。
4. 生活リズムが乱れてしまうため
生活リズムの乱れが、社会復帰のハードルを上げている場合があります。昼夜逆転の生活は、社会のストレスから解放される反面、世間から取り残されてしまうからです。
朝から昼間にかけて太陽の光を浴びないと、体のリズムが崩れやすくなります。また、もともと人の体内時計は25時間程度の周期と言われており、時間を気にしない生活を続けていると昼夜逆転の生活になりやすいものです。
昼間は、世間にどんどん取り残されてしまうような不安、焦りにさいなまれ、辛くなることがあります。一方、みんなが寝ている夜は、周囲を意識せず、楽に過ごせることがあるようです。生活リズムだけ整えようとしても、本質的な解決には結びつきません。人との会話や日中の活動が増えていけば、生活リズムも自然に改善していきます。
引用:愛知県「ひきこもりにみられる症状と対応」
社会の生活から切り離された引きこもりの人は、体内時間の周期が影響し生活リズムが崩れてしまいがちです。夜は何も気にしないで行動できるため、一度乱れてしまった生活リズムを整えることは簡単ではありません。
日中の行動時間が減り日光を浴びる機会が少なくなることで、うつ病などの健康上のリスクもあります。日光を浴びると、安心感を促すホルモンのセロトニンが分泌されますが、夜型の生活リズムではセロトニンを生み出せません。
生活リズムが乱れた引きこもりの人は、不安な気持ちから逃げるために、さらに外出を避けるようになるのです。
5. 個人の力ではどうしようもないことが起きたから
予想もしなかった事態によって、引きこもりになってしまうケースがあります。会社の倒産や病気による退職など、個人の力ではどうしようもありません。
実際に仕事が続けられなくなり、引きこもりになった人の声を紹介します。
一方的に事業主の都合で打ち切られた。そのため収入がなくなり生活が大変になった。文句を述べたらお礼として商品券が送られてきてそれでごまかされてしまった。
引用:特定非営利活動法人 KHJ 全国ひきこもり家族会連合会「オンラインを活用した ひきこもり支援の在り方に関する 調査報告書」
長時間労働の中で精神しっかんを発症して何も出来なくなった。働きたいと思っても、年れいのことや、最ていフルタイムから、もしくはフルタイムを目ざすことが社会ふっきの目安となっていて、出来る気がしない。
引用:特定非営利活動法人 KHJ 全国ひきこもり家族会連合会「オンラインを活用した ひきこもり支援の在り方に関する 調査報告書」
突然の解雇や労働環境が原因で精神疾患の発症してしまうことは個人の力ではどうにもならないことと言えるでしょう。
雇い止めの対応には、厚生労働省の「労働条件相談「ほっとライン」(Working Hotline)|厚生労働省」が相談に乗ってくれるでしょう。病気で仕事の継続が難しい場合、「傷病手当金」のような制度を利用できるケースもあります。
会社の倒産や病気による失業は、誰かが悪いというものではありません。適切な支援制度を状況に合わせて利用し、社会復帰を目指すことが先決です。
6. 社会的空白の期間について話をするのが苦痛である
引きこもりの人の社会復帰が難しいのは、面接で空白期間(ブランク)について話すのが苦痛に感じてしまうことも考えられます。
引きこもりが社会復帰するには、面接で引きこもり期間の質問をされる覚悟が必要です。
履歴書にひきこもり期間があると、面接での誤魔化し方を考える必要がある等の負担がある。履歴書を書くだけでも傷つく。数回面接に落ちた後、ひきこもり歴を隠すようになった。ひきこもり経験のある人間は、社会から必要とされていないのだと感じた。
引用:特定非営利活動法人 KHJ 全国ひきこもり家族会連合会「オンラインを活用した ひきこもり支援の在り方に関する 調査報告書」
採用担当者にどう思われているのかを考え始めると、ネガティブなことばかりが気になってしまいます。履歴書を書くことにも苦痛を感じてしまい、前向きな気持ちを持ち続けることは楽ではありません。
面接では、採用担当者が無職の期間について質問してくるのは間違いないでしょう。しかし自分に不利だからといって、引きこもりを隠してしまうと、経歴詐称になってしまうこともあります。
採用担当者が知りたいのは、引きこもりの詳細な話ではなく、働く意欲があるかどうかです。過去を反省して、これからの自分の考えを伝えられれば、採用試験を乗り越えられるでしょう。
引きこもりが社会復帰するまでの完全ガイド
引きこもりが社会復帰するための手順をまとめました。
社会生活に戻るには、日常生活から少しずつ直していく必要があります。下記の順番で徐々に活動範囲を広げてください。
- 生活リズムを整える
- 周囲とコミュニケーションを取る
- 自分に合った無理のない働き方を考える
- 就活の準備をする
- 未経験でも挑戦しやすい求人に応募する
それぞれ解説していきます。
1. 生活リズムを整える
規則正しい生活を送るために、まず生活リズムを整えるところから始めてください。生活リズムを整えるには、以下の点に注意して生活しましょう。
- 早寝早起きする
- 朝に散歩をする
- バランスの取れた食事を摂る
- 暴飲暴食をしない
日中に活動するためには、朝起きる習慣に戻す必要があります。自分が理想とする起床時間から逆算して、最低でも7時間の睡眠時間が取れるように行動してみましょう。朝の散歩は体内時計を整えるほかに、睡眠の質を向上させるのに効果的です。
1日3食のバランスの取れた食生活は、体の調子だけでなく心のバランスも整えてくれます。暴飲暴食を避けて、食事のリズムも一緒に整えていきましょう。
2. 周囲とコミュニケーションを取る
周囲とコミュニケーションを取って、誰かと交流するストレスに慣れていきましょう。
会社で働くうえで、必ず周りとの報連相が必要になります。就職活動でも、避けては通れない問題です。
初めは家族を相手にするところからで構いません。誰かの話を聞くだけでなく、自分の考えを伝えるようにしてください。
コミュニケーションの練習として、「自立訓練(生活訓練)事業所」や「引きこもりの当事者会」などを活用する方法もあります。
引きこもりを自分の力だけで乗り越えようとする必要はありません。コミュニケーションに壁を感じているなら、自分を理解してくれる人に協力してもらいましょう。毎日コミュニケーションを取り続けているうちに、自分の言葉で話せるようになるはずです。
3. 自分に合った無理のない働き方を考える
社会復帰して働き続けるなら、自分に合った働き方が必要です。世の中には多くの仕事があり、雇用形態も仕事によって分かれています。
正社員だけが正解ではないので、派遣・パート・アルバイトまで視野を広げて、働き方を探してみましょう。
フルタイム勤務が難しい場合、アルバイトでも社会復帰の大きな1歩です。週5日の勤務ができなくても、条件次第で働ける仕事があります。業務内容も自分の得意不得意を見直してから、考えてみましょう。
焦って働き方を決める必要はありません。無理せず働ける方法が、社会復帰を実現する企業選びの基準になります。
4. 就活の準備をする
引きこもりから抜け出すために、就活の準備は丁寧に進めていきましょう。
以下の準備が就職活動では必要です。
- 自己分析をする
- 業界・企業研究をする
- 書類を作成する
- 面接対策を入念に行う
順に説明していきます。
自己分析をする
求人に応募する前に、自己分析をすることで就職活動をスムーズに進められます。
自己分析には、自分の強み・弱みや価値観を客観的に判断できる効果があります。自分に合った仕事が見つけやすくなるだけでなく、就職後のミスマッチを防げることも大きなメリットです。
面接では自分が想定していない内容を質問されることがあります。自己分析で「働くうえで大切にしたいこと」「やりたいこと・やりたくないこと」を理由も含めて考えておけば、どんな質問にも慌てることなく回答できるはずです。
インターネットで探せば、無料で自己分析できるサービスがあります。ハローワークや就職・転職エージェントでも自己分析のサポートを受けられます。あなたの利用しやすい方法で、自己分析を進めていきましょう。
業界・企業研究をする
業界・企業研究は、志望動機を固めるために取り組んでいきましょう。
自己分析の結果と合わせれば、面接でどんな質問をされても困ることがなくなります。
業界・企業研究をすることで、就職後の仕事内容がわかります。興味を持った業界が自分に合っているかを事前に理解できれば、採用後に後悔することがありません。
また、企業が求める人物像やスキルを知り、企業ごとに合わせた選考対策を行えば、就業経験が少ない人でも採用される可能性が高まります。
業界・企業研究は1社1社に対して行う作業なので、時間と手間がかかります。引きこもりから社会復帰を成功させるために、粘り強く取り組んでください。
書類を作成する
企業に応募するためには、履歴書やESが必要になることがほとんどです。中途採用の場合、社会経験を見るために職務経歴書の提出が義務付けられる場合もあります。
書類の書き方次第では良い印象を与えられずに、書類選考を通過できない可能性があります。何度も書類選考で落ち続けてしまう人は、就職エージェントといったキャリアのプロによる添削を受けてみましょう。面接へ進むためには、書類選考の通過が最優先です。
添削指導を申し込むことに、初めは抵抗を感じてしまうかもしれません。
しかし、引きこもりから抜け出した先でも、誰かに相談しなければ解決できない問題は発生するはずです。1つのトレーニングだと思って、勇気を出して添削を申し込んでみてください。
面接対策を入念に行う
引きこもりの人は、面接対策に力を入れて取り組む必要があります。
面接のコミュニケーションは日常的な会話と違い、回答が難しい質問をされる場合もあります。引きこもりになった理由や、心身の健康状態などの質問に対して、好意的に受け取ってもらうために考え抜いた回答が必要です。
対人コミュニケーションに不安がある人は、自分で考えた回答に自信が持てないかもしれません。対策として、就職エージェントやハローワークのサービスを利用して、面接対策として模擬面接を行うことも有効です。
面接では回答内容も大事ですが、面接中の態度も採用担当者の評価基準に入ることがあります。面接の回答案を含めた面接練習も進めていけば、実際の面接でも自信を持って対応できるはずです。
5. 未経験でも挑戦しやすい求人に応募する
未経験でも挑戦できる求人を探して、応募をしていきましょう。ここまで紹介した準備が整っていれば、気になる求人へ積極的に応募して問題ありません。社会人経験があるなら、知識を持っている業種を選んで応募してください。
就職活動中でも、必要に応じて対策を継続する方が採用される可能性が高まります。もし、就職活動が進まなくなってしまったら、ここまでに紹介した内容を一度振り返ってみると改善点が見つかるはずです。
引きこもりから社会復帰した後の選択肢
引きこもりから社会復帰した後に取るべき選択肢を紹介します。
社会復帰後は企業に勤め、社会人生活を続けていくことになります。また引きこもりにならないように、会社勤めを続けられそうな選択肢を選んでください。
1. アルバイト
引きこもりから正社員の勤務が難しく感じるなら、アルバイトから始めてみましょう。アルバイトで経験を積んでから、正社員登用を目指す方法もあります。
働くことに慣れるまでは、勤務時間や出勤日数を調整してもらえることもアルバイトの強みです。できる範囲から取り組んで、徐々に社会復帰を目指せます。
アルバイトに応募する際には、自分の適性や心身の状況に合った仕事を選びましょう。自分に合った仕事なら、仕事を覚える速度が早くなり、仕事のストレスも軽減されます。
社会復帰の1歩がなかなか踏み出せないなら、まずはアルバイトから探してみましょう。
2. 派遣社員
派遣社員もアルバイトと同様に、社会復帰の最初のステップにおすすめです。
アルバイトより給与面で優れていますが、スキルや経験もアルバイト以上に要求されます。
就業経験がある人なら、アルバイトよりも経験を活かせる仕事が見つけやすいでしょう。実力が認められれば、正社員登用のオファーもありえます。
派遣社員のデメリットは、雇用が不安定なことです。仕事ぶりを評価されていたとしても、仕事がなくなれば契約更新されないケースもあります。
正社員ではないので責任のある仕事は任されず、経験を積むには不向きな選択肢です。しかし、就業経験がある人なら社会復帰しやすい点でおすすめの選択肢です。
3. 正社員
正社員としての勤務経験があるなら、培ってきた経験やスキルを活かせる仕事を探してください。内定までのハードルが低く、就職後も即戦力として仕事を任せてもらいやすくなります。
経験がある業種に復帰した場合は、職場の人間関係にも馴染みやすく、社会復帰がスムーズに進むでしょう。
正社員を目指すなら、後述する就職支援サービスの利用をおすすめします。就活の支援が行き届いており、内定までサポートを受けられます。
持っているスキルや経験を活かした仕事に就きたいなら、責任のある仕事を任せてもらえる正社員を目指して就職活動を進めていきましょう。
4. 専門学校
就職したい業界が決まっていて金銭的な余裕があるなら、専門学校に通うのも選択肢の1つです。専門的な知識やスキルを覚えつつ、生活リズムを整えていきましょう。
引きこもり期間が長いと、就職活動に悪影響が出ることがあります。専門学校に通うことで、就職する意欲をアピールできます。就職後も学校で学んだスキルを活かすことで、評価される仕事ができるでしょう。
専門学校に通うメリットは、スキルや経験だけではありません。学校で集団生活に戻ることで、コミュニケーション能力が鍛えられ面接で有利に働きます。
スキルが要求される業界に就職したい場合は、金銭状況と相談して専門学校を検討してみてください。
5. 大学
まだ年齢が20代前半で金銭的に余裕がある場合に限り、大学進学を検討する価値があります。通信制や夜間学校なら、アルバイトをしながら通学も可能です。
大学卒業の資格があれば、大卒以上を求めている企業に応募できます。
デメリットは大学卒業までに4年間の時間を失うことです。20代後半になれば、社会的に求められる人間性が変わってきます。入社したとしても、自分の同期は年下になり、同じ年の社員は目上の存在になる点も忘れてはいけません。
何も考えずに大学生活を送って、4年間の時間を無駄に過ごしてしまわないようにしてください。
引きこもりが利用するべき社会復帰支援サービスを紹介
引きこもりから社会復帰を志す際に、利用するべきおすすめの社会復帰支援サービスを4つ紹介します。実際引きこもりの状態から自力で社会復帰するのは相当大変です。頼れるサービスを上手く活用しましょう。
就職カレッジ®
ジェイックの「就職カレッジ®」は、正社員就職の支援サービスです。20代~30代・未経験からの正社員就職の成功実績が多数あるため、現在のご状況から正社員就職を成功させたいという方にぜひご利用いただきたいサービスです。
就職カレッジ®をおすすめする理由としては、以下があります。
- 社会人としてのマナーや就職に必要なスキルを講座で学べる
- 書類選考なしの面接会に参加可能
- 就職後も長期的な活躍のため研修を実施
就業経験がない・または少ない方を、短期間で企業で通用する人材へと育成し、内定獲得を実現します。
「就職したら終わり」ではなく、就職活動~入社後の定着まで手厚いサービスを提供します。
ハローワーク
ハローワークは厚生労働省が管理している就職支援機関で、地方でも利用しやすい施設といえます。
ハローワークのメリットは、以下の通りです。
- 取り扱い求人数が多い
- 郊外や田舎でも求人情報を探しやすい
- 公的機関なので、公平性が担保されている
ハローワークの効率的な利用方法は下記のページで詳しく紹介しています。ぜひ読んでください。
ひきこもり地域支援センター
ひきこもり地域支援センターは引きこもりの人が社会参加できるようにサポートする施設で「引きこもり支援コーディネーター」という専門的サポーターによる訪問支援も行っています。引きこもり期間が長く、ほとんど外に出られない人におすすめです。
NPO法人社会復帰支援アウトリーチ
NPO法人社会復帰支援アウトリーチは在宅ワークメインで社会復帰を目指す団体で、以下のような人におすすめです。
- 仕事をしたくて就職活動もしたが、就職できずに困っている人
- 人とのコミュニケーションに自信がない人
近年在宅ワーク可能な求人が増えたこともあり、注目されている就職支援サービスです。
「引きこもり 社会復帰」によくある質問
引きこもりからの社会復帰は難しいの?
引きこもりからの社会復帰率は少数派です。この記事では、働く意欲や引きこもり期間についても紹介しています。
引きこもりが利用すべき社会復帰の支援サービスは?
支援サービスにつきましては、ジェイックのサービスであったり、ハローワークや引きこもり地域支援センターのご紹介をしております。
引きこもりでもステップを踏めば社会復帰できる!
この記事では、引きこもりの人でも社会復帰できる方法を、実態と合わせながら紹介しました。
引きこもりの人が社会復帰しようと思っても、状況を変えられないまま引きこもり生活を続ける人が多いのが現実です。
しかしあきらめる必要はなく、できることから自分自身を変えていくことで、徐々に社会復帰に近づいていきます。
ジェイックでは、引きこもりの人が社会復帰するためのサポートを行っています。フリーター就職支援実績が19年以上のジェイックは、ミスマッチの少ない社会復帰を実現し、非常に入社後定着率を誇ります。
ぜひジェイックの就職支援を受けて、自分に合った社会復帰を目指してください。