就活に失敗してニートになってしまう人も少なくありません。こうした人は、就活に対し「トラウマ」のようなものを抱えているケースも多く、働くモチベーションが湧かないことも多いものです。
そこでこの記事では、そもそもどのような人が就活で失敗してニートになってしまうのか、その特徴をお伝えすると共に、就職成功に向けて意識したいポイントなども紹介していきます。「就活失敗」という苦い記憶を乗り越え、就職に向けて少しでも行動を起こしていきたいと考えている人は、お伝えする内容をぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
就活を失敗してニートになった人の就職事情
就活の失敗が原因でニートになってしまった人は少なくありません。ここでは彼ら、彼女らの就職事情について、次の2つの視点からお伝えします。
- 就活を失敗してニートになった人の割合
- 大卒ニートの就職率
就活を失敗してニートになった人の割合
文部科学省発表の「R2年度学校基本調査 結果の概要」によると、就活を失敗してニートになった大卒者の割合は7.1%です。さまざまな事情はあるものの、同時期の卒業者がおよそ57万8千人ということを考えると、約4万人が何かしらの理由でニート状態にあると考えられるでしょう。
ちなみに、現在ニートまたは無職の男女288人にBiz Hitsが実施したアンケートを見る限り、「新卒の就活に失敗した」を理由として挙げる人の割合は約6.5%となっています。
おおよそ7%の人が、就活に失敗してニートになっていることがわかります。
参考:
Biz Hits|【ニートや無職になった理由と脱出方法】男女288人アンケート調査
大卒ニートの就職率
「マイナビ 2020年度既卒者の就職活動に関する調査」によると、大卒・大学院卒の、いわゆる「既卒」の就職率は34.4%となっています。既卒のなかにはアルバイトをしている人も含まれること、そして大学院卒のほうが就職の場面で有利になるケースが多いことを考えると、大卒で働いていないニートの就職率はもう少し下がる可能性もあります。
なお「34.4%」という数字は、現役で就職活動をしている学生の就職率と比べると半分にも満たず、さらに新型コロナウイルスの影響もあり、2019年の調査と比べるとおよそ8.9ポイント減少しています。
参考:
マイナビ|「マイナビ 2020年度既卒者の就職活動に関する調査」
就活を失敗してニートになる人の特徴
就活で失敗してニートになってしまう人には、どのような特徴があるのでしょうか?
ニートを選択する理由は人によってさまざまですが、「チャレンジの回数が少ない」という点はおおむね共通しています。そしてチャレンジの回数が少ない理由をさらに深掘りすると、次のような点が共通して挙げられるでしょう。
- そもそも就職意欲が低い
- 就活の行動量が少ない
- 自分に自信がない
そもそも就職意欲が低い
まず、そもそも就職意欲が低いことが理由として挙げられます。
下記のような理由で、そもそも就職したいと思っていない人もいます。
- 働きたくない
- やりたい仕事がない
若者の数が減っていることで、売り手市場、いわゆる「若者は就職に有利な時代」と言われてはいますが、そうは言っても片手間に就職できるほど就活は甘くはありません。50社受けて1社内定を取れるか取れないか、といった学生も少なくない現実を前にすると、まずは応募の数を増やすことが内定獲得には必須とされます。
一方で就職活動に対して意欲的でない学生の場合、応募の数が極端に少なく、ある意味当然の結果として内定をもらうことができません。そして本人的には「就活失敗」と考えてしまい、もともと就職に対して意欲的でもないこともあり、ニート生活をなんとなく送ってしまう人が多いのです。
就活の行動量が少ない
仮に就職意欲があったとしても、就活の行動量が少なく、結果的に応募数が少なくなってしまう学生もいます。こうした学生は就活の進め方に迷い、何をしていいか分からなくなって立ち止まってしまう傾向もあり、なかなか落ち着いて就活に臨めません。そして迷っているうちに周りが内定を取り始め、なんとか数社に応募したものの、対策などが不十分のために不採用通知をもらって自信を喪失し、そのまま就職せずに卒業……といったパターンが目立ちます。
自分に自信がない
自分に自信がないことも、就活を失敗してニートになってしまう人に見られる特徴の一つです。
そもそも「就活」という場は、自分のことを知らない相手に対し、自分をアピールする場です。「私を採用すると、御社にこういったメリットがある」「私のこんな力が発揮できるはず」と、自分を“売り込む”必要がありますが、自分に自信がない学生にとって、こうしたアピールはなかなか難しいものです。そして「自分なんかが採用されるわけない……」と考え、本当は大企業に行きたいものの、そのチャレンジを避ける傾向も目立ちます。
もちろん大企業や有名企業になればなるほど採用される確率は低くなりますが、それでも応募しなければ内定を取れる確率はゼロです。一方で「採用される確率がゼロでないのであれば行動しよう」と考え、応募し続ける学生は、当然ながら応募しない学生に比べると採用される可能性が生まれます。
ちなみに「自信がない」という理由は、「落とされるのが恐い」といった感情の裏返しだったりもします。就活は落ちるのがある意味“当たり前”の世界ですが、その「落ちる」ということに対して過度に不安に感じてしまう学生は「何をしても結局はダメだろうな」と自分を無理に納得させ、結果的に行動量が少なくなってしまうのです。そして多くの場合、そのまま就職意欲すらなくなっていってしまう……といった傾向がみられます。
就活を失敗してもニートにならないための方法
就活をたとえ失敗したとしても、「そのまま卒業してニートになる」といった道を回避することは可能です。特に現在、なかなか内定が取れずに苦労している人は、次の3つの方法を検討してみましょう。
- 諦めずに就活を続ける
- 業界へのこだわりはなくす
- 自分に自信を持つ
諦めずに就活を続ける
当たり前に思えるかもしれませんが、まずは「諦めない」ということが重要です。視野を広げてみると、まだまだ就職できる余地が残されている可能性があるからです。
企業によっては、秋や冬の時期に「二次採用」といった形で選考を実施するケースもあります。また、大手の就活サイトには掲載のない企業が新卒採用をおこなっていることも多いため、企業の採用ホームページを直接覗いてみたり、ハローワークなどで地元の企業の紹介を受けてみるのも良いでしょう。
そもそも3月に就活が“解禁”し、夏前までに内定が取れる、といった多くの学生が想像する流れはあくまでイメージにしか過ぎません。現実には、なかなか内定が取れなくても、就活を始めるのが出遅れてしまったとしても、諦めずに行動を続ければ内定を獲得できるチャンスは多く転がっています。応募しない限り内定は手に入らないので、ぜひ諦めずに行動を続けていきましょう。
業界へのこだわりはなくす
業界へのこだわりもなくしてみてください。なぜなら特定の業界にこだわりすぎていると、いつまでたっても就職できない可能性があるからです。
たとえば就活では「食品業界」は最も人気といわれ、大手になると倍率500~1000倍ということも珍しくありません。これは採用数が少ない割に応募が殺到するためですが、この場合、食品業界だけを見ているとなかなか内定が取れない、といった状況に陥りがちです。
一方で、IT業界や福祉業界などは、採用数が比較的多い割に応募が少なく、倍率的には低い傾向も見られます。もちろん、興味ない業界に対しては意欲が湧かないかもしれませんが、もしかしたら単に「ITは馴染みがないし……」と“食わず嫌い”をしてしまっている可能性もあります。そのため特定の業界で内定が取れない場合には、まずは視野を広げる意味で、あえて興味のない業界を見てみることも考えてみてください。
また大手の企業だけに応募している場合には、中小企業にも目を向けてみることが大切です。日本には、名前こそ知られていないものの、売り上げを安定的に伸ばしている優良中小企業が多く存在します。「なんとなく安心できる」という点で大企業に応募したくなる気持ちもわかりますが、応募数を増やし、内定の確率を上げるためにも、中小企業にもぜひ目を広げてみましょう。
自分に自信を持つ
就活がうまく進まない場合には、自分に自信を持つことも意識してみてください。
就活をしていると、どうしても友達や周りの様子が気になってしまうものです。SNSなどで「内定報告」などの投稿を見て、落ち込んでしまう人もいるかもしれません。
しかし就活は、そもそも他人と比べるものではありません。なぜなら「自分が進む道」というのは、誰でもない「自分自身」だけのものだからです。
企業としても、たとえば “立派なエピソード”がある学生だけを採用しているわけではありません。あくまでその学生の成長性やポテンシャル、人柄などを総合的に判断しているので、「自分にはアピールできる経験はないし……」と過度に自分を卑下する必要もありません。場合によっては趣味の話で面接官と盛り上がり、「自分らしさ」を素直に伝えられた結果、内定を獲得するといったケースもあります。
さらには少子高齢化のこの時代、「若さ」という点だけでも企業にとっては明確な価値として映ります。繰り返しにはなりますが、企業はその学生の過去の経験だけではなく、未来に対してのポテンシャルも評価しています。そのため、まずは「ないもの」を見て落ち込むのではなく、自分の個性や、若さなど、「あるもの」に目を向けてみましょう。そして他人は他人と、ある意味割り切って考えてみることです。こうしたことを意識していくと、自然と自信が生まれ、これまで以上に堂々と選考に臨めるようになるでしょう。
一度就活を失敗したニートでも就活を成功させる方法
就活を失敗してしまい、そこからニートとなってしまった人であっても、着実に歩みを進めていけば内定獲得に近づくことかできます。そのうえで、特に意識したい方法は次の2点です。
- 一人で就活を進めない
- 既卒やニートに特化した就職支援サービスがおすすめ
一人で就活を進めない
まず大切なのは、一人で就活を進めないことです。なぜなら就活を一人で進めると、やるべきことに追われ、体力的にも精神的にも疲れてしまうことがあるからです。
一人で就活すると、下記をすべてこなす必要があります。
- 自己分析
- アピールできる強みやスキルの棚卸
- 企業選び
- 面接練習
- 応募企業との日程調整
何度か転職を繰り返している人であれば一人でもスムーズに進められるかもしれませんが、初めて就職を考えるニートの場合には、就活で忙しい日々に消耗し、就活自体のモチベーションが下がってしまう可能性もあります。
そこでおすすめしたいのが、ハローワークや、就職エージェントを利用することです。これらは無料で利用でき、就活に詳しい担当者から選考のアドバイスなどももらうことができます。手厚いサポートも受けられるので、一人よりも安心して就活を進めることができるでしょう。
既卒やニートに特化した就職支援サービスがおすすめ
就職エージェントに関しては、既卒やニートに特化したエージェントの利用がおすすめです。たとえば「ジェイック」は、主に18~34歳の既卒やニート、フリーターなどの方を対象として、20年以上にわたりサポートを実施しています。これまで23,000人以上が正社員就職を実現させていますので、就職ノウハウも豊富に蓄積されています。
そしてビジネスマナーなどを学べる無料の就職講座、さらには書類選考なしで面接に進める選考会も定期的に開催しています。大きな負担なく、就職成功に近づくことができるので、不安なことがありましたら、まずはご相談にいらしてみてください。
まとめ
就活で失敗してしまったニートに共通する特徴、そして就職成功に近づくためのヒントをお伝えしてきました。
「就活」はたしかに人生の大きな転換点ではありますが、人生100年時代といわれるなか、いくらでも人生は挽回できます。そしてあなたの新しいチャレンジを応援してくれる人は、周りを見渡すと意外にも多く見つかるはずです。もちろん、ジェイックでも就職成功をしっかりとサポートさせていただきます。就活は孤独な戦いになりがちなので、一人で悩まず、不安なときはぜひジェイックに相談にいらしてください。