
引きこもりの方が無料で相談できる就労支援としては「ひきこもり地域支援センター」や「サポステ」が挙げられます。
これらのサービスは障害の有無に関わらず利用できますが、障害を持っている方や通院中の方は「就労移行支援」や「障害者就業・生活支援センター」への相談も検討しましょう。
この記事では、引きこもりの方が利用できる就労支援サービスを9つ紹介します。
家族だけで相談できるサービスや、焦らず就職を目指せる支援制度も紹介しますので参考にしてください。
- 就労支援とは、基本的に障がいのある方の就職・自立をサポートするサービス
- 一方、就職支援は障がいの有無に関係なく利用できる
- 引きこもりに関わらず利用できる就労支援は、就労移行支援事業所・就労継続支援A型事業所・就労継続支援B型事業所など
- 就労支援以外では、ハローワーク・サポステ・ジョブカフェ・就職エージェントなどを活用可能


引きこもりの就労支援とは?
引きこもりの就労支援とは、社会から離れていた方が働く自信を取り戻し、自立して働き続けることを後押しする公的・民間のサポートのことです。
主に、次の3つのステップで就職を目指すケースが一般的です。
- アセスメント(強みや課題の把握)
- 就職に向けた準備・訓練
- 就職活動の支援、就職後の定着支援
障害者が対象のサービス(就労支援)も一部ありますが、たとえば「サポステ」や「ジョブカフェ」は障害の有無に関わらず、引きこもりからの就職相談を受け付けています。
あなたにぴったりの就労支援を診断!引きこもりにおすすめのサービス
「どの就労支援サービスを使えばいいか分からない」と悩んでいる引きこもりの方や家族の方に向けて、それぞれの状況に適したサービスが分かる診断チャートをご用意しました。
まずは、次の質問に答えてみてください。
| 【スタート】相談するのはだれ? | |
| 引きこもり本人 | ⇒[Q1]へ |
| 家族(親・きょうだいなど) | ⇒[Q7]へ |
Q1. 外出はできる?
| 外出はまだ難しい | ⇒「ひきこもり地域支援センター」がおすすめ |
| 外出はできる | ⇒「Q2」へ |
Q2. 障害や病気の不安はある?
| 不安がある(発達障害・メンタル不調など) | ⇒「Q3」へ |
| 不安はない(障害や病気はない) | ⇒「Q4」へ |
Q3. 「働きたい気持ち(就職意欲)」はどれに近い?
| まずは就職について相談したい | ⇒「障害者就業・生活支援センター」がおすすめ |
| 仕事に必要なスキルを身につけて、できるだけ早く働き始めたい | ⇒「就労移行支援・就労継続支援」がおすすめ |
| 就職意欲はあるが、どの支援サービスが自分に合うか分からない | ⇒「就労選択支援」がおすすめ |
Q4. 就活のペースは?
| じっくりと準備したい | ⇒「地域若者サポートステーション (サポステ)」がおすすめ |
| すぐに就職したい、早く求人を見たい | ⇒「Q5」 |
Q5. 就活のサポートは手厚く受けたい?
| 就活のプロと二人三脚で進めたい | ⇒「就職・転職エージェント」がおすすめ |
| 自分のペースで就活を進めたい | ⇒「Q6」 |
Q6. あなたの現在の年齢は?
| 15~39歳 | ⇒「ジョブカフェ」がおすすめ |
| 40代以降 | ⇒「ハローワーク」がおすすめ |
Q7. 現在の気持ちは?
| まずは家族だけで相談したい | ⇒「ひきこもり地域支援センター」がおすすめ |
| お金や生活の面で不安がある | ⇒「自立相談支援機関」がおすすめ |
引きこもりが無料で利用できる就労支援サービス9選
引きこもり本人やその家族が無料で相談できる就労支援サービスとしては、「ひきこもり地域支援センター」や「地域若者サポートステーション 」が代表的です。
また、就職・転職エージェントのような民間のサービスでも就職をサポートしてもらえる場合があります。
ここでは、無料で利用できる9つの就労支援サービスを紹介します。
| 支援サービス | 主な支援内容 |
| ひきこもり地域支援センター | ・相談支援・家族向けの講習会 |
| 障害者就業・生活支援センター | ・就職に向けた準備支援・日常生活に関する助言 |
| 就労移行支援・就労継続支援 | ・就労機会の提供・就職後のサポート |
| 就労選択支援 | ・状況把握(アセスメント)・障害福祉サービスなどの情報提供 |
| 地域若者サポートステーション (サポステ) | ・就職講座・職業体験 |
| 就職・転職エージェント | ・求人紹介・選考対策 |
| ジョブカフェ | ・職業相談・定着支援 |
| ハローワーク | ・求人検索・職業訓練 |
| 自立相談支援機関 | ・支援プランの作成・就労支援 |
※支援機関によって年齢制限や対象者などは異なります。具体的な利用条件については、お住まいの自治体や各サービスにお問い合わせください
1. ひきこもり地域支援センター
ひきこもり地域支援センターは、すべての都道府県・指定都市に設けられている、引きこもりに特化した専門的な相談窓口です。
社会福祉士・精神保健福祉士・保健師などの資格をもつ支援コーディネーターが地域の関係機関と連携しながら、引きこもりの方を支援しています。
具体的な支援内容を以下にまとめました。
- 電話・来所・訪問による相談支援
- 自宅以外で安心できる居場所を提供(例:当事者会・家族会)
- 家族への相談支援・講習会の実施
- ボランティア活動への参加や就労に向けた支援
- 引きこもり支援に関連する情報の提供
引きこもりの方であれば、基本的に年齢や障がいの有無に関係なく利用できます。また、本人からだけではなく、家族からの相談も可能です。
場合によっては、適切な専門機関を案内してもらえることもあります。
「引きこもりから脱出したいけど、どこに相談したらいいかわからない」という方は、まずひきこもり地域支援センターを利用することも検討してみましょう。
▼ひきこもり地域支援センター
| 主な支援内容 | ・専門相談(電話、来所面談、訪問相談など)・家族の支援、講習会の実施・同じ悩みを持つ方が集まる居場所の提供・地域内の関係機関と連携した支援 |
| 主な対象者 | 本人、家族年齢制限:なし(18歳以上を対象としている自治体もあり) |
| 障害者手帳の有無 | 問わない(障害者手帳がなくても利用可) |
| 相談費用 | 無料 |
| 家族だけの相談 | 可 |
参考:厚生労働省「ひきこもりVOICE STATION|全国の相談窓口はこちら」
2. 障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターは、障害がある方の「働くこと」と「日々の生活」をセットでサポートしている就労支援機関です。
全国に340箇所(※)設置されており、就労に向けた準備や就職活動、定着支援、生活に関する相談まで一貫して対応しています。障害種別や障害者手帳の有無を問わず利用できることも特徴で、引きこもり傾向がある方の相談にも柔軟に乗ってくれます。
「障害が理由で一歩が踏み出せない」「生活リズムを整えながら就職を目指したい」という方は、まずはお近くのセンターに相談してみましょう。
※令和8年4月1日時点
▼障害者就業・生活支援センター
| 主な支援内容 | ・就労相談・就職に向けた準備支援(職場実習のあっせんなど)・就職活動の支援・職場定着に向けた支援・関係機関との連絡調整・日常生活に関する助言(生活習慣、健康、金銭管理など) |
| 主な対象者 | 障害のある方、家族年齢制限:原則15歳以上65歳未満 |
| 障害者手帳の有無 | 問わない(障害者手帳がなくても利用可) |
| 相談費用 | 無料 |
| 家族だけの相談 | 可 |
参考:厚生労働省「障害者就業・生活支援センターについて」
参考:東京労働局「都内障害者就業・生活支援センター リーフレット」(PDF)
3. 就労移行支援・就労継続支援
就労移行支援・就労継続支援とは、障害や難病を抱える方が自分のペースで働くスキルを身につけ、安心して長く働くことをサポートする公的福祉サービスです。
「雇用契約を結んで働くか」といった違いから、就労継続支援はA型とB型に分かれます。
引きこもりの方も支援を受けられますが、利用にあたっては「医師の診断書」や「障害者手帳」など、専門医の診察を受けており、サポートが必要な状態であることを証明する書類が必要です。
| 就労移行支援 | 就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 | 就労定着支援 | |
|---|---|---|---|---|
| 目的 | 就職するために必要なスキルを身につける | 就労の機会の提供・生産活動の機会の提供 | 就労の機会の提供・生産活動の機会の提供 | 就職後のサポート(日常生活や社会生活の中で生じる問題についての相談・指導・助言) |
| 対象者 | 障がい・難病があり、一般企業への就職を希望する方 | 障がいや難病があり、一般企業への就職が困難な方 | 障がいや難病があり、一般企業への就職が困難な方 | ・就労移行支援などを利用して、一般企業に新たに雇用された障がいのある方・就職後6か月が経過している方 |
| 雇用契約 | なし | あり | なし | なし |
| 工賃 | 基本なし(一部工賃をもらえる事業所もある) | あり | あり | なし |
| 平均月収 | ― | 91,451円(令和6年度) | 24,141円(令和6年度) | ― |
| 年齢制限 | 原則65歳未満 ※以下の条件を満たせば65歳以上でも利用可 ・65歳に達する前5年間、障害福祉サービスの支給決定を受けていた ・65歳に達する前日において就労移行支援の支給決定を受けていた | 65歳未満 | なし | なし |
| 利用期間 | 原則2年 | なし | なし | 上限3年 |
出典:厚生労働省「令和6年度工賃(賃金)の実績について」
参考:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は、一般企業への就職を目指す障がいのある方に向けて手厚いサポートを提供している事業所です。
支援内容は事業所によって異なりますが、主に以下のようなサポートを受けられます。
- 職場見学・実習
- 就労に向けたトレーニング(例:ビジネスマナー講座など)
- 就職支援(例:応募書類の指導・面接対策)
- アフターフォロー(例:入社後の相談対応など)
引きこもりの方のなかには「障がいがあるため、働くことに不安がある…」という方もいるでしょう。
就労移行支援事業所であれば、一般就労に必要なスキルを身につけられます。
また、就職のサポートや入社後のフォローも受けられるので、就職への準備を万全にしたい引きこもりの方は利用してみることも方法のひとつです。
ただし、利用期間は原則最長2年と決まっています。
しかし、市区町村に申請し、審査を経て必要性が認められた場合に限り、最長1年間まで利用可能です。また、利用期間が2年以内であれば再利用ができる場合もあります。
詳細は、各自治体の障害福祉窓口などで確認してみてください。
就労継続支援A型事業所
就労継続支援A型事業所では、事業所と雇用契約を結んで、賃金をもらいながら実際に仕事をおこないます。
業務内容は、事業所によって異なりますが、精神的・肉体的な負荷が少ない仕事が中心です。
具体的な仕事内容を以下にまとめました。
- 車部品などの加工
- パンやお菓子の製造
- データ入力の代行業務
- レストランやカフェのホールスタッフ
実際の業務を通して自分の適性を把握できるため、向いている仕事がより明確になるメリットです。
障がいや難病を抱える18〜65歳未満で、以下の条件に当てはまる方が利用できます。
- 企業での就労経験があるものの、現在は離職している方
- 特別支援学校を卒業して就職活動したものの、就職できなかった方
- 就労移行支援事業所などを利用して就職活動をしたものの、就職できなかった方
引きこもりの方のなかには「就職活動を始める前に就業経験を増やしたい…」と考えている方もいるでしょう。
就労継続支援A型事業所を利用すれば、少しずつ働くことに慣れられるというメリットがあります。
また、A型事業所でリハビリを積んで、一般企業への就職したいと思ったタイミングで就労移行支援へ移行することも可能です。
就労継続支援B型事業所
就労継続支援B型事業所では、A型と違って雇用契約を結ばないものの、就労の機会や訓練を通して工賃を得られます。
仕事内容は事業所によってさまざまですが、短時間でできる軽作業が中心です。
- 農作業
- 清掃業務
- 製品の梱包作業
- 袋詰めや値札付け
仕事時間も事業所によって異なりますが、短時間であることが多く2〜5時間程度と考えてください。「週1回」「1日2時間」など、体調などを考慮して自分のペースで働けます。
障がいや難病のある方で、以下に当てはまっていれば就労継続支援B型事業所を利用可能です。
- 就労経験があり、年齢や体力の面で、一般企業に雇用されることが困難になった方
- 50歳以上の方、または障害基礎年金1級を受給している方
- 就労移行支援事業者などによるアセスメントにより、就労面の課題の把握がおこなわれている方
参考:厚生労働省「障害者の就労支援について」
A型と比べると収入は少ないですが、体調に不安があり、少しずつ働くことに慣れることから始めたい引きこもりの方は、利用を検討してみると良いでしょう。
A型と同様に、一般企業への就職したいと思ったタイミングで就労移行支援へ移行することも可能です。
インターネットでリサーチする、もしくは住んでいる市区町村の障害福祉窓口で紹介してもらうなどの方法で、あなたに合った事業所を探してみてください。
4. 就労選択支援
就労選択支援とは、障害のある方が「自分に合った就労支援サービスや働き方」を正しく選択できるように支援する公的福祉サービスです。障害者手帳や福祉サービス受給者証があれば引きこもりの方でも利用できます。
就労訓練や就職活動といった直接の支援ではなく、その前提となる「どのサービスを使うべきか」に特化していることが特徴です。
具体的には、支援員との面談や作業体験などを通して自分の強みや課題、希望する働き方を整理でき、そのうえで就労系の障害福祉サービスなどに関する情報を提供してもらえます。
▼就労選択支援
| 主な支援内容 | ・状況把握(アセスメント)・情報提供 |
| 主な対象者 | 「就労移行支援」「就労継続支援(A型・B型)」を新たに使いたい方、またはすでに使っている方 年齢制限:原則15歳以上65歳未満 ※令和9年3月以前は利用が限られるケースもあり |
| 障害者手帳の有無 | 原則として必要 ※「福祉サービス受給者証」があれば障害者手帳がなくても利用可 |
| 相談費用 | 無料 |
| 家族だけの相談 | 可 |
参考:厚生労働省「就労選択支援 実施マニュアル」(PDF)
参考:豊島区 福祉部 障害福祉課「就労選択支援」のご案内」
5. 地域若者サポートステーション(サポステ)
地域若者サポートステーションとは、厚生労働省から委託を受けた民間団体が運営している就職支援機関です。
「サポステ」という呼び名で親しまれています。
設置場所は全国47都道府県177ヶ所です。
就職・通学していない15歳〜49歳を対象に、さまざまな就職支援プログラムを無料で提供しています。
具体的なプログラム内容を以下にまとめました。
- コミュニケーション講座
- ジョブトレ(就業体験)
- ビジネスマナー講座
- 就活セミナー(例:適性検査・面接・履歴書指導など)
通う回数を自由に決められるので、自分のペースで就職に向けた準備を進められます。
サポステの利用者の約半数はブランク期間が通算2年以上なので、長期の引きこもりの方も利用しやすいでしょう。
「就職したいけど、何から始めればいいかわからない…」という悩みがある引きこもりの方は、サポステを利用することも方法のひとつです。
▼地域若者サポートステーション (サポステ)
| 主な支援内容 | ・就職講座・就活セミナー・就業体験・訪問相談・定着・ステップアップ支援・情報提供(近隣の支援機関など) |
| 主な対象者 | ・仕事をしていない方・就学中ではない方(※以下の方は利用可) 通信制・定時制の学校に通っている進路が決定していない中退を決断した 年齢制限:15〜49歳 |
| 障害者手帳の有無 | 問わない(障害者手帳がなくても利用可) |
| 相談費用 | 無料 |
| 家族だけの相談 | 可 ※近日中に本人の同行が求められる自治体もあり |
6. 就職・転職エージェント
就職・転職エージェントは、求職者の就職・転職を無料でサポートしてくれるサービスです。
就職支援のプロであるキャリアアドバイザーと二人三脚で就職・転職活動を進められます。
具体的に受けられるサポートの例を以下にまとめました。
- キャリアカウンセリング
- 求人紹介
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 面接対策
- 面接日程の調整
- 不採用時のフィードバック
- 入社後の条件交渉
- 入社後の相談対応など
一人で就職活動を進める場合、たくさんの求人の中からあなたに合った仕事を自力で選んでいかなくてはいけません。
しかし、就職・転職エージェントであれば、キャリアアドバイザーがあなたの希望や適性を踏まえたうえで求人を紹介してくれるため、求人を探す手間が省けます。
また、応募書類の添削・面接対策なども手厚くサポートしてもらえるので、安心して選考に臨めるでしょう。
場合によっては、入社後の条件交渉にも対応してもらえることがあるため、あなたは入社に向けた準備に集中できます。
一人で就職活動を進めることに不安がある方は、利用してみると良いでしょう。
就職・転職エージェントは、20代向け・ハイクラス向けなど、会社ごとに得意な層が異なります。
引きこもりの方が就職・転職エージェントを利用する際は、職歴の浅い方の就職支援が得意なところを選びましょう。
▼就職・転職エージェントント
| 主な支援内容 | ・就職相談、面談(キャリアカウンセリング)・求人紹介・選考対策(履歴書の添削、面接練習など)・調整作業の代行(面接日程の調整、給与交渉など)・就職講座(※一部のエージェントのみ) |
| 主な対象者 | 本人 年齢制限:エージェントによって異なる |
| 障害者手帳の有無 | 問わない(障害者手帳がなくても利用可) |
| 相談費用 | 無料 |
| 家族だけの相談 | 原則として不可 |
7. ジョブカフェ
ジョブカフェは、都道府県が主体となって運営している若者向けの就職支援施設です。香川県を除く46の都道府県で設置されています。
正式名称は「若年者のためのワンストップサービスセンター」です。
ジョブカフェという名前のとおり、「カフェ感覚で気軽に立ち寄れる場所」をコンセプトにさまざまな就職支援サービスを無料で提供しています。
具体的に提供しているサービスの例を以下にまとめました。
- カウンセリング
- 就職セミナー
- 職業相談
- 職業紹介
- 保護者向けセミナーなど
地域間で利用可能な年齢の上限や提供形態が異なるので、利用する前に必ず居住地域のジョブカフェの公式サイトをチェックしておきましょう。
ちなみに、居住地域のジョブカフェの公式サイトは、厚生労働省の「ジョブカフェにおける支援」で確認できます。
▼ジョブカフェ
| 主な支援内容 | ・カウンセリング・職業相談・職業紹介・応募書類の添削、面接対策・就職セミナー、保護者向けセミナー・アフターフォロー&定着支援 |
| 主な対象者 | 就職を希望している若年者(学生含む) 年齢制限:15~34歳(30代後半~50代が利用できるジョブカフェもあり) |
| 障害者手帳の有無 | 問わない(障害者手帳がなくても利用可) |
| 相談費用 | 無料 |
| 家族だけの相談 | 一部のジョブカフェは相談可 |
参考:厚生労働省「ジョブカフェにおける支援」
8. ハローワーク
ハローワークとは
ハローワークとは、厚生労働省が運営する職業紹介機関です。全国500ヶ所以上に設置されています。
年齢制限はなく、仕事を探している人であれば誰でも無料で利用可能です。もちろん、引きこもり・障がいのある方も利用できます。
ハローワークを利用するメリット
ハローワークを利用すれば、自宅のパソコンやスマホから求人検索ができるので、引きこもりの方でも気軽に仕事探しができるでしょう。
また、ハローワークの職員から応募書類の作り方・面接の受け方に関するアドバイスを受けられる点もうれしいポイントです。
「選考で自分をどうやってアピールすればいいのかわからない…」「面接での受け答えに不安がある」という引きこもりの方には心強いでしょう。
加えて、ビジネスマナー・業界研究などの各種セミナーや会社説明会にも参加できるので、就職に関する情報を集めやすいというメリットもあります。
さらに、希望すれば職業訓練制度への申し込みも可能です。
教材費を除いて、基本的に無料で利用できるので、希望の仕事に就職するために必要なスキルを身につけられます。
就職に際してスキルに不安がある引きこもりの方は、利用してみると良いでしょう。
ちなみに、ハローワークには障がい者専用の就労窓口があり、障がい者手帳がなくても利用可能です。
障がいについて専門的な知識をもつ職員を配置して、以下のサポートを実施しています。
- 障がい者を雇用している求人の紹介
- 就職に関する相談
- 採用面接への同行
また、障がいのある方を対象とした就職面接会も開催しているので、参加したい方はまずハローワークで求職登録を済ませましょう。
▼ハローワーク
| 主な支援内容 | ・カウンセリング・選考対策(応募書類や面接のアドバイスなど)・就職セミナー・職業訓練(ハロートレーニング)・求人検索、求人紹介・面接日程の調整代行・適職診断 |
| 主な対象者 | 仕事を探している方年齢制限:特になし |
| 障害者手帳の有無 | 問わない(障害者手帳がなくても利用可) |
| 相談費用 | 無料 |
| 家族だけの相談 | 可 |
参考:厚生労働省「ハローワーク」
参考:厚生労働省「未経験の転職もサポート!仕事を探す人のハローワーク」
9. 自立相談支援機関
自立相談支援機関は、生活全般に関する悩み相談を受け付けている相談窓口です。
専門の支援員が他の専門機関と連携しながら、相談者の自立に向けた支援をおこなっています。
具体的な支援内容を以下にまとめました。
- 相談者の状況に合わせた支援プランの作成
- 住居確保給付金の支給
- 家計の立て直しに向けたアドバイス
- 生活困窮世帯の子どもの学習・生活支援
- 住居のない方に対する衣食住の提供
- 就労に向けた基礎能力の養成
- 一般就労に向けた支援
リストラやDV被害、借金などが原因で生活に困っている方に加え、引きこもりの方にもサポートを提供しています。
具体的なサポート内容は以下のとおりです。
- 生活習慣形成のための指導・訓練
- 就労の前段階としての必要な社会的能力の習得
- 事業所での就労体験の場の提供
- 一般雇用への就職活動に向けた技法や知識の習得などの支援
6ヶ月〜1年間を上限に、一人ひとりのニーズ・課題にあわせたプログラムを作成し、支援をおこなっています。
「就職したいけど、朝早く起きられない…」「働きたいけど、コミュニケーションに不安がある…」などの悩みがある引きこもりの方は、活用してみると良いでしょう。
ちなみに、各都道府県の相談窓口は自立相談支援機関 相談窓口一覧からチェックできます。
▼自立相談支援機関
| 主な支援内容 | ・個々人の状態にあった支援プランの作成・認定就労訓練事業へのあっせん・関係機関への同行訪問・就労支援・認定就労訓練事業の利用のあっせん |
| 主な対象者 | 本人(生活困窮者)、家族 |
| 障害者手帳の有無 | 問わない(障害者手帳がなくても利用可) |
| 相談費用 | 無料 |
| 家族だけの相談 | 可 |
参考:一般社団法人生活困窮者自立支援全国ネットワーク「困窮者支援情報共有サイト|自立相談支援事業」
ひきこもりの方が就労移行支援を使って就職するまでの流れ
就労移行支援サービスを利用したい引きこもりの方は、まずは情報収集を行い、気になる事業所に問い合わせましょう。その後、見学・個別相談、体験利用へと進む流れが一般的です。
通いたい事業所が決まったら、自治体で受給者証の申請を行い、事業所と正式に利用契約を結ぶことで通所が始まります。
▼就労移行支援事業所の一般的な利用の流れ
| 1. 情報収集・問い合わせ 2. 見学・個別相談 3. 体験利用 4. 受給者証の申請・利用契約 5. 通所開始・就職活動 |
※就労移行支援事業所は、主に障害を持つ方を対象とした福祉サービスです。障害者手帳や医師の診断書などがない方は「ひきこもり地域支援センター」や「サポステ(地域若者サポートステーション)」など、障害の有無に関係なく就労・就職を支援しているサービスの利用を検討しましょう
ステップ1:情報収集・問い合わせ
まずはホームページなどを見ながら、自分に合いそうな就労移行支援事業所(以下「事業所」)を探してみましょう。
事業所は各地にたくさんあるため、インターネットで「◯◯市(お住まいの地域) 就労移行支援事業所」と検索するのもおすすめです。
「ここなら通えそうかも」と思う場所が見つかったら、メールや電話で問い合わせをしてみましょう。いきなり連絡をするのが不安な場合は、郵送での資料請求(パンフレットの取り寄せ)から始めてもOKです。
ステップ2:見学・個別相談
気になる事業所が見つかったら、実際に足を運んで見学をしてみましょう。事業所の広さやスタッフの雰囲気、通っている人たちの様子を見て、自分が無理なく過ごせそうか確かめてみてください。
見学の際には、スタッフと1対1で話せる「個別相談」も可能です。就労移行支援の具体的なカリキュラムや利用の流れを教えてもらえるだけでなく、就活で不安に思っていることや、「現在の引きこもりの状態から通い続けられるか」といった悩みも相談できます。
ステップ3:体験利用
見学をしてここに通ってみたいと思ったら、次は「体験利用(体験通所)」に挑戦してみましょう。
プログラムや学習内容を実際に体験することで、以下の点を事前に確認できます。
- カリキュラムの難易度が自分に合っているか
- 雰囲気や環境が心地よく感じられるか
- 現在の体調でも無理なく通い続けられそうか
体験日数は、3日〜1週間ほどが一般的です。
体験中は料金がかからないので、まずは気軽な気持ちで利用してみてください。
ステップ4:受給者証の申請・利用契約
通いたい事業所が決まったら、利用手続きに移りましょう。
就労移行支援を利用するには、自治体が発行する「受給者証(障害福祉サービス受給者証)」が必要です。
▼受給者証の発行・申請の流れ(例)
| 1. お住まいの市区町村の窓口(障害福祉課など)に行く 2. 申請書類に必要事項を記入 3. 自治体職員のヒアリング 4.「サービス等利用計画案」の作成 5. 受給者証の暫定支給 6. 受給者証の発行 |
受給者証が届いたら重要事項の説明などを受け、事業所と正式に「利用契約」を結びます。
ステップ5:通所開始・就職活動
契約が完了したら、いよいよ「通所(利用)開始」です。
まずは担当の支援員やサービス管理責任者と面談し、個別支援計画を作成します。就職に向けてどのプログラムをどの順番で受けていくか、通所頻度は週何日からにするか、といった目標を決めていきましょう。
就労移行支援では、働くための基礎力が身につく職業訓練が多数用意されています。求人の探し方や履歴書の作成方法、面接対策など、就職活動も手厚くサポートしてくれるので、就活が初めての引きこもりの方でも安心です。
引きこもりが就労支援を利用するメリット

引きこもりが就労支援を利用するメリットは、以下の5点です。
- スキルを身に付けることができる
- 支援対象の年齢幅が広い
- 経済的支援も受けられる
- 就職活動の各種対策を行ってくれる
- 障がいを持っていても支援してもらえる
それぞれ詳しい解説をしていきます。
1. スキルを身に付けることができる
就労支援では、多様なスキルが身につきます。まずは以下のような「社会人の基本」といえるスキルを身に付けます。
- ビジネスマナー
- コミュニケーションスキル
さらに事業所によっては特定分野に特化したプログラムを用意しており、以下のような専門的講座を受けることもできます。
- ExcelやWordなどのパソコンスキル
- 簿記
- プログラミング
特に就職したい業種・職種が決まっている人は、自分の求めるスキルが身につく就労支援事業所を探しましょう。
2. 支援対象の年齢幅が広い
支援対象の年齢幅が広いことは、就労支援の大きな強みです。対象年齢が18〜65歳なので、労働人口のほとんどがカバーできています。
就職エージェントの中には「30代以上は対象外」など、年齢制限を設けているところもあります。歳を重ねるにつれて社会復帰のハードルは上がるため、特に中年以上の人にとっては、頼りになるサービスです。
3. 経済的支援も受けられる
就労支援では、経済的支援も受けられます。「生活困窮者自立支援制度」という制度が用意されており「就労できず経済的に困窮しており、最低限度の生活が維持できない人」が対象です。具体的には、以下の支援があります。
- 家賃相当額の給付
- 衣食の提供
これらの支援によって生活を維持することができ、無料で就職に向けた準備もできます。
4. 就職活動の各種対策を行ってくれる
就労支援では、以下のような就職対策も行っています。
- 求人の探し方指導
- 面接対策
- 履歴書の書き方指導や添削
- 企業と連携したインターンの開催
- 職場見学
実際のところ、引きこもりの人が自力で就職対策を行うことは難しいのが現状です。「2017年度、マイナビ既卒者の就職活動に関する調査」によると、正社員経験がない既卒者が1人で就活した場合の内定率は44%しかありません。引きこもりの人が自力で就活をする場合、さらに内定率は下がると考えられます。そのため1人で対策するよりも、専門機関である就労支援の利用がおすすめです。
5. 障がいを持っていても支援してもらえる
就労支援は基本的に「障がい者支援のサービス」で あるため、当然障害を持っている人に配慮があります。引きこもりになる原因の1つが以下のような精神障害です。
- 不安障害
- パニック障害
- 発達障害
- 統合失調症
- 双極性障害
障害や病気によって体調が安定せず、引きこもりになるケースはとても多いです。また精神障害によって周りに馴染めず、人と接することの苦手意識から引きこもりになる人もいます。このような人に対しても、就労支援では臨床心理士などの専門家のサポートを受けながら、就職に向けた学習ができます。特に障害者枠の求人に就職したい人におすすめです。
引きこもりが就労支援を利用するデメリット
「引きこもりが就労支援を利用するメリットはわかった。反対にデメリットはないの?」
引きこもりが就労支援を利用するメリットは多いですが、デメリットもあります。
本項目では、引きこもりが就労支援を利用するデメリットをまとめました。
- 引きこもりに特化していないサービスもある
- 利用料がかかる場合がある
メリットだけではなく、デメリットも知ったうえで就労支援サービスを利用するか判断しましょう。
1. 引きこもりに特化していないサービスもある
就労支援は障がいのある方に特化しているため、引きこもりという状況には特化していないサービスもあります。
たとえば、就労移行支援は精神・身体などに障がいのある方に向けたサービスであり、引きこもりに特化したサービスではありません。
障がいのある引きこもりの方にはマッチしますが、障がいのない引きこもりの方は利用できない可能性があります。
「特に障がいはないので、引きこもりからの脱却だけをサポートしてほしい…」という方は、引きこもりに特化したサービスを利用しましょう。
たとえば、ひきこもり地域支援センターや、引きこもりのサポートを得意としているNPO団体などが挙げられます。
2. 利用料がかかる場合がある
就労移行支援・就労継続支援を利用する際には、前年の世帯収入によって費用が発生する場合があります。
就労支援サービスの利用料を以下の表にまとめました。
| 区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
|---|---|---|
| 生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 低所得 | 市町村民税非課税世帯 (※3人世帯で障害基礎年金1級受給の場合、 年収がおおむね300万円以下が対象) | 0円 |
| 一般1 | 市町村民税課税世帯 (所得割16万円未満) (※収入がおおむね600万円以下の世帯が対象) | 9,300円 |
| 一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
就労移行支援・就労継続支援の利用を考えている方は、全員が無料で利用できるわけではないことをおさえておきましょう。
無料で利用できる就労支援サービスを探している方は、以下のサービスを利用することも検討してみてください。
- 自立支援相談機関
- ひきこもり地域支援センター
- 地域若者サポートステーション
まとめ
引きこもりの方が利用できる主な就労支援サービスは、障がいがある方に対して、就労移行支援事業所や就労継続支援A型事業所、就労継続支援B型事業所があります。
就労移行支援は、就労に向けたトレーニングや就職自体の支援をおこなう一方、就労継続支援は就労の機会提供という特徴が強いサービスです。
また、就労継続支援A型は事業所と雇用契約を結ぶため、最低賃金が保障されているというメリットがあります。
一方で、就労継続支援B型は障がいの症状などに合わせて、無理なく自分のペースで働ける点がメリットです。
それぞれにメリットがあるので、あなたに合った事業所を探してみてください。
他にも、引きこもりの方は、ひきこもり地域支援センターやサポステなどで就職支援を受けられます。
また、ハローワーク・ジョブカフェで就職に特化したサポートを受けることも可能です。
「就職のプロからマンツーマンでサポートを受けたい…」という方は、就職・転職エージェントを活用しましょう。
キャリアカウンセリングから選考準備・入社後のフォローまで、手厚くサポートしてもらえます。
就職に際して不安がある引きこもりの方は、就職・転職エージェントの利用も検討してみてください。




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