「無職でいるのが辛い」「無職のままだと頭がおかしくなりそう…」と、
就職がかなわず、無職の状態が続いて毎日が不安でいっぱいの人もいるのではないでしょうか。自分の何が悪いのだろう、なぜ認めてくれないのだろう。このように自己否定する気持ちは、無職が辛いと感じる原因と向き合うことで解決するかもしれません。無職の不安を解消するポイントを考えることで、一歩踏み出してみませんか。
無職が辛いと感じてしまう原因
無職の期間が長くなるほど、辛いと感じる人は多いなります。無職の期間が長引くことによって社会から孤立した状態が続き、就職活動で不利になるかもしれない、結婚できないかも、一生働けないかも、などと悪い方向に考えてしまいがちです。こうしたマイナス感情に対しては、なぜ自分が辛いと感じるのか、原因を一つひとつ見ていくことによって対応することができるでしょう。
長引くほど就職活動が不利にならないか不安が強くなる
一般的に無職でいる期間は短いほど、就職活動では有利に働きます。そのため、無職でいる期間が長引くほど不利になると思い込み、不安が強くなるのです。就職できる自信もなくなり、将来への不安が広がっていくことも少なくありません。
厚生労働省の「平成30年フリーターの正社員への採用状況」によると、正社員を採用予定の事業者のうち、フリーターを正社員として採用した事業者の割合は18.5%で、フリーターから正社員へ就職することは決して不可能ではありません。
また、フリーターが正社員の求人に応募するケースにおいて、フリーターであったことの評価に関して、「評価にほとんど影響しない」と回答した事業所が 68.1%と全体の約7割を占めています。
無職期間が長い人は社会の厳しさを体験しているため、人の痛みが分かるはずです。フリーターでも評価にほとんど影響しないというアンケート結果を心に刻んでください。
社会から必要とされていないと思い込む
無職の期間中は自己肯定感が低下しがちなため、社会から必要とされていないと思い込んでしまうことがあります。会社や事業所などの集団に所属していないことで、安心感が得られず、無職であることで集団からはみ出た存在だと思い込むのも無理はありません。
給料も定期的に入ってこなくなるため、経済的にも何も生み出せなくなった自分の存在が無価値に思えてくることもあるのではないでしょうか。家族と同居している場合は、生活に困ることは少ないですが、1人暮らしだと貯金が減っていくので、「なんとかしなくちゃ」と焦りが生じてしまいます。
インターネット環境があれば、クラウドソーシングサービスを使って自宅で働くことも可能です。まずはできることから行動に移してみましょう。
家族・両親に心配をかける
無職期間が長いと、守ってくれる存在である家族や両親の優しい言葉や心配が返って負担に感じるようになります。とりわけ、子どもの頃から母親の心に敏感に反応し、母親のためにいい成績を取ろう、いい子でいようと頑張ってきた人ほど、母親に心配をかけている自分が嫌になってしまうのです。
「しばらくゆっくりしていれば」という言葉も、「口ではそう言ってるけど本心はどうなんだろう」と懐疑的になったり、家族や両親に心配をかけたくないと思うほどストレスになったりします。
家族や両親に心配をかけないためには、就職することが一番と思って焦って行動すると逆効果になることもあるので注意が必要です。
友人・他人に会いたくなくなり引きこもりがちになる
無職期間中は自信を失いがちなので、友人などに会うことを敬遠しがちになります。人と会わないでいると、余計に社会から切り離されたと感じてしまい、引きこもりがちになってしまいかねません。
コロナ禍の今だからこそ、対面で話すより、Zoomなどを使ってコミュニケーションをとる機会が増えました。会いたくない人とは無理に会う必要はありません。自分としっかり向き合う時間を作りましょう。
暇な時間が多く持て余す
無職期間中は時間を持て余すことが増えてしまい、その分将来への不安などを考えてしまう時間が増え、悪循環に陥ることもあります。
忙しいときほど、「あれもしたい。これもしたい」と思ってしまいがちで、いざ時間ができると、「いつでもできるから今しなくてもいい」と思い、行動に移せません。ゲームをしたり、YouTubeをずっと見たりするのも楽しそうですが、何もしていない時間が増えるとネガティブなことを考えるのが人間の一般的な思考回路です。
ボーっとする時間も時には必要ですが、そうした時間がありすぎるとかえってマイナスなことを考えてしまいます。そんなときは部屋の掃除や、不要なものをフリマに出品するなどして、気を紛らわせてみましょう。
無職期間の不安を解消するための心がけ
無職期間の不安感を抑えるための心がけとして、以下の4つが挙げられます。
- 周囲と比較することをやめる
- やりたい仕事を明確にする
- 無職であることに卑屈になりすぎない
- 定期的に運動する
周りの友人と比較することをやめると、気が楽になります。せっかく考える時間があるのですから、自分のやりたいことを明確にしてみましょう。無職でいる時間が自分の人生の糧になると信じて、卑屈になりすぎず、定期的に運動して、ストレスを発散させてください。
周囲と比較することをやめる
無職期間中の心がけとして、周囲と比較することはやめましょう。
「あの人は1か月で転職できていいな」「仲間だと思っていたのに、IT企業に就職できていいな」など、就職できた他人をうらやましく思う気持ちになることでしょう。しかし、「いいな」と思ったところで、どうにもなりません。いいな、に続く言葉は「それに引き換え私は…」ということになるものです。
働いている友人や知人と比較すると、年収や充実感が劣ってしまうため、不安感が大きくなってしまいます。劣等感を感じて、友人や知人と会わなくなったりすることも考えられるでしょう。
そこで、他人と自分を比べるのではなく、視線を自分に向けて、自分をほめるようにしてみることをおすすめします。例えば、「今日も頑張ってるね」「早起きできてえらい」「笑顔がいいね」などといった言葉を自分にかけてみるのです。最初は気恥ずかしいかもしれませんが、慣れてくると楽しいですし、自己肯定にもつながります。
小さな目標を設定して、日記にマルを付けるというのもいいでしょう。できた自分をほめてあげるのがポイントです。
やりたい仕事を明確にする
就職を急ぎすぎると就職先へのこだわりが少なくなり、「どこでもいいから就職したい」という気持ちになりやすいものです。しかし、どこでもいい、という気持ちには大きなリスクが伴います。また、かえって就職が難しくなる可能性もあるため、注意が必要です。
どの会社でも、面接官は仕事に意欲や熱意のある人を求めていますが、「どこでもいい」と考えていると、面接官に意欲が伝わりません。意欲がない状態では、面接で良い結果を得られないことになりかねません。
また、就職できたとしても、自分に合っていない会社、ブラックな会社、ミスマッチな仕事を選んでしまったことを悔やみ、早期で退職せざるを得ない状況になる可能性もあります。
無職期間があるからこそ、自分のやりたいことを明確化して、就職活動に熱意をアピールできるように準備しておきましょう。
無職であることに卑屈になりすぎない
無職期間中は自信を失いやすくなってしまいますが、卑屈になる必要はありません。
総務省の「2021年6月分労働力調査」によると、完全失業者数は206万人。前年同月に比べて11万人多く、17か月連続で増加。年齢階級別にみると、15~24歳が24万人、25~34歳が最も高く47万人となっています。
厚生労働省「新規学校卒業就職者の就職離職状況調査」によると、平成29年3月卒業者の学歴別就職後3年間の離職状況は、中学校卒業者が59.8%、高等学校卒業者が39.5%、大学卒業者が32.8% と離職率が高いです。
完全失業者数も増加傾向で、3年で離職する若者も多く存在するなど、誰もが無職を経験する時代になってきていると言っても過言ではなく、決して自分だけが無職で辛いわけではありません。
定期的に運動する
運動には抗うつ・不安改善効果があるため、定期的に運動することがおすすめです。軽いジョギングやストレッチを週3回20分程度行うだけで、心の不調が改善すると言われています。
運動で筋肉が刺激を受けると、脳の働きを高めてくれる「成長ホルモン」、幸せホルモンと呼ばれる「ドーパミン」などが分泌されます。ホルモンの分泌によって、身体がスッキリしたり、気持ちが前向きになったりする効果が期待できるのです。逆に、成長ホルモンの分泌が少なくなると、イライラしやすくなったり、やる気が低下したりします。
おすすめは、早朝ウォーキングです。早朝の太陽の光を浴びると、体内時計がリセットされ、身体がシャキッとします。朝起きて、毎日15∼20分歩くことで、気持ちもリフレッシュし、骨や筋肉が鍛えられるでしょう。「早起きは三文の得」との言葉があるように、昔の人は早起きの価値を経験則上分かっていたようです。朝起きたらまずコップ1杯の水を飲み、歩いてみましょう。
まとめ
無職期間が長いと、自己肯定感が弱まり、不安な気持ちでいっぱいになります。周りの友人などと比較して、自分がダメな人間だと思い込んでしまいかねません。しかし、このような負の悪循環は断ち切る必要があります。思うようにいかないことも、すべて自分を成長させるために必要なことだと考えると、少し楽になれるでしょう。今回ご紹介した、不安感を抑える4つのことをぜひ実行してみて、少しずつ踏み出してみましょう。ただし、無理は禁物です。できる範囲から始めてみることをおすすめします。