引きこもりで一人暮らしをしようと考えている方は少なくないのではないでしょうか。もともと実家で引きこもっていた方が一人暮らしを検討するときは、まず一人暮らしをする目的から考える必要があります。
この記事では、引きこもりの方が一人暮らしをすることで得られるメリットやデメリット、実家を出ることで発生する費用やそれらをできるだけ抑える方法をご紹介しています。
一人暮らしをしたいけどなかなか一歩を踏み出せないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
引きこもりが一人暮らしをする目的を考えよう
引きこもりが一人暮らしを考える際は、目的を明確にすることが大切です。何のために一人暮らしをするのかが明確でないと、かえって引きこもりが悪化する恐れがあります。
無職で引きこもりの状態から一人暮らしをはじめるのはリスクが高いですが、以下2つの目的があれば検討するのもありです。
- 親から自立するため
- 引きこもり状態を脱出するため
それぞれを詳しく解説していきます。
親から自立するため
一人暮らしをすると、料理掃除洗濯などの家事を自分1人ですることになるため、生活の自立ができます。実家暮らしで親が家事をしてくれた頃に比べると、経済感覚も養われるでしょう。
ただし「一人暮らしをしている=自立」ではありません。生活面・経済面ともに親の援助なく生活が成り立って、はじめて自立した状態といえます。
引きこもり状態を脱出するため
人は行動から意識が変わることも多く、一人暮らしをすることによって、自立への意識が芽生える人もいます。
ただし収入がない状態でいきなり一人暮らしをするのはリスクが大きいので、本当に効果的な手段なのかどうかをよく検討しましょう。
引きこもりが一人暮らしをするメリット
引きこもりが一人暮らしをするメリットは、大きく以下の3点です。
- 誰とも顔を合わせずに済む
- 自分の自由に生活できる
- 就職するきっかけを作れる
それぞれを詳しく解説していきます。
誰とも顔を合わせずに済む
誰とも顔を合わせずに済むのは、精神的にも気楽です。特に以下のような人は、一人暮らしをするメリットがあるでしょう。
- 親に罪悪感がある
- 親がストレスで、活動する気が起きない
家族と過ごすことがストレスの人は、一人暮らしをするメリットがあります。
自分の自由に生活できる
一人暮らしは自分の自由に生活できるので、これほど気楽なことはありません。
- 起床
- 活動
- 食事
- お風呂
- 睡眠
これらすべてを自分の好きなタイミングで行えます。自分である程度、生活習慣をコントロールできる人にとっては、大きなメリットです。
就職するきっかけを作れる
一人暮らしを始めたことが、就職のきっかけになる人もいます。これまで実家暮らしで親の世話になっていた人は、一人暮らしを始めて親のありがたさに気づき、自立しようという気持ちになるからです。
引きこもりが一人暮らしをすることは一見リスクのあるように思うかもしれませんが、改心する1つのきっかけになるでしょう。
引きこもりが一人暮らしをするデメリット
反対に、引きこもりが一人暮らしをするデメリットも3点ほどあります。
- 家賃や生活費がかかる
- やるべきことが増える
- より引きこもりが悪化する可能性がある
それぞれを詳しく解説していきます。
家賃や生活費がかかる
一人暮らしをすると実家暮らしに比べて、家賃や生活費など毎月の支出が増えます。
- 家賃5万円/月
- 生活費15万円/月
つまり、一人暮らしである程度のゆとりある生活をするためには、月に20万円は必要です。
引きこもりで一人暮らしを続けるとなると、数百万単位の貯金を作っておくか、在宅でできる仕事をするしかありません。在宅で働くスキルを持っていない人にとって、引きこもりの一人暮らし生活は、現実的に厳しいといえるでしょう。
やるべきことが増える
一人暮らしをすると、家事を自分1人でしなければなりません。
- 料理
- 洗濯
- 掃除
- ゴミ捨て
これらは、生活のうえで最低限する必要があります。家事の疲れで就職活動する気が起こらず、引きこもり期間が長引いてしまうかもしれません。
より引きこもりが悪化する可能性がある
引きこもりの生活が続くと、より引きこもりが悪化する可能性があります。なぜなら、家で1人で過ごしていることが快適で、だんだん外に出るのが嫌になることもあるからです。人間どんな環境にも慣れていく生き物なので、引きこもり生活が続くと、次第に外出する意欲が薄れていくケースもあります。
また、引きこもりの状態が続くと金欠にもなりやすいので、支出を抑えるために自宅で過ごすことも増えるでしょう。その結果、より引きこもりが悪化してしまいます。
引きこもりの一人暮らしにかかる費用一覧
引きこもりの一人暮らしにかかる費用一覧を、総務省「家計調査/家計収支編 単身世帯 詳細結果表(2020年)」なども参考にご紹介します。
- 引っ越し費用
- 家賃
- 光熱費
- 食費
- ネット回線費用
- 国民年金や国民健康保険の保険料
それぞれ、月にどのくらいの支払いになるのかを解説します。
引っ越し費用
引越し侍「引越し費用相場と料金目安−平均見積もり金額はだいたいいくら?」によると、単身世帯における引っ越し費用の相場は、33,033円です。ただし、引っ越し費用は以下の条件によって大きく変わります。
- 引っ越し時期
- 荷物の量
- 移動距離
ただし自分で荷物を運べば、引っ越し費用をかけずに済みます。
家賃
家賃は住む地域によって大きく変わります。SUUMO「全国の家賃相場賃料相場情報」を参考に、各地域の家賃相場をまとめました。
- 東京:約8万円
- 大阪:約6.5万円
- 名古屋:約6万円
- 福岡:約5.5万円
- 札幌:約5万円
- 地方都市:約3.5万円
家賃は毎月数万円の費用が発生するので、一般的には月々の最も大きな支出になります。
光熱費
総務省の調査によると、光熱費の全国平均は11,686円で、内訳は以下の通りです。
- 電気代:5,791円
- ガス代:3,021円
- 水道代:2,172円
- その他光熱費:702円
ただし光熱費は、都心部より地方の方が高額になりやすく、都市ガスとプロパンガスでも大きな差があります。
食費
総務省の調査によると、単身世帯の食費平均は38,257円(外食費7,500円を含む)です。しかし自炊をすれば、1か月2万円程度(週に5,000円の予算)に抑えることは可能です。
実際に、以下のシンプルな食材の組み合わせで献立を考え、週5,000円程度の予算で食費を抑えている家庭もあります。
- 米
- 野菜
- 肉もしくは魚
食費は工夫次第で、十分に節約できる支出です。
ネット回線費用
ネット回線費用とは、主に携帯代とインターネット代を指します。総務省の調査によると、単身世帯の平均ネット回線費用は、7,286円です。こちらも通信会社やプランの選び方によって、支出額が大きく変わる項目です。
国民年金や国民健康保険の保険料
総務省の調査によると、無職の人が月々払っている平均の社会保険料(国民年金と国民健康保険料)は、5,212円でした。無職でも支払いが発生する理由は、去年収入があった人や、減額されるものの完全免除でない人がいるからです。
ただし、収入がなくて支払いが厳しい場合は、減免申請を出すこともできます。詳しくは、後ほど解説します。
引きこもりの一人暮らし費用を節約する方法
引きこもりの一人暮らし費用を節約する方法は、大きく以下の2つです。
- 固定費を削る
- 国の支援制度を利用する
詳しい内容を、以下で解説します。
固定費を削る
固定費を削ることは、毎月の支出が自動的に抑えられて節約効果も大きいです。特に以下6つの固定費は節約効果が大きいため、見直しをおすすめします。
- 家賃
- 光熱費
- 通信費
- 民間保険
- 車
- 税金や保険料
「家賃を少しでも抑えられる物件に住む」「携帯会社を大手キャリアから格安SIMに切り替える」などができないか考えてみましょう。
国の支援制度を利用する
以下、引きこもりが一人暮らしをするうえで効果的な国の支援制度を2つ紹介します。
- 住居確保給付金の申請をする
- 国民年金や国民健康保険料の減免申請をする
住居確保給付金は、世帯収入が一定以下であれば家賃を3〜9か月間負担してもらえる制度です。ただし対象者は、離職廃業から2年以内の人です。該当する人は、利用すると一人暮らしにかかる負担を大きく減らせます。
また、収入がなくて国民年金や国民健康保険料の支払いが厳しい場合は、減額免除申請もできます。支払いが困難な人は、1度管轄の保険年金課窓口に行って相談してみましょう。
引きこもりが一人暮らしの費用を手に入れる方法
引きこもりが一人暮らしの費用を手に入れる方法を4つご紹介します。
- 単発の派遣バイト
- アフィリエイト
- ネット上で自分のスキルを売る
- 在宅で仕事をする
それぞれのメリットデメリットについて、解説します。
単発の派遣バイトをする
単発バイトは、一人暮らしの費用を最も手軽に得られます。特に単発バイトには、以下の魅力があります。
- 1日だけの付き合いなので、人間関係が面倒くさくない
- その場ですぐにできる仕事しか任されないので簡単
- 即日払いの仕事もあり即金性が高い
ただし手軽にできる分、継続的な収入が見込めない点はデメリットです。
アフィリエイト収入を得る
アフィリエイトは「ブログサイトを立ち上げて、記事の中で商品を紹介し、売れれば報酬が入る」といったビジネスモデルです。
外に出ることなく、パソコンとネット環境さえあれば収入が得られます。ただし多くの場合、収益化できるまでに半年以上かかるため、ほとんどの人は収益化できる前に挫折してしまうビジネスです。
ネット上で自分のスキルを売る
スキルを持っている人は、ココナラなどのクラウドソーシングサイトを活用すれば、ネット上で自分のスキルを売ることができます。
仕事の受注には提案が必要ですが「対面営業に比べて気が楽」と感じる人が多いです。特に、以下のスキルを持っている人は稼ぎやすいです。
- プログラミング
- デザイン
- ライティング
- 動画編集
- イラスト
- 翻訳
- 電話占い
ココナラ等で実績を積んでいけば、より高単価の仕事をもらえるようにもなります。近年、こうしたスキルを活用して、完全に在宅ワークで生活をしている人も増えています。
在宅でできる仕事をはじめる
在宅勤務可能な仕事は、出社して働く就職に比べて「ハードルが低い」と感じる人が多いようです。近年、在宅でできる仕事は増えているので、自分の働きやすい職種を選んで働けます。
特に、以下の仕事が在宅勤務のしやすい仕事です。
- システムエンジニア
- プログラマー
- Webデザイナー
- イラストレーター
- CADオペレーター
- 事務職
社会復帰のひとつの方法として、在宅でこういった仕事を始めるのもよいでしょう。
引きこもりの安定した一人暮らしには就職が不可欠
引きこもりが安定して一人暮らしをするには、就職することが最も効果的です。その理由は以下の2点です。
- 正社員が一番簡単に稼げるから
- 引きこもりでも正社員就職することができるから
それぞれ詳しく解説します。
正社員が一番簡単に稼げる
正社員には、以下2つの金銭的メリットが存在します。
- 毎月安定的な収入が得られる
- 福利厚生やボーナスなどが充実している
そのため、アルバイトや単発の仕事などと比較すると、稼ぐことのできる金額が大きいです。また、たとえば工場や警備の仕事などで働く場合、仕事内容は似たようなものでも、正社員になったほうが収入は増えることがほとんどです。正社員になることで、安心して一人暮らしができるでしょう。
引きこもりでも高い就職率
「引きこもり期間が長く、就職できるのか不安」という人は、私たちジェイックが力になります。フリーター既卒の人が就活した場合の就職成功率は34.4%なので、一般的な就職方法よりも就職できる可能性は高まります。
- ビジネスマナー
- 自己分析
- 企業研究
- 履歴書や面接対策
上記のような、就活に関する知識やスキルを基礎から学べます。引きこもり期間が長く、自力で内定を勝ち取ることに自信がない人にもおすすめのサービスです。
まとめ
引きこもりが一人暮らしをすることのメリットやデメリット、もし一人暮らしをする場合の費用についても解説しました。最も多くの人に再現性のある方法は「就職して、一人暮らしができる収入を得る」ことでしょう。正社員に就職するまでの道のりは、私たちジェイックがサポートさせていただきますので、ぜひご相談ください。
引きこもりの生活について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。