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20代引きこもりのカウンセリングサービスー状況別におすすめ紹介

【20代引きこもりのカウンセリングサービス】状況別におすすめを紹介!

引きこもりカウンセリングにはいくつかの種類があるのをご存知でしょうか。この記事では、引きこもりの定義や特徴を紹介し、引きこもりのままだと起こりうる可能性のある問題や対策について紹介をしていきます。カウンセリングサービスは多種多様になってきています。そのため、問題に応じておすすめのカウンセリングサービスを紹介するので、その時その時の状況に応じてサービスを利用していきましょう。

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引きこもりの定義と特徴

引きこもりの定義と特徴

近年、20代の引きこもりが増えていることが社会問題となっています。多くの企業が人手不足に悩んでいますが、その中でも政府や企業が引きこもり支援サービスを展開し始めるほどです。ここではそんな社会問題となっている、引きこもりの定義と特徴を紹介します。

引きこもりの定義

厚生労働省は引きこもりを「以下3つの条件すべてを6か月以上満たしている状態」と定義しています。

  • 仕事や学校に行っていない
  • 買い物など、最低限の外出しかしない
  • 家族以外の人と交流がない

内閣府が行った平成27年度の調査では、引きこもりは全国で約61.3万人であり、そのうち若年者(15〜39歳)の引きこもりは約54.1万人と推定されています。若者の引きこもりの増加は大きな社会問題となっており、政府や企業は20代の引きこもりを減らそうと、以下の対策を行っています。

  • 引きこもり地域支援センターの設置
  • フリースペースの開設・運営
  • 未経験者向けの転職支援の実施

参考「内閣府:長期化するひきこもりの実態」

参考「内閣府:子どもや若者の状況」

引きこもりの特徴

引きこもりの特徴は、大きく以下の3つです。

  • 挫折経験がある
  • 自己肯定感が低い
  • 他人の目を気にする

それぞれ順に詳しく解説をしていきます。

挫折経験がある

引きこもりの多くが、仕事や学校生活で以下のような挫折を経験しています。

  • 受験に失敗した
  • 勉強についていけず退職・退学した
  • 就職活動に失敗した
  • 仕事で活躍できなかった
  • 人間関係でトラブルになった

特に20代の時期は精神的に不安定になりやすく、挫折体験が引きこもりにつながることも多いです。

自己肯定感が低い

自己肯定感が低いことも、引きこもりに多い特徴です。社会復帰できていないことが主な原因で「社会で活躍したいのにできていない」と、自分を責めてしまう人が多いのです。厚生労働省の調査によると、引きこもりを含むニートのうち82.8%が「仕事をしていないと後ろめたいと感じる」という結果でした。20代以降は同年代の人たちが社会で活躍し始め、比較して自分に自信が持てなくなる人も多いです。

参考「厚生労働省:ニートの状態にある若年者の実態および支援策に関する調査研究報告書(概要)」

他人の目を気にする

引きこもりの多くは、他人の目を気にしています。他人の目を気にすると人間関係のストレスを感じやすくなり、引きこもりになりやすいです。内閣府の調査によると、引きこもりのうち「他人がどう思っているかとても不安」と回答した人の割合は、57.3%と半数を超える結果でした。

参考「内閣府:若者の生活に関する調査報告書、不安要素について当てはまること」

引きこもりが長期化して起こる問題と対策

引きこもりは増加しているだけでなく、長期化も大きな問題となっています。内閣府が行った平成27年度の引きこもり期間に関する調査では、以下の結果でした。

  • 6か月〜1年未満:6.4%
  • 1年〜2年未満:14.9%
  • 2年〜3年未満:6.4%
  • 3年〜5年未満:21.3%
  • 5年〜7年未満:4.3%
  • 7年〜10年未満:10.6%
  • 10年〜15年未満:6.4%
  • 15年〜20年未満:10.6%
  • 20年〜25年未満:10.6%
  • 25年〜30年未満:2.1%
  • 30年以上:6.4%

そこで、引きこもりが長期化することによって起こる問題と対策をお伝えします。

参考「内閣府:長期化するひきこもりの実態」

引きこもりが長期化すると起こる問題

引きこもりが長期化すると起こる問題は、以下の3つです。

  • 家族の負担が大きくなっていく
  • 人との繋がりが希薄になり、精神病が発現しやすい
  • 社会復帰が難しくなっていく

それぞれ順に、詳しく解説していきます。

家族の負担が大きくなっていく

引きこもりが長期化するほど、家族の負担は大きくなっていきます。具体的には、以下のことが起こるでしょう。

  • 経済的に苦しくなる
  • 将来への不安が膨らむ
  • 周りに相談できずに孤立する

親が働いているうちは、経済的な苦しさを感じることは少ないかもしれません。しかし、引きこもりが長期化して親が定年退職する頃になると収入が減り、家庭全体が経済的に苦しくなります。さらに将来への不安感も増し、悩みが深刻になるほど周りにも相談しづらくなり、孤立していく傾向です。

人との繋がりが希薄になり、精神病が発現しやすい

引きこもりが長期化すると、だんだん人との繋がりが希薄になって、精神障害や精神病になる可能性が上がります。なぜならハーバード大学が75年にかけて行った幸福度調査によると、人が最も幸福感に影響を与えるのは「良質な人間関係」だからです。そのため、孤独は精神状態にとって非常に悪影響だといえるでしょう。孤独になると、特に以下の疾患や障害を引き起こす可能性があります。

  • うつ病
  • 不安障害
  • パニック障害
  • 統合失調症
  • 双極性障害

参考「PRESIDENT Online:ハーバード大75年の追跡調査、人間の幸福と健康を高めるたった1つの方法」

社会復帰が難しくなっていく

引きこもりが長期化するほど、社会復帰は難しくなります。働いていない期間が長くなるほど「社会性がない」とみなされ、就職が困難になるからです。実際にフリーター期間別、20代の再就職率(正社員)は以下の通りです。

  • 6か月以内:64.0%
  • 7か月〜1年:58.3%
  • 1年〜2年:52.2%
  • 2年〜3年:58.9%
  • 3年超:48.9%

このようにフリーター期間が長くなるほど、正社員として就職できる確率は下がっていきます。引きこもりの場合は、さらに就職率が下がるでしょう。

参考「厚生労働省:若年者雇用を取り巻く現状」

引きこもりを長期化させない対策

引きこもりを長期化させないためには適切な対策が必要であり、具体的には以下3つのことを意識しておきましょう。

  • 家族だけで解決させない
  • 国や民間企業のサービスを活用する
  • 長期化する前に向き合う

家族問題だからと家族だけで解決させない

「引きこもりは家族問題だから」と、家族だけで解決しようとするのはおすすめしません。家族内の話し合いは感情のぶつけ合いになり、具体的な対策まで話し合えないことも多いからです。

実際に引きこもりを脱出するには「引きこもり期間にあらかじめ期限を設ける」などの現実的な話し合いが必要です。もし家族間でこのような話し合いが厳しい場合は、専門家などの第三者を交えて対策を立てましょう。

国や民間企業のサービスを活用する

国や民間企業の引きこもり支援サービスを活用することも、引きこもりを長期化させないためには効果的です。引きこもり支援の専門家団体は、引きこもりを長期化させないための解決策を知っています。医療や福祉、就業などそれぞれの専門家に話を聞いてもらえるため、効率よく引きこもり対策ができます。

長期化する前に向き合う

引きこもりから抜け出すには、少しでも早い段階で向き合うことが大切です。引きこもりの本人・家族ともに、つい「時間が経てば解決するかもしれない」と考えがちですが、時間が経てば経つほど社会復帰は難しくなるのが現状です。できるだけ早めに手を打ちましょう。

引きこもりのためのカウンセリングサービス【状況別】

引きこもりから抜け出す方法として、カウンセリングは効果があります。カウンセリングは何かアドバイスをするわけではなく、引きこもりの本人から話をヒアリングする方法なので、心のケアにつながりやすいです。ここでは引きこもり状況別におすすめなカウンセリングサービスを3つ紹介します。

  • ここナビ:引きこもりが長期化して悩んでいる場合
  • ひだまり:気軽に1度相談をしたい場合
  • 就職カレッジ:求職活動を検討中の場合

それぞれ順に、詳しく解説していきます。

【引きこもりが長期化している場合】~ここナビ~

ここナビとは東京都が運営している、引きこもりなどの自殺対策に関する情報が集約されたサイトです。無料で気軽に利用できるため、以下のような人に適しています。

  • 引きこもりが長期化し、完全に外出ができない人
  • 死にたいと思っている人
  • 無料でカウンセリングを受けたい人

ここナビでは、電話やLINEによる相談窓口が用意されています。カウンセラーと直接会わずに、しかも無料で相談できるため、気軽に利用できる点が大きなメリットです。

また、悩み別に各専門機関の検索が簡単にできます。以下のように具体的な悩みが列挙されており、近いものを選択すると関連する専門機関の一覧を見ることができます。

  • 死にたい、消えてしまいたい
  • 友人や家族など、人間関係に悩んでいる
  • 借金があってどうしたらいいか分からない

悩みに適した専門機関や適切な相談先を見つけられる点も強みです。そして、ここナビでは自殺対策にも力を入れており、以下のような自殺防止対策についての情報も充実しています。

  • 自殺したいと感じる原因
  • うつ病や睡眠障害に関する情報
  • 自殺防止窓口の紹介
  • 各市区町村の取り組み

死にたいと考えてしまう人は、こうした情報に目を通してみるのも1つの手です。

【一度相談をしたい場合】~ひだまり~

ひだまりは引きこもりをはじめとする、こころの悩みを抱えている人のためのフリースペースです。利用料は以下の通りです。

  • 会員:6,000円/50分
  • 一般:10,000円/50分

ひだまりは、以下のような人に適しています。

  • 臨床心理士などカウンセリングの専門家に相談したい人
  • 引きこもり当事者と交流したい人

医療スタッフの支援が充実している点が大きな強みです。

  • 看護師
  • 保健師
  • 臨床心理士

などの専門家が常駐しており、専門家の知識を元にカウンセリングを受けられます。同じビル内にあるメンタルクリニックと提携しており、チーム医療としての連携も取れています。

また、オンラインによるカウンセリングも受けられます。

  • 落ち着く場所で相談したい
  • 外出に抵抗がある
  • 近くに信頼できる相談先がない

という人にとっては、安心して受けられる便利なサービスです。

【求職活動を検討中の場合】~就職カレッジ~

私たちJAICが提供しているサービス「就職カレッジ」は、引きこもりの就職に強いことが強みです。向いている仕事や将来の目標などを掘り下げるキャリアカウンセリングを無料で受けられます。そのため、以下のような人におすすめです。

  • 就職活動を始めたい人
  • 就職経験がない人
  • やりたい仕事が見つからない人
  • すぐに就職したい人

就職カレッジのキャリアカウンセリングでは、アドバイザーから以下のサービスが受けられます。

  • 自己分析のサポート
  • 将来の目標設定
  • 就活の情報提供

仕事選びを目的としているので、社会復帰を目指す人には効果的なカウンセリングです。

就職カレッジは、業種・職種未経験者の就職サポートを強みとしています。引きこもりの人は社会経験が少なく、未経験の業種や職種に就職を目指すケースが多いので、活用しやすいサービスです。

そして「集団面接会」というイベントも用意されています。これは未経験者を採用したい20社ほどの企業が集まる面接会で、ここに参加すれば1日で約20社と面接ができ、就活を進めるうえでとても効率が良いです。しかも書類選考なしで参加できるので、これまでの経歴に自信がなくても参加しやすい点が強みです。

就職後も以下のような手厚い定着支援を行っています。

  • 新入社員向けの講座がある
  • 専任担当のカウンセリングで、入社後の悩みを相談できる

まとめ

以上、引きこもりの定義や特徴、長期化させないための方法やカウンセリングを行っているサービスを紹介しました。引きこもりは長期化するほど社会復帰しづらくなり、本人だけでなく家族の負担も増えていきます。20代〜30代前半であれば社会復帰も十分にできるため、カウンセリングなどのサポートを受けながら引きこもりからの卒業を目指しましょう。

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池本 駿
株式会社ジェイックマーケティング開発部。2016年慶応義塾大学経済学部卒業。2018年慶應義塾大学大学院経済学研究科修了(修士課程)。2019年慶應義塾大学大学院理工学研究科修了(修士課程)。同大学経済学部附属経済研究所「こどもの機会均等研究センター」協力研究者。元・三菱経済研究所研究員。経済産業大臣登録 中小企業診断士。著書「教育経済学の実証分析: 小中学校の不登校・高校における中途退学の要因分析」