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公認会計士は高卒でもなれる?学歴との関係を徹底解説!

公認会計士は高卒でもなれる?学歴との関係を徹底解説!

公認会計士に高卒でもなれるのか気になる人もいるのではないでしょうか?
財務系資格の中でも最高クラスの難易度である公認会計士ですが、実は高卒でもなることは可能です。

この記事では、公認会計士の受験資格や仕事内容といった基本的な知識を始め、高卒が公認会計士を取得するために重要なポイントなどについて詳しく解説します。

公認会計士は高卒でもなれる!

公認会計士は高卒でもなれる!

公認会計士には高卒でもなることはできます。

資格試験の中には、受験資格としてそもそも大卒以上であることを定めていたり、年齢の制限をしていたりするものもありますが、公認会計士の場合はそういった制限が一切ありません。

ここでは、公認会計士試験がどういった試験なのか、概要について詳しく解説します。

高卒でも受験できる

公認会計士は高卒でもなれるということを理解するために、公認会計士試験の概要について表でまとめました。

試験名称公認会計士試験
資格分類国家資格
受験資格受験に制限は無し
・学歴
・年齢
・国籍
全てに関わらず受験することが可能
受験手数料19,500円
試験内容【短答式試験の試験科目】
・財務会計論
・管理会計論
・監査論
・企業法
※総得点数の70%が合格基準
※1科目でも40%未満の得点だと不合格になる場合もあり
【論文式試験の試験科目】
<必須科目>
・会計学
・監査論
・租税法
・企業法
<選択科目※1科目自由選択>
・経営学
・経済学
・民法
・統計学
※論文式試験計5科目
※総得点数の52-60%が合格基準
※1科目でも40%未満の得点だと不合格になる場合もあり
試験日程年一回
合格率10.1%(令和2年試験実績)

上記のように、受験資格には「学歴・年齢・国籍」全ての定めがありませんので、高卒でも問題なく受験することが可能です。

加えて、「指定学部卒業による試験免除」という制度もありませんので、公認会計士試験についてはどんな学歴の人でも同じスタートラインであるというのも特徴的です。

試験勉強をしっかりすることが大切

公認会計士試験の合格者の細かな学歴内訳は公には公開されていませんが、大手資格試験予備校のTACの調査によると、例え大卒者であってもその出身大学はバラバラであると言われています。

東大京大・早慶といった最上位大学のみならず、偏差値的に低い大学の出身でも合格者はいます。

加えて、金融庁の令和2年度合格結果発表においては、合格者の最低年齢が18歳と公表されていますので、高卒含め学歴は関係なく、あくまでも試験勉強をどれだけ真剣に行ったかが重要であると言えます。

公認会計士の合格率や勉強時間は?

公認会計士試験の受験にいくら学歴が関係ないと言っても、合格難易度は司法試験・司法書士・税理士と並ぶ最高レベルのものと言われています。

公認会計士の合格率は、ここ直近で10%前半を推移しており、他の資格試験の合格率と比較して低いことが分かります。

また、勉強時間についても「3,000時間必要」「自分は9,000時間分の勉強が必要だった」など個人差はあれど、非常に長い勉強時間を要すると言われています。(大手資格試験予備校のTACでは3,500時間が目安と言われている)

これは、公認会計士の試験科目が9科目と非常に広い範囲の学習が必要なことに起因すると考えられます。

生半可な気持ちでは公認会計士試験に合格するのは難しいということが分かるでしょう。

高卒で公認会計士になれる人の割合

高卒で公認会計士になれる人の割合は5.5%です。

学歴別の合格者は、以下のように記載されています。

  • 「大学院在学・卒業」が99人(構成比7.3%)
  • 「大学在学・卒業(短大含む)」が1,171人(構成比86.1%)
  • 「高校卒業」が75人(構成比5.5%)

※参考:令和3年公認会計士試験(pdf)

この構成比から、公認会計士試験の合格者の高卒が占める割合は、少ないと考えることができます。

しかし、「学歴による試験免除」という制度はありませんので、公認会計士試験は誰でも同じスタートラインで受験できます。

また、公認会計士の試験範囲には、大学の経済学部や法学部で履修する、各種法律や財務・経理などが含まれています。

そのため、高卒では不利になることがありますが、しっかりと勉強に取り組むことで、大卒との差を埋めることは十分に可能です。

「高卒だから公認会計士になれない」というネガティブな感情を持たずに、受験できる以上真剣に勉強に取り組めば、成功の可能性は高いです。

公認会計士 高卒と大卒での給料の違い

公認会計士になるための学歴による給料の差は、高卒と大卒とでは意外と小さいことが多いです。

例えば、高卒で公認会計士の資格を取得した場合、大手の監査法人や企業に就職する際、大卒の公認会計士と同等の給料を受け取ることが一般的です。

これは、公認会計士としてのスキルと経験が、給料を決定する重要な要素となるためです。

また、独立して会計事務所を開業したり、フリーランスとして働いたりする場合も、高卒であっても高い収入を目指すことは十分に可能です。

実際、クライアントの多さやサービスの質が収入に直結するため、学歴よりも専門知識や経験、人脈がより重要になります。

このように、公認会計士としてのキャリアでは、学歴よりも実務経験が給料に大きく影響すると言えます。

公認会計士は高卒だと不利になる?

公認会計士試験は高卒でも受験できることを解説しましたが、高卒だと不利になることはあるのでしょうか?

ここでは公認会計士は高卒だと不利になるのかについて考えていきます。

学習時間が大卒よりも長くなる可能性がある

公認会計士の試験範囲には、各種法律や財務・経理上学問などが含まれていますが、これらの内容は大学の経済学部や法学部などの履修範囲に一部含まれています。

そのため、大卒の人や大学在学中の人であれば、大学で習得した知識をベースに、公認会計士試験の勉強を進められるということになります。

また、大卒と高卒だと一般的には学習に対する吸収力が異なると言われていることを合わせて鑑みると、相対的に高卒の学習時間が大卒のものよりも長くなる可能性があると考えられます。

「受験者の能力」「大学でベースの知識を履修済み」という点から考えると、高卒は大卒に比べて公認会計士試験で若干不利であると言えるかもしれません。

しっかり独学できれば不利にはならない

「高卒は学習内容の吸収力や土台となる知識が不足している」のがもし仮に事実であったとしても、しっかりと勉強に取り組めば大卒との差を埋めることは十分に可能です。

公認会計士試験の勉強において、高卒が不利になるとしたとしても、それは最初の内だけですので、勉強時間が積み重なっていくにつれて、その差はほとんどゼロに近くなる点を認識しておきましょう。

スタートラインは誰もが一緒

公認会計士試験の試験範囲は非常に幅広く、その全てを大学で学ぶことはほぼできないどころか、そもそも大学で学ぶことと公認会計士試験に合格するための学習内容は異なります。

あくまでも大卒は「公認会計士試験のベースとなる知識や能力が高卒よりも身についている可能性がある」に過ぎないのです。

上記のことから考えると、公認会計士試験の勉強のスタートラインは、大卒も高卒も一緒であると言えますので、「高卒だから公認会計士にはなれないのではないか」というネガティブな感情を持つ必要はありません。

繰り返しにはなりますが、高卒でも勉強をし続ければ公認会計士になることはできます。

高卒の公認会計士でもbig4に就職可能

公認会計士であれば、高卒・大卒に関係なく、4大監査法人(通称:big4)※に就職することが可能です。

むしろ、学歴よりも、年齢が就職における一つの考慮点になることがあります。

特に未経験の場合、30歳前後までという年齢制限が設けられることが多いです。これは、若年層が研修やキャリア形成において柔軟であると見なされるためです。

重要なのは、専門知識、能力、そして公認会計士としての資格です。big4は多様な才能を求めており、学歴よりも、高い専門性を持つ人材を積極的に採用しています。

※4大監査法人(通称:big4)
有限責任あずさ監査法人
有限責任監査法人トーマツ
新日本有限責任監査法人
PwCあらた監査法人

公認会計士に向いている高卒の特徴は?

公認会計士の資格を取得したいと思う高卒の多くは、資格取得だけが目的ではないはずです。

公認会計士の資格を取得した後、公認会計士としてのキャリアに興味を持っているからこそ、ここまで読み進めていただいたのではないでしょうか。

ここからは、公認会計士として働くのに向いている人の特徴について解説します。

数字を使って物事を考えるのが好き

公認会計士として働く上で切っても切り離せないのが「数字」です。

様々な数字や計算を行っていくのが公認会計士の仕事の根幹となりますので、数字を使った仕事や思考をするのが好きでないと、公認会計士として働き続けることはできません。

そもそも、数字が苦手な人は公認会計士試験に合格することすら難しいですので、もしステータスや憧れだけで公認会計士を目指している高卒の人がいたら、別の資格取得や民間企業への就職をした方がいいかもしれません。

正義感が強い

公認会計士は、企業や組織に対し「お金」という大切な観点において、中立的立場に立って物事を考える必要があります。

また、その業務の中では伝票一枚一枚を帳簿と突き合わせていくといった泥臭い作業もありますので、「こんなもんでいいか」という適当な仕事をするような人には向いていません。

また、公認会計士は中立な立場であることが求められますので、もし不正な会計を見つけたら迷わずに指摘をする必要があります。

これらのことから、公認会計士として仕事をしていくのであれば、正義感が強いことは重要であり、同時に適性があるとも言えるでしょう。

勉強をするのが苦ではない

公認会計士と勉強は切っても切り離せない関係です。

公認会計士の資格を取得するには勉強が非常に大切であることは言うまでもありませんが、資格を取得して公認会計士として仕事をする上でも勉強をし続ける必要があります。

また、公認会計士は、様々な会計手法に触れていくだけでなく、会計制度の改訂があればすぐに内容を理解して実務に反映させていかなければなりません。

そのため、公認会計士に向いているのは、「勉強をするのが好き」もしくは「勉強をするのが苦ではない」といった人になります。

公認会計士に高卒でなるメリット

ここからは、公認会計士に高卒でなるメリットについて解説します。

メリット1.平均年収が500万円以上変わる可能性がある

公認会計士として働く魅力はいくつかありますが、その中でも大きいのが「平均年収の高さ」です。

統計局の「賃金構造基本調査(2020)」によると、公認会計士の平均年収は約1,030万円と、約1,000万円であることが分かります。

また、同じく厚生労働省の調査結果によると、高卒の平均月収は29.5万円となっていますので、年間賞与が3ヶ月分だったとすると、高卒の平均年収は約442万円と計算できます。

つまり、高卒で普通に働いた場合と、公認会計士試験に合格して公認会計士として働いた場合とでは、年収に500万円以上の差が出る可能性があるのです。

事実上年収が2倍になる計算ですので、苦労をしてなる価値があると言えるのではないでしょうか。

メリット2.手に職がつく

公認会計士は一度資格を取得してしまえば無くなることのない“永遠の財産”となります。

そのため、資格を活かして日本全国どこでも活躍できる可能性があるのがメリットです。

公認会計士が在籍することになる監査法人では、常に公認会計士を募集しているほど人材不足となっていますので、公認会計士として働く食いぶちには困らないでしょう。

また、公認会計士のメインキャリアである監査法人だけでなく、現在は民間企業への転職でも非常に有利になるとされています。

公認会計士の資格を取得しているということは、それだけ優秀な人材であることが対外的に証明できますし、民間企業でも監査機能を内包しているケースもありますので、仮に監査法人での勤務が自分に合わなかった場合でも、働き続けることは容易にできるでしょう。

メリット3.様々な企業とやり取りができる

公認会計士として働くと、様々な大企業の会計数値を知ることができますので、経営の仕組みを知ったり、各企業の担当者と直接やりとりをすることもできます。

こうした経験は、高卒で働いている場合ほぼできないほど貴重なものになりますので、仕事で多くの人とやり取りをしたいと考えている人にはおすすめです。

公認会計士に高卒でなるデメリット

公認会計士に高卒でなるデメリットについてもメリットと合わせて確認しておきましょう。

デメリット1.勉強に苦戦する

公認会計士は高卒であろうと大卒であろうと非常に難しい試験となりますので、勉強で苦戦することは間違いないと言ってもいいでしょう。

先ほど解説した通り、公認会計士になるための勉強時間は3,500時間という目安があります。

正社員として働いている人であれば、帰宅後全て勉強の時間に充てたとすると1日当たり4時間勉強できますので、仮に毎日4時間勉強した場合、3500÷4=875日≒2年半かかる計算となります。

2年半同じ資格の勉強のために時間を費やすことは非常に困難であり、少し勉強に自信がある程度では継続は叶わないかもしれません。

デメリット2.合格しても求人があるとは限らない

公認会計士は現時点では人手不足と言われていますが、試験勉強に2,3年かかることを考えると、将来的な市況感が変化している可能性があります。

もし、何らかの要因で公認会計士の需要が減ってしまえば、せっかく頑張って資格を取得しても求人、つまり働き口を見つけることはできないかもしれないというデメリットがあります。

特に公認会計士は、AIに代替される仕事として語られることも少なくなく、将来のある仕事と断言できなくなっていることは意識しておかなければいけません。

デメリット3.30歳以上になると会計事務所に就職が難しくなる可能性がある

公認会計士の受験資格に年齢はありませんが、キャリアとしてみた時に30歳以上だと公認会計士として就職が難しくなってしまう恐れがあります。

理由としては2点挙げられますが、まず1点目は「公認会計士試験合格者の平均年齢」です。

金融庁の発表では、令和2年の公認会計士試験合格者の平均年齢は25.5歳となっており、学生時代や就職後すぐに公認会計士資格を取得している人が多いと言えます。

記憶力や集中力はどうしても若いうちの方が高くなる傾向にありますので、学習範囲の広い公認会計士試験では、若い人の方が有利ということも考えられます。

2点目は「就職市場のマクロ的要因」です。

どの職種にも限らず、一般的に30歳以上になると業界や職種未経験で就職することは難しくなってきます。

合わせて、企業が同能力のスキルを持ち、年齢だけが異なる二人を比較した際、採用されやすいのは若い人という傾向もありますので、30歳以上になると会計事務所への就職自体が難しくなる可能性があると考えられるのです。

公認会計士を目指すのであればできる限り早めに目指すようにし、もし30歳以上で公認会計士というキャリアに挑戦する勇気が持てないのであれば、民間企業に就職した方が賢明かもしれません。

公認会計士を高卒から目指す時の方法

公認会計士はメリットデメリットがあるものの、総じて社会に対する影響力も強く、稼げる仕事ですので気になるという人は多いと思います。

ここからは、そんな公認会計士に高卒から目指す時の具体的な方法について解説します。

独学で勉強する

公認会計士の受験は誰でもできますので、今すぐに勉強を始めても問題ありませんし、独学で公認会計士試験に合格することも可能です。

しかし、合格には目安3,500時間という膨大な時間がかかりますので、独学だとモチベーションを維持し続けることが非常に難しいと考えられます。

また、公認会計士の場合は試験範囲が非常に広く、独学ではカバーしきれない可能性もありますので、あまりおすすめできません。

<公認会計士の試験内容>

公認会計士試験は、「短答式試験」と「論文式試験」の二つに合格する必要があります。

短答式試験論文式試験
実施時期第Ⅰ回;12月上旬
第Ⅱ回:5月下旬
8月下旬(3日間)
試験形式マークシート形式の択一試験論述形式の筆記試験
試験科目【必須科目】
財務会計論
管理会計論
監査論
企業法
【必須科目】
会計学(財務会計論・管理会計論)
監査論
企業法
租税法
【選択科目】(あらかじめ1種類を受験者が選択する)
経営学/経済学/民法/統計学
合否判定・4科目の総点数で合否判定
・合格基準は総点数の70%
・短答式試験に合格してから2年間は短答式試験が免除される
(要申請)
・選択科目含む5科目の総点数で合否判定
・合格基準は総点数の52-60%
・不合格であっても、点数次第では一部の科目が以降2年間免除される可能性がある

上記の通り、非常に勉強範囲が広い上に論述形式の試験もありますので、独学だけで学習するのは難しいかもしれません。

資格専門学校に入学する

高卒の場合、公認会計士試験を専門に対策している資格専門学校に入学するのがおすすめです。

専門学校は入学者の合格率を高めることが目的で運営されていますので、常に最新の試験対策ができるといったメリットがあります。

また、過去の試験の傾向から試験内容を予想するといったことをしている専門学校もあり、合格率は独学の時よりも高くなるでしょう。

一方、相応の受講料がかかる点は明確なデメリットと言えます。

例えば大手資格専門学校のTACにおける公認会計士コースの受講料は約100万円となっています。

それだけの費用がまずは必要になりますので、収入が少ない傾向にある高卒の場合は入学すらできないということもあるでしょう。

もちろん、こういった専門学校に入学すれば必ず合格ができるということでもありません。

結局は自分のやる気次第になりますので、「自分は何故公認会計士を目指したいと思ったのか」をしっかり振り返っておくことが大切です。

特定の資格を持っていれば一部の試験が免除される

公認会計士試験では複数の科目を受験しなければいけませんが、特定の条件を満たしていれば一部の科目の受験を免除される制度が設けられています。

免除要件となる資格もレベルが高いものになりますが、もし既に該当しているという人であれば、勉強の負担はやや軽減されるでしょう。

【短答式試験の免除制度一例】

免除対象免除科目
税理士資格保有者財務会計論
税理士試験の簿記論及び財務諸表論の合格者、及びその免除者財務会計論
会計専門職大学院において、財務会計に属する科目・管理会計に属する科目・監査に属する科目に関する一定の単位を履修し、修士(専門職)の学位を授与された者財務会計論
管理会計論
監査論
司法試験合格者短答式試験の全てを免除

【論文式試験の免除制度一例】

免除対象免除科目
税理士資格保有者租税法
不動産鑑定士資格保有者経済学or民法
司法試験合格者企業法
民法

公認会計士に高卒で合格した後の就職先

公認会計士試験に合格し、実務補習や終了考査を終えれば、無事に公認会計士として登録することができます。

ここからは、公認会計士になったあとのキャリアパスについて解説します。

監査法人に就職する

公認会計士として最も王道のキャリアパスは、監査法人への就職です。

特に前述した4大監査法人(通称:big4)と呼ばれる監査法人に就職できれば、大手クライアントに対して複数の公認会計士でチームになって業務を行えます。

一方、こうした大手監査法人だと、中級レベル以上の英語力が必要になったり、チーム制による分業体制が引かれており、監査の全体像が見れないといったデメリットもあります。

中堅・中小監査法人への就職も考えられます。

大手監査法人と比べると、複数の業種・業界の監査に携わることも多くなり、若いうちであれば幅広い経験を積むことができるメリットがあります。

しかし、どうしても大手監査法人より給料面は劣ってしまいやすいので、経験を取るか給料を取るかでどんな監査法人に就職するかを検討すべきです。

民間企業に就職する

監査法人以外にも、民間企業に就職する公認会計士は少なくありません。

特に上場企業であれば、有価証券報告書や年次決算、連結決算など様々な会計業務を行う必要がありますので、それらに対応できる公認会計士の存在価値は高いものとされています。

合わせて、日系民間企業の場合はゼネラリストが尊ばれる傾向にあり、会計職として採用されながらも別の職種にジョブローテーションできる可能性があるのが特徴です。

もちろん、グローバルに事業展開しているような企業であれば、国際会計といったスケールの大きな業務にも携わることができ、やりがいも高いものになるでしょう。

独立開業する

公認会計士として実務経験を積んだあとは、独立開業というキャリアを歩むこともできます。

独立開業をすると、自分の得意な分野に集中して業務を行っていくことができるといったメリットがある反面、自分自身で営業もしなければいけないといった苦労をかける必要が出てきます。

公認会計士の中には、独立開業をしたものの結局は監査法人や民間企業に就職し直すという人も少なくなく、万人におすすめできるキャリアとは言えないでしょう。

高卒が公認会計士を目指す時の注意点

ここまでの内容を踏まえ、高卒が公認会計士を目指す時の注意点を3つまとめました。

簡単に合格できると思わない

繰り返しにはなりますが、公認会計士試験は国内でもトップクラスに難関な資格試験になりますので、簡単に合格できるとは思わないようにしてください。

公認会計士試験に学歴の受験資格はありませんが、これは「門戸を広げる」ということが目的であり、「高卒でも簡単に合格できるから」というものではないのです。

高卒で既に働いている人であれば、合格目安となる3,500時間の勉強をどのように進めていくのか、いつまでにどれくらいの進捗で学習を終わらせるのかといった計画立てが非常に重要になってきます。

公認会計士をこれから目指す場合は、1日の中に占める勉強時間の割合が大きくなることに気をつけなければいけません。

資格専門学校選びを慎重に行う

高卒が公認会計士試験の勉強を進めていく上では、資格専門学校への入学がおすすめであると解説しましたが、どこに入学するかは慎重に検討するようにしてください。

公認会計士試験の受験において、資格専門学校を選ぶポイントは以下の4点です。

  • 資格専門学校の規模
  • 公認会計士試験に合格している講師が教えている
  • 資格専門学校が通いやすい場所にある
  • オンライン対応や校舎の雰囲気など環境が自分に合っている

この中でも特に重要なのが「資格専門学校の規模」です。

公認会計士試験は絶対評価ではなく相対評価で合否判断がされますので、「自分が受験者の中でどれくらいの立ち位置にいるのか」を理解しておくことが重要になります。

規模が小さい学校だと、相対評価するための母数が少なくなってしまいますので、事実上独学をしているのと変わらないということになります。

こうした理由から、資格専門学校を選ぶ際は規模の大きい(在校生徒数が多い)ことを意識して選ぶことをおすすめします。

将来安泰という仕事ではない

公認会計士試験に合格し、無事に公認会計士になったとしても将来の安泰が約束されるわけではない点にも注意が必要です。

イギリスで人工知能研究を行う学者が発表した論文によると、「コンピューターに取って代わられる確率の高い仕事の中には簿記・会計・監査の事務員も挙げられる」とありました。

もちろん公認会計士としての業務全てがコンピューターに代替されるというのは考えにくいですが、どのように技術が発展していくのかは想像もつきません。

公認会計士に限らず全ての仕事にも通じることですが、一生将来が安泰という仕事はないことを意識しておくようにしてください。

公認会計士を高卒が目指す時にできる準備

最後に、これから公認会計士を目指そうとする高卒が、今からできる準備についてまとめて解説します。

参考書を見てみる

公認会計士試験の勉強をいきなり本腰を入れて準備する前に、本屋などで参考書をさらっと見てみることをおすすめします。

「これから勉強をしようとするものがどれくらいのボリュームなのか」「内容は高卒の自分でも理解できそうか」ということを前もって確認しておくことで、余計やコストや時間をかけずにすみます。

もしこの段階で自分には難しそうと感じれば、おそらく勉強が長続きしない可能性が高いので、公認会計士には向いていないとも言えるかもしれません。

自分に向いていない勉強ほど勉強時間は余計にかかってしまいますので、別の資格取得を検討したり、経理職への就職を考えた方が自分の人生のためにもなるでしょう。

気分転換の方法を見つけておく

本格的に公認会計士試験の勉強に取り組む決意ができた人は、自分なりの気分転換の方法を見つけておくようにしてください。

独学にしろ、資格専門学校に通うにしろ、非常に長い期間勉強をしなければいけませんので、適度に気分転換をして勉強のモチベーションを維持できるようにしておくのは非常に有効です。

気分転換の方法はどんなものでも大丈夫ですが、できれば短い時間で終わることにしておいた方が、勉強時間を削らずにすみます。

就職してお金を貯めておく

現時点でフリーターだったり、仕事をやめて勉強に専念しようとしている場合は、勉強している期間の生活費や勉強代が足りなくなってしまい、勉強したくてもできなくなる恐れがあります。

そういったお金の心配が少しでもあるようだったら、一旦民間企業で経理職などに就職して貯金をした後に勉強に取りかかった方がいいかもしれません。

高卒で社会人経験がなく就職が不安という人は、就職エージェントの活用を検討するのも一案です。

就職エージェントの利用

正社員就職を目指すなら、就職エージェントを上手く活用するのがおすすめです。

就職エージェントとは「キャリアアドバイザー」と呼ばれる就職支援のプロがマンツーマンで、求職者の就活をサポートするサービスです。

就職エージェントの利用が特におすすめなタイプは、「就職支援のプロに相談しながら就活を進めたい」と考える人です。これまでの経歴や自己PRに自信がない人は、就職エージェントに相談することで効率よく就活を進められますし、自信を持って臨めるようになるでしょう。

就職エージェントは、会社ごとにサービスの対象が変わります。

サービス対象の違い
  • 第二新卒向け
  • 20代向け
  • 就職未経験に強い
  • 女性向け

就職エージェントを利用するときは「このサービスは自分の属性に合っているか」をよく考えて登録しましょう。複数の就職エージェントに登録しても構いません。気になるものがいくつかある人は一通り登録して、利用しながら比較・検討していくのがおすすめです。

エージェントによってサービス内容も異なりますが、一般的には以下のサービスが利用できます。

就職エージェントのサービス
  • 求人の紹介
  • 求人の申し込み
  • 応募書類の添削
  • 個別面談
  • 面接対策

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まとめ

公認会計士には高卒でもなることはできますが、非常に難しい試験を突破しなければならない点を理解しておく必要があります。

また、独学にしろ資格専門学校に通うにしろ、少なくないお金が必要になりますので、貯金や経理経験を積んでおくためにも、民間企業に就職するのは有効な手段です。

高卒で社会人経験がないという人でも安心して就職支援を受けられるサービスとして、私たちジェイックの就職エージェントもおすすめです。気になった人はリンクから無料登録してみてください。

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高藤 薫キャリアアドバイザー
株式会社ジェイック:キャリアコンサルタント|就活情報、お役立ち面白情報を発信|就活YouTube「ジェイック就職カレッジ®」配信中|資格:キャリアコンサルタント・ポジティブ心理カウンセラー・7つの習慣®︎ファシリテーター