「高卒プログラマーのリアルな実態を知りたい」と思っていませんか?
プログラマーは学歴関係なく、誰であっても挑戦できる仕事と言われます。実際、IT産業の成長に伴って、高卒でもプログラマーとして活躍できるチャンスは広がっていますが、「自分が本当にやっていけるかな……」と不安を覚えている人も多いかもしれません。
そこでこの記事では、高卒でもプログラマーに挑戦できる理由を改めて紹介したあとに、高卒プログラマーの「厳しい現実」について詳しくお伝えしていきます。未経験からプログラマーに挑戦する場合に押さえておきたい注意点などについても解説しますので、プログラマーに対して一抹の不安を抱えている人は、ぜひこのまま読み進めてみてください。
この記事の目次
高卒でもプログラマーに挑戦できる理由
プログラマーは、学歴関係なく挑戦できる仕事です。事実、高卒でプログラマーとして活躍している人は少なくなく、大卒プログラマー以上の給料を稼ぎ出している人も珍しくありません。
では、どうして高卒でも挑戦できるのでしょうか?その理由は、次の3つです。
- 実力主義の仕事だから
- IT業界が深刻な人手不足だから
- 経験よりも意欲が重視されるから
それぞれの理由について解説します。
実力主義の仕事だから
まず1つ目の理由が、プログラマーが「実力主義」の仕事という点が挙げられます。
実力主義とは、年齢や性別、学歴に関係なく、その人のスキルや成果が重視されることを指す言葉です。具体的な仕事内容については後述しますが、プログラマーの仕事には「職人技」とも呼べる側面があります。
たとえばコーディングやデータベースの構築などの専門知識、専門技能が求められる仕事のため、習得は大変ですが、裏を返すとこれらを習得すれば高卒でも戦っていけます。つまり、学校ではほとんどの人が学ばないような知識やスキルが求められる仕事、そして知識や技能が後からキャッチアップが可能なため、学歴の差がそこまで生まれない仕事といえるのです。
IT業界が深刻な人手不足だから
IT業界が深刻な人手不足、という点も高卒がプログラマーとして働ける理由の一つです。
社会のIT化がどんどん進んでいくにつれ、それを支える人や仕事が必要になってきます。一方で、IT人材不足は待ったなしの状況です。事実、みずほ情報総研株式会社が2019年に発表した「- IT 人材需給に関する調査 -」によると、2030年には最大79万人のIT人材不足に陥る、と指摘されています。
こうした状況を受け、プログラマーを採用したい企業は、大卒や院卒、専門卒などの人材のみではすでに仕事を回していけなくなっています。特に中小企業や零細企業の現場レベルではプログラマー不足は喫緊の課題です。そのためこうした企業を中心に、高卒未経験であっても採用し、入社後にプログラマーとして育てていく、といった方針を定めている企業も多いのです。
経験よりも意欲が重視されるから
入社にあたり、経験よりも「意欲」が重視されやすいという面も、高卒がプログラマーに挑戦しやすい理由といえるでしょう。
前述したように、プログラマーは専門スキルや知識が必要になる仕事です。そしてIT化が急速に進むなか、こうしたスキルや知識は日々変化していくため、常に最新の技能などをアップデートしていく姿勢が求められます。つまり昔の経験がそこまで価値を持たない場面も多く、むしろ「常に学習していく気持ちがあるか」といった姿勢こそが大切な仕事ともいえるのです。
この点において、高卒にチャンスが生まれます。なぜなら「入社後の意欲」さえまずはしっかりと示せれば、たとえ経験に乏しくとも採用される可能性を高められるからです。具体的には、面接の場面で「プログラマーとしての将来像」を熱意を持って伝える、「学習意欲」を伝えるなどをすることで選考突破が見えてくるでしょう。
高卒プログラマーの厳しい現実
ここまで、高卒でもプログラマーとして働いていける理由についてお伝えしてきました。一方でどの仕事であっても大変な一面があるように、特に高卒プログラマーの場合、次のような点で厳しい現実に直面する可能性があります。
- 大企業への就職は難しい
- 忙しく働く可能性が高い
- 入社数年の給料が特に低い
では、それぞれについて解説していきます。
大企業への就職は難しい
高卒プログラマーの場合、大企業への就職はかなり狭き門といえます。
そもそもIT業界においては、ざっくり次のような関係性が存在します。
コンサルタント(上流)
↓
システムエンジニア(上流)
↓
プログラマー(下流)
コンサルタントやシステムエンジニアはいわゆる「上流」の仕事といわれ、顧客の要望をヒアリングしたり、それを設計に落とし込んでいったりする役割が求められます。そして設計書などをもとに、「下流」の仕事とされるプログラマーがシステムを作っていきます。
このとき、大企業にはコンサルタントやシステムエンジニアが多く在籍し、さらにこうした仕事を採用する際には大卒以上の学歴が優遇される傾向にあります。そのため、いざ高卒から大企業を目指しても採用されるケースはほとんどなく、むしろ大企業は下流工程の仕事を外部発注しているケースが多いため、プログラマーを積極的に採用していない、という一面もあるのです。
忙しく働く可能性が高い
高卒がプログラマーとして働くと、忙しい毎日を過ごす可能性が高いでしょう。その理由としては、次の3点が挙げられます。
- IT業界は「多重請負構造」だから
- 客先常駐の仕事がメインだから
- 制度が整っていない場合があるから
では、それぞれの理由について解説します。
IT業界は「多重請負構造」だから
まず、IT業界は「多重請負構造」と言われます。多重請負構造とは、簡単にいうと「ピラミッド」のような構造のことで、上から下に仕事が降りていくイメージを持つと分かりやすいでしょう。
そしてピラミッドでいうと、中小IT企業は中層~最下層に位置します。つまり、高卒プログラマーを採用している企業がそのポジションに位置することが多く、これが何を意味するかというと、一つは「労働時間の長さ」、そしてもう一つは「給料の低さ」の“元凶”となっているのです。
そもそもプロジェクトには、納品日が厳しく定められています。そのためその納期に間に合わせようと、特に開発現場のプログラマーにしわ寄せが来るケースが多く、長時間労働を強いられる場合もあります。また上流から下流に仕事が振られるまでに「マージン」と呼ばれる手数料などが差し引かれていることもあり、下流に位置するプログラマーの給料が低く抑えられているケースも珍しくありません。
客先常駐の仕事がメインだから
高卒プログラマーの厳しい実態として、その勤務形態についても理解しておきましょう。高卒の場合、基本的には「客先常駐」として働くケースが一般的です。客先常駐とは派遣のような働き方のことで、勤務している会社ではなく、顧客のオフィスの一部を借りて仕事をする、といった勤務形態を指します。
客先常駐の辛さとして挙げられるのが、孤立してしまうことです。具体的には、先輩などが近くにいないケースが大半のため、周りのサポートがあまり受けられません。さらに、たとえばビジネスメールの作成で一日が終わるなど、想像するプログラミングの仕事とは異なる現実を前に心を病み、早々に退職を決める人も少なくないのです。
制度が整っていない場合があるから
高卒プログラマーの場合、主に中小企業やベンチャーなどへの就職がメインとなります。そしてこうした企業の中には、制度面が整っていないために、いわゆる「ブラック」のような環境で社員を働かせているケースが見られます。
具体的には、次のような環境には要注意です。
- 教育制度が整備されていない
- 残業や休日出勤が常態化している
大企業に比べると、中小ベンチャーには「ブラック」のリスクが多く潜んでいます。もちろん、なかには社員に手厚く報いる会社も多く存在しますが、企業の選択を誤ってしまうと、場合によっては劣悪な環境で働かざるを得ない可能性があるので注意が必要です。
入社数年の給料が特に低い
給料の低さも、高卒プログラマーが直面する厳しい現実として挙げられるでしょう。
厚生労働省が発表した「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)」によると、「情報通信業」という括りで見る限り、学歴ごとの初任給(男女)は次のとおりです。
- 高卒:17万1000円
- 大卒:21万8100円
- 院卒:24万4000円
このように、学歴によって差が生まれていることが分かります。高卒プログラマーの場合、特にスキルに乏しい入社数年は薄給で働く可能性があり、人によっては毎月キツキツの状態で生活していく、といったことも考えられるでしょう。
高卒がホワイトな職場を探すポイント
お伝えしてきた通り、高卒がプログラマーに挑戦する場合には厳しい現実が待ち受けている可能性があります。なかには「ブラック」とも呼べる職場もありますが、もちろん全ての会社が高卒を冷遇しているわけではなく、いわゆる「ホワイト」な会社も多く存在します。
特にプログラマーとして働く場合、企業選びの段階でホワイトな環境を見定めておくことが欠かせません。具体的には、次の4つのポイントに沿って会社を探していくことがおすすめです。
- 就職エージェントから求人の紹介を受ける
- 社員の口コミを確認する
- 希望する条件に優先順位をつける
- 仕事が自分の適性に合っているか確かめる
では、それぞれについて解説します。
就職エージェントから求人の紹介を受ける
まずは、就職エージェントから求人の紹介を受けてみましょう。なぜなら、安心して長く働ける会社を紹介してくれるからです。
就職エージェントとは、無料で就活をサポートしてくれるサービスのことで、求人の紹介を中心に、選考対策などの支援も受けられます。そして就職エージェントの多くは、求人企業に実際に足を運び、その職場の雰囲気や働きやすさなどを確かめています。つまり「この会社なら紹介できる」と確信した会社の求人が揃っている傾向にあるため、ホワイトな会社に入社できる可能性が高いのです。
私たちジェイックが運営している就職エージェントでは、高卒の方のサポート実績も豊富なので、企業選びで迷われている方はぜひ一度説明会にお越しください。
社員の口コミを確認する
ホワイトな環境を目指す場合には、そこで働いている社員の口コミを確認することも欠かせません。
そもそも求人票は、誇張して書かれている場合があります。多くの人に応募してもらうためですが、特にプログラマー不足は深刻なため、会社によっては「教育がしっかりしてます!」「風通しが良い環境です」といった形で“盛って”アピールしているケースも珍しくありません。そしてこうした情報だけを信じて入社した場合、全く違う環境だった、ということは良く見られる光景です。
そこで大切なのが、職場のリアルな声を集めることです。たとえば「転職会議」や「Open Work(オープンワーク)」といった口コミサイトでは、数百万件の口コミを無料で確認できます。入社後のイメージを膨らませる意味でも、こうしたサイトを使いつつ企業の情報をチェックしていきましょう。
希望する条件に優先順位をつける
ホワイトな会社を探す上で、条件に優先順位をつけることも意識してみてください。
「ホワイトな環境」と一口に言っても、人によってその定義は異なります。ある人は「給料が高い会社」をホワイトと考えるかもしれませんし、ある人は「残業が少ない会社」をホワイトと定義することもあるでしょう。そして完璧な会社が存在しない以上、自分が希望する条件を全て満たす会社もなかなか見つかりません。
このとき大切なのが、「自分は何を一番大切にしたいか」を考えることです。たとえば「休日は趣味の時間にあてたい」という場合には、週休2日をしっかり取れる会社かどうかをまずはチェックしていきます。そしてそれ以外の給料などの条件については、あえて妥協して考えてみるのです。
すると自分にとってのホワイト企業、つまり「休みがしっかり取れる会社」という希望を満たす会社を探すことができ、さらにこうした会社であれば入社後の後悔も少なくて済みます。ホワイトな環境で働きたい人は、希望条件に優先順位をつけることをぜひ意識してみましょう。
仕事が自分の適性に合っているか確かめる
仕事が自分に合っているか、ということも会社選びにおいては大切なポイントの一つです。なぜなら、その仕事がたとえ忙しくても、仕事内容そのものに適性があればむしろ楽しく働いている人も珍しくないからです。
繁忙期と閑散期で差はありますが、一般的にプログラマーは「忙しい仕事」に分類されます。クライアントの意向に左右されやすかったり、業務以外にもスキルの習得に励んだりする必要がある、といったことがその理由といえますが、一方でプログラミング自体が好きな人の中には「趣味の延長線上で仕事をしている」と考える人も少なくありません。
プログラマーは専門職ということもあり、人の適性によって向き不向きが大きく左右されますが、向いている人にとってはとことん技術を突き詰められる面白い仕事ともいえます。そしてその会社の雰囲気が苦手でも、プログラマーとしての仕事が好きであれば長く働いていける可能性もあるでしょう。
そのため、もしも未経験の場合には、まずはプログラマーの仕事を理解することから始めてみてください。次にお伝えする「向いている人の特徴」もぜひ参考にしてみましょう。
高卒でプログラマーに向いている人の特徴
以下の特徴に当てはまる場合、あなたはプログラマーに向いている可能性があります。
- 体力がある
- 協調性がある
- 学習意欲がある
この先で「向いていない人の特徴」もお伝えしますので、あわせてチェックしてみてください。
体力がある
まず、体力に自信がある人はプログラマーに向いています。パソコンの前に座っている仕事のため、一見すると体力はそこまで使わないように思えるかもしれませんが、それは誤りです。なぜなら、そのパソコンで作業している時間がそもそも「長い」からです。
労働環境は改善されてきているとは言え、人手不足が続いていることもあり、プログラマー一人あたりが担う仕事量は多くなりがちです。特にプロジェクトが佳境に近づくと忙しさはピークに達することもあり、残業続き、という毎日も珍しくありません。そのため、長時間の仕事を乗り切れる体力があることが望ましいポイントとされるのです。
協調性がある
協調性がある人もプログラマーに向いています。たしかにパソコン相手に作業をする時間が多い仕事ではありますが、プロジェクトの一員として参加することになるため、メンバー同士でコミュニケーションをとる機会は頻繁に発生します。
また高卒から働く場合には、前述の通り「客先常駐」がメインとなるため、相手先の社員や、別の会社から参加しているプログラマーと円滑に仕事を進めていくスキルも必要です。このように、実はじっと座っている仕事ではなく、誰かと協力して進めていくことがプログラマーの本質とも言えます。その意味で、協調性を持っている人であればスムーズに仕事をしていける可能性があるでしょう。
学習意欲がある
学習意欲があることも、プログラマーとしては欠かせない特徴の一つです。ITの世界は常に進歩しているため、昔の技術が今は使い物にならない、といったことは決して珍しくありません。そのため今のスキルに満足せず、常に最新の情報を手にしつつ自主的な学習を怠らないことが、プログラマーに求められる姿勢ともいえます。
こうした仕事である以上、新しいことにも好奇心を持って学んでいく姿勢はぜひ持っておきたいところです。そして、もしもあなたが学習意欲が豊富で、ITの最新情報に触れることを楽しみに変えられるようであれば、まさにプログラマーに向いていると言えるでしょう。
高卒でプログラマーに向いていない人の特徴
次に、プログラマーに向いていない人の特徴を紹介します。
- コツコツとした作業が苦手
- 柔軟性が低い
- 自分で調べる習慣がない
これらはあくまで一例ではありますが、もしも全てに当てはまる場合には進路を一度考えてみても良いかもしれません。では、それぞれの特徴について見ていきましょう。
コツコツとした作業が苦手
まず、コツコツとした作業が得意ではない人はプログラマーとして働くと苦労する可能性があります。
プログラマーは、その名の通り「プログラムを作る(書く)」仕事です。そして細かい作業の連続のため、集中力が続かない人や、じっと座って仕事をすることが耐えられない人は苦痛に感じてしまうかもしれません。
また、エラーやバグが生じることも日常茶飯事です。こうしたとき、そのエラーの原因を突き止め、細かい修正を施していく必要もあるなど忍耐力も要求されます。そのためコツコツとした作業が得意であれば何とかやっていけるかもしれませんが、そうでない場合には長く続けていくのは厳しいかもしれません。
柔軟性が低い
柔軟性が低い人も、プログラマーには不向きと言えます。この場合の「柔軟性」とは、次のようなことを指します。
- これまでの知識やスキルに固執しない
- メンバーの意見や考えを受け入れられる
前述した通り、ITの世界は目まぐるしく変わっています。そのため過去のスキルや知識だけにしがみつていると、活躍のチャンスが狭まってしまいます。また、たとえばトラブルに見舞われた際にメンバーの意見を無視して自分だけの考えで対処していくと、チームの輪を乱してしまう要因にもなるでしょう。
このように、変化に対応できなかったり、周りの声を取り入れようとするスタンスがなかったりすると、プログラマーとしての活躍は見込めません。逆に、変化をポジティブに受け止められる人、そしてメンバーの考えを吸収していける人の場合には、長く第一線で活躍していける可能性もあります。
自分で調べる習慣がない
自分で調べる習慣がない人も、プログラマーには向いていないかもしれません。
高卒初心者でプログラマーになった場合、基礎的な言語を学んでいたとしても、いざ働き始めると知らない情報に出会う毎日を送ることになります。そして先輩や上司も忙しく働いている可能性が高いため、困ったことがあっても自分で解決していかなければなりません。
そしてその仕事の性質上、知識やスキルを常にアップデートしていくことも求められます。そもそも先輩や上司が新しい情報を持っているとも限らないので、誰かから教えられることを待っているようであれば務まらない仕事ともいえるのです。
高卒からプログラマーを目指す人が身に付けたいスキル
高卒からプログラマーを目指す場合に身に付けておきたいスキルをお伝えします。
- ITの基礎知識
- プログラミング言語
- IT系の資格
あらかじめこれらをしっかりと押さえ、行動していると、実際の面接の場面などで「意欲がある人」と高い評価を受けることができます。では、それぞれについて解説します。
ITの基礎知識
プログラマーとして働く場合、ITの基礎知識の習得は必須です。具体的には、次のような情報を集めていきましょう。
- データ構造やアルゴリズムの基礎的な知識
- コンピュータの知識(CPU、メモリなど)
プログラマーとして働く場合、まさにITの専門用語が飛び交うような世界に飛び込むことになります。「知っていることが当たり前」という状態で話を振られたり、ミーティングが進んでいったりするため、最低限のIT知識を押さえておくことは欠かせません。
プログラミング言語
プログラマーはさまざまなフィールドで活躍できる仕事ですが、なかでも「Web系のプログラマー」を求める現場は多く、こうした会社は特に高卒の採用に積極的です。そのため、もしもあなたが「領域問わず、まずは経験を積んでいきたい」のであれば、Web系のプログラマーを目指してみるのが一つの手といえます。
Web系の場合、主にPythonやRuby、そしてPHP、JavaScriptなどの言語がよく使われます。そして未経験の場合、これらの中からできれば2つ以上の言語を使えるようになると採用で有利に働く可能性があるので、ぜひ挑戦してみましょう。
ちなみにスクールなどでもプログラミングは学べますが、お金をかけずに手軽に学びたい場合には次の無料学習サイトもおすすめです。
- Progate
- ドットインストール
では、それぞれのサイトの特徴を紹介します。
Progate
Progate(プロゲート)は、イラストを見ながらプログラミングを学んでいく学習サイトです。ワンステップずつ丁寧に学習を進められるのが特徴で、具体的には、スライドで作業の流れを押さえたあと、実際に手を動かしてプログラミングを行っていきます。高度な技術を身に付けたい人には物足りないかもしれませんが、プログラミングが全くの未経験の場合には、Progateを使えば挫折せずにスキルを高めていくことができるでしょう。
ドットインストール
ドットインストールは、動画でプログラミングを学んでいく学習サイトです。2021年10月時点で400本を超えるレッスン、そして7000本を超える動画が無料で提供されているなど、その圧倒的なコンテンツ量が大きな特徴です。動画はスマホでも視聴できるため、たとえば移動の電車の中や、ちょっとした待ち時間の間でもプログラミングを学べます。
IT系の資格
高卒からプログラマーを目指す場合には、次のような資格の取得も検討してみましょう。
- 基本情報技術者試験
- C言語プログラミング能力認定試験
- Javaプログラミング能力認定試験
それぞれの資格について、その概要をお伝えします。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、経済産業省認可の国家資格です。取得することで、IT業界で働いていく上で必須の知識や技術を身に付けていることの証明になります。
試験内容としては、システム開発や、ソフトウェアの設計に関わる基礎知識についての問題が出題され、例年、午前と午後で150分間ずつの試験が実施されます。IT系の資格の中では少し難しい試験のため、事前の対策は欠かせませんが、IT系の会社では知らない人はいないほど有名な資格のため挑戦して損はないでしょう。
C言語プログラミング能力認定試験
C言語プログラミング能力認定試験は、「C言語」のスキルを確かめる試験です。C言語は世界的に見ても普及している言語の一つで、採用の場面でも評価される傾向にあります。
試験はレベル別に3段階に分かれ、基礎知識を確認したい場合にはまずは「3級」の取得を目指しましょう。一方で2級、1級と進んでいくと実務に近い内容が問われます。上級の場合には問題がハイレベルですが、挑戦する過程でプログラミングの基礎スキルが自然と身に付いていくため、プログラミングそのものに慣れるという点でもおすすめの資格といえます。
Javaプログラミング能力認定試験
Javaプログラミング能力認定試験は、「Java」の基礎知識とプログラミングスキルを確かめる試験です。「C言語プログラミング能力認定試験」と同じく、こちらも1級~3級まで試験が3段階に分かれています。
例年、1級は年1回、2級は2回、そして3級は3回実施されています。1級はプログラミングのスキルが問われる問題が出題されますが、2級と3級は筆記試験です。年齢制限もないので、誰であっても挑戦しやすい資格といえるでしょう。
高卒プログラマーの一般的な仕事内容
では最後に、プログラマーの一般的な仕事内容を紹介します。
- プログラミング
- データベース構築
- テスト
これらは、高卒プログラマーが携わる可能性の高い仕事です。仕事のイメージを膨らませるためにも、次にお伝えする情報にもぜひ目を通しておいてください。
プログラミング
プログラミングは、コンピュータが処理する内容を記述していく仕事です。プログラミング言語を使いつつ、コンピュータに命令を与えていきます。命令をいくつも組み合わせた「ソースコード」を作っていくことが作業の目的で、プログラミングを効率化させるための「ライブラリ」や「フレームワーク」を使いつつ、よりスピーディーかつ正確に開発していくことも求められます。
データベース構築
データを保存編集する「データベース」の構築も、プログラマーの仕事の一つです。具体的には、「SQL」と呼ばれる言語とプログラミング言語を使いつつ、構築から実装までを担います。なお大規模なシステムの場合には専任のエンジニアなどが担当することもありますが、小規模のシステムであればプログラマーが構築を担当するケースが一般的です。
テスト
テストは、構築したシステムが正しく動くかを確かめる仕事です。駆け出しのプログラマーが任されることが多いですが、一方でバグを見逃すと大きな苦情につながる可能性もあるため、責任のある仕事ともいえます。テストと言っても色々なチェック方法があるので、まずは「テストの種類」を覚えていくことが第一のステップとなるでしょう。
まとめ
高卒プログラマーの仕事環境を中心に、そのリアルな実態をお伝えしてきました。厳しい一面もお伝えしましたが、それでも高卒でも挑戦でき、場合によっては学歴を「逆転」できる可能性もある仕事、という点ではまだまだ夢のある仕事とも言えます。
また、仕事には向き不向きがあり、そして「ホワイトな環境」と言っても100人いれば100通りの考え方があります。そのため今回お伝えした情報をもとに、そもそもプログラマーという仕事が自分に向いているか、働く上で本当に大切にしたいものは何か、といったことを冷静に考えてみることがおすすめです。
もしも自分では上手く考えられない場合には、高卒の方の就活を多くサポートしてきたジェイックの就職エージェントを活用してください。自己分析をお手伝いしたり、会社探しのポイントなどについて講義形式でお伝えしたりと、納得の内定に向けてナビゲートさせていただきます。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい