大学中退での正社員就職は無理なのか、という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
実は、大学中退者でも正社員になることはできます。なぜならば、正社員になれないということは、中退という経歴以外にも何らかの原因が存在するからです。その原因を知って対策すれば、正社員就職は可能なのです。
こちらの記事では、大学中退者でも正社員になる就職方法やポイントを解説しています。大学中退者の就職の進め方を理解することができるような内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 大学中退後の正社員就職は無理ではないが、就職できるまで行動し続ける決意が必要!
- 「大学中退での正社員就職が無理とされる理由」を知り、逆転させる戦略を立てよう
- 「大学中退者が正社員就職するための3つのポイント」を実践してみよう
この記事の目次
大学中退からの正社員就職は無理ではない
結論から言うと、大学中退後の正社員就職は、無理なことではありません。まずはそこを頭に入れたうえで、今後の就職について考えていきましょう。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」によると、大学・大学院中退後に正社員になった人の割合は26.4%です。この数だけだと、やはり正社員就職者は少ないように見えます。
一方で、大学・大学院中退後に無職で求職中の割合は9.5%、無職で就職を希望している人の割合は9.5%です。大学中退をして今は働いていないものの、「これから正社員になりたい」と考えている人は約2割程度と、決して低い数字ではありません。
また、正社員として就職したいと考え、中退直後に正社員就職するための準備をした人の数は32.1%です。約3割以上の人が、実際に正社員になるための行動を起こしていることになります。
大学中退から就職するためには、正社員就職できるまで就活を続ける方法しかありません。逆にいえば、正社員としての就職が決まるまであきらめず行動し続けることが、正社員就職できる唯一の方法なのです。
大学中退から正社員就職を希望する人は「中退だから正社員は無理」などと思わず、しっかりと就職活動に取り組んでいきましょう。
大学中退での正社員就職が無理だと言われている3つの理由
結論から言うと、大学中退者の正社員就職は可能です。しかし一般的には「中退から正社員になるのは無理なのではないか」という印象を持たれることがあります。その理由と対策について、ご紹介します。
理由1:大学中退者は高卒として扱われるため
大学中退者が就職する場合、一般的に「大学中退」ではなく「高卒」として扱われます。具体的には、以下の部分で影響が出ることがあります。
- 応募できる求人が限られる(「大卒以上」に応募できない)
- 高卒の給与水準になることがある
企業や募集職種にもよりますが、求人の応募条件が「大卒以上」だと、たとえ大学に行っていた経験があっても、中退者は対象から外れてしまいます。また、学歴で給与水準が異なる企業では大卒より給料が下がるため、モチベーションが下がってしまうこともあります。
高卒扱いのリスクを減らして正社員就職を目指す対策としては、以下があります。
- 「高卒以上」で自分に合いそうな企業を探す
- 「学歴不問」の企業を探す
- 給与水準が一律の企業を探す
学歴が仕事内容や給料に影響しない環境の企業を選ぶことで、学歴のハンデを感じにくくなります。
理由2:大学を中退した理由をうまく説明できない
書類や面接で大学中退理由の説明がうまくできないと、以下のような理由で選考に落ちてしまうことがあります。
- 「うちもすぐ辞めるのではないか」と思われてしまう
- 中退の過去をネガティブに捉えすぎて暗い印象に見える
- アピールに欠けると、大卒の応募者との差がついてしまう
大学中退の理由をしっかり説明できない場合、ただの「甘え」だと思われてしまい、採用しても嫌なことがあったら辞めるのではと懸念されることがあります。中退したことをずっと引きずっている雰囲気が伝わると、それもまたマイナスです。
また、中退の経験を活かそうとする姿勢が見えなければ、学歴のある大卒の応募者のほうが有利になりかねず、採用に影響することもあり得ます。
大学中退の理由をうまく説明できない人向けの対策としては、以下があります。
- 書類や面接の準備に時間をかける
- 突っ込まれそうな質問と回答を徹底して想定する
- 大学中退の経歴にプラスの意味付けをする
まず、大学中退をしたということに対して、クヨクヨと思い悩むのは辞めましょう。すでに中退しているのであれば中退の事実は変わりませんし、当時はその決断がベストだったということではないでしょうか。
大学中退をした当時のことを振り返って紙に書きだし、中退から学んだことなどや反省点などを自分なりに理解して人に話せるようにしておくことで、かえってよい印象を与えるチャンスにもなり得ます。
理由3:エージェントを使わず一人で就職をしてしまう
大学中退者が自力で就職活動を進めると、以下のようなリスクがあります。
- なかなか就職が決まらない
- 就職活動の方法がわからず、進まない
- 労働条件の悪い企業に就職してしまう
大学中退者の就職活動は、新卒や第二新卒の就職活動とは大きく異なります。なぜなら学歴にハンデがあるだけでなく、大学からのサポートを受けたり、周囲に同時期に就活をする仲間もいなかったりするためです。
大学中退者がスムーズに就職を決めるために、以下の対策をおすすめします。
- 中退者向けの就職エージェントを探して登録する
- 就職エージェントが実施するサービスを活用する
大学中退者向けの就職エージェントは、大学中退者の就職実績が豊富で、ノウハウを兼ね備えています。登録するだけでなく積極的に利用していくことが大切で、中退の経歴を活かせる就活の方法がわかったり、中退者の採用に意欲的な企業と出会うきっかけとして役立ちます。
大学中退で正社員就職が無理だと思っている人の就職方法
大学中退からの正社員就職を目指す際に使える3つの方法と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。いくつか併用してみて、自分に合った就職方法を選ぶのもよいかもしれません。
方法1:就職・転職エージェントの利用
就職・転職エージェントの主なサービスは、以下の通りです。
- 専任アドバイザーによるアドバイス・サポート
- 就職講座(自己分析、書類・面接対策、マナーなど)
- 企業の紹介、交渉
専任のキャリアアドバイザーがつき、プロの視点から、大学中退者の就職を支援します。就職講座も充実しており、中退からのはじめての就職に自信を持って臨めるよう、きめ細かくフォローします。求人を紹介してくれたり、面接日程の調整なども代行してもらうことが可能です。
就職・転職エージェントを利用するメリットは、以下の通りです。
- 大学中退者に特化したサポートを受けることが可能
- 就職活動に集中できる
- 正社員就職を目指しやすい
一方、就職・転職エージェントを利用するデメリットは、以下の通りです。
- 自分に合う企業が見つかるとは限らない
- エージェント・アドバイザーと相性が合わないこともある
- 必ず就職できるという保証はない
必要なサポートを受けることができるため、就職活動だけに力を入れることができ、効率的に就職することが可能です。また、正社員就職を目指したい人にとっても、エージェントを活用したほうが確実です。
一方で、エージェントから紹介された求人のなかに、希望するものがないことはあり得ます。また、エージェントの方針が合わないと感じたり、就職まで至らなかったりすることも、ゼロではありません。
ジェイックでは、中退者向けの就職・転職支援サービスを実施しています。
その特色は、以下の通りです。
- 短期集中型の就職支援講座
- 書類選考免除の合同面接会
- 入社後のアフターフォロー
スクール型の講座では、自己分析や面接対策などのほか、中退を活かした就職活動のコツも指導しています。
講座終了後は、中退者の採用に積極的な複数の企業と、書類選考なしで面接の機会を設けています。紹介する企業は正社員求人のみのため、安心です。入社して終わりではなく、約一年にわたり、定着のための研修を実施しています。
方法2:就職・転職サイトの利用
就職・転職サイトの主なサービスは、以下の通りです。
- 求人の検索、応募
- 企業からのスカウト
- セミナーやイベントなどへの参加
基本的には、全国の求人を検索することが可能です。幅広い職種を網羅した総合型、専門職など特的の職種のみの特化型がありますが、大学中退者が利用するのは、総合型がほとんどです。自分の情報を登録しておくと、興味を持った企業から、応募や面接などへのお誘いが来ることもあります。
就職・転職サイトを利用するメリットは、以下の通りです。
- 多くの求人を簡単に検索できる
- いろいろな職種に応募できる
- 条件を絞って探すことが可能
一方、就職・転職サイトを利用するデメリットは、以下の通りです。
- 大学中退からの就職チャンスが少なめ
- 自分に合う企業かどうかわからない
- やみくもに応募するだけにもなりがち
求人数は圧倒的に多いため、検索して自分の希望に近い企業を探すことができます。応募制限などもないため、複数の職種に興味がある場合、未経験OKの求人に応募することで、チャンスがあります。
ただし、大学中退からの就職の場合、既卒や第二新卒と比較して「中退」というハンデがあるため、就職サイトからの応募だとなかなか決まりにくいことはあり得ます。また、企業の情報が少ないためミスマッチになるリスクや、簡単に応募できるぶん、適切な就職対策をせずに応募するだけにもなりがちです。
方法3:ハローワークの利用
ハローワークの主なサービスは、以下の通りです。
- 求人の紹介、応募
- 就職に関する相談
- 就職セミナーやイベントの実施
- 職業訓練
求人を探せる、応募できるほか、ハローワーク主催のセミナーなどもあります。条件を満たしていれば、職業訓練で、就職に役立つ技能を学ぶことも可能です。
ハローワークを利用するメリットは、以下の通りです。
- 誰でも気軽に使える
- さまざまなサービスを利用できる
- 若者に特化したサポートもある
一方、ハローワークを利用するデメリットは、以下の通りです。
- 条件の悪い求人も混ざっている
- きめ細やかなフォローは期待しづらい
- 正社員求人が見つかりにくいことがある
全国にハローワークはあるため、自宅から通いやすいのはまずメリットです。相談やセミナーへの参加など、複数のサービスを使うことができる点も、情報収集や就職準備などにはよいでしょう。ハローワークによっては、若年層に特化した就職サポートを実施しているため、活用するのもひとつの手です。
ただしハローワークの求人には、求人票と実態が違うものなども含まれているため要注意です。費用がかからないため、どんな企業でも求人を出すことができてしまうという点はデメリットです。また、パートなど正社員以外の求人も多めで、正社員として働きたい人は仕事探しに時間を要するかもしれません。
大学中退者が正社員就職するためのポイント
最後に、大学中退者が正社員就職するためにやるべきポイントを3つ、ご紹介します。
ポイント1:自己分析を細かく行う
自己分析のポイントは、時間をかけて過去を深堀りすることです。生まれてから現在までの印象的だったできごとを書き出し、そのときどう感じたか、何を学んだかなどについて振り返っていくとよいでしょう。共通した自分の価値観や長所・短所などが見えてきます。
自己分析では、「自分はどういう人間なのか」をさまざまな視点から知ることができ、適職探しのヒントになるというメリットがあります。市販のものや、インターネットで無料でできる自己分析ツールなども活用してみましょう。
ポイント2:企業研究・業界研究を行う
企業研究・業界研究のポイントは、対象とする企業・業界をある程度絞ることです。企業や業界は膨大にあるため、興味の対象が多すぎると、かえって時間がかかってしまいます。
その企業・業界の基本情報はもちろん、競合と比較した際の強み・弱み、将来性など、複数の観点から調べましょう。書籍や新聞、ニュースなどから最新の動向を見るのもおすすめです。企業研究・業界研究をすることで、書類や面接などでの志望動機や、「なぜこの企業・業界を選んだか」に説得力を持たせることができます。
ポイント3:就職・転職エージェントを利用する
前述しましたが、大学中退から正社員になりたい人は、積極的に就職・転職エージェントを利用することをおすすめします。ポイントは、大学中退者向けのエージェントを選ぶことです。一般的な就職・転職エージェントの場合、中退者は手厚いサポートが受けられないこともあるため、注意しましょう。
まずは中退者向けのエージェントを複数調べてみて気になるものを登録し、厳選していくのも良いでしょう。あなたのことを本気で考えてくれる就職・転職エージェントに出会えれば、大学中退からの正社員就職の成功率は大幅にアップします。
まとめ
大学中退からの正社員就職は、決して無理ではありません。ただし、適切な対策や、通常の就活以上の努力が必要であるのは確かです。大学中退後に正社員就職を目指そうとした場合、自分ひとりでは早々に挫折してしまうかもしれません。ただしそれは、中退だから就職できないわけではなく、中退からの正しい就職活動を理解できていないことにほかなりません。就職・転職エージェントを上手に活用して、大学中退からの本気の正社員就職を目指してみてはいかがでしょうか。
大学中退から正社員就職を目指している方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
こんな方におすすめ!
- 学歴に自信がないから就職できるか不安
- 就職について、誰に相談したら良いか分からない
- 中退しようかどうかを迷っている
- 学歴に自信がないから就職できるか不安
- 就職について、誰に相談したら良いか分からない
- 中退しようかどうかを迷っている