ハローワークの社員は公務員なの、と思っている方も多いのではないでしょうか?
実は、ハローワークの社員は国家公務員になるのです。
なぜなら、ハローワークは国の機関になるからです。
この記事では、ハローワーク社員が公務員なのか、ハローワークはどのような種類の企業をしょうかいしているのか?といった事を解説しております。
この記事を読むことで、もっとハローワークの事を理解できるでしょう。
ハローワークは一般企業を紹介する場所
ハローワークとは、厚生労働省が管轄する「国の機関」です。正式には「公共職業安定所」と呼ばれ、職業と名の付くことから分かるように、主に一般企業を紹介してくれる場所として知られています。
具体的には、ハローワーク内で求人を検索できたり、ハローワークの職員から就職活動のサポートをお願いしたりすることも可能です。なお国が運営する機関ということもあり、全て無料で利用できます。
その他、ハローワークは次のようなサービスも行っています。
- 職業訓練の実施
- 雇用保険関連の手続き
職業訓練とは、専門技能を学べる公的な制度のことです。簡単に言うと「スキルが無料で身に付く講座」のことで、ハローワークが窓口となって受講の手続きなどを進めてくれます。主に事務系やIT、建築や介護、デザインといったコースが用意され、2ヶ月~6ヶ月の受講が一般的です。なお、失業保険を受給できない求職者に関しては、一定の要件を満たすと月10万円の手当が支給されます。
一方、雇用保険関連の手続きとは、特に「失業保険の給付」に関わる手続きのことを指します。失業保険とは、会社を退職して仕事を探している人などに支給されるお金のことで、「基本手当」「失業手当」とも呼ばれます。給付を受けるにはさまざまな条件があり、失業保険を受け取る期間も人によって異なりますが、いずれにせよ前職で「雇用保険」に加入していることが受給の条件です。
参考:基本手当とは|厚生労働省
公務員は失業保険がなく職業訓練が受けられない
ハローワークでは職業訓練を受けることができる、とお伝えしましたが、実は、前職が公務員だった人は受けることができません。厳密には「公共職業訓練」は受けられませんが、「求職者支援訓練」なら受けることができます。
そもそも「職業訓練」と一口に言ってもさまざまな種類がありますが、会社を離職した人が主に該当するのは次の2つです。
- 公共職業訓練
- 求職者支援訓練(旧:基本訓練)
公共職業訓練とは、前職で雇用保険に加入していた人、つまり失業保険を「受給できる人」を対象としている訓練です。一方の求職者支援訓練とは、雇用保険に加入していない人、つまり失業保険を「受給できない」人を対象にした訓練のことを指します。
そして公務員の場合には、民間企業の社員とは異なり、雇用保険に加入していません。そのため失業保険を受け取ることができず、必然的に公共職業訓練は受講できないのです。一方で求職者支援訓練は雇用保険未加入者を主な対象としているため、条件に当てはまれば受講できます。
なお、公共職業訓練と求職者支援訓練の違いとしては、コースの内容が求職者支援訓練のほうが「事務系」や「サービス系」が多い、といった傾向があるだけで、特に大きな違いはありません。求職者支援訓練でも、前述した月10万円の給付、いわゆる「職業訓練受講給付金」を受け取る権利はありますが、年収要件などの受給条件が厳しく設定されているため、前職で安定して高い給料をもらっていた元公務員の場合には審査通過は難しいと言われています。
ハローワークの職員は民間企業の職ではない
ハローワークで働いている職員のなかには、国家公務員も存在しています。
ハローワークは厚生労働省が管轄する行政機関ですが、具体的には、各都道府県労働局の管内に設置される「出先機関」の一つです。そしてこれも国の機関であることには変わりないため、ハローワークで働いている職員も国家公務員が存在するということになるのです。
ただし、働いている人全員が国家公務員というわけではありません。たとえば、ハローワークには「職業相談員」と呼ばれる職員もいますが、こういった人たちは、パートやアルバイトとして雇用されているケースも少なくありません。
ハローワークの職業相談員に相談する際には、年齢がやや上の相談員に当たることがあります。これは、たとえばしばらく主婦をしていて社会復帰した人や、定年退職後のシニアなどが働いているケースもあるからです。キャリアカウンセラーや産業カウンセラーの資格を持つ人もいますが、特に専門資格を持たない人も働いています。
ハローワーク職員になるには、公務員試験が必要なことも
前述の通り、ハローワークで働いている職員は、パート・アルバイトなどの一部スタッフを除けば、基本的には国家公務員です。そのため、ハローワークで働きたい場合には、公務員試験の受験が必要です。
※ハローワーク職員になる方法としては「任期付き任用職員」などに応募して、1~3年程度の期間限定で採用されるケースもあります。今回は「国家公務員としてハローワークに勤務して働くために、公務員試験に合格する流れ」についてご紹介しています。
具体的には、次のステップで目指していきます。
国家公務員一般職試験に合格
↓
官庁訪問
↓
労働局に入職
↓
ハローワークに配属
まずは、国家公務員一般職試験(国家一般職)に合格することが必要です。国家公務員一般職試験には年齢要件が設定されてはいますが、大卒者だけでなく、高卒者や社会人も受験できます。
合格すると、次に「官庁訪問」を行います。官庁訪問とは、民間企業の「就職活動」のようなもので、たとえば説明会で仕事内容について話を聞いたり、面接を受けたり、といったことが行われます。このとき、ハローワークを所管する「労働局」での採用を目指しましょう。
選考を無事に通過したら、労働局に入職します。労働局とは厚生労働省が管轄する組織で、各都道府県や地方に複数点在し、主に次の3つの分野を担っています。
- ハローワーク(公共職業安定所)
- 雇用環境均等室
- 労働基準監督署
参考:国家公務員になるには「一般職試験」|国家公務員CAREER GUIDE
参考:労働局|厚生労働省
まとめ
ハローワークの概要について、公務員との関係性も含めて紹介してきました。ハローワークは雇用保険に関わる業務も担っていますが、そもそも公務員は雇用保険の適用除外となっているため、仮に公務員を辞めたとしても、ハローワークで失業保険の手続きをするという機会はありません。
国家公務員としてハローワークで働く職員以外の公務員にとっては、ハローワークは縁遠い存在でもあります。一方で「仕事を紹介してくれる窓口」という点では前職に関係なく、誰にでも開かれている場所であることは間違いありません。
こんな方におすすめ!
- 自分に合った仕事が見つかるか不安
- ハローワークのサービスに物足りなさを感じている
- ハローワークしか利用したことがない
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