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中卒で大学受験は可能?受験する条件も解説!

中卒で大学受験は可能?受験する条件も解説!

中卒では大学受験をできないと考えている方も多いのではないでしょうか?実は、中卒でも大学の受験は可能です。なぜなら、条件を満たしていれば受験に参加できるからです。
こちらの記事では、大学受験の条件や中卒が大学受験をするメリットについて解説しています。中卒からでも大学受験を受ける方法が理解できる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

中卒でも大学受験をすることは可能

中卒でも大学受験は可能ですし、決して難しい話ではありません。大学受験をする人の多くは「高校を卒業した人」もしくは「高校卒業見込みのある人」ですが、他にもルートがあります。

詳しくは後ほど解説しますが、一般的に「高等学校卒業程度認定試験」(以下「高卒認定試験」)という試験に合格すれば、中卒でも大学受験は可能です。文部科学省のホームページによると、令和元年度における高卒認定試験の出願者・受験者・合格者は以下の通りです。

出願者受験者合格者
令和元年度:第1回11,860名10,479名4,581名
令和元年度:第2回10,814名9,374名4,350名
合計22,474名19,853名8,931名

このデータから考えると、高卒認定試験の合格率は約40%程度と考えられます。
合格者の中から大学受験をする人は、大学入試センターの情報によると約1%程度です。中卒から大学受験をする人が少ないのは「就職に有利だから」という理由で高卒認定試験を受ける人が多いからです。

参考「文部科学省:令和元年度第2回高卒学校卒業程度認定試験実施結果について」
「独立行政法人、大学入試センター:志願者数及び受験者数等」

中卒で大学受験をするための条件

文部科学省は、以下いずれかの条件を満たせば「大学受験が可能」と定めています。

  • 高等学校または中等教育学校を卒業した者
  • 特別支援学校の高等部または高等専門学校の3年次を修了した者
  • 高等学校卒業程度認定試験(旧大検)に合格した者
  • 大学において個別の入学資格審査により認めた18歳以上の者

中等教育学校とは、一般的に「中高一貫」と呼ばれる仕組みで、前期中等教育(中学校における教育)と後期中等教育(高等学校における教育)を一貫したカリキュラムで行う学校です。そのため、中卒からそのまま進学できる大学はありませんが、高卒認定資格や大学の入学資格審査に合格すれば、中卒でも大学受験が可能です。

参考「文部科学省:大学入学資格について」

中卒ですぐに大学受験をする3つの方法

中卒から大学受験をすぐにする方法は、大きく以下の3つです。

  • 「高卒認定資格」を取得する
  • 入学を希望する大学の「入学資格審査」に合格する
  • 通信大学の特修生制度/履修生制度を利用する

以下、それぞれの詳細を解説していきます。

方法1:高卒認定資格を取得する

1つめは、高卒認定資格を取得する方法で、中卒から大学受験をする最もメジャーな方法です。

文部科学省のホームページによると、高卒認定資格は「高校を卒業できなかった人の学習成果を評価し、高校卒業と同等の学力があることを認定する試験」と定義されています。つまり、中卒でも高卒認定資格に合格すれば「高校を卒業できる学力がある」と評価され、大学受験ができます。

高卒認定資格は年に2回、8月(第1回)と11月(第2回)に行われており、スケジュールの目安は以下の通りです。

第1回第2回
受験案内4月上旬7月中旬
出願期間受験案内日〜5月上旬受験案内日〜9月中旬
試験日8月中旬11月中旬
結果通知9月上旬12月上旬

また、試験科目は以下の8〜10科目で、すべての科目に合格する必要があります。出題形式はマークシート形式です。

教科試験科目科目数要件
国語国語1必修
地理歴史世界史A、世界史B12科目のうち、いずれか1科目必修
日本史A、日本史B14科目のうち、いずれか1科目必修
地理A、地理B1上記と同じ
公民現代社会1または2「現代社会」1科目
または
「倫理」「政治・経済」2科目
のいずれか必修
倫理1または2上記と同じ
政治・経済1または2上記と同じ
数学数学1必修
理科科学と人間生活2または3以下①、②のいずれか必修①「科学と人間生活」の1科目と
「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」のうち
1科目(合計2科目)②「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」
「地学基礎」のうち3科目
物理基礎2または3上記と同じ
化学基礎2または3上記と同じ
生物基礎2または3上記と同じ
地学基礎2または3上記と同じ
外国語英語1必修

合格ラインは、1科目ごとに100点満点中40〜50点で、毎年変動します。多くの科目を勉強する必要があるため、大変に感じるかもしれませんが、「合格した科目は、次回以降「免除扱い」となる」「高校を中退している人は、在学時の単位取得状況によって免除できる科目がある」という優遇措置もあります。

そのため、1回の試験ですべての科目に合格する必要はありません。実際、複数回に分けて合格している人もたくさんいます。

参考「文部科学省:高等学校卒業程度認定試験 概要・パンフレット」

参考「文部科学省:高等学校卒業程度認定試験(旧:大学入学資格検定)」

方法2:大学の入学資格審査に合格

2つめは、大学の入学資格審査に合格する方法です。文部科学省のホームページによると、個別の入学資格審査とは「高等学校卒業者や大学卒業者と同等以上の学力があるかを各大学が判断する審査(試験)」とされています。この入学資格審査に合格できれば、中卒でも大学受験ができます。入学資格審査の内容は大学によって異なるため、入学したい大学が実施している試験内容を調べてみてください。

注意点として、この資格審査はあくまでも「入学資格の有無」を判定するもので、入学試験とは別物です。実際に入学するには、大学の入学資格審査に合格した後、入学試験にも合格しなければなりません。

参考「文部科学省:入学資格に関するQ&A」

方法3:通信大学の特修生制度/履修生制度を利用する

3つめは、通信大学の特修生制度/履修生制度を利用して、大学に入学する方法です。特修生や履修生とは、大学が定める科目を履修し、所定の単位を修得すると正科生(大学卒業を目指す学籍)になることを認められる制度です。大学によって呼び方が異なるため「特修生」と「履修生」は、実質的には同じ意味合いと捉えてください。

特修生制度/履修生制度の注意点は、以下の3点です。

  • 特修生制度/履修生制度のある大学は限られている
  • 特修生/履修生は大学内でしか効果がない
  • 約2年の在籍期間を必要とする

例えば「この方法で東京大学に入学したい」と思っても、東京大学には特修生制度/履修生制度が存在しません。行きたい大学に特修生制度/履修生制度が用意されているかどうかは、事前に確認しましょう。

また特修生や履修生は大学内でしか効力がないので、途中で他の大学に入りたくなった場合は、また1から大学受験資格を取得しなければなりません。さらに必要在籍期間も2年と長いため、先ほど紹介した高卒認定試験や大学の入学資格審査と比べると、最も時間のかかる方法です。

中卒で大学受験をするメリット

中卒の人が大学受験をすると、主に以下のメリットがあります。

  • 興味のある分野を、専門的に深く勉強できる
  • 就職先の選択肢が増える
  • 正社員就職できる確率が大きく上がる
  • 中卒よりも年収が高い
  • 多様な出会いがたくさんある

特に就職先の選択肢が増えることは大きなメリットで、世の中には大卒でないとなれない職業があります。

具体的にいうと、以下の仕事は大卒でないとできません。(※大企業の総合職など「厳密にいえば大卒以外でも就ける可能性はあるが、実質大卒でないと厳しい」仕事も含む)

  • 医師
  • 歯科医師
  • 薬剤師
  • 宇宙飛行士
  • 弁護士
  • 裁判官
  • 検事
  • 大学教授
  • 大企業の総合職

これらの仕事に就きたい人は、ぜひ大学受験をして、大卒を目指しましょう。

また、正社員に就職したい場合も、大卒が圧倒的に有利です。厚生労働省のホームページによると、学歴別の正社員就職率は以下の通りです。

正社員就職率
大学・大学院卒76.2%
専門・短大・高専卒61.5%
高卒45.1%
中卒・高等学校中退7.8%

中卒は正社員になれないということはもちろんありません。しかし上記の結果から、正社員になりたい人は中卒のままだと不利であることは事実です。

さらに、生涯賃金も学歴によって大きな差があります。労働政策研究・研修機構の調査によると、学歴別の生涯賃金は以下の結果です。

男性女性
大学・大学院卒2億7210万円2億1570万円
専門・短大・高専卒2億1770万円1億7720万円
高卒2億1370万円1億5200万円
中卒・高等学校中退1億9930万円1億4540万円

男女ともに、大卒と中卒では、生涯賃金に約7000万円もの差があると分かります。大学の学費は数百万円かかりますが、年齢によっては十分元が取れるでしょう。

参考「厚生労働省:若年者雇用を取り巻く現状」

「独立行政法人、労働政策研究・研修機構:ユースフル労働統計2020、生涯賃金など生涯に関する指標」

まとめ

中卒でも大学受験をしたいと考えている人に向けて、中卒から大学受験をする条件やメリットを解説しました。中卒から大学受験をする方法は複数ありますので、自分に合った方法を選びましょう。ただし、大学受験には多大なる時間・費用・労力がかかります。本気で大学に行きたいわけでないのなら、ハードルの低い高卒の資格を目指した方がよいでしょう。

また、選択肢は限られますが、中卒でも就職はできます。大学受験は厳しい、高卒になるための勉強なども難しいという状況にある方は、中卒者も対象の就職支援サービスを活用した就職も検討してみましょう。弊社ジェイックも就職相談に乗りますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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高藤 薫キャリアアドバイザー
株式会社ジェイック:キャリアコンサルタント|就活情報、お役立ち面白情報を発信|就活YouTube「ジェイック就職カレッジ®」配信中|資格:キャリアコンサルタント・ポジティブ心理カウンセラー・7つの習慣®︎ファシリテーター