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CADの職業訓練は意味ない?受講後の就職先など紹介

CADの職業訓練は意味ない?受講後の就職先など紹介

職業訓練の受講を検討する際、職業訓練でどのような知識やスキルを身につけられて、どういった仕事に活かせるのかは非常に気になるポイントでしょう。

CAD職業訓練に興味があるけど、本当に就職に役立つスキルや知識が身につくの?」「CADの職業訓練はどのような内容で、どういった就職先の選択肢があるの?」などと疑問に感じている方も少なくないはずです。

この記事では、CADの職業訓練を受けるメリットやCADの職業訓練受講後の就職先、CADの職業訓練にはどのようなコースがあるのかなどをご紹介します。自分にCADの職業訓練が必要かどうかを判断する材料になればと思いますので、ぜひ参考にしてください。

CADの職業訓練は意味ない?受講するメリット

CADの職業訓練は意味ない?受講するメリット

CADの職業訓練を受けるか検討するとき、一番気になるのは「本当に就職に役立つのか」「職業訓練を受講メリットは何か」といった部分ではないでしょうか。

そこでまずは、CADの職業訓練を受ける意味やメリットをご紹介していきます。

メリット1. 就職先の選択肢が広がる

CADの職業訓練を受講する大きなメリットは、就職先の選択肢が広がることです。

建築関連や製造関連の業界では、CADを利用して図面を描くのが一般的になっており、建築や製造に関する知識だけでなくCADのスキルも求められています。

CADの職業訓練では、製図に必要な知識を身につけられるうえにCADの操作も学べます。さらに、CADの職業訓練での学びを活かして取得できる資格もあるため、就職先の選択肢を広げたり就職のしやすくしたりすることが可能です。

「どういった職業に就くべきか迷っている」という方でも、CADの職業訓練によって建築や製造関連の知識や技術を知ることで、自分が目指すべき業界がクリアになるメリットがあるでしょう。

メリット2. 無料で受講できる

CADに限らず職業訓練は基本的に無料で受講できるため、気軽に受けやすいのもうれしいポイントです。

通常、スクールや講座を通じて就職に役立つスキルや資格を身につけようとする場合には、スクールや講座の受講費が必要となります。

1つの講座を受けるだけでも数千円、スクールに入学する場合には数十万円の費用がかかってしまうところ、職業訓練では費用がかかりません。

金銭面で不安を抱えやすい就職活動中に、費用なしで就職に役立つ知識やスキルが身につけられるのは非常にありがたいですよね。

ただし、受講自体は無料でも、受講にあたって必要なテキストは自費購入となるケースが多い点には要注意です。「完全無料で学べる」ではなく、「テキスト代だけで本格的な講座が受講できる」と考えましょう。

メリット3. お金をもらいながら受講できる

職業訓練は、一定の条件を満たした場合に手当を受け取れます。手当には受講手当・通所手当・寄宿手当の3つがあり、それぞれの手当は以下のように定義されています。

受講手当

受講手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合に支給されます。支給の対象となるのは、基本手当の支給の対象となる日のうち公共職業訓練等を受けた日です。
引用元:https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html

受講手当の日額は500円、上限額は20,000円と定められています。

ただ、CADの職業訓練が「公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等」にあたるかどうかは、地域や受けるコースによっても異なるため注意が必要です。

通所手当

通所手当は、受給資格者の住所または居所から公共職業訓練等をおこなう施設へ通所するために交通機関、自動車等を利用する場合に支給されます。
引用元:https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html

通所手当の額は通所方法によって異なり、受給額の上限は月額42,500円です。

寄宿手当

寄宿手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるために、家族(その者により生計を維持されている同居の親族※補足3)と別居して寄宿する場合に支給されます。引用元:https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html

寄宿手当は職業訓練等を受けている期間のうち、家族と別居して寄宿していた期間のみが支給の対象となります。また、寄宿手当の上限額は月額10,700円です。

メリット4.独学よりも効率がいい

職業訓練では専門講師による講座を受講できるため、独学で学ぶより勉強効率がいいのもメリットです。

「就職のために勉強をしよう!」「就職に役立つ資格を取ろう!」と思っても、独学ではわからない部分がでてきたり、モチベーションが低下しやすかったりするものです。

しかし、職業訓練で学ぶ場合には講師の解説やサポートがあるため、わからないところがあって勉強につまずいてしまうケースが少ないです。

また、職業訓練に通うことで、自分で勉強のスケジュールを立てなければならない独学よりも計画的に勉強を進められて、モチベーションも保ちやすいでしょう。

独学に不安のある方や効率的に知識やスキルを身につけたい方に、職業訓練はぴったりです。

メリット5. 失業保険の受給手続きを代行してもらえる

職業訓練を受けることで、失業保険の受給手続きを職業訓練校に代行してもらえます。

通常、失業保険を受給するためにはハローワークに足を運び、失業保険の受給手続きをおこなわなれけばなりません。さらに、受給手続きをおこなったあとには原則として4週間に1度、ハローワークで失業の認定を受ける必要があります。

しかし、職業訓練の受講中は受給手続きを職業訓練校が代行してくれるため、失業の認定を受けるためにハローワークに行かなくてOKです。また、失業の認定には「就職活動」が必須ですが、職業訓練が就職活動にあたるので他の活動をする必要もありません。

受給手続きの手間が省けるうえに、職業訓練以外の就職活動をしなくても失業保険を受給できることから、勉強に集中できるのもメリットです。

メリット6. 失業保険がすぐにもらえる

職業訓練の受講により、失業保険が通常よりも早くもらえるようになるケースもあります。

基本的に自己都合による退職の場合には、7日間の待機期間と2~3ヵ月の給付制限期間を経てから失業保険の受給が可能です。

しかし、職業訓練の受講がスタートすると給付制限の定めがなくなります。「給付制限期間が終了したタイミング」ではなく「職業訓練の受講がスタートしたタイミング」で失業保険を受け取れるので、早めの受給が可能です。

就職活動中は金銭的な不安もあり「できれば早く失業保険を受給したい」と考える方も多いでしょう。そういった方は、職業訓練を受講して失業保険の受給タイミングを早めるのをおすすめします。

メリット7. 一緒に勉強できる仲間ができる

職業訓練を通じて、一緒に勉強できる仲間も得られます。

就職活動や資格勉強中には、不安になったりモチベーションが低下してしまったりすることが少なくありません。そんなときに、一緒に勉強できる仲間や同じ目標を持った仲間がいると心の支えになります。

勉強の難しさや楽しさを共有したり、家族や友達には話しづらい就職活動中の悩みを話し合ったりできる存在は非常に頼もしいものです。

このように勉強や就職活動を頑張りやすい環境を得られるのも、職業訓練ならではのメリットといえるでしょう。

CADの職業訓練を受講するデメリット

CADの職業訓練の受講にはさまざまなメリットがありました。しかし、メリットだけではなくデメリットがあるのも事実です。

CADの職業訓練を受講する前には、以下のデメリットもしっかり確認しておきましょう。

デメリット1. 週に5日受講する必要がある

多くの場合、職業訓練は週に5日受講しなければいけません。具体的には、月曜日から金曜日の午前8時~午後17時頃に受講することになります。

土日祝や夜間には職業訓練を受けられません。さらに、CADの職業訓練は6ヵ月程度のまとまった期間通う必要があるため、他のスクールや就職活動との両立が難しく感じられるかもしれません。

もしも、職業訓練に通っているあいだに就職先が決まった場合などには、途中退校も可能です。

ただし、所定時間分の講座を受講することで十分な知識やスキルが身につくようなカリキュラムになっているため、途中で退校すると知識やスキルが不十分になる可能性もあります。

職業訓練を受講する前には、所定の日時をすべて通えるかどうかも確認しておきましょう。

デメリット2. 選考試験を受ける必要がある

CADの職業訓練に限らず、職業訓練の受講には基本的に選考試験が設けられています。この選考試験に合格しなければ職業訓練は受けられないため、注意が必要です。

選考試験では、書類審査や面接などをおこなって合否が決められます。選考基準は明らかにされていませんが、「目的と目標を持って、意欲的に就職活動に取り組もうとしている人」が合格すると考えられています。

人気のコースは倍率が3倍以上にのぼることもあり、特に首都圏でアクセスのよいコースでは倍率が高くなる傾向があります。

のちほど選考試験のポイントも解説しますので、ポイントを踏まえた選考対策をしておくようにしてください。

デメリット3. 就職が約束されているわけではない

職業訓練の受講=就職の確約ではありません。職業訓練を受ければ就職が有利になる知識やスキル、資格を身につけられるものの、企業の内定をもらえるわけではないのです。

企業の採用選考では、知識・スキル・資格だけでなく、人柄や一般常識、企業との相性などさまざまな要素を加味して合否が決まります。職業訓練を通じて知識・スキル・資格などの面で有利になっても、その他の部分が不足していれば内定はもらえません。

「職業訓練さえ受講しておけば就職できるだろう」と考えず、しっかりと採用選考に向けて筆記試験や面接の対策をしておきましょう。早期就職を目指すのであれば、職業訓練と並行して採用選考対策をしておくのがおすすめです。

CADの職業訓練の選考のポイント

CADの職業訓練を受けるためには、まず職業訓練の選考に合格する必要があります。

ここからはCADの職業訓練選考で大切なポイントを解説しますので、ポイント確認し、しっかり選考対策をしておきましょう。

ポイント1. 就職の意志を示す

職業訓練の選考に合格するために一番大切なのは「就職の意志があること」です。

就職の意志があっても、その意志が選考担当者に伝わらなければ意味がありません。選考担当者にしっかり就職の意志を伝えられるよう、書類や面接で工夫をする必要があります。

例として、「いつ頃までに就職したいか」「どういう目標を持って就職を目指しているか」などの具体的な部分を明示するだけで、説得力や意志の強さは格段に増します。

「仕事をしないわけにはいかないし、とりあえず職業訓練を受けておこう」「失業保険の受給を早めたいから職業訓練を受けたい」だけで選考に通るのは難しいです。

就職の時期や目標を定めて、選考担当者にしっかりと就職の意志を伝えられるように準備しておきましょう。

ポイント2. なぜCADかを明確に

CADの職業訓練選考では、CADの職業訓練を受けたい理由を明確にするのも大切です。

単に「CADのスキルを身につけたら就職しやすそうだから」といった理由の方もいるかもしれません。

しかし、単純な理由では選考担当者に「CADじゃなくてもいいだろう」と判断され、選考に通らないこともあります。そのため、選考担当者の胸を打つような理由付けが必要です。

例えば、

「建造物が好きで、自分も建築関連業界に就職して建造物を作る側になりたいと思った。

建築関連業界ではCADのスキルが求められていることもあり、CADの職業訓練を通じて建築やCADに関する知識やスキルを深め、建築関連業界の会社で即戦力となれるような力を身につけたい」

などの思いを伝えてみましょう。

上記のように、なぜCADのスキルを身につけたいのか、CADのスキルを身につけてやりたいことは何かを伝えられるように意識してみてください。

ポイント3. 継続力をアピール

選考では継続力や忍耐強さなど「1つの物事にコツコツ取り組める姿勢」をアピールすると好印象につながります。

CADの職業訓練では、6ヵ月などのまとまった期間、職業訓練に通う必要があります。職業訓練校としては、すぐに挫折して通わなくなってしまいそうな人よりも、頑張って通いきってくれる意欲的な人を合格させたい思いがあるはずです。

今まで何か1つのことに意欲的に取り組んだエピソードや、地道な努力を重ねられる性格などから、継続力や忍耐強さをアピールしてみましょう。

CADの職業訓練を受講したあとの就職先

CADの職業訓練を受けたあとには、どういった就職先の選択肢があるのかも気になるポイントでしょう。

ここからは、CADの職業訓練受講後の就職先について、仕事内容や向いている人、求人例などをご紹介します。

就職先1. 機械系CADオペレーター

CADを使った仕事の1つに機械系CADオペレーターがあります。

仕事内容

CADソフトを用いて機械用の図面設計をおこなう仕事です。CADといえば「建築図面」というイメージがありますが、実は「機械図面」もCADで製図されています。

一般的には、設計に関しては別の担当者がいて、機械系CADオペレーターは設計士の指示をもとに製図をしていきます。

また、機械といってもその種類はさまざまで、家電や工作機器はもちろん、携帯電話、自動車、精密機器などの製図をおこないます。

向いている人

  • 機械が好きな人
  • プラモデル作りやDIYなど部品を組み立てる作業が好きな人
  • 製造業界で働いていた経験がある人

求人例

電子回路基盤のCADオペレーション

雇用形態:正社員

給与:月給20~40万円(indeedより)

生産ラインを合理化させる機械のCADオペレーション

雇用形態:正社員

給与:月給20~40万円(indeedより)

タイヤ製造設備のCADオペレーション

雇用形態:正社員

給与:月給21~44万円(indeedより)

就職先2. 建築系CADオペレーター

CADを使った仕事として、建築系CADオペレーターがあります。

仕事内容

CADを用いて、ビルやマンションといった建物、橋やダムなどの建造物の設計図面を作る仕事です。

機械系CADオペレーターと同様に、一般的には別に設計士がいて、設計士の指示をもとにCADオペレーターが製図をおこなうスタイルが多いです。

建物を扱う場合は建築業界になりますが、橋やダムの建造物は土木業界の就職先になります。また、内装や家具の製図をするインテリア業界、福祉施設の製図をおこなう福祉業界など、扱う分野によって業界はさまざまです。

向いている人

  • 建物や建造物を作ることに興味がある人
  • インテリアに興味がある人
  • データの管理などの事務作業も得意な人

求人例

住宅外構の設計CADオペレーション

雇用形態:正社員

給与:月給18.6~50万円(indeedより)

建造物のCADオペレーション

雇用形態:正社員

給与:月給20~35万円(indeedより)

木製インテリア家具のCADオペレーション

雇用形態:正社員

給与:年収300~450万円(indeedより)

就職先3. 3DCADオペレーター

3DCADオペレーターもCADのスキルを使う仕事です。

仕事内容

3DCADオペレーターは、機械系CADオペーレーターや建築系CADオペレーターと同じような仕事内容ですが、通常のCADではなく「3D CAD」を用いる点に違いがあります。

3DCADとは仮想空間に縦・横・奥行きのある立体的な図面を作れるツールです。通常のCADよりも高度な検証などができることもあり、注目が高まっています。

現場における3DCADのニーズは高まる一方で、3DCADを扱える人材はまだ少ないことから、非常に将来性のある職種といえるでしょう。

向いている人

  • 将来性のある仕事に就きたい人
  • スキルアップのために向上心を持てる人
  • 新しい知識や技術を取り入れるのが好きな人

求人例

2Dから3Dへの図面変更CADオペレーション

雇用形態:正社員

給与:月給21~41万円(indeedより)

3DCADを用いた航空機のシャフト設計CADオペレーション

雇用形態:正社員

給与:月給15.5~44万円(indeedより)

3DCADを用いた家電製品の機構設計CADオペレーション

雇用形態:正社員

給与:21~44万円(indeedより)

就職先4. 建築設計・製図補助

建築設計・製図補助をする際にもCADを活用します。

仕事内容

建築設計は、建築物を製造するための構造や材料、工費などの計画を立てる仕事です。一方で製図補助は、設計や製図の補助をする仕事となります。

建築設計は、CADオペーレーターや製図補助よりもさらに上流の工程を担う仕事です。だからこそ、CADの知識だけではなく建築の深い知識や顧客のニーズを汲み取る力など、さまざまなスキルが求められます。

就職の難易度も上がるため、建築関連業界やCADオペレーション未経験者の場合はCADオペレーターや製図補助から目指すのがおすすめです。

向いている人

  • 建築関連業界に興味がある人
  • コミュニケーションを取るのが得意な人
  • 計画性を持って行動できる人

求人例

自由設計の注文住宅に関する建築設計業務

雇用形態:正社員

給与:月給21.4~40.1万円(indeedより)

注文住宅に関する建築設計業務

雇用形態:正社員

給与:月給45~55万円(indeedより)

戸建て住宅の設計に関する建築設計業務

雇用形態:正社員

給与:月給25~50万円(indeedより)

就職先5. 各種製造業務

製造業でもCADのスキルを必要とするケースがあります。

仕事内容

各種製造業務でもCADのスキルに関するニーズは高く、CADの職業訓練受講後には各種製造業務に就職する選択肢もあります。

各種製造業務では、電話対応や事務作業、製造作業などの業務に加えてCAD関連の業務を兼任するケースが多いです。そのため、事務作業や製造作業をメインとして、ときにはCADのスキルを役立てられる場面があるような仕事に就きたい方に合っています。

また、派遣の雇用形態での仕事も多いため、正社員でバリバリ働くよりも派遣社員でマイペースな働き方をしたい方にもおすすめです。

向いている人

  • 事務作業や製造作業をおこなう仕事に就きたい人
  • 日々変化する仕事よりもルーティンワークのほうが得意な人
  • コツコツと地道な作業を続けられる人

求人例

建設現場の事務業務

雇用形態:派遣社員

給与:時給2,050円(indeedより)

製造業のOA事務業務

雇用形態:派遣社員

給与:時給1,800円(indeedより)

製造業の一般事務業務

雇用形態:派遣社員

給与:時給1,500円(indeedより)

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CADオペレーターの職業訓練コースや科の主な種類

実は「CADの職業訓練」といっても、いろいろなコースが存在します。用意されているコースは地域や時期によっても異なりますが、主に建築CAD・機械CAD設計・3次元CADといったコースが設けられています。

ここからは、各コースの概要や身につくスキルなどを確認していきましょう。

コース1. 建築CAD科

CADオペレーターの職業訓練コースとして、建築CAD科が挙げられます。

科の概要

建築CAD科は、建築製図に必要な知識やスキルを学べるコースです。

CADの使い方に限らず、手書きでの製図実習や設計模型作りを学べたり、日本古民家園などで建築物を見学したりと、幅広く建築関連の知識やスキルを身につけられます。

ただし、建築関連の内容に特化しているコースであるため、主に建築系CADオペレーターや建築設計・製図補助を目指す方向けの内容となっています。

身につくスキル

  • 建築製図に必要な建築関連の知識
  • CADソフトの操作に関するスキル
  • 手書きの製図や設計模型作りに関するスキル

主に身につくスキルは上記のとおりですが、「現場で使う工具の名称や使い方を学べる」「建築CAD検定試験3級が取得できる」など、建築に関する幅広い知識やスキルが身につきます。

向いている人

  • 建築関連業界に興味がある人
  • 建物や建造物に興味がある人
  • コツコツと作業をするのが好きな人

建築CAD科学では製図や模型作りもあることから、「シンプルに建物や建造物が好き!」なんて方でも楽しみながら学んでいけるでしょう。

ただし、建築関連分野に特化したコースのため、建築関連業界に興味のない方だと勉強が大変に感じられるかもしれません。
参考:https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/kyushokusha-kunren/school/kamoku/tanki/kenchikuzoen/kamoku031.html

コース2. 機械CAD設計科

機械系CAD科もCADオペレーターの職業訓練コースです。

科の概要

機械CAD設計科は、主に機械の製造や開発をおこなう企業で求められる知識やスキルを学べるコースです。CADの操作はもちろんですが、機械関連の仕事では3DCADのスキルが求められるケースも多いことから、3DCADの操作もカリキュラムに入っています。

機械製図の基礎知識から、2D・3DCADの操作、仕様決定・設計・部品制作・組み立て・試作といった一連の製造業務スキルまで身につけられます。

機械系CADオペーレーターはもちろん、各種製造業務や設計補助などの職種に興味がある方にもおすすめです。

身につくスキル

  • 2D、3DCAD関するスキル
  • 仕様決定から組み立て、試作などの一連の製造業務に関するスキル

機械CAD設計科では、機械の製造や開発に関する一通りの知識やスキルを身につけられます。そのため、未経験でも設計補助やCADオペーレーター、3DCADを用いた機械設計などの幅広い職業を目指すことが可能です。

向いている人

  • 3DCADに興味がある人
  • 機械が好きな人や機械に関係する仕事に就きたい人
  • 部品の組み立てなどが好きな人
  • 黙々と1人で作業をするのが好きな人

機械に関係する製造や開発では、1人でコツコツとおこなう作業が多いです。1人で集中して作業をおこなうことが好き・得意という方にも合うでしょう。
参考:https://www3.jeed.go.jp/kanagawa/poly/training/cource-02.html

コース3. 3次元CAD科

3次元CAD科も職業訓練で受講できるCADの学習コースです。

科の概要

3次元CAD科は、3DCADを学べるコースです。3DCADは機械の製造や開発に関係する仕事で多く使われることから、機械関連の知識やスキルも学べるカリキュラムになっています。

また、先ほども解説したとおり、3DCADは現場のニーズが高いものの、3DCADを扱える人材が少ないです。そのため、3DCADを学ぶことによって、製造系の現場に赴いて3DCADの導入教育やサポートをおこなう職業も目指せ、就職先の選択肢が増えるのも魅力です。

身につくスキル

  • CAD、3DCADに関するスキル
  • 機械製図、機械工学概論、工業数理などの機械基礎学
  • 部品の組み立てや操作プログラムに関するスキル

3次元CAD設計科では、主に機械の製造や開発に必要な知識やスキルが身につきます。

機械基礎学も勉強できるため、CADに興味がある方だけでなく、機械の製造や開発に携わる仕事に就きたいと考えている方にもぴったりです。

向いている人

  • 3DCADに興味がある人
  • 機械が好きな人や機械に関係する仕事に就きたい人
  • 部品の組み立てなどが好きな人
  • 黙々と1人で作業をするのが好きな人
  • 就職先の選択肢を広く持ちたい人

機械CAD設計科と同様に、3DCADに興味がある方や機械が好き・機械に関係する仕事に就きたい方に向いています。ただ、機械CAD設計科よりもさらに3DCADに特化しているため「3DCADを学んで、就職先の選択肢を広く持ちたい」と考えている方におすすめです。
参考:https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/kyushokusha-kunren/school/kamoku/tanki/kikai/kamoku016.html

CADの職業訓練受講後に取得可能な資格

職業訓練を通じて知識やスキルを身につければ、関連する資格の取得ハードルが下がります。せっかく職業訓練を受けるのであれば、資格の取得も目指すといいでしょう。

ここでは、CADの職業訓練受講後に取得が可能な資格について、概要や活かせる仕事を紹介していきます。

資格1. 2次元CAD利用技術者試験

まずは2次元CAD利用技術者試験について紹介します。

資格の概要

2次元CAD利用技術者試験は、CADの知識と図面を正しく理解して効率的にCADを用いた製図がおこなえることを証明する資格です。

等級は基礎・2級・1級の3つで、1級は機械・建築・トレースで試験が分けられています。また、1級は年に2回のみの試験開催ですが、基礎と2級は通年で随時実施されていることもあり、比較的チャレンジしやすいです。

取得するとできることや活かせる仕事

建築系CADオペレーター・機械系CADオペーレーター・設計業務・製図補助・各種設計業務と幅広い仕事で活かせる資格です。

特に1級は合格率が5割程度と難易度が高めであるため、現場で即戦力となれるようなCADのスキルを求められる仕事への就職にも役立ちます。

また、製造・開発業界における事務職など「CADが使えると重宝される」分野の仕事に就職する際にも有利になるでしょう。

資格2. 3次元CAD利用技術者試験

続いて3次元CAD利用技術者試験について紹介します。

資格の概要

3次元CAD利用技術者試験は、3DCADの知識と技術が証明できる資格です。

等級は2級・準1級・1級の3つで、準1級と1級では少なくとも2級に合格していることが受験資格として定められています。

2級は通年で随時試験が開催されていますが、準1級・1級の実施は年に2回のみです。まずはチャレンジしやすい2級に挑んでみましょう。

取得するとできることや活かせる仕事

3次元CAD利用技術者試験は、主に3DCADが多く使われる機械業界や製造業界の仕事に活かせます。ただ、等級によって難易度が大きく異なり、活かせる仕事も変わる点に注意しましょう。

一番難易度が低い2級は、将来的に3DCADを利用した設計や製図の業務に就くことを目指している方や、3DCADオペレーションの周辺業務に関する仕事を目指している方向けです。

そのため、2級が活かせるのは基本的に3DCADオペレーションの周辺業務に関する仕事のみです。

準1級だと3DCADオペレーターや設計補助の仕事に活かせるようになり、1級になると3DCADオペーレーターや設計補助の仕事に加えて、設計士の仕事にも活かせます。

資格3. 建築CAD検定試験

続いて、建築CAD検定試験について紹介します。

資格の概要

CADを用いて建築用図面を製図する技量を測るための試験です。

建築CAD検定試験では「社会から求められる実践型の実技試験」というコンセプトが掲げられており、単に「CADを用いて建築図面の製図ができる」だけでなく、建築知識や実務能力がなければ解けない設問になっています。

等級は4級・3級・2級・準1級に分けられており、いずれも一般受験の場合は年に2回、団体受験の場合は年に3回の開催です。

試験開始から29年と比較的歴史が長い資格であることから、建築業界を目指す・建築業界に従事する多くの方々が挑戦している資格となっています。

取得するとできることや活かせる仕事

建築に関するCADのスキルや実務関連知識を測る資格のため、建築業界や土木業界といった建物や建造物を作る仕事で活かすことができます。

「福祉施設の建築をおこなっている福祉関連業界」「家具などの設計・製造をおこなっているインテリア業界」などでも活かせるため、CADの職業訓練後には取得しておいて損はない資格です。

資格4. オートデスク認定資格プログラム

最後にオートデスク認定資格プログラムについて紹介します。

資格の概要

CADソフトの1つである『オートデスク』に関する操作や活用スキルを認証するための試験です。

オートデスク認定資格プログラムは全世界共通の認定資格制度であり、全世界で20万人以上が取得しています。知名度の高さはもちろん、実務に則した試験内容もあいまって、CADのスキルを証明するのに非常に役立つ資格です。

使用するツールに分けて資格が分類されており、初心者向けのAutoCAD ユーザー・Revit Architecture ユーザー・Fusion 360 ユーザー、中~上級者向けのAutoCADプロフェッショナル・Autodesk Inventorプロフェッショナルがあります。

試験は全国各地で随時おこなわれているものの、会場によって受けられる資格が異なるため注意してください。

取得するとできることや活かせる仕事

前で紹介したCAD利用技術者試験と同じように、CADの知識やスキルが重宝される業界や職業で活かせる資格です。

オートデスクは全世界で導入されている知名度の高いCADツールである点、試験内容がソフトの操作方法など実務的な部分に特化している点から、実務能力のアピールに役立ちます。

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まとめ

以上、CADの職業訓練を受けるメリットやCADの職業訓練受講後の就職先、CADの職業訓練にはどのようなコースがあるのかなどをご紹介しました。

CADの職業訓練を受けると、CADの操作だけでなく、建築や機械などに関する知識も身につけられることで就職先の選択肢が広がります。

また、職業訓練は無料で受講できるうえに、条件に当てはまれば受講手当を受給したり、失業保険を通常より早く受給したりすることも可能です。

週に5回、6ヵ月程度に及ぶ長期間受講しなければならないデメリットはあるものの、それ以上にさまざまなメリットがあるため、就職活動中にはぜひ活用してほしい制度です。

ただし、CADの職業訓練を受けるためには、まずは選考に通る必要があります。

選考では書類審査や面接がおこなわれますが、就職の意欲を見せたり、なぜCADを学びたいかなどをしっかりアピールしたりすると選考を通過しやすくなります。

今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひCADの職業訓練を受講してみてください。

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高藤 薫キャリアアドバイザー
株式会社ジェイック:キャリアコンサルタント|就活情報、お役立ち面白情報を発信|就活YouTube「ゼロフリ」配信中|資格:キャリアコンサルタント・ポジティブ心理カウンセラー・7つの習慣®︎ファシリテーター