中卒でも働ける仕事には何があるんだろう?とお探しの方もいるのではないでしょうか。
中卒でも就職は可能です。なぜなら、中卒であっても人材が欲しい会社は多いからです。
こちらの記事では、中卒でも働ける仕事や履歴書の書き方をご紹介しております。こちらの記事を読むことで、中卒者でもつける仕事の見極めや履歴書の書き方を理解できて、中卒としての就職活動を有利に進めることが出来ます。
中卒でも働ける仕事はあるがデメリットも多い
中卒でも働ける仕事はたくさんありますが、働くうえでデメリットになることも多く、具体的には以下の5つです。
- 正社員になりづらい
- 職種や就職先の選択肢が狭い
- 基本給が少ない傾向にある
- 出世が困難
- 挑戦できる資格に限りがある
それぞれのデメリットを、以下で詳しく解説していきます。
理由1:中卒は正社員の割合が低い
厚生労働省が行った平成30年の調査によると、学歴別の正社員割合は以下の通りで、中卒は35.4%と明らかに低い結果です。
最終学歴 | 正社員の割合 |
中学卒 | 35.4% |
高校卒 | 56.3% |
専修学校卒 | 66.6% |
高専・短大卒 | 66.2% |
大学卒 | 80.9% |
大学院卒 | 84.3% |
中卒だと、企業の採用担当者からも、以下の印象を持たれやすいです。
- 学習意欲が低い傾向がある
- 嫌なことがあると、すぐに辞めてしまいそう
学歴社会の風潮は年々減りつつありますが、まだ学歴による採用格差は残っていると考えられます。
理由2:中卒は職種や就職先の選択肢が狭い
中卒は、職種や就職先の選択肢が狭いこともデメリットです。実際に「大卒以上」や「高卒以上」など、学歴がないとなれない職業は多くあります。
例えば、医師になりたいと思ったら、大学の医学部を卒業しなければなりません。また、JRでも、採用規定を以下のように定めています。
- 新幹線の運転士:大卒以上
- 駅員や乗務員:高卒以上
このように、中卒だと職種や就職先の選択肢が限られます。
理由3:基本給がすくないことが多い
中卒の人は、同じ職種でも大卒や高卒の人たちに比べて、基本給が少ないことが多いです。その理由は「大卒や高卒の人は、中卒の人よりも多くのことを学んでおり、より高い価値を提供できる」と考えられているからです。
ただし、以下のような道を選ぶことで、高収入を得ることもできます。
- 基本給の高い求人に採用される
- 成果がインセンティブに反映される仕事を選ぶ(営業職など)
- 独立して自力で稼ぐ
「中卒だが高収入を得たい」と考える人は、このような道に挑戦してみましょう。
理由4:出世が困難
一般的に高学歴な人の方が出世スピードが早いので、中卒だと出世が困難になりがちです。特に大企業になるほど、この傾向が強いです。
理由5:資格取得の条件を満たせない
資格を取得しようと思っても、中卒だと受験資格がないことも多いです。例えば、美容師になりたいと思っても、美容学校は「高卒以上」でないと入学できません。他にも受験資格が「高卒以上」となっている資格はたくさんあり、中卒だと進みたい道が限られてしまう点も大きなデメリットです。
中卒でも働ける仕事10選
ここでは、中卒でも働ける仕事の中で、おすすめの仕事10選を紹介します。
- 営業職
- 販売員
- 飲食業
- 公務員
- 介護士
- 工場勤務
- 建設業
- 運転手
- 警備員
- オペレータースタッフ
それぞれの「仕事内容」「平均年収」「向いている人」の3点も紹介しているので、中卒でも働ける仕事を探している人は、参考にしてください。
仕事1:営業職
営業職は、自社の商品やサービスを提案して、受注・購入につなげる仕事です。
営業職は、営業成績で評価されることが多いです。そのため、未経験でも「ポテンシャルが高い」と思われれば、中卒でも採用される可能性は十分あります。実際に、営業職で活躍している中卒の人は一定数います。ただし、大企業の営業職になると、そもそも採用されない可能性が高いです。
営業職全体の平均年収は500万円程度ですが、実績に応じてインセンティブが設けられている会社が多いです。そのため、年収は人によって大きく異なります。
- 論理的思考ができる
- 行動力と分析力がある
- 人と関わることが苦痛でない
- 計画性がある
以上の特徴に当てはまる人は、営業職の適性があるといえます。
仕事2:販売員
販売員は、アパレルや携帯ショップなど、店舗で接客をする仕事です。商品知識に加えて、コミュニケーション力なども求められるため、採用時に学歴はあまり重視されません。
販売員の平均年収は300万円程度です。
- その人にあった話や提案ができる
- クレームなどにも真摯に対応できる
向いているのは、以上の特徴に当てはまる人です。
仕事3:飲食業
飲食業は「キッチンで調理」もしくは「ホールで接客」が主な業務で、学歴で採用されることが少ない職種です。
平均年収は、350万円程度といわれています。ただし拘束時間が長い職場も多く、時給換算すると飲食業はそこまで高くないのも特徴です。
- チームプレーが苦痛でない
- 仕事をテキパキ処理できる
- 体力に自信がある
以上の特徴に当てはまる人は、飲食業に向いています。
仕事4:公務員
公務員試験は受験資格がないので、中卒の人でも挑戦できます。ただし、学歴条件はないものの、以下2つの注意点は押さえておきましょう。
- 一部の職種に限られる
- 年齢制限が設けられていることが多い
- 周りに合わせられる
- 安定した生活を送りたい
また公務員試験は、決して簡単な試験とはいえません。そのため、一生懸命勉強する覚悟は必要です。
平均年収は、300万円程度といわれています。少なく感じるかもしれませんが、中卒だとこれくらいで、学歴も収入に影響しやすい職業です。
- コツコツと仕事に取り組める
- 地域に貢献したい
- 周りに合わせられる
- 安定した生活を送りたい
公務員に向いているのは、以上の特徴に当てはまる人です。
仕事5:介護士
介護士の主な業務は、老人ホームやデイサービスなどで、利用者の世話をすることです。介護士は人手が足りていない職場が多いので、無資格・未経験からでも就職しやすいことが強みです。中卒でも経験を積んで介護福祉士の資格を取得するなど、働きながらスキルアップもできます。
平均年収は、380万円程度です。ただし、介護職は夜勤が発生する職場も多く、その分、年収が高めになっています。
- 人と接することが好き
- 気配りすることが苦痛でない
- 夜勤やシフト制の勤務でも問題ない
以上の特徴に当てはまる人は、介護士の適性があるでしょう。
仕事6:工場勤務
工場勤務は、主に加工・検品するライン作業や、部品を集めるピッキングを行います。業務内容は細かくマニュアル化されていることが多く、1つ1つの仕事は覚えやすくなっています。一方で、夜勤や休日出勤が発生することや体力が重視される点は、人によっては大変と感じるかもしれません。
工場勤務の平均年収は、350万円程度です。経験を積めば、いろんな資格取得に挑戦できます。資格を取得できれば、資格手当など収入アップにつながることも多いのも特徴です。
- 1人で黙々と作業するのが好き
- 速く正確に作業をこなすのが得意
- 夜勤やシフト制の勤務でも問題ない
以上の特徴に当てはまる人は、工場勤務に向いているでしょう。
仕事7:建設業
建設業の中でも、以下の職種は中卒でも働ける職種です。
- 鳶職
- 塗装作業
- 解体作業
建設業の平均年収は、500万円程度です。繁忙期は残業が発生することも多いですが、その分、年収も高くなるといえるでしょう。
- 体力に自信がある
- 安全、慎重に作業できる
- 計画的に行動できる
以上の特徴に当てはまる人は、建設業に向いているといえるでしょう。
仕事8:運転手
運転手は、トラックのように荷物を運ぶ仕事と、バスやタクシーのように人を送り届ける仕事に分かれます。トラックやタクシーの運転手も、学歴があまり左右されず、中卒でも働ける職種です。一方で、長時間労働になりやすく、ある程度の体力が必要な点は大変でしょう。
平均年収は、トラック・バス運転手で450万円程度、タクシー運転手で330万円程度といわれています。
- 体力に自信がある
- 長時間の運転が苦痛でない
- 辛抱強い
- 1人の時間が好き
運転手に向いているのは、以上の特徴に当てはまる人です。
仕事9:警備員
警備員は、主に以下の業務を行います。
- 交通誘導
- 巡回警備
繁忙度は高くない仕事ですが、季節や天候によっては、過酷な環境の中で働かなければなりません。
警備員の平均年収は330万円程度です。
- 体力に自信がある
- 夜勤など、交代制勤務が苦痛でない
- 責任感や集中力がある
以上の特徴に当てはまる人は、向いているでしょう。
仕事10:オペレータースタッフ
オペレータースタッフは、顧客からの問い合わせに対して、応答する仕事です。体力的な疲労は少ないですが、クレーム対応などが発生すると精神的に疲れることもあるでしょう。
平均年収は、350万円程度です。
- パソコン作業が好き
- 顧客対応が苦痛でない
- 相手の話を傾聴できる
- 気持ちの切り替えが早い
以上の特徴に当てはまる人は、オペレータースタッフに向いているといえるでしょう。
中卒の履歴書の書き方
ここでは、中卒の人が求人に応募する際の、履歴書の書き方について解説します。知っておきたいポイントは、主に以下3点です。
- 高卒中退の場合は、最終学歴が「中卒」扱いになる
- 高校中退は、明記するのが基本
- 中卒の理由は、履歴書に書かなくてよい
以下、それぞれを詳しく解説します。
書き方1:高卒中退の場合は最終学歴が中卒
高校を中退した場合は、最終学歴は「中卒」となります。また、高卒認定試験に合格した人も、学歴は中卒です。高卒認定試験は「高校卒業程度の学力を持っていることを証明する資格」なので、実際に高校を卒業していないと高卒にはなりません。これらの点を理解したうえで、求人に応募しましょう。
書き方2:高校中退の明記
高校を中退したことは、記載する方が好ましいです。家庭の事情や経済的理由など、自分ではどうしようもない理由だった場合は、面接で聞かれてもそのまま答えれば問題ありません。一方「勉強が嫌になった」「周りに馴染めなかった」などの理由で高校を中退した場合は、面接で以下のように伝えましょう。
「当時は、ネガティブな理由で高校を中退しましたが、現在は学歴をカバーしようと、〇〇の資格取得に向けて一生懸命勉強しています。」
履歴書は高校中退したことを正直に記載し、面接で少しでも前向きな姿勢をアピールすることが重要です。
書き方3:中卒の理由は履歴書とは別で書く
中卒の理由は、履歴書とは別で書きましょう。履歴書の学歴欄には「〇〇中学校 卒業」とだけ記載します。
履歴書と別の紙を用意して、中卒になった理由を書いても大丈夫です。
また、面接では中卒の理由を詳しく聞かれる可能性もあるため、以下2点を面接で答えられるようにしておきましょう。
- 高校や大学に行っていない期間で学んだこと
- 今後どう頑張っていくか
ここでも、前向きな姿勢を伝えることが重要です。
まとめ
以上、中卒の人が働ける仕事を紹介しました。中卒であることのデメリットを理解したうえで、自分にあった仕事を選んでいきましょう。
楽しくやりがいのある仕事を選べば、結果的にスキルアップできて年収も徐々に上がっていきます。履歴書を書く際のポイントを参考にして、求人に応募してみましょう。