アニメに関わる仕事には何があるの?と思っている方も多いのではないでしょうか?
実は、アニメに関わる仕事は多くあります。なぜなら、アニメーターだけでなく声優やプロデューサーなどの多くの職業があるからです。
この記事では、アニメ関係の仕事や就く方法を解説しています。最後までご覧いただくことでアニメに関わる仕事を理解でき、就職を有利に進められる内容になっていますので、ぜひご覧ください。
- アニメに関わる仕事9選の「仕事内容」「向いてる人」「平均年収」を解説
- アニメの仕事に就く方法は「制作会社やスタジオに入社」「フリーランスで働く」
- アニメ関係の仕事は未経験でも狙いやすいが、ブラックな職場もあるので要注意
アニメに関わる仕事とは
アニメに関わる仕事とは、主に「アニメの制作に携わる」仕事です。アニメ関連の仕事の大半は、いわゆるクリエイティブ系の職種です。「アニメ制作」に直接関係する仕事を、今回はアニメに関わる仕事と定義しています。
ただし、すべての人がいわゆる「手を動かしてアニメを描く」仕事をしているわけではありません。以下のようなことも、すべてアニメをつくるために必要な要素です。(一例)
- アニメの企画をする
- キャラクターの声を吹き込む
- スケジュールや予算の管理
「アニメに関わる仕事」とひとことで言っても幅広く、仕事内容も職種によって大きく変わってくるということは知っておきましょう。それぞれが役割分担をすることで、ひとつの作品ができあがっていくのです。働き方も異なり、アニメ制作会社に勤務する人もいれば、フリーランスなどで活動している人もいます。
また、本記事では詳しく紹介していませんが、アニメ制作会社には以下のような職種もあります。(※会社により異なる)
- 一般事務
- 社内エンジニア
- 宣伝・広報
「アニメの仕事には携わりたいが、クリエイティブなことは苦手」「制作以外のポジションでアニメに関わりたい」という人は、こういった職種を目指すのもひとつの方法です。
アニメに関わる仕事9選
アニメに関わる仕事について、主な仕事内容と向いてる人、平均年収について、それぞれ解説します。
仕事1:声優
その名の通り「声」で役を演じる仕事です。アニメーションのタイミングに合わせて、担当するキャラクターに声を吹き込む「アフレコ」をします。基本的には個人事業主としての活動となり、事務所(声優プロダクション)に所属して活動する声優も多くいます。志望者が多く、いわゆる「売れっ子」は大勢のなかの一部という厳しい職業でもあります。
声優に向いてる人は、表現力や演技力がある人、粘り強さがある人です。声だけでキャラクターの心情を表現し、キャラクターに合った声色や演じ方が求められるため、役を理解する能力も欠かせません。また、売れるまではオーディションを受けながらアルバイトをするなど生活が不安定になりがちですが、そういった日々も耐えられる熱意があることも必要です。
ヒューマンアカデミーパフォーミングアーツカレッジ「声優の給料の仕組みとは?」によると、声優の平均年収は192万円です。(平均月収×12ヶ月)
仕事2:プロデューサー
アニメのプロデューサーは、アニメの企画立案や資金調達などを担当する企画・営業のプロデューサーと、実際のアニメ制作におけるスケジュールやスタッフの管理・指示などを担当する制作のプロデューサーの2種類があります。いきなりプロデューサーの仕事に就けることはほぼなく、アニメーターや制作デスクなどの業務で実務経験を積んだのちに、プロデューサーになるのが一般的です。
プロデューサーに向いてる人は、マネジメント能力がある人、コミュニケーション力が高い人です。直接手を動かす立場ではなく、人やお金を管理する立場になることも多くなることから、一歩引いた立場で全体を客観的に見てまとめていくスキルがある人に適性があります。
デジタルアーツ東京「アニメプロデューサーの年収とは」によると、アニメプロデューサーの平均年収は約550万円です。
仕事3:アニメーター
アニメーターは、アニメーションで使用する「作画」を担当する仕事です。具体的には、絵コンテなどに沿ってキャラクターなどを描く原画担当、原画をつなぐ絵を描く動画担当がいます。経験が浅いうちは動画担当、ある程度力がついてくれば原画担当になることが比較的多くなっています。やりがいのある仕事である反面、激務薄給であることも少なくないため、その働き方が問題視されている部分もあります。
アニメーターに向いてる人は、集中力と忍耐力、画力です。専門学校や大学・短大などで基礎や技術を学んだ人が中心になる人気の職業のため、ただ絵やアニメが好きというだけではなく、一定以上の画力が求められます。長時間机に向かう仕事のため、飽きっぽい人や疲れやすい人にも不向きです。
デジタルアーツ東京「アニメーターの収入はどれくらい?」によると、アニメーターの平均年収は248万円です。
仕事4:撮影
アニメにおける撮影は、テレビなどのようにカメラを持って撮影するというわけではなく、それぞれの素材をパソコンに取り込んで合成し、アニメーションにしていく仕上げの仕事です。
撮影に向いてる人は、専門性がある人、バランス感覚に長けた人です。撮影には「AfterEffects」などの専門のソフトウェアを使用するため、基本的な知識や技術がなければ厳しいでしょう。また、素材を適切に合成してアニメーションしていくう仕事になるため、全体を見られる能力も大切です。
撮影の平均年収は不明ですが、dodaの求人情報を見てみると、株式会社オー・エル・エムのアニメーション撮影の仕事の月収は17万7000円となっています。
仕事5:CG
「CGアニメーター」とも呼ばれる仕事です。「3dsMax」などの3DCG制作ソフトを使用し、平面のアニメーションでは実現できない立体的なCGアニメーションを制作します。色をつける、光を当てる、映像に出力していくなど、複数の工程を経て制作していきます。CG技術などが以前より進歩したこともあり、アニメーション以外の業界でも、CGの需要は高まってきています。
CGに向いてる人は、専門性がある人、コミュニケーション能力がある人です。学校などで学んで専門ソフトを使いこなせるようになることはもちろん、チームで制作を進めていくため、周囲の人と協力するチームワークも求められます。
honnne.biz「CGアニメーターが明かす仕事の本音」によると、CGアニメーターの平均年収は約300~400万円程度です。
仕事6:音響
「音響エンジニア」とも呼ばれる仕事です。具体的には、音響のディレクションを担当する音響監督、声優の声とアニメーションを合わせるMAエンジニア、BGMや効果音などを入れる音響効果の3つがあります。音響を学べる専門学校などに通うか、アルバイトなどから入社して実務経験を積むというケースもあります。テレビなど別の業界で音響の仕事をしていて、そこからアニメの音響を担当する、という人もいます。
音響に向いてる人は、機械に強い人、協調性がある人です。機材を使って仕事をするため、基本的な扱い方はもちろん、専門的な知識や技術などが求められます。音響に限ったことではありませんが、多くの人と一緒に仕事をするため、コミュニケーションを取りながら働くことが苦にならない人にも適性があります。
求人ボックス給料ナビ「音響の仕事の年収・時給・給料」によると、音響の平均年収は408万円です。
仕事7:彩色
「彩色(色彩)スタッフ」「デジタルペイント」などとも呼ばれます。「RETAS STUDIO」などの専用のソフトを使用し、パソコン上で動画に色をつけていくのが仕事です。キャリアを積み、色を決める色彩設計や色指定などの仕事にキャリアアップしていくケースもあります。専門学校などでは、彩色を専門的に学べるコースなどもあります。
彩色の仕事に向いてる人は、色彩感覚が豊かな人や、スケジュール管理ができる人です。色に関する専門知識が求められるほか、期日までに仕上げるためタイトなスケジュールになることも多く、それらに耐えられる能力も求められます。
彩色スタッフの平均年収は不明ですが、アニメーターの平均年収は248万円であることから、似たような水準(平均年収は約248万円程度)である可能性が高いでしょう。ただし、彩色スタッフとしての求人はそもそも少ないという点には注意が必要です。
仕事8:脚本家
アニメのストーリーやセリフなどを考え、構成する仕事です。基本的に、監督やプロデューサーなどと打ち合わせなどをしながら進めていきます。ひとつのアニメーション作品を、複数の脚本家が交代で担当するケースもよくあります。シナリオコンテストなどで賞を受賞したり、アニメ制作会社へ就職し、制作進行などで経験を積んでから脚本を担当するようになるパターンもあり、決められたルートはありません。
アニメ脚本家に向いてる人は、発想力がある人、柔軟な働き方ができる人です。アニメのシナリオは、キャラクターに合ったセリフや展開、視聴者を引き込むストーリー性などが求められるため、それらの能力は必要不可欠です。締め切りや修正などもあるため、働く時間などを調整できる環境も求められます。
平均年収.jp「脚本家の年収を詳しく解説!」によると、脚本家の平均年収は520万円です。ただし個人事業主がほとんどのため、収入は人によって大きく変わってきます。
仕事9:演出家
アニメの演出家は、絵コンテを使い、アニメーションを魅力的に演出する方法を考え、指示を出す仕事です。どのような見せ方にすると効果的なのかなどを考えたうえで、アニメーターに伝えて作画をしてもらいます。そのうえで、それぞれのアニメーターの強みを理解していることも求められます。
演出家に向いてる人は、アニメ制作に関する専門知識がある人、伝える能力がある人です。演出家はアニメーターに指示を出すことが多いため、知識がなければ適切な指示を出すことができません。そのため、自分も過去にアニメーターなどの実務を経験した人がなることが多くなっています。また、わかりやすく自分の考えを伝えられる能力も必須です。
憧れクリエーターのお仕事図鑑「演出家の年収、給料、給与」によると、アニメ演出家の平均年収は、約300~500万円程度です。
アニメに関わる仕事に就く方法
最後に、アニメに関わる仕事に就く方法についてご紹介します。後述しますが、アニメに関わる仕事は未経験からでもチャンスがあります。
アニメ関係の仕事に就く方法は2つ
アニメに関わる仕事に就く方法は、主に以下の2つです。
- 制作会社やスタジオに入社する
- フリーランスとして個人で働く
大学や専門学校で専門的に学び、卒業後に制作会社やスタジオに就職する方法は王道です。ただし、必ずしも専門的な学校を卒業していなくても、アニメに関わる仕事に就くことは可能です。
フリーランスとして、業務委託で案件を請け負う働き方もあります。人によっては、そのほうが働きやすいということもあるかもしれません。また、そもそも雇用の求人が少なく、業務委託の求人がほとんどという職種もあります。
ただしフリーランスとして働くのは、たとえ知識やスキルはあったとしても、ある程度の実績や経験がなければ難しいでしょう。収入も不安定になりがちなため、最初は制作会社などに入社して経験を積んでいく方法がおすすめです。キャリアを積んだ後に、その後の働き方を考えていってもよいでしょう。
専門知識が必要である
アニメに関わる仕事をするのに、特別な資格は必要ありません。また、ほかの業界と比べて学歴が必要とされることもほぼなく、実際に、大卒ではないスタッフもたくさん活躍しています。資格や学歴よりも、画力やデッサン力など、実務に必要なスキルや知識が求められる業界だからです。
ただし、アニメ制作における専門知識や技術は必要不可欠です。実務を通じて学べることもありますし、事前に学校に通って身に付ける方法もあります。クリエイティブな仕事のため、熱意はもちろんのこと、一定の知識やスキルが求められます。熱意は大事ですが「アニメが好きだから」というだけでは成り立たない仕事といえるでしょう。
アニメ関係の仕事は未経験でも狙いやすい
アニメ関係の仕事は、未経験からでも可能です。簡単ではありませんが、未経験からアルバイトなどで入社し、そこでスキルを身に付けていき、正社員登用を目指すという方法もあります。若ければ、未経験でも先輩や上司などが面倒を見てくれることも多いため、本気でやりたいのであれば目指してもよいでしょう。
スクールに通うなどして一定の知識やスキルを得れば、実務経験がなくても制作会社などへの入社のチャンスは増えるでしょう。いずれにしても、未経験からでもアニメに関わる仕事を目指すことはできます。
ただし、アニメ業界は労働環境が悪いケースも少なくないため、ワークライフバランスを重視したい人や、残業や休日出勤などが少ない仕事がしたい人には不向きといえます。
まとめ
アニメに関わる仕事はアニメーターだけではありません。しかし、アニメーターを経て将来的に演出家やプロデューサーなどの仕事にステップアップしていく方法もあり、アニメ業界で実務経験を積むためには、アニメーターの仕事に就くことが近道ともいえます。ハードかもしれませんが、やりがいある仕事であることは間違いないでしょう。本気でアニメに関わる仕事がしたいのであれば、思い切ってチャレンジしてみてもよさそうです。
アニメに関わる仕事とは、主に「アニメの制作に携わる」仕事です。職種によって仕事内容も大きく変わってきますので、「アニメに関わる仕事とは」の章で、まずは概要をご理解ください。
アニメに関わる仕事への就職は、未経験からでもチャンスがあります。具体的には「制作会社やスタジオに入社する」「フリーランスとして個人で働く」方法があります。詳しくは「アニメに関わる仕事に就く方法」の章をご参照ください。