自己PRで計画性をアピールしたいと考えているものの、どのように伝えたらいいか分からないという人は多いのではないでしょうか?
この記事では、就職活動の自己PRで計画性をアピールするメリットデメリットや、注意点などについて解説します。
具体的な例文についても紹介していますので、これから就職活動を本格的に始めたいと考えている人は参考にしてみてください。
この記事の目次
計画性とは?
計画性という言葉は日常的にも使われる単語の一つですが、就職活動の自己PRとして使われる計画性とはどういった意味があるのかについて解説します。
中長期的な目標を達成するのに必要な力
ビジネスにおける計画性とは、中長期的な目標を達成するためにあらゆるリスクを考え、タスクを管理できる力のことを指します。
特に「ゴールに向かって逆算して計画を立てる」といった計画性が社会人には求められます。
例えば営業職であれば、半期の目標を達成できるよう逆算し、四半期ごとの目標→月単位の目標→1日でやるべき行動にまで落とし込んで計画を立てる必要があります。
ビジネスの世界において、逆算をしないような計画は計画とは言えません。
そのため、学生時代に「来月課題提出があるから毎日1時間レポート作成を行う計画を立てて実行できた」というようなレベルでは、少なくとも自己PRで計画性をアピールするには弱いものとなります。
計画性は会社員のスキルとして求められている
一部の仕事を除き、計画性は会社員として必須レベルのスキルとして求められます。
営業職であれば達成計画、事務職であれば限られた時間内で作業を完了させられるタスク管理能力、ITエンジニアであれば納期通りに問題なく納品をするスケジュール管理能力などがあります。
一口に計画性と言っても、次のようなスキルに細分化されることを認識しておくとよいでしょう。
- 納期通りに成果物を提出できるスケジューリング能力
- 計画達成のためにタスクを洗い出す能力
- 計画に遅れが出た時にリカバリーできる対応力
- 計画に遅れが出ないようにするためのリスクヘッジ能力
自己PRに落とし込む時は、自分はどの計画力に強みがあるのかをアピールするようにしてください。
自己PRで計画性をアピールするメリット
自己PRで計画性をアピールすることで、以下のようなメリットがあります。
応募する求人との親和性が高ければ、より面接官にポジティブな印象を与えられる可能性があります。
頭の良さ [ポジティブな印象 1/3]
計画性の高さを自己PRすることで、頭の良さをアピールすることに繋がります。
ここで言う「頭が良い」とは、偏差値や学力が高いということではなく、物事を論理的に考えられる力を始めとした「地頭が良い」ことを指しています。
頭の良い人と悪い人の2人から応募があった時、企業はほぼ100%頭の良い人を採用したいと思うはずです。
そのため、計画性の高さを効果的にアピールできれば、内定獲得に近づくといっても過言ではありません。
一方、クリエイティブ系の職種では計画性の高さ以上に「どんなものを作れるのか」といったスキルの方が求められる傾向にありますので、計画性の高さで頭の良さをアピールしても面接官に響かないことも考えられることに注意してください。
物事の優先順位を付けられる [ポジティブな印象 2/3]
社会人として働いていくと、やるべきことの優先順位を付けなければならない状況が頻繁に生じますが、計画性を自己PRすればその対応力の高さをアピールできます。
目標を達成しようと計画を立てたはいいものの、思いついたことから手を付けていては作業効率が悪くなってしまいます。
社会人は計画に携わる関与者も多いので、優先順位を付けた上で計画を立てることが非常に大切です。
自己PRをする時は、「○○という理由で▲▲から実行することにしました」などと伝えることで、優先順位を付けて計画性を発揮できる人材というアピールになります。
あらゆるリスクを想定する力がある [ポジティブな印象 3/3]
計画性を発揮するためには、あらゆるリスクを織り込む必要があります。
突然材料が届かなくなったり、作業するメンバーがいなくなってしまったりと、ビジネスをする上でリスクは常に付きものです。
こうしたリスクをいかにゼロにできる力があるかが就活生には求められますので、リスク管理を徹底した上で計画性を発揮できることを伝えるようにしましょう。
自己PRで計画性をアピールするデメリット
計画性を自己PRすることで、ポジティブな印象を与えられる反面、場合によっては短所として受け取られてしまう可能性もあります。
ここからは、自己PRで計画性をアピールすることで生じてしまうかもしれないデメリットについて解説します。
頭が固い [ネガティブな印象 1/3]
計画性を自己PRする時に、「目標から逆算して計画を立てて、その通りに実行できる」とだけアピールすると、「もし計画通りに進まなかったら対応ができないのではないか」とネガティブに思われてしまうことがあります。
計画性を発揮できた状況と、入社後の状況では環境が大きく異なりますので、今まで培ったきた計画性が上手く発揮できないかもしれません。
そうした際に、なんでも計画通りに実行しようとする頭の固い人材だと思われてしまうと、組織のメンバーと上手くやっていけないのではないかと感じられかねないでしょう。
行動力が弱い [ネガティブな印象 2/3]
計画性の高さを自己PRすることで、「考えてから行動するタイプの人間」という印象が面接官に植え付けられます。
つまり、行動するまでのスピードが比較的遅く、行動力の弱い人材という評価になることが考えられます。
企画職やITエンジニアなど、考えることそのものが仕事の職種に応募している場合は大きな問題にはなりませんが、サービス職などの素早い行動力が求められる仕事の場合はネガティブな印象に繋がるでしょう。
「誰よりも早く計画を立てられます」という言い回しにしてもいいのですが、そうすると今度は「穴だらけの計画しか立てられないのではないか」と思われかねません。
計画性と行動力の高さを両立して自己PRすることは難しいということを認識しておきましょう。
トラブルに弱い [ネガティブな印象 3/3]
計画を立てただけで計画性が高いという自己PRをすると、計画を立てた後はどうやって行動するのかが見えず、「トラブルに弱い人材なのではないか」と面接官に思われてしまう可能性があります。
そのようなネガティブな印象を与えないためにも、自己PRでは「計画を立てた後のトラブル解決」や「最終的に計画通りの進捗を追うことができたのか」といった点にも触れるようにしましょう。
計画性をアピールする時には、計画を過不足無く立てられることはもちろん、立てた計画をどのようにして達成へと導いたのかというプロセスも大切になってきます。
具体的なエピソードを上手く自己PRするのは難しいかもしれませんが、しっかりとアピールできれば高い評価を受けられるはずです。
自己PRで計画性をアピールする流れ
自己PRで計画性をアピールする際は、効果的な文章の流れがあります。
面接官に自分の計画性を誤解なく伝えられるよう、これから自己PRを作る人は以下の流れを意識することをおすすめします。
書き出しは結論から
自己PRの書き出しは必ず「自分にどんなアピールポイントがあるのか」という結論を伝えるようにしましょう。
「私は計画性を強みにして働くことができます」のように、自己PRの最初で強みを伝えることで、面接官はこれから続く自己PRのアピールポイントを最初に理解することができます。
また、この際「私はどんな状況になっても最初に立てた計画を実行しきる力があります」のように、どんな計画力があるのかを補足しておくと、より細かい強みのアピールに繋がります。
計画性は、伝える内容によって先ほど解説したネガティブな印象を与えかねませんので、意識するようにしてください。
数字を用いて具体的なエピソードを伝える
強みが計画性であることを伝えたら、続いては計画性を発揮した具体的なエピソードに移ります。
エピソード部分では特に5W1H(when:いつ・where:どこで・who:だれが・why:何故・what:何を・how:どのように)を盛り込み、第三者である面接官が分かりやすいかどうかを意識して伝えるようにしましょう。
また、計画性を発揮した結果どのような成果に結びついたのか、具体的な数字で伝えるようにしてください。
「計画性を発揮した結果、売り上げが○○%向上した」「あらかじめ余裕のある計画を立てておいたので、納期よりも○日早く納品できた」など、成果を数字で示すことで面接官も実績を評価しやすくなります。
計画性が応募先企業でどのように活かせるのか伝える
最後に、強みである計画性を応募先の企業でどのように活かせるのかを伝えます。
自己PRにおいてはこの部分が最も大切なアピールポイントになりますので、熱意を持って伝えられるようにしましょう。
また、どのように活かせるのかについては、しっかりと企業研究をした上で考えることがおすすめです。
企業のホームページにある採用ページを見れば、どんな人材が活躍しているのかであったり、どのような性格の人が合うかが書かれているはずです。
その内容を参考にして、強みの活かし方を伝えるようにしてください。
自己PRで計画性をアピールすべき職種
自己PRで計画性をアピールするのはメリットもある反面、職種によってはデメリットになることもあり得ます。
ここからは、自己PRで計画性をアピールすべき職種を一部解説します。
企画職
新商品・サービスをリリースしたり、組織体制の改善を図ったりと、企画職はとにかく物事を考えることが仕事になります。
企画も半年〜1年、数年単位のプロジェクトまで長期間で考えることも多く、スケジュールをしっかり計画できないと大きなビジネス損失を生じさせてしまいます。
企画職に携わる上で計画力は必須中の必須ですので、自己PRでアピールすることをおすすめします。
ITエンジニア
ITエンジニアは技術力だけあればいいと考えられていますが、計画性も非常に重要になってくる仕事です。
特に要件定義やPMなどの上流工程であれば、工数計算を織り込んで見積もりを提示しておかないと、複数のエンジニア達に大きな悪影響をもたらしてしまうこともあります。
計画性はITエンジニアとしてステップアップしていくために重要な素養ですので、今ITエンジニアの人はもちろん、未経験からITエンジニアを目指そうとしている人も自己PRしておきたいアピールポイントだと言えます。
コンサルタント
コンサルタントは様々な素養を高いレベルで求められる仕事ですが、計画性も重要な素養の内の一つです。
クライアントの課題に対しては、全ての提案を実行しきる納期が定められていますので、あらゆる関係者を納得させつつ成果を出すために、計画性は欠かせません。
無計画なコンサルタントはおそらく一人もいませんので、企画職と同じく計画性は必須レベルの素養となっています。
営業職
営業職も計画性をアピールするのにおすすめの仕事です。
営業職と言えば、コミュニケーション能力や行動力の方が重視されやすいですが、企業によっては「顧客深耕」を重視しているケースもあります。
とにかく足で稼ぐというスタイルの会社ではなく、少ないお客様を担当するような会社の場合は、より計画性がアピールポイントとして刺さりやすい傾向と考えられています。
自己PRで計画性をアピールするのにおすすめのエピソード|例文付き
ここからは実際に自己PRで計画性をアピールするのにおすすめのエピソードと例文について解説します。
例文についてはコピペせず、あくまでも参考として活用するようにしてください。
アルバイト経験 [計画性の例文 1/5]
アルバイト経験は社会に最も近い行動ですので、就職活動の自己PRとの親和性が高いといった特徴があります。
どんな目的意識を持ってアルバイトに取り組んだのかを伝えられれば、良い自己PRになるでしょう。
「私は目標に向かって段取りを考え、計画性を持って達成できる強みがあります。
学生時代に始めた家庭教師のアルバイトでは、受験を控えた高校3年生に勉強を教えることになりました。
まずは生徒の現在の学力と、目標としている大学を聞いたところ、偏差値を少なくとも10は上げなければならないことが分かりました。
そこで私は受験日までの綿密なスケジュールを1日単位で作成、生徒に共有してカリキュラムを確定させました。
指導中は生徒の理解に合わせて進むようにしていましたので、計画に遅れが出てしまうこともしばしばありましたが、授業でやろうとしていた内容を宿題にするなどしてカバーしていきました。
結果的に第一志望の大学に生徒は合格し、家族共々感謝の言葉をかけてくれました。
この経験を活かし、貴社の企画職として入社した後も、綿密な計画力とカバー力を発揮していきたいと思います。」
ゼミ経験 [計画性の例文 2/5]
ゼミ経験は計画性の重要になる場面が多々存在します。
学会発表や卒業制作、ゼミ合宿など、複数人を巻き込む計画を立てた経験があれば、積極的に自己PRに盛り込むことをおすすめします。
「私は複数の人を巻き込んだ計画を立てる力があります。
所属していたゼミでは、半年後に開催される学会コンペに参加することになりました。
ゼミ長であった私は、半年後の学会発表に向けゼミメンバーで研究を分担し、効率的に準備を進める計画を立てました。
進捗に遅れが内容に2週間に1度進捗共有会を設けていたのですが、コンペ2ヶ月前にあるチームの進捗が大幅に遅れていることが発覚。
すぐさま計画を修正し、他のゼミメンバーにも協力を仰いだことで、無事コンペの発表を終わらせることができました。
結果は2位で、審査員からも好評いただける内容で発表できたのは、半年前からしっかり計画を立てられたことが要因だと思っています。
貴社に入社した後は、どんなに大きなプロジェクトであったとしても冷静に計画を立て、進捗をしっかり追いながら実現していきたいと思います。」
高校・大学受験 [計画性の例文 3/5]
高校や大学の受験は人生でも大きな山ですので、計画性を持って学習した場合は自己PRのエピソードとして適しています。
「私はどんな困難な壁に対しても、一歩一歩着実に歩み続けることで達成させる計画性があります。
大学受験を意識する高校2年生後半で、私は志望校を決めました。
自分のやりたいことが叶うのが第一志望の大学だったのですが、模試の結果から非常に難しい進路であることが分かっていました。
先生からも志望校のレベルを落とした方がいいと言われていましたが、一度きりしかない人生で諦めたくはなかったので、計画性を持って受験勉強に臨む決心をしました。
受験までに受ける模試の日程を把握し、それぞれの模試で目標とする合格ラインを設定した後は、その目標ラインを達成できるように日々の学習計画を1時間単位に落とし込みました。
結果的に第一志望の大学に合格することができ、自ら計画を立てて実行することの重要性について学ぶことができました。
社会人になれば多くの関係者を巻き込んで仕事を進めていく必要があります。
貴社に入社した後は、社員一丸となって目標を達成できるような計画立てをしていくことで、ビジネスの発展に貢献していきたいです。」
資格取得 [計画性の例文 4/5]
資格取得経験も、高校・大学受験と同じような流れで自己PRのエピソードとして使うことができます。
難しい資格であればより実績が伝わりやすくなるものの、自分の計画性を発揮できたものであればどんな資格でも取り上げて構いません。
「私の長所はやると決めたことを計画性を持って達成させることです。
グローバルな仕事に将来は就きたいと考え、大学3年生中にTOEIC800以上を取得できるよう勉強を始めました。
スコア800を達成する試験回を設定し、それまでに単語帳5周を始め、リスニングやリーディングのテキストを何度も取り組めるよう計画立てました。
途中何度もモチベーションの維持に苦戦しましたが、あえて1日休んで自分の英気を養ったり、友人と一緒に勉強したりすることで勉強の進捗に遅れが出ないように工夫しました。
最終的にスコアは835を記録でき、当初500にも満たなかったスコアを大幅に躍進させることができました。
この英語力と計画性を武器に、貴社のグローバル営業ポジションにおいて活躍できる存在になっていきたいと思います。」
転職経験がある場合 [計画性の例文 5/5]
既に転職をしていたり、これから転職活動をする人であれば、前職で計画性を発揮したエピソードを記載しましょう。
「私の強みは計画性を発揮した目標達成志向です。
現職では営業職として働いていますが、入社をしてから24ヶ月連続で目標の達成を続けています。
これは私の担当エリアが良いわけでも、特別な話術を持っているからでもありません。ひとえに高い計画性によるものだと自負しています。
現職では向こう1年間の目標が期初に通達されますので、必然的に毎月の目標予算があらかじめ分かっている状況となっています。
私は毎月どのお客様に提案して目標を達成させるかを期初で計画立て、日々のタスクに落とし込んでいます。
アポ取りから商談、キーマンとの接触から受注予定日まで綿密に計画を立てていますので、あとはその通りに行動することで連続達成の実績に繋がっているのです。
もちろん計画通りに行かなかった時のためのバッファも折り込んで計画していますので、余程市場に変化がない限りどんな場合でも対応できるようになっています。
貴社は現職と扱う商材こそ違いますが、同じ営業職という仕事ですのでこの計画性を活かして働けると思っています。
より自分の将来のキャリアビジョンに近い貴社で働きたいと思っていますのでよろしくお願いします。」
自己PRで計画性をアピールする時の注意点
ここからは、自己PRで計画性についてアピールする時の注意点について解説します。
計画性を自己PRしようとしている人は必ず確認しておきましょう。
柔軟性があることも合わせて伝える
計画性をアピールする時は、柔軟性もあることを合わせて伝えられるように意識するようにしましょう。
計画性のデメリットでも解説しましたが、計画性を長所として伝えてしまうと、同時に頭の固い人という印象を与えかねません。
計画は精緻に立てられるものの、計画から外れた際にリカバリーもできるということをアピールするためにも、柔軟性を合わせて伝えることが大切になってきます。
自己PRで柔軟性について伝える場合は、以下の記事の内容でも解説していますのでチェックしてみてください。
どれくらいの期間における計画が立てられるかをアピールする
一口に計画性があると言うのではなく、どれくらいの期間における計画性があるのかを合わせて伝えるようにするようにしましょう。
一般的に計画性は長期的なものであればあるほど評価される傾向にあります。
自己PRのエピソードでは、どれくらいのスパンで行った計画なのかを伝えた方が、面接官が計画性のイメージができ、評価がしやすくなります。
自己分析をしっかり行う
計画性を効果的に自己PRしたいのであれば、自己分析をしっかり行うようにしましょう。
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まとめ
自己PRで計画性についてアピールする際のメリットデメリットや注意点、例文について解説しました。
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