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飛び込み営業は時代遅れ?成功のコツやつかみのトークを紹介

飛び込み営業は時代遅れ?成功のコツやつかみのトークを紹介

飛び込み営業はなかなか成果が出ずに心が折れそう」

「自分に飛び込み営業は向いてなさそう」

といったような悩みを抱える人は多いのではないでしょうか。営業職に興味を持っている人や、これから営業職として働く予定の人の中には、飛び込み営業に対して不安がある人も少なくないはずです。

そこで今回は、飛び込み営業に向いている人の特徴や成功させるコツをご紹介します。「大変そうな仕事だから不安」という人は、記事を参考にしながら飛び込み営業のコツと心得を身につけていきましょう。

飛び込み営業とは

飛び込み営業とは

飛び込み営業とは新規開拓営業の手法の1つで、アポイントメントをとらずに企業や個人宅を訪問し、自社のサービス・商品を売り込む営業スタイルです。

企業の新人研修の一環として導入されるケースが多いことから、飛び込み営業は「新人営業マンの登竜門」と呼ばれるときもあります。

相手の都合を確認せずに訪問するため、追い返されることも珍しくありませんが、相手の顔や状況を見ながら直接話せる点が飛び込み営業のメリット。電話営業やメール営業にはない独自のメリットが飛び込み営業にはあります。

ただし、アポをとらない手法は法人営業にはあまり向いていません。どちらかというと、急な訪問でも迷惑がかかりづらい個人営業向けの手法です。

飛び込み営業は時代遅れ?

飛び込み営業はまだ取り入れている企業も多く、時代遅れではありません。「無駄」「迷惑」「時代遅れ」などと言われることもありますが、アポどりなしで成果を得られる可能性があるため、営業手法の一つとして取り入れている企業は多いのが現状です。

時代遅れという声が大きくなっているのには、近年「訪問しない営業(インサイドセールス)」のニーズが高まっていることが影響しています。インターネット環境の発達や働き方改革、新型コロナウイルス感染症拡大といった社会的背景に伴い、インサイドセールスが注目されるようになったのです。

一昔前に比べて営業手法の幅が広がっているのは事実ですが、かといって飛び込み営業の手法が使われなくなったわけではありません。インサイドセールスにはない独自のメリットがある限り、今後も飛び込み営業の手法が使われなくなることは考えづらいでしょう。

たとえば、ネット社会では自分に必要なものだけを調べる人が多い中、営業マンの提案によって新たなサービス・商品を発見してもらえる点は、飛び込み営業ならではの強みです。

飛び込み営業で女性も活躍するコツ

飛び込み営業というと男性のイメージが強いかもしれませんが、女性でも十分活躍可能です。むしろ、女性だからこそ営業マンとして活躍できる場面も数多く存在します。

コツ1.女性ならではの繊細さを強みにする

細かな点に気がついたり、ちょっとした違いを感じとったりできる人が多いのが女性の特徴。飛び込み営業でも細かい気遣いを意識すると、相手と良好な関係を築きやすくなります。

コツ2.ロジカルに話す

高圧的、感情的な態度は最も嫌われやすい営業マンの特徴です。たとえ失敗が続いても落ち込んだり怒ったりせず、ロジカルに自分の考えを伝えなければ飛び込み営業で成果を得られません。

コツ3.笑顔で褒め上手になる

男性女性問わず、笑顔には相手の不安を和らげる効果があります。大げさな笑顔や褒め言葉は逆効果ですが、笑顔が素敵な女性に褒められて気分を害する人はまずいません。

コツ4.万が一に備える

素性の知れない相手の家に身一つで乗り込む飛び込み営業は、まったく危険がないとは言い切れません。特に女性であれば、性犯罪被害に遭うリスクが男性以上に高くなります。万が一に備え、対策はしっかりと社内で確認しておきましょう。

飛び込み営業に向いている人

飛び込み営業で成果を出すために、まずはどんな性格や能力を持つ人が向いているのか理解しましょう。

特徴の中にはもともと持っている性格もありますが、経験やトレーニングで後から身につけられるものもあります。向いている人の特徴を参考に、今の自分に足りない部分を少しずつ補っていきましょう。

飛び込み営業に向いている人の特徴

・切り替えが早い人
・営業をゲーム感覚で楽しめる人
・度胸があり強いメンタルを持つ人
・頭の回転が速く機転が利く人
・体力に自信がある人

切り替えが早い人[向いてる人 1/5]

切り替えの早さは、飛び込み営業で成果を出すための大切な要素の一つです。

相手の都合を確認せずに訪問する飛び込み営業は、タイミング次第では門前払いにされることも日常茶飯事。追い返されるだけならまだしも、時に厳しい言葉や心無い言葉を投げられることも珍しくありません。

そのように断られても、すぐに「次!」と気持ちの切り替えをできる人が、飛び込み営業に向いています。断られるたびにいちいち落ち込んでいてはストレスが大きくなってしまうため、ストレスや疲労への対処の上手さが飛び込み営業の秘訣です。

営業をゲーム感覚で楽しめる人[向いてる人 2/5]

辛いはずの営業をゲーム感覚で楽しめる人も、飛び込み営業に向いています。

「飛び込み営業は少しずつレベルアップしていき、ボス(顧客)を攻略するRPG」。このように考えられる人は、断られることすらゲームの攻略に必要な過程として捉えられるため、成長速度が格段に早くなります。

断られて落ち込むのではなく、「この敵に挑むにはまだレベルが足りなかった」といったように、いい意味でバカになれる人が営業として活躍できるでしょう。

度胸があり強いメンタルを持つ人[向いてる人 3/5]

度胸がある人は飛び込み営業に向いています。

飛び込み営業は基本的に自分が行ったことない企業や、会ったことのない人が対象。知らない人が相手だからといって毎回浮足立っていては、数をこなす必要がある飛び込み営業ではとても身が持ちません。

「どんな人が住んでいるのだろう」「断られたらどうしよう」などと考える前に、思い切って訪問する度胸が飛び込み営業では必要です。また、思い切って訪問する度胸はもちろん、クレームに物怖じしないメンタルの強さも欠かせません。

頭の回転が速く機転が利く人[向いてる人 4/5]

頭の回転が速い人や機転が利く人も、飛び込み営業で成果を出せる人の特徴です。

飛び込み営業では、運よく時間をとってもらえたとしても、基本的に断る前提で話を聞いている人がほとんど。少ない時間の中で、一瞬で相手の心をつかむトーク力が飛び込み営業では必要になります。

また、さまざまな断り文句に対しての上手な切り返しも、営業マンとしての必須条件です。「今は忙しいから」「興味がないから」「どうせ〇〇でしょ」と断られて引き下がるのではなく、上手な切り返しで相手の興味を引くのが優秀な営業マンといえます。

体力に自信がある人[向いてる人 5/5]

体力に自信がある人は営業に高い適性があります。

「数撃てば当たる」という考え方の飛び込み営業では、フィジカル面とメンタル面、両方に自信があることが必須条件です。たとえば営業の能力が同じだった場合、一日に100件回る人と50件回る人とで、どちらが多くの成約を獲得できるかは言うまでもありません。

毎日一件でも多く回るため、そして健康を維持して働くため、飛び込み営業では体力がとても重要です。特に、個人営業で在宅率が高まる「雨の日」にこそ頑張れる人が、営業マンとして重宝されます。

飛び込み営業に向いていない人

反対に、飛び込み営業に向いていない人はどんな人なのでしょうか。

向いていない人の特徴を参考に、自分が飛び込み営業として活躍できそうなのかイメージを膨らませてみましょう。その結果自分に向いていないと思ったら、無理をせずに他の職種を探すのも一つの手です。

飛び込み営業に向いていない人の特徴

・人見知りする人
・落ち込みやすい人
・プライドが高く失敗が怖い人
・感情的で冷静な判断ができない人
・まじめな人

人見知りする人[向いていない人 1/5]

人見知りが激しい人には、飛び込み営業は向いていません。

飛び込み営業や電話営業、メール営業などの手法にかかわらず、営業では顧客との「会話」が最も重要になります。そのため、他人の目を気にしすぎて自分の意見を言えない人や、初対面の相手とうまく話せない人が活躍するのは難しいでしょう。

人見知りの激しい人が飛び込み営業で成果を出していくには、コミュニケーションの取り方を見直したり、自分なりの営業スタイルを見つけたりする必要があります。

落ち込みやすい人[向いていない人 2/5]

落ち込みやすく、いつまでも嫌な思い出や失敗を引きずってしまう人は、飛び込み営業の仕事が長続きしないでしょう。

飛び込み営業は成功経験よりも失敗経験のほうが遥かに多いうえ、時には厳しい言葉や心無い言葉を投げられる場合もある仕事です。他人の一言一言を重く受けとめてしまうのは、ストレスや疲労を溜めこむ原因になってしまいます。

失敗経験を反省して次の営業に活かすことは大切ですが、反省のしすぎは自分を苦しめるだけなので注意が必要です。

プライドが高く失敗が怖い人[向いていない人 3/5]

プライドが高すぎるあまり、失敗を恐れて積極的に行動できない人も飛び込み営業には向いていません。

さまざまな営業手法の中でも、飛び込み営業は特に断られる可能性が高い手法です。断られて当たり前の営業手法で、「失敗するのが恥ずかしい」「断られるのはカッコ悪い」といった考えは足枷になります。

飛び込み営業では、恥を捨てて自分から積極的に売り込んでいかなければならないため、人に頭を下げたり失敗を受け入れたりできない人は活躍できないでしょう。

感情的で冷静な判断ができない人[向いていない人 4/5]

感情的で冷静な判断ができない人も、飛び込み営業には向いていないでしょう。

自分の成果が数字にハッキリと表れる飛び込み営業では、調子のいいときも悪いときも、常にモチベーションを維持しなければなりません。

特に、相手の言葉に一喜一憂してしまう人は要注意。たとえば「前向きに検討する」という言葉には、本当に検討してもらえる場合と、遠回しに断っている場合があります。

こうした相手の言葉や一時の成果にとらわれず、1年、2年といった長いスパンで考えることが飛び込み営業で成果を出すコツです。

まじめな人[向いていない人 5/5]

まじめすぎる人も、あまり飛び込み営業には向いていません。

仕事をするうえで「まじめさ」は大切な能力の一つですが、飛び込み営業においてはそれが邪魔になる場合があります。たとえば、何でもかんでも深刻に受けとめ、しっかりと改善策を考えるようなまじめさがその代表例。

「断られたのは自分の伝え方がよくなかった」「褒めたつもりが逆に相手を不快にさせたのかも」などと、あらゆる失敗を自分のせいにする人はいずれ精神的に参ってしまいます。

営業をゲーム感覚で楽しめる人のように、あまりまじめに考えすぎず、遊び心を持って顧客と話すことが飛び込み営業を長く続けるコツです。

飛び込み営業はつらい?楽しいと思えるポイント

つらいイメージがある飛び込み営業の仕事ですが、どのような働きがいがあるのでしょうか。やりがいをもって仕事を続けていくために、自分が仕事に求めるものと飛び込み営業の働きがいを照らし合わせてみましょう。

以下に、飛び込み営業が楽しくなるポイントを3つ紹介します。

断られて当たり前だと思う

最も大切なポイントは、断られて当たり前だと思うことです。

断られるたびに落ち込んでいては精神的に参ってしまうため、「断られてもOK」というぐらいの意気込みで飛び込む営業に臨むほうが長続きします。

「営業マンは契約をとって当たり前」と考える人もいるかもしれませんが、たとえ優秀な営業マンだったとしても100%契約をとれる人はいません。飛び込み営業の仕事を楽しむためには、あまり気負いすぎないことが大切です。

とはいえ、開き直って成果をまったく気にしないのも問題です。断られたことで落ち込んだり、自分を責めたりする必要はありませんが、なぜ断られたのかを分析して次の営業に活かす必要はあります。

1件1件で得た情報を貴重なものにする

契約につながった営業、契約につながらなかった営業にかかわらず、1件1件の営業で得た情報を次に活かすことが飛び込み営業を楽しむコツです。

たとえ契約につながらなかったとしても、失敗の原因の中には契約につながるヒントがあるはず。なぜ断られたのかを分析し、今の自分に足りない部分を少しずつ修正していきましょう。

RPGゲームのようにトライ&エラーを繰り返すことで、着実に営業マンとしてのレベルが上がり、断られる確率が下がっていきます。

失敗を次の営業に活かす例

・「余計なことを話しすぎたから、次はもう少しシンプルに説明してみよう」
・「自分の話ばかりになってしまったから、次は相手の話を引き出すように心がけよう」
・「相手に〇〇だからと断られたら、今度は〇〇と切り返して話をつなげよう」
・「今日は10件しか回れなかった。明日はもっと多く回れるようルートを見直そう」

会話を楽しむ

知らない人との出会いや会話を楽しむ心がけも、飛び込み営業を楽しむコツの一つです。

飛び込み営業に対する苦手意識は、断られるかもしれないという不安や、自分自身の営業スキルへの自信のなさが原因となっています。苦手意識があれば、飛び込み営業の仕事を楽しめなくなるのも当然のこと。

そのため、まずは「自社のサービス・商品を買ってもらう」という結果の部分は考えず、相手との会話を純粋に楽しむよう心がけましょう。会話を楽しむ心がけがリラックス効果をもたらし、良い結果につながる可能性も高まります。

また、飛び込み営業では顧客と長い付き合いになる場合もあります。長期間にわたって良好な関係を維持するためにも、会話を楽しむ心がけはとても重要です。

飛び込み営業を成功させるコツ

ここからは飛び込み営業のコツを訪問前・訪問中・訪問後の3段階に分けて紹介していきます。飛び込み営業を成功させるには、訪問中の立ち振る舞いだけでなく、訪問前後の準備やアフターフォローが大切です。

飛び込み営業に苦手意識がある人は、以下のコツを参考に万全の準備を整えてから営業に臨みましょう。

訪問前にしておくこと

まずは訪問前にしておくことを4つ紹介します。飛び込み営業で成果を出すには、事前の準備が肝心です。行き当たりばったりの訪問は避け、事前にできることはしっかりと準備してから営業に臨みましょう。

  • トークスクリプトを用意しロープレをする
  • 訪問先の情報を調べておく
  • 効率よく回れるようリストを整理しておく
  • 身だしなみを整えておく

トークスクリプトを用意しロープレをする

トークスクリプトを事前に用意しておくと、人と話すのが苦手でも会話の流れを見失わずにテンポよく話を展開できます。トークスクリプトを使ってロープレをし、飛び込み営業の予行演習をするのがおすすめです。

トークスクリプト

顧客との会話の流れや、切り返しトークの内容をまとめた台本のこと。「こう言われたらこう返す」といったようにフローチャート化すれば、あらゆる返答に対応できます。

ロープレ(商談ロールプレイング)

提案する側と提案を受ける側に分かれ、飛び込み営業の仕事を体験する予行演習のこと。予行演習で慣れておくことで、実際の場で慌てずに済みます。

営業マンが自信なさげに話していると、顧客はそのサービス・商品に不信感を抱いてしまいます。堂々と会話できるようにトークスクリプトに沿って話す練習をし、少しでも不安を軽減しましょう。

訪問先の情報を調べておく

飛び込み営業を成功させるためには、入念な下調べが欠かせません。顧客が法人であればホームページからある程度の情報を入手できるため、基本的な企業情報は事前に調べておきましょう。

調べておくべき情報

・業種
・企業規模
・企業の強みと弱み
・企業の課題
・担当者や経営陣の名前
・業界のトレンド
・競合他社の動向

何も調べずに飛び込み営業をしても、「うちのことを何も知らずにきたのか」と相手を怒らせてしまうだけです。顧客がどんな課題を抱え、何を必要としているのか理解したうえで魅力的な提案ができるよう、情報をもとに興味を引く営業トークを考えましょう。

飛び込み営業ではただ自社のサービス・商品を提案するのではなく、顧客のニーズを満たすサービス・商品を提案することが大切です。

効率よく回れるようリストを整理しておく

効率よく回れるよう、訪問先をリスト化して整理しておきましょう。

飛び込み営業では「契約件数=訪問数×成約率」が基本。訪問数が増えれば増えるほど、その分契約件数も増加するため、訪問先を効率的に回れるようにする工夫が重要です。

特に、飛び込み営業の担当にとって移動時間はムダな要素の一つです。たとえば1ヵ月の稼働日が20日で、毎日1時間の移動が発生していた場合には、1ヵ月あたりに移動時間だけで20時間以上の時間を使っている計算になります。

移動時間が多すぎると契約を勝ち取るチャンスが減ってしまうため、なるべく移動時間を減らして効率よく回れるようにしましょう。具体的には、エリアごとに訪問先をリスト化し、狭い範囲で多くの顧客を訪問できるエリアを優先するといった対策が有効です。

身だしなみを整えておく

飛び込み営業を成功させるためには、身だしなみを整えることも重要です。

「人は見た目が9割」という言葉もあるように、第一印象はほぼすべて見た目で決まります。営業マンが清潔感のない人や怪しい雰囲気の人であれば、それだけで顧客は話を聞く気が失せてしまうため、何よりもまずは身だしなみに気を配りましょう。

チェックすべきポイント

・髪やヒゲが伸びていないか
・爪は伸びていないか
・服装にしわや汚れはないか
・装飾品が派手でないか
・体臭が気にならないか

第一印象で好感を持ってもらえるよう、訪問前には毎回必ず身だしなみをチェックしましょう。口臭や香水のにおいなどのように、自分でわかりづらい部分は第3者にチェックしてもらうと安心です。

訪問中に気をつけること

続いて訪問中に気をつけることを5つ紹介します。法人営業、個人営業にかかわらず、いずれのコツも飛び込み営業を成功させるための重要なポイントです。

  • 相手に興味がありそうなことを探す
  • 初めから売り込みをしすぎない
  • キーパーソンを探る
  • 受付を味方につける
  • 次のアポイントはその場で決める

相手に興味がありそうなことを探す

前述したとおり、飛び込み営業の顧客は断る前提で会話している場合がほとんど。いきなり自社のサービス・商品を紹介し始めても会話が弾まない可能性が高いため、まずは相手が興味ある内容を話題にしましょう。

自分が売りたいものではなく、相手が話したいことや興味があることをテーマに会話を進めていけば、こちらの話にも興味を持ってもらえるかもしれません。

つかみトークの例

「デスクに飾ってある写真のワンちゃんは〇〇さんのペットですか?とてもかわいらしいですね」

「玄関にゴルフバックが置いてありましたが、ゴルフがお好きなのですか?」

雑談のネタは相手の名刺やデスク、玄関口などの各所に散りばめられています。置いてあるものから相手の趣味や好きなものを推測し、興味を引くような話から会話をスタートしてみてください。

初めから売り込みをしすぎない

会話の最初からいきなり売り込みをしすぎないのも、飛び込み営業で気をつけるべきポイントの一つです。

「どうしても契約してもらいたい」という気持ちはわかりますが、最初から売り込みを意識しすぎると顧客に警戒されてしまうだけです。一度警戒されればそれを解くのは難しいため、まずは相手と信頼関係を築くことに重点をおきましょう。

また、初回訪問時に門前払いをくらったとしても、しつこく食い下がるのはよくありません。初回訪問時に意識すべきなのは、契約してもらうこと以上に嫌悪感を抱かれないことです。

たまたま訪問のタイミングが悪かった場合や、相手の機嫌が悪かっただけの可能性もあるため、警戒心が少し緩んだ2回目以降に改めて売り込みをしてみましょう。

キーパーソンを探る

飛び込み営業では担当者と会話を進めつつ、キーパーソンを探る必要があります。キーパーソンとは、最終的に契約するか否かを判断する決裁権を持った人のこと。

いくら決裁権のない人と話を進めても、キーパーソンを納得させなければ契約には至りません。最後の最後で商談がダメになっては非効率なので、飛び込み営業ではキーパーソンへのアプローチを意識しましょう。

探し方としては、「訪問先の企業名+部門名+役職名」などのキーワードでネット検索するのが効率的です。一定規模以上の企業であれば、重要な役職に就いている人物のフルネームが出てくるので、そこからキーパーソンを推測できます。

ただし、必ずしも社長や部長が決裁権を持っていると限らない点には注意が必要です。事業の内容や性格によっては、現場に携わる人がキーパーソンになるケースもあります。

受付を味方につける

飛び込み営業ではいかに受付を突破できるかが鍵になります。受付に対しても顧客に接するときと同じような態度を心がけ、好印象を抱かせましょう。

顧客の前だけ愛想よく振る舞い、受付に対してはぶっきらぼうな態度をとるような営業マンは最悪です。急な訪問によって余計な業務を増やしているのですから、自分に対応してくれた受付に対してこちらも紳士的な対応を心がけましょう。

受付に好印象を持ってもらえれば、キーパーソンが帰ってくる時間や好みの傾向など、営業に活かせる情報を提供してくれる可能性が高まります。また、1回目の訪問ではキーパーソンに会えなかったとしても、2回目の訪問では取り次いでもらえるかもしれません。

次のアポイントはその場で決める

確実に契約してもらうためには、次のアポイントの日時をその場で確定させるのが肝心です。

飛び込み営業では、顧客と信頼関係ができる前に契約してもらえるケースは稀です。そのため初回訪問時に返事をもらうのではなく、2回目以降に改めて返事を聞くほうが契約してもらえる可能性は高まります。

後日改めて商談の場を設けることで相手は話を聞く準備ができ、さらに営業側としても相手のの情報をより多く集められるメリットがあります。

アポイントをとる際は、「用があれば連絡するよ」「また適当に寄ってよ」という言葉に要注意。こうした言い回しは断り文句の可能性が高いため、言葉通りに再訪問すると門前払いにされかねません。

遠回しに断られた場合は、「○日の○時頃はいかがでしょうか」といったように、相手任せにせずこちらから次回訪問の日時を提案することが大切です。

訪問後にすべきこと

最後に、訪問後にすべきことを2つ紹介します。

契約につながったからといって浮かれたり、つながらなかったといって落ち込んでいる暇はありません。契約や次のアポイントの有無にかかわらず、今後顧客との関係を維持・構築するためのアフターフォローが大切です。

  • お礼の連絡を入れる
  • 数と質について振り返りをする

お礼の連絡を入れる

営業ののちに次のアポイントがとれたら、なるべくその日中にお礼の連絡を入れましょう。いきなりの訪問に対し、きちんと対応してくれたことに感謝の気持ちを伝えておくと、その後の信頼関係構築につながります。

特に、最初の対応は営業マンへの印象に直結しやすいため、初回訪問後のお礼メールは非常に大切です。「お忙しい中時間を割いてくださってありがとうございます」など、話を聞いてくれたことに対してお礼と感謝の気持ちを伝えましょう。

また、アポイントがとれなかった場合でも、関係を維持しておきたい相手には定期的に連絡を入れるのがおすすめです。迷惑にならないくらいの頻度で連絡を続けておけば、相手に需要ができたときに自社を選んでもらえる可能性が高まります。

数と質について振り返りをする

飛び込み営業の後は、必ず営業の数と質について振り返りをしましょう。企業や個人宅への訪問経験を積み、良かった点と悪かった点を毎回振り返っていけば、少しずつ営業スキルが向上していきます。

振り返るべきポイント

・今日の訪問数は適切だったか
・なぜ話を聞いてもらえなかったのか
・断り文句にどう切り返せばよかったのか
・なぜ契約につながらなかったのか
・なぜ次のアポイントがとれなかったのか

振り返りをして営業の質を上げていくには、訪問数そのものを増やしていく必要があります。訪問数が増えれば改善すべきポイントが見つかりやすくなるうえ、獲得できる見込み顧客や契約の数も増えていきます。

そのため飛び込み営業に慣れていない人や、苦手意識のある人は、まずは「訪問数を増やす」ことを目標にしてみましょう。

飛び込み営業で使えるつかみのトーク

顧客との間に接点がない状態でアプローチをかける飛び込み営業では、とにもかくにも初めの言葉が肝心です。「少し話を聞いてみてもいいかも」と思ってもらえるよう、相手の興味を引くようなつかみトークを心がけましょう。

ここでは飛び込み営業で使える3つのつかみのトークを、具体的な例とともに紹介します。

まずは配慮の言葉をかける

サービス・商品の紹介や雑談を始める前に、まずは配慮の言葉をかけましょう。いきなり営業の話を始めてしまうと警戒心を持たれてしまいますが、配慮の言葉をかけて会話をスタートさせれば、相手の気持ちを和らげることができます。

例)

・「お忙しいところ申し訳ありませんが」
・「ご都合がよろしければ」
・「ご面倒でなければ」
・「朝早くから申し訳ありませんが」
・「差し支えなければ」

飛び込み営業では、相手が忙しいタイミングでの訪問になってしまうケースも珍しくありません。そういった場面できちんと相手の状況を思いやり、不快な気持ちにさせないのが配慮の言葉をかける目的です。

偶然を思わせる

飛び込み営業に来たことを偶然だと思わせるのも、効果的なつかみトークの一つです。偶然を思わせることで、顧客を「自分のためにサービス・商品を提案してくれている」という気持ちにさせられます。

例)

・「たまたま御社の前を通ったら素敵な看板が目に入って」

・「素敵な雰囲気のオフィスだったので」

・「印象的なデザインの住宅だったので」

訪問が偶然だと思わせる必要があるのは、一件一件徹底的に営業をかける「ローラー作戦」だと悟られないためです。ローラー作戦は効果が期待できる営業戦略の一つですが、顧客には悪い印象を持たれやすい戦略でもあります。

「他の営業のついでに来ただけか」と考えさせないのが、訪問が偶然だと思わせる主な目的です。

質問をする

会話を発展させるコツは、初めから自分の話をするのではなく相手に話をさせることです。自分との共通点や、相手が興味を持っていることを質問してみると、自ずと会話が発展していきます。

飛び込み営業のようにまったく接点がない相手と話す際は、「て・き・に・ち・か・し」を会話のきっかけにするのがおすすめです。

て:天気

「急に寒くなってきましたね」

き:近況

「私も〇〇さんの息子さんと同じくらいの年齢の息子がいるんです」

に:ニュース

「〇〇のニュースをご覧になりましたか?」

ち:地域

「この間オープンしたアウトレットモールにはもう行きましたか?」

か:身体

「とてもお肌が綺麗ですね。どんなことに気をつけているのですか」

し:趣味、仕事

「ゴルフがお好きなのですね。どれくらいの頻度で練習されているのですか?」

相手が興味を持ちそうな話題は、オフィス内や玄関先などの目に付く場所から探ってみましょう。置いてあるものから、好みの傾向を推測できます。

飛び込み営業にチャレンジしてみたいなら優良企業を探そう

時代遅れと言われることもありますが、飛び込み営業はまだまだ効果的な営業手法の一つです。優秀な営業マンとして活躍するために、今回ご紹介した飛び込み営業のコツや、相手の興味を引くつかみトークをぜひ参考にしてみてください。

成果がわかりやすい飛び込み営業の仕事がつらいと感じる人は多いと思いますが、考え方によってはつらさを楽しさとして捉えることもできます。失敗が続いて落ち込むのではなく、「失敗によってまた一つ成長できた」と何事もプラスに考えていきましょう。

また、販売するサービス・商品の種類や企業によっては、ブラックな職場環境で働かされる危険性がある点についても理解しておきましょう。飛び込み営業にチャレンジしてみたいなら、まずは健康的に働ける優良企業を探すことが大切です。

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高藤 薫キャリアアドバイザー
株式会社ジェイック:キャリアコンサルタント|就活情報、お役立ち面白情報を発信|就活YouTube「ジェイック就職カレッジ®」配信中|資格:キャリアコンサルタント・ポジティブ心理カウンセラー・7つの習慣®︎ファシリテーター