フォークリフトを使った仕事には何があるのか、と思っている方も多いのではないでしょうか?フォークリフトを使った仕事とひとことでいっても、いくつかの仕事があります。なぜなら、フォークリフトの種類も複数あり、それぞれ役割が違うからです。
こちらの記事では、フォークリフトを使う仕事や向いている人について解説しています。
フォークリフトを使う仕事について理解でき、就職を有利に進めることができる内容になっています。是非最後までご覧いただき、ご自身の就職活動に活かしてみてください。
この記事の目次
フォークリフトを使う仕事とは
フォークリフトを使う仕事とは、「人の手では積み下ろしや運搬ができない荷物を、専用の爪を備えた荷役自動車を使用して運ぶ」仕事のことを指します。フォークリフト免許は国家資格で、原則、18歳以上であれば取得が可能です。
フォークリフトを運転する人は「フォークリフト運転士」「フォークリフト技術者」「フォークリフトオペレーター」などと呼ばれます。フォークリフトを使った作業がメインの仕事もあれば、複数の業務のなかにフォークリフトの業務が含まれているケースもあります。
フォークリフトを使う仕事3選
フォークリフトを使う仕事の主な業務を、3つご紹介します。
仕事1:荷物をトラックなどに積む
フォークリフトを使用し、トラックの荷台や船、物流倉庫の棚などに荷物を積みます。基本的には、人の手で運ぶことができない重さや形状の荷物などを積む際に、フォークリフトを使用することが多くなっています。
たとえば、以下のような荷物を、フォークリフトで積むことが可能です。
- ドラム缶
- 尺が長いもの(パイプなど)
- 筒状のもの(丸太など)
- 幅が広いもの(コンテナなど)
- 袋物(食料品や繊維など)
- 飲料などが入ったパレット
- ガラ物・バラ物(レンガや砂利など)
フォークリフトを使用することで安全に、効率的に荷物を積むことができます。
仕事2:荷物をトラックなどから降ろす
届いた荷物を降ろす作業です。「仕事1」で紹介したような荷物を、フォークリフトを使って降ろしていきます。
仕事に取り組む際には、時間を意識して荷物を降ろすことが求められます。その後の作業に支障が出ないよう、フォークリフトを使って荷物を降ろす際には、安全に配慮しながらも時間内に終えられるよう、効率的に作業をすることが必要になるためです。
仕事3:荷物の移動
荷物をフォークリフトを使って運び、決められた場所まで移動します。たとえば、工場で使う材料や原料、物流倉庫に保管する商品などを、所定の位置まで運んだりします。
実際に荷物を載せてフォークリフトを操作することになるため、「仕事1」「仕事2」と同じく、安全に作業をすることが何より求められます。一歩間違えば事故につながりかねないため、高い集中力が求められます。
フォークリフトにも種類はある
フォークリフトの主な種類と、それぞれの特徴について解説します。
種類1:カウンターバランスフォークリフト
もっとも一般的なフォークリフトで、多くの現場で使用されているタイプです。ハンドルを操作し、座った状態で運転をします。
フォークが前面にあり、後方に重りがあるためバランスがよく、屋外、平らな路面や多少の段差がある場所などでの運転に適しています。走行やツメの上昇速度が速く、効率的な作業が可能です。ただし、狭い場所での作業には適していません。
種類2:リーチフォークリフト
立って運転するタイプのバッテリー式のフォークリフトで、主に倉庫や工場などの屋内で使われています。コンパクトで使いやすい、操作がしやすいという特徴があります。主にレバーやペダルを使って操作します。
小回りが利きやすいため、荷物が多い場所、狭い場所などで重宝されているフォークリフトです。
種類3:オーダーピッキングトラック
荷台と運転席が連動しているため、オペレーターととともに昇降するフォークリフトです。主に、屋内の高い場所で作業をする際に使われています。たとえば、物流倉庫で高い場所のピッキングなどを実施する際に活躍しています。
高い場所で作業をするため、オペレーターは必ず安全ベルトをつけてワイヤーにつなぎ、事故などへの対策をしたうえで行います。
種類4:サイドフォークリフト
サイドフォークリフトは、車体の横に荷台がついたフォークリフトです。主に長尺物を運び、パイプや木材などを運ぶ際に使われます。そのため、そこまで一般的な知名度のあるフォークリフトではないかもしれません。
車体が長めで、横に走行するため、長いものを載せても安定的かつ、安全に走行できるような仕様になっています。
種類5:ハンドリフト
ハンドリフトは、折りたたまれたテーブルやフォークを昇降させるタイプのフォークリフトで、最大積載量は種類によって異なります。荷物の積み下ろしや、階段などで作業する際に使われます。
唯一、免許がなくても使用できるタイプであることも特徴です。そのため、倉庫や工場勤務の場合、ハンドリフトを使った作業が含まれているケースもあります。
フォークリフトを使った仕事の魅力とは
フォークリフトを使う仕事には、ほかの仕事にはないやりがいやメリットがあります。フォークリフトを使う仕事ならではの魅力について、解説します。
魅力1:未経験でも始めることが出来る
「就職には資格があると有利」と言われることがあります。しかし、せっかく資格を取って働こうと思っても、実務経験がないと応募できないケースがあります。しかしフォークリフトの場合、実務経験がなくても免許があれば採用されることが多くなっています。
主に「製造スタッフ」「土木・建築系」「倉庫・物流系」などの仕事で、求人情報内に「フォークリフト免許があれば尚可」などと記載されていたり、「フォークリフトを使用した作業」と書かれているケースが多くなっています。
また、フォークリフトを業務で使う仕事で、現段階で免許を持っていなくても、免許取得の支援をしてくれる会社もあります。正社員として就職し、支援を受けながら免許を受けられるという点で、現時点で免許がない人にもチャンスがあります。
現場に入ればどんどん経験を積んでいくことができるため、フォークリフトを使う仕事は、学歴・職歴に自信がなくてもスキルを身につけやすい仕事ともいえるでしょう。
魅力2:腕力がなくても大丈夫
フォークリフトを使う仕事というと、力に自信がある人でなければできないのではないか、という印象を持つ人も多いかもしれません。しかし実際には、フォークリフトは重いものの積み下ろしや移動ができるため、フォークリフトを操作するだけであれば、作業自体に強い力は必要ありません。
一般的には、フォークリフトは男性が操作していることが多いというイメージがありますが、実際の現場では、女性も活躍しています。
また、力に自信がなくても免許があれば仕事ができるため、年齢を重ねても仕事を続けていけるという点も魅力です。
魅力3:やりがいのある仕事
フォークリフトの運転は地道な仕事ではありますが、実務経験を積んでいくうちに上達していき、手ごたえを感じやすいといえるでしょう。自分なりに効率化を考えたり、正確にミスのない運転ができるようになったりすると、やりがいを感じられます。
ルールを守ること、安全に注意することはもちろんですが「こうすればもっとよくなるかも」と考えて行動できるため、特に「自分で手を動かしたい」「現場で働いていたい」というタイプの人は、仕事のおもしろさをダイレクトに感じやすいといえるでしょう。
魅力4:給料のアップがある
一般的に、工場や物流倉庫、土木現場などでの非正規雇用の仕事は、そこまで時給が高くない求人も少なくありません。しかしフォークリフトの免許を持っている場合、時給の相場の目安が1300円以上と、一般的な時給よりも高くなっています。事情があってすぐに就職することが難しい場合は、通常より割のいいアルバイトとして稼ぐこともできます。
また、正社員であれば、さらなる給料アップが見込めます。フォークリフトを使う作業がある現場の場合、従業員に免許を取得してもらったほうが仕事の幅が広がり、企業にもメリットがあります。
そういった職場では、就職後にフォークリフト免許を取得すると給料が上がるのが一般的です。安定した環境で働きたい人は、まずは正社員就職をして、フォークリフトの免許取得をするのも手です。
魅力5:求人数が安定している
「魅力1」でも触れましたが、フォークリフトを使う現場は一定数、常にあります。フォークリフトを運転できる人を求める求人も、以下のように幅広くなっています。
- 工場
- 物流倉庫
- 林業
- 土木・建設
- 港
- 駅
- 空港
たとえば工場でライン作業などの仕事をする場合、工場ごとにマニュアルやルールが違うことも多いため、転職した際に前職での経験があまり活かせない、ということも人によってはあります。
一方でフォークリフトを使う仕事の場合、よく使われる「カウンターバランスフォークリフト」と「リーチフォークリフト」の2種類の運転ができれば、型が異なるフォークリフトでも運転することが可能です。
そのため、一度フォークリフトの免許を取っておけば仕事に困りにくく、転職も比較的しやすくなるというメリットがあるのです。
フォークリフトを使った仕事に向いている人
フォークリフトを使った仕事に適性がある人について、ご紹介します。
運転や操作が好きな人
もっとも大切な要素といえます。フォークリフトを使った仕事は、いわゆるデスクワークなどとは真逆の仕事になるため、向き不向きが大きい仕事です。機械の運転や操作が好き・自分から積極的に操作を覚えようとする人でなければ、やはり難しいでしょう。
前述の通り、フォークリフトの免許自体は、18歳以上であれば誰でも取ることができます。また、自動車免許がない人でも取得ができます。しかし、運転や操作に苦手意識がある人は、仮に免許を取れたとしても仕事が長続きしない可能性が高いでしょう。
安全に配慮して仕事が出来る人
フォークリフト免許の取得自体はそこまで難易度が高いものではありませんが、危険と隣り合わせの仕事であることは間違いありません。時には1トン以上の荷物を運搬することもあり、万が一荷物が落下したり操作ミスをしたりすれば、大事故につながるからです。
限られた時間のなかでも安全第一を心がけ、慣れてきても決して油断することなく、毎回慎重に仕事に取り組む姿勢がある人は向いています。
正確な作業ができる人
フォークリフトを使って運んだり、積み下ろしをしたりする商品は、実際に店頭に並んだり、取引先が使用したり、お客さんのもとに届けたりするものも多くなっています。そのため、いくら機械で運ぶからといって雑に扱うと、傷やへこみ、破れ、汚れなどにつながってしまうこともあります。
破損などを避けるのはもちろんのこと、細かなミスなどにも注意しながら、扱う商品を大切に運搬することが求められます。
フォークリフトを使った仕事の注意点
最後に、フォークリフトを使う仕事をする際の注意点を3つ、ご紹介します。フォークリフト免許は比較的取りやすい反面、命の危険がある仕事でもあるため、働く際は安全を最優先に行動しましょう。
注意点1:気温の問題
フォークリフトを使う仕事は基本的に現場です。オフィスビルのように冷暖房が完備されていないことが多かったり、屋外の暑い・寒いなかで長時間の運転をするというケースも多くなっています。
気温の差が激しい現場で働く場合は特に、風邪や熱中症、または自律神経のバランスなどを崩してしまわないよう注意が必要です。衣類で体温を調整する、食事や睡眠をしっかり取るなど、フォークリフトを使う仕事をするうえでは、健康を保つための日々の工夫は欠かせないでしょう。
注意点2:荷物や設備の破損があり得る
どんな仕事でもミスがゼロということはありませんが、フォークリフトを使う仕事の場合、ミスをすることが「商品や設備を壊してしまう」という目に見える損害につながってしまうケースも多いものです。
フォークリフトでの物損事故は、建物や設備の破損・荷物の破損の2つが主です。会社側が火災保険や動産総合保険などに加入していることでリスクを軽減できますが、自分のミスで荷物や設備を壊してしまうことがあると、わざとではないにしても、やはり「申し訳ない」という気持ちになりやすいでしょう。
注意点3:フォークリフトの人的事故がある
厚生労働省「労働災害統計」によると、2020年にフォークリフトの使用中に起きた労働事故の件数は1989件で、うち31件が死亡事故であるというデータが出ています。
機械や重い荷物を扱うという仕事柄、事故のリスクはゼロにはなりません。もっとも怖いのが、人に関する事故です。ちょっとした不注意が、取り返しのつかない事故になってしまうこともあるのです。運転者本人が常に注意を払うことはもちろん必要ですが、会社の安全管理がずさんになっていたというケースも残念ながらあります。
フォークリフトを使う仕事で就職を考えている人は、会社の安全管理体制や、安全のための研修や指導をどの程度受けられるかなども、事前にチェックしておきましょう。
まとめ
フォークリフトを使う仕事についてご紹介しました。入社後に免許の取得支援をする会社も多いため、未経験からの就職でも比較的チャレンジしやすいといえます。ただしリスクを伴う仕事であることは間違いなく、本当に責任を持って仕事に取り組めそうか、自分の適性を考えて検討することをおすすめします。
「自分に向いてる仕事が知りたい」「未経験から社会人として活躍したい」という人は、ぜひ弊社ジェイックのキャリアアドバイザーへご相談ください。
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