ゲームに関わる仕事とは何か、と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
実は、ゲームに関わる仕事は多く存在します。なぜなら、ゲームには音楽や映像などさまざまな要素が必要で、そのぶんだけ仕事もあるからです。
この記事では、ゲームに関わる仕事や必要なスキル/やりがいについて解説しています。
最後までご覧いただくことでゲームに関わる仕事について知ることができ、ゲーム業界に就職したい方のヒントとなる内容になっていますので、気になった方は是非参考にしてみてください。
- ゲームに関わる仕事とは、ゲームの企画・制作・開発に携わる仕事のこと
- 「ゲームに関わる仕事10選」で、仕事内容・向いている人・注意点・平均年収を紹介
- ゲームに関わる仕事に就く方法は「独学」「専門学校」「未経験OKの職種から挑戦」
ゲームに関わる仕事とは?
ゲームに関わる仕事とは、ゲームの企画・制作・開発に携わる仕事のことを主に指します。ゲームに関わる仕事のクリエイティブ系職種を総称して「ゲームクリエイター」と呼ぶこともあります。
ゲームの原案やコンセプトを考える人もいれば、プログラミングを担当する人、予算やスケジュール管理をする人、デザインをする人、不具合を修正する人などさまざまです。
一方、直接ゲームの制作には携わっていなくても、ゲーム会社の事務、営業、宣伝・広報などの職種も、会社を支えたり自社のゲームを広める役割を持つという点では、これらもゲームに関わる仕事といえます。
ゲームに関わる仕事10選
ゲームに関わる仕事のうち10職種を、「仕事内容」「向いている人」「注意点」「平均年収」とともにご紹介します。ゲームに関わる仕事がしたいと考えている方は、自分の適性や、目指すうえで何が必要かなどの参考にしてみてください。
仕事1:ゲームデザイナー(プランナー)
シナリオライター、ゲームディレクターと兼ねるケースもあります。ゲームの企画を考えるのが主な役割で、世界観やシステム、キャラクターなどの基本設計をし、仕様書などに沿って指示を出します。発想力豊かな人、人の間に立つことが得意な人に向いています。
注意点としては、ゲームに関わる仕事で経験を積まないとなることができない点です。また、プログラミングやデザインなどの専門知識・技術も欠かせません。
平均年収:400~500万円(デジタルアーツ東京「ゲームデザイナーになるにはどうするべきか」)
仕事2:ゲームプログラマー
プログラミング技術を駆使し、ゲームのキャラクターに動きをつけていくのが主な仕事です。プログラミングが得意な人、細かい作業が好きな人に向いています。
注意点としては、プログラミングの技術・知識が一定以上ないと就職・転職は難しい点です。多くの場合は学校や独学で学ぶなど、なんらかの事前準備が必要になります。
平均年収:498万円(求人ボックス給料ナビ「ゲームプログラマーの仕事の年収・時給・給料」)
仕事3:ゲームディレクター
いわば「現場監督」の役割で、全体のマネジメントをする仕事です。企画段階から携わり、スタッフを管理し、スケジュール通りに進行できるよう調整をしていきます。人をまとめるのが得意な人、ものごとを俯瞰で見られる人に向いています。
注意点としては、ゲームデザイナー同様、経験を積まないとできない仕事である点です。多くの人と関わるため、専門分野だけに特化したいという人には不向きです。
平均年収:400~700万円(CREATIVE VILLAGE「ゲームディレクターとは?仕事内容と求められるスキル、年収まで徹底解説!」)
仕事4:ゲームデバッガー
テスターとも呼ばれます。ゲームを実際にプレイし、不具合やバグなどを発見・報告するのが主な仕事です。ゲームプログラマーがデバッガー業務を兼ねることもあります。細かいことによく気が付く人、黙々と作業をすることが得意な人に向いています。
注意点としては、正社員求人が少ない点です。アルバイト採用がほとんどのため、就職・転職を目指す人には不向きです。ただし、チームリーダーなどの経験を経れば、正社員登用制度がある職場もあります。
平均年収:456万円(MidWorks「ゲームテスターとは|平均年収・オススメの資格・現状・将来性」)
仕事5:シナリオライター
ゲームのストーリー構成やキャラクターの設定・セリフなどを考える仕事です。各キャラクターの特徴を把握し、修正などにも対応していきます。表現力豊かな人、臨機応変に対応できる人に向いています。
注意点としては、求人自体が少ない点です。シナリオの基礎があることは前提として、ゲーム特有の世界観を理解できる人、ゲームが好きな人でなければ難しいかもしれません。
平均年収:300~500万円程度(CREATIVE VILLAGE「ゲーム業界のシナリオライターになるには?仕事と年収を知る」)
仕事6:サーバーエンジニア
サーバーの構築・設計、ユーザーのプレイデータの管理や保守・監視などを担当する仕事です。ゲームそのものの開発に携わるわけではありませんが、必要不可欠な職種です。縁の下の力持ちのような役割が好きな人、コツコツとした作業が得意な人に向いています。
注意点としては、ネットワークの運用・保守点検の経験がないと厳しい点です。まずは別業界でキャリアを積み、ゲーム業界へ転職するという選択肢もあるでしょう。
平均年収:467万円(doda「平均年収ランキング(165職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」)
仕事7:CGデザイナー
CG技術を駆使し、ゲームのキャラクターや背景、建物などを立体的にしていきます。色の貼り付けや光を当てるなど、よりリアルな仕上がりにするための作業をしていきます。コミュニケーション力がある人、デッサン力などに長けている人に向いています。
注意点としては、CGデザインの技術・知識が必須であるという点です。具体的には、Mayaや3dsMaxなどのツールを使える状態になければ難しいでしょう。
平均年収:400~500万円程度(honnne.biz「【職種】ゲームCGデザイナーが明かす仕事の本音」)
仕事8:サウンドクリエイター
ゲームで使われる効果音やテーマ、BGMなどの音の制作をする仕事です。音源は、主にコンピューターを使用して制作していきます。作曲が好き・得意な人、アイデアが豊富な人に向いています。
注意点としては、一人で多くの曲数を担当することも多いため忙しくなりがちな点です。専門学校などで曲作りの基礎を学んでいないと、仕事としてやっていくのは難しいかもしれません。
平均年収:300~600万円程度(CREATIVE VILLAGE「ゲーム業界のサウンドクリエイターとは?仕事と年収を知る」)
音楽の仕事を知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
仕事9:エフェクトデザイナー
ゲーム内の演出のための視覚効果をデザインする仕事です。たとえば、水や炎、雷などのシーンを視覚で伝え、ゲームを盛り上げる役割を持ちます。細部にまでこだわることが得意な人、集中力がある人に向いています。
注意点としては、CGデザイナー同様、専門知識やツールなどの操作ができないと厳しい点です。学生時代から専門的に学び、エフェクトを作れるレベルでないと難しいでしょう。
平均年収:478万円(求人ボックス給料ナビ「エフェクトデザイナーの仕事の年収・時給・給料」)
仕事10:インフラエンジニア
前述の「サーバーエンジニア」は、サーバーに特化したエンジニアですが、インフラエンジニアは、要件定義やサーバーの選定なども含む、インフラ全般の業務を担当する仕事です。専門知識がある人、コツコツと作業をすることが得意な人に向いています。
注意点としては、データベースやミドルウェアなど幅広い知識が求められる仕事である点です。トラブルシューティングなど、アクシデントに対応するのも仕事のひとつです。
平均年収:666.6万円(アイティーエム「インフラエンジニアの将来性や年収、関連性のある資格や求められるスキルを解説」)
ゲームに関わる仕事に必要なスキル
ゲームに関わる仕事に必要なスキルを、7つご紹介します。仕事で必要な専門的なスキルのみならず、コミュニケーション能力や論理的思考力など、どんな仕事にも共通するスキルも必要になることを理解しておきましょう。
スキル1:ゲームの仕事で使うツールを使いこなす能力
ゲームに関わる仕事に就く場合、どのような職種で働くにしても、何かしらの専用ツールを使用して仕事をするケースがほとんどです。たとえば、Photoshop、illustrator、Maya、Unity、3dsMaxなどです。入社したゲーム会社や担当する職種によって使用するツールは異なり、複数のツールを使うことも多くなっています。
基本操作や知識はもちろんのこと、イレギュラーなケースにも対応できるようでないと、ゲーム業界で仕事をしていくのは厳しいでしょう。
スキル2:プログラミングスキル
プログラマーやエンジニアなど、ゲーム制作・開発にプログラミングスキルは欠かせません。プログラミングに苦手意識がある人は、ゲームに関わる仕事は厳しいでしょう。
また、ゲームディレクターなどを目指す場合でも、プログラミングの知識は求められます。プログラミングの知識がないと、実際にゲーム制作や開発に携わる人たちの立場や気持ちがわからず、チームがうまくいかないことにもなりかねないからです。
プログラミングの仕事を知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
スキル3:企画能力
ゲームデザイナー(プランナー)の仕事に欠かせないのが企画力です。優れたアイデアや、人々を楽しませる発想はもちろん大切ですが、優れた企画をするためには、時代の流れやニーズ、流行しているゲームの分析など、さまざまな要素が必要です。
ヒットするゲームには意外性があったり、人をのめり込ませるようなストーリーや仕掛けなどが多かったりします。日々アンテナを張り、どんなゲームが求められているのか考えておく必要があるでしょう。
スキル4:コミュニケーション能力
職種を問わず共通して求められる能力です。ゲームの仕事というと「ひたすらパソコンに向かって作業をする」というイメージを持つかもしれませんが、実際にはミーティングやメンバーのやりとりも多くなります。
気持ちよく働けるような声かけや、現状の共有、相談などができれば、仕事もスムーズに進んでいきます。よいゲームをつくり上げるためにはひとりよがりにならず、周囲と協力し合う姿勢が欠かせないでしょう。
コミュニケーションについて知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
スキル5:マネジメント能力
ゲームの仕事で経験を積んでいくと、ディレクターやチームリーダーを任されるなど、全体をまとめる立場になっていきます。各メンバーの進捗に気を配り、スケジュール通りに進められるよう管理・指示をしていくことが求められます。
いわゆるプレイヤーとマネジメントでは求められる能力が異なるため、人によっては苦手だと感じるかもしれません。しかし、マネジメントが上手にできるようになれば、ゲームの仕事を俯瞰で見られるようになり、より大きな成果を出すことにもつながります。
スキル6:論理的な思考能力
ゲームの企画や開発は、「感覚」だけではうまくいきません。論理的に「こういう根拠があるから、この企画は成功する」と人を説得したり、自分のなかで論理的な思考を落とし込んでいたりすることは、よいゲームをつくるために必要だからです。
いわゆる「ロジカルシンキング」は、多くの仕事で必要とされる能力です。ゲームの専門知識・スキルのみならず、ビジネススキルとしても身につけておくとよいでしょう。
スキル7:創造力/忍耐力
人を楽しませたり、驚かせたりするようなアイデアは、すぐには生まれません。自分でもいろいろなゲームをプレイしたり、日常生活からヒントを得たり、さまざまな場所へ行くなどの経験をするなかで、創造力が磨かれていきます。
また、ゲームの企画から販売までには、数年間を要することも珍しくありません。長期間に渡る作業や度重なるアクシデントなどにもめげることなく、最後までやりきる忍耐力も大切な要素です。
ゲームに関わる仕事のやりがい
ゲームに関わる仕事をするなかで感じられるやりがいについて、ご紹介します。
やりがい1:ゲームが完成したときの達成感
長い工程を経て制作に関わったゲームが完成し、世の中に出せる状態になったときの達成感は、何よりのやりがいです。ひとつのゲームができるまでには、職種に関わらず、多くの人が相当の時間と労力を費やしています。
大きな仕事をやり終えたという満足感と、これから自分たちが手をかけたゲームが世の中に発表されるのだという喜びは、何にも代えがたいでしょう。
やりがい2:携わったゲームが実際に売られる(世に出る)
仕事で携わったゲームは、ゲームソフトやゲームアプリとして世の中にリリースされます。ゲームソフトの場合、発売前から話題のゲームであれば事前予約が殺到したり、発売後に人気になれば多くの人が買い求めてくれます。ゲームアプリの場合はダウンロード自体は無料でも、課金できる仕組みになっていることが一般的です。
「自分たちがつくったものを、お金を出して買ってくれる人がいる」という点で、仕事の醍醐味を感じられます。ゲームの売上が好調ならば、昇給・昇進やボーナスなどに影響することもあるでしょう。
やりがい3:ユーザーの意見が聞ける
ゲームの場合、ユーザーからの生の意見が入ってきやすい側面があります。たとえば以下のような方法で、ユーザーの意見を聞く機会があることが考えられます。
- 会社に届いた意見
- インターネット上のレビュー・クチコミ
- SNS上の感想
- YouTube(ゲーム実況、ゲーム紹介のチャンネルなど)
- 芸能人や著名人による紹介(お気に入りのゲームとして)
直接会うことはなくても、ユーザーの率直な意見を聞けることで励みになったり、今後のゲームづくりの参考になったりもします。特にSNSはリアルタイムで最新の感想が投稿されるため、反応を見る目安にしやすいでしょう。
ゲームに関わる仕事に就く方法
最後に、ゲームに関わる仕事に就くための3つの方法をご紹介します。本気でゲームの仕事に就きたいという方は、自分に合った方法を検討してみましょう。
方法1:独学で専門スキルを身につける
独学で、ゲームプログラミングのスキルを身につけることはできます。実際に、独学で学んでゲームを自作できるようになった人も少なくありません。基本的には、パソコン、インターネット環境、開発ツールの3つがあれば、ゲームをつくることは可能です。
たとえば、実際にゲーム業界でも使われている有名なゲームエンジンに「Unity」があります。書籍やYoutubeなどの解説動画なども参考に、こういったツールを使ってゲームをつくる経験をしてみるのもひとつの方法です。
ただし、独学が向いているかどうかはその人の適性によります。「自分ひとりで取り組むのは難しそうだ」と感じたら、挫折する前に別の方法を考えたほうがよいでしょう。
方法2:専門学校に通う
ゲームを学べる専門学校へ通い、専門技術を集中的に学ぶ方法です。2~4年制のところが多く、プログラミングやデザインなどの学科・コースに分かれているのが一般的です。卒業生が多数活躍していたり、ゲーム業界への就職実績が強い専門学校もあります。
専門学校で学ぶことで、基礎をしっかりと身につけることが可能になります。夜間部もあるため、働きながら通うこともできます。学校選びは慎重に行う必要がありますが、本気でゲームに関わる仕事がしたいという人は、進学もひとつの選択肢といえるでしょう。
注意点としては、金銭面です。専門学校は数百万円程度の学費がかかることもあるため、学費をどうするかは必ず考えておかなければいけません。親に支援してもらう、貯める、奨学金を借りるなど、いずれにしても、負担になりすぎないような方法を選びましょう。
方法3:未経験でも可能な職種から挑戦する
たとえば、今回ご紹介したゲームデバッガーの仕事は、アルバイト募集がメインです。ゲーム業界を目指す学生や「とにかくゲームに関わる仕事をやってみたい」という人にとっては、よい経験になるでしょう。
一方で、ゲームの「企画・制作・開発」に携わる仕事の場合、まったく経験がなければ就職・転職は難しいでしょう。新卒であっても完全なポテンシャル採用は少なく、すでに一定の技術・知識を持つ学生を採用しているケースが多く見られます。
ただし、他業界から転職できる可能性はあります。たとえば、Web業界でITエンジニアの仕事をしていて、そこでの実績や経験を評価されゲーム会社に転職、というケースは考えられます。この方法ならば、既卒や第二新卒などにもチャンスがあります。
簡単なことではありませんが、まずはITエンジニアとして経験を積み、そこからゲーム業界を目指すというキャリアもあるということは知っておきましょう。
まとめ
ゲームに関わる仕事は専門職がほとんどのため、仕事に必要なスキル・知識が最低限ないと難しいでしょう。しかし、たとえばエンジニアとしての経験を積んでから転職など、他業界・他職種から、ゲームに関わる仕事に就くことができる可能性はあります。ゲームに関わる仕事がしたい人は、現時点でできることはどんなことか考え、目標へ向けて行動していきましょう。