
ゲームに関わる仕事は多岐にわたり、ゲームの企画・制作・開発には様々な専門職が存在します。例えば、ゲームデザイナーは企画やルールを設計し、ゲームプログラマーはそれを実現するプログラムを書きます。CGデザイナーはキャラクターや背景を制作し、サウンドクリエイターは効果音やBGMを作ります。
未経験からゲームテスターなどの職種に挑戦する方法や、ITエンジニアとしての経験を活かしてゲーム会社に転職する道も考えられます。
ゲームに関わる仕事に関心がある方は、まずはどのような仕事があるのかを知り、必要なスキルを理解することから始めると良いでしょう。
- ゲームに関わる仕事とは、ゲームの企画・制作・開発に携わる仕事のこと
- 「ゲームに関わる仕事10選」で、仕事内容・向いている人・注意点・平均年収を紹介
- ゲームに関わる仕事に就く方法は「独学」「専門学校」「未経験OKの職種から挑戦」


この記事の目次
ゲームの仕事は大きく3つに分けられる
「ゲームの仕事」と一口に言っても、実は3つの仕事に分けられます。
- 家庭用ゲーム機に関わる仕事
- アーケードゲームに関わる仕事
- カードゲーム・ボードゲームに関わる仕事
① 家庭用ゲーム機に関わる仕事
家庭用ゲーム機に関わる仕事は、ゲームソフトの開発に携わる仕事と、ゲーム機本体の開発に携わる仕事に大きく分けられます。
ゲームソフトの開発では、ゲームデザイナーが企画を立案し、ゲームプログラマーがその企画を実現するプログラムを書きます。
ゲーム機本体の開発では、筐体(きょうたい)設計者が「使いやすさ」と「デザイン性」を両立させた筺体(ゲーム機本体)を設計することが一般的です。
家庭用ゲーム機に関わる主な仕事は、次の通りです。
- ゲームデザイナー(プランナー)
- ゲームプログラマー
- ゲームディレクター
- ゲームテスター
- ゲームデバッガー
- シナリオライター
- サーバーエンジニア
- CGデザイナー
- サウンドクリエイター
- エフェクトデザイナー
- 筐体(きょうたい)設計者
② アーケードゲームに関わる仕事
アーケードゲームに関わる仕事は、ゲームセンターに設置するゲーム機の開発と、ゲームセンターの運営の2つに分けられます。
筐体設計者がゲームの世界観を表現する筐体(ゲーム機本体)をデザインし、エフェクトデザイナーが迫力のある演出を創り出すことがアーケードゲームの特徴です。
ゲームセンターの運営は、ゲーム機のメンテナンスや、お客様への接客を社員やアルバイトが中心となって行います。
また、未経験者向けの求人が多いことも特徴です。
アーケードゲームに関わる主な仕事は、次の通りです。
- ゲームデザイナー(プランナー)
- ゲームプログラマー
- ゲームディレクター
- ゲームテスター
- ゲームデバッガー
- シナリオライター
- サーバーエンジニア
- CGデザイナー
- サウンドクリエイター
- エフェクトデザイナー
- 筐体(きょうたい)設計者
- ゲームセンタースタッフ
③ カードゲーム・ボードゲームに関わる仕事
カードゲームやボードゲームに関わる仕事には、ゲームの企画・開発や販売、イベントの運営など様々な仕事があります。
たとえば、新しいカードゲームのルールや世界観をゲームデザイナーが作り上げ、カードに載せる魅力的なキャラクターやデザインをイラストレーターが担当します。
近年はボードゲームカフェなども増えており、ゲームの楽しさをお客様に直接伝えられるという点で「ボードゲームカフェ店員」などもやりがいの大きな仕事といえるでしょう。
カードゲーム・ボードゲームに関わる主な仕事は、次の通りです。
- ゲームデザイナー(プランナー)
- シナリオライター
- イラストレーター
- ボードゲームカフェ店員
ゲームの仕事15選
ゲームに関わる仕事を15個紹介します。
- ゲームデザイナー(プランナー)
- ゲームプログラマー
- ゲームディレクター
- ゲームテスター
- ゲームデバッガー
- シナリオライター
- サーバーエンジニア
- CGデザイナー
- サウンドクリエイター
- エフェクトデザイナー
- インフラエンジニア
- 筐体(きょうたい)設計者
- ゲームセンタースタッフ
- ボードゲームカフェ店員
- イラストレーター
1. ゲームデザイナー(プランナー)
ゲームデザイナー(プランナー)は、主に家庭用ゲーム機に関わる仕事です。
ゲームの企画やルール、世界観などを設計・構築する仕事で、具体的には以下の内容を考案して仕様書にまとめます。
- コンセプト
- ストーリー
- キャラクター
- ゲームシステム
自分のアイデアを形にできるのは、ゲームデザイナーならではの大きな魅力といえるでしょう。
平均年収 | 551.4万円 |
必要なスキル | ・ゲームシステムの企画力 ・レベルデザイン力 ・シナリオ作成力 |
向いている人 | ・ゲームが好きな人 ・新しいアイデアを考えるのが得意な人 |
出典:厚生労働省「ゲームクリエーター – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」
2. ゲームプログラマー
ゲームプログラマーは、主に家庭用ゲーム機に関わる仕事です。
ゲームデザイナーの作成した仕様書に基づき、ゲームに動きをつけていくことが仕事です。
具体的には、キャラクターの動きやグラフィック表示などをプログラミングしていきます。
自分が書いたプログラムでゲームが動くことを実感できるため、「ものづくりの喜びを直接感じられる」という点でやりがいが大きな仕事といえるでしょう。
平均年収 | 557.6万円 |
必要なスキル | ・プログラミングスキル ・アルゴリズムの知識 ・デバッグ能力 |
向いている人 | ・論理的に物事を考えるのが得意な人 ・新しい技術を学ぶことに抵抗がない人 |
出典:厚生労働省「プログラマー – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」
3. ゲームディレクター
ゲームディレクターは、主に家庭用ゲーム機に関わる仕事です。
ゲーム制作全体の指揮を執り、プロジェクトを成功に導くことが求められる仕事で、具体的にはスケジュール管理や品質管理など多岐にわたる業務を担います。
様々な職種のスタッフと連携しつつ開発を進めていくため、ゲーム制作への情熱を持った多くのプロフェッショナルと仕事ができるという点で魅力に溢れた仕事といえるでしょう。
平均年収 | 517万円 |
必要なスキル | ・プロジェクトマネジメント力 ・ゲーム全体を統括する力 ・クオリティ管理能力 |
向いている人 | ・ゲームが好きな人 ・新しいアイデアを考えるのが得意な人 |
4. ゲームテスター
ゲームテスターは、主に家庭用ゲーム機に関わる仕事です。
完成間近のゲームを実際にプレイし、バグや不具合がないかをチェックします。
操作性や難易度などを確認し、開発者にフィードバックすることも大切な仕事の一つです。
ゲームのクオリティを保つ責任ある仕事ではありますが、新作ゲームをいち早くプレイできるため、 ゲームが好きな人にとっては魅力の大きな仕事といえるでしょう。
平均年収 | 216~400万円 |
必要なスキル | ・バグを発見する力 ・再現性の検証能力 ・レポート作成力 |
向いている人 | ・細かい変化に気づける人 ・同じ作業の繰り返しが苦にならない人 |
5. ゲームデバッガー
ゲームデバッガーは、主に家庭用ゲーム機に関わる仕事です。
ゲームテスターが見つけたバグや不具合の原因を調査する仕事で、場合によっては修正まで担当することもあります。
調査・修正にあたっては、ゲームプログラマーと連携して作業を進めるケースも少なくありません。
ゲームを完成に近づけていく過程に携われるので、「品質向上に直接貢献できる」という点でやりがいを感じられる仕事です。
平均年収 | 557.6万円 |
必要なスキル | ・バグ発見能力 ・分析力 ・問題解決力 |
向いている人 | ・些細な変化に気づける人 ・忍耐力がある人 |
出典:厚生労働省「デバッグ作業 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」
6. シナリオライター
シナリオライターは、主に家庭用ゲーム機に関わる仕事です。
ゲームの世界観やストーリー、キャラクター設定、セリフなどを考え、実際にシナリオ(脚本)を作成します。
プレイヤーをゲームの世界に引き込み、感情移入できるストーリーを作ることは簡単ではありません。
とはいえ自分が考えたストーリーがゲームとして形になり、世界中の人々の心を動かせる可能性があるのはシナリオライターならではの大きな喜びといえます。
平均年収 | 250~300万円 |
必要なスキル | ・物語構成力 ・キャラクター造形力 ・会話表現力 |
向いている人 | ・ゲームの世界を構築することに喜びを感じる人 ・登場人物の心情を深く理解できる人 |
7. サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、主に家庭用ゲーム機に関わる仕事です。
サーバーの構築や運用、保守などを行う仕事で、オンラインゲームの人気が世界的に高まっていることからゲーム業界の中でも特に需要が増えています。
多くのプレイヤーが同時にゲームを楽しめるように安定したサーバー環境を維持することが求められるため、大きな責任がのしかかります。
一方で「大規模なオンラインゲームを裏で支えている」という実感も得られるため、やりがいも大きな仕事といえるでしょう。
平均年収 | 465万円 |
必要なスキル | ・サーバー構築 ・運用スキル ・ネットワークの専門知識 ・セキュリティの専門知識 |
向いている人 | ・トラブルに慌てずに対処できる人 ・地道な作業が苦ではない人 |
出典:マイナビエージェント「職種別平均年収ランキング|サーバーエンジニア」
8. CGデザイナー
CGデザイナーは、主に家庭用ゲーム機に関わる仕事です。
キャラクターや背景、アイテムなどを3DCGソフトを使って立体的に制作し、ゲームの世界に彩りを加えていきます。
「没入感」のあるゲームが強く求められていることもあり、CGデザイナーの技術とセンスがゲームの魅力を大きく左右するといっても過言ではありません。
自分が作り出したものが多くのプレイヤーを魅了し、感動を与えられるという点で魅力が大きな仕事といえるでしょう。
平均年収 | 509.3万円 |
必要なスキル | ・3DCG制作ツールの操作スキル ・デッサン力 ・美的センス |
向いている人 | ・細部までこだわりを持って作業できる人 ・常に新しい表現を追求できる人 |
出典:厚生労働省「CG制作 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」
9. サウンドクリエイター
サウンドクリエイターは、主に家庭用ゲーム機に関わる仕事です。
ゲームの効果音やBGMなどを制作する仕事で、具体的には作曲やボイス収録、音響調整など、聴覚的な要素全般を担当します。
音楽は「ゲーム演出の柱」と言われることもあるなど、サウンドクリエイターは特に責任が大きな仕事です。
一方で、プレイヤーの感情を揺さぶり、記憶に残るゲーム体験を創造できるという点でやりがいが大きな仕事といえるでしょう。
平均年収 | 500万円 |
必要なスキル | ・作曲 ・編曲スキル ・音響編集スキル ・音楽理論の専門知識 |
向いている人 | ・音で世界観を表現することに情熱を注げる人 ・様々なジャンルの音楽に精通している人 |
音楽の仕事を知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
10. エフェクトデザイナー
エフェクトデザイナーは、主に家庭用ゲーム機に関わる仕事です。
爆発や炎、水といった「特殊効果」を制作する仕事で、 ゲームの世界をよりリアルに、より迫力のあるものにするうえで重要な役割を担っています。
専用ツールを使いこなす必要があり、熟練のエフェクトデザイナーになるには地道な鍛錬が必要です。
一方で、ダイナミックな演出をゲームの世界に作り出せるのはエフェクトデザイナーならではの醍醐味といえるでしょう。
平均年収 | 546万円 |
必要なスキル | ・パーティクル制御スキル ・シェーダー作成スキル ・アニメーション制作スキル |
向いている人 | ・視覚的な表現をもとに驚きや感動を与えたい人 ・物理演算や数学的知識を応用できる人 |
11. インフラエンジニア
インフラエンジニアは、主に家庭用ゲーム機に関わる仕事です。
オンラインゲームのサーバーやネットワークなどのインフラの構築・運用・保守を担う仕事で、ITシステムに関わる高度な専門知識や技能が求められます。
多くのプレイヤーが快適にゲームをプレイできるよう、安定したインフラ環境を提供する仕事のため、「ゲームを縁の下の力持ちとして支えられる」という点でやりがいを感じられる仕事といえるでしょう。
平均年収 | 684.9万円 |
必要なスキル | ・ネットワーク設計 ・構築スキル ・サーバー ・OSに関する知識 ・クラウドサービスに関する知識 |
向いている人 | ・責任感が強い人 ・問題解決力が高い人 |
出典:厚生労働省「システムエンジニア(基盤システム) – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」
12. 筐体(きょうたい)設計者
筐体設計者は、主にアーケードゲームに関わる仕事です。
筺体とは、ゲーム機を構成する外側のケースやフレームのことです。
操作性や安全性、耐久性を考慮しつつ、ゲームセンターに設置されているレースゲームや格闘ゲームなどの外装を設計します。
ゲームセンターを訪れるお客様の高揚感を高めたり、記憶に残る特別な体験を提供できたりするという点でやりがいが大きな仕事といえるでしょう。
平均年収 | 482万円 |
必要なスキル | ・CAD ・CAM操作スキル ・機械設計に関する専門知識 ・素材に関する専門知識 |
向いている人 | ・物理的な構造や仕組みに興味がある人 ・アイデアを形にすることに喜びを感じる人 |
出典:マイナビエージェント「職種別平均年収ランキング【2020年版】|筐体設計」
13. ゲームセンタースタッフ
ゲームセンタースタッフは、アーケードゲームに関わる仕事です。
主な仕事内容は、お客様の接客や、ゲーム機のメンテナンス、景品の補充です。
ゲームセンターによっては、季節ごとのイベントやゲームトーナメントなどの企画・立案も行います。
ゲームの面白さを共有できる環境に身を置くことができ、ゲームを通じてお客様に楽しい時間も提供できるため、ゲームが好きな人にとっては特にやりがいが大きな仕事といえるでしょう。
平均年収 | 439万円 |
必要なスキル | ・ゲームの知識 ・機械操作 ・メンテナンススキル ・トラブル対応能力 |
向いている人 | ・人と接することが好きな人 ・ゲームに囲まれて仕事をしたい人 |
出典:求人ボックス 給料ナビ「ゲームセンターの仕事の年収・時給・給料」
14. ボードゲームカフェ店員
ボードゲームカフェ店員は、カードゲームやボードゲームに関わる仕事です。
ボードゲームのプレイに特化したカフェにおいて、ゲームのルールや遊び方をお客様に説明したり、希望に合ったボードゲームを選ぶサポートをしたりします。
初対面のお客様同士の交流を促進するのも仕事の一つです。
お客様にボードゲームの楽しさを直接伝えることができ、笑顔を生み出せる仕事のため、ボードゲームが好きな人にとってはやりがいの大きな仕事といえるでしょう。
平均年収 | 361万円 |
必要なスキル | ・ボードゲームの知識 ・説明力 ・提案力 |
向いている人 | ・ボードゲームの魅力を伝えたい人 ・初対面の人と積極的にコミュニケーションを取れる人 |
出典:厚生労働省「カフェ店員 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」
15. イラストレーター
イラストレーターは、主にカードゲーム・ボードゲームに関わる仕事です。
ゲームのカードやパッケージに使用するキャラクターや背景などを描く仕事で、 ゲームの世界観を表現する重要な役割を担っています。
自分が描いたイラストが多くのプレイヤーの目に触れ、ゲーム体験に彩りを加えていることを実感できるのはイラストレーターならではの喜びといえるでしょう。
平均年収 | 521.2万円 |
必要なスキル | ・デジタルツール操作スキル ・色彩感覚 ・画風構築力 |
向いている人 | ・絵を描くのが好きな人 ・自分の世界観を表現したい人 |
出典:厚生労働省「イラストレーター – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」
ゲームを仕事にしたい人が持っておくべきスキル
ゲームに関わる仕事に必要なスキルを、7つご紹介します。
仕事で必要な専門的なスキルのみならず、コミュニケーション能力や論理的思考力など、どんな仕事にも共通するスキルも必要になることを理解しておきましょう。
スキル1:ゲームの仕事で使うツールを使いこなす能力
ゲームに関わる仕事に就く場合、どのような職種で働くにしても、何かしらの専用ツールを使用して仕事をするケースがほとんどです。
たとえば、Photoshop、illustrator、Maya、Unity、3dsMaxなどです。入社したゲーム会社や担当する職種によって使用するツールは異なり、複数のツールを使うことも多くなっています。
基本操作や知識はもちろんのこと、イレギュラーなケースにも対応できるようでないと、ゲーム業界で仕事をしていくのは厳しいでしょう。
スキル2:プログラミングスキル
プログラマーやエンジニアなど、ゲーム制作・開発にプログラミングスキルは欠かせません。
プログラミングに苦手意識がある人は、ゲームに関わる仕事は厳しいでしょう。
また、ゲームディレクターなどを目指す場合でも、プログラミングの知識は求められます。
プログラミングの知識がないと、実際にゲーム制作や開発に携わる人たちの立場や気持ちがわからず、チームがうまくいかないことにもなりかねないからです。
プログラミングの仕事を知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
スキル3:企画能力
ゲームデザイナー(プランナー)の仕事に欠かせないのが企画力です。
優れたアイデアや、人々を楽しませる発想はもちろん大切ですが、優れた企画をするためには、時代の流れやニーズ、流行しているゲームの分析など、さまざまな要素が必要です。
ヒットするゲームには意外性があったり、人をのめり込ませるようなストーリーや仕掛けなどが多かったりします。
日々アンテナを張り、どんなゲームが求められているのか考えておく必要があるでしょう。
スキル4:コミュニケーション能力
職種を問わず共通して求められる能力です。
ゲームの仕事というと「ひたすらパソコンに向かって作業をする」というイメージを持つかもしれませんが、実際にはミーティングやメンバーのやりとりも多くなります。
気持ちよく働けるような声かけや、現状の共有、相談などができれば、仕事もスムーズに進んでいきます。
よいゲームをつくり上げるためにはひとりよがりにならず、周囲と協力し合う姿勢が欠かせないでしょう。
コミュニケーションについて知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
スキル5:マネジメント能力
ゲームの仕事で経験を積んでいくと、ディレクターやチームリーダーを任されるなど、全体をまとめる立場になっていきます。
各メンバーの進捗に気を配り、スケジュール通りに進められるよう管理・指示をしていくことが求められます。
いわゆるプレイヤーとマネジメントでは求められる能力が異なるため、人によっては苦手だと感じるかもしれません。
しかし、マネジメントが上手にできるようになれば、ゲームの仕事を俯瞰で見られるようになり、より大きな成果を出すことにもつながります。
スキル6:論理的な思考能力
ゲームの企画や開発は、「感覚」だけではうまくいきません。
論理的に「こういう根拠があるから、この企画は成功する」と人を説得したり、自分のなかで論理的な思考を落とし込んでいたりすることは、よいゲームをつくるために必要だからです。
いわゆる「ロジカルシンキング」は、多くの仕事で必要とされる能力です。
ゲームの専門知識・スキルのみならず、ビジネススキルとしても身につけておくとよいでしょう。
スキル7:創造力/忍耐力
人を楽しませたり、驚かせたりするようなアイデアは、すぐには生まれません。
自分でもいろいろなゲームをプレイしたり、日常生活からヒントを得たり、さまざまな場所へ行くなどの経験をするなかで、創造力が磨かれていきます。
また、ゲームの企画から販売までには、数年間を要することも珍しくありません。
長期間に渡る作業や度重なるアクシデントなどにもめげることなく、最後までやりきる忍耐力も大切な要素です。


ゲームを仕事にすることで手に入るやりがい
ゲームに関わる仕事をするなかで感じられるやりがいについて、ご紹介します。
やりがい1:ゲームが完成したときの達成感
長い工程を経て制作に関わったゲームが完成し、世の中に出せる状態になったときの達成感は、何よりのやりがいです。
ひとつのゲームができるまでには、職種に関わらず、多くの人が相当の時間と労力を費やしています。
大きな仕事をやり終えたという満足感と、これから自分たちが手をかけたゲームが世の中に発表されるのだという喜びは、何にも代えがたいでしょう。
やりがい2:携わったゲームが実際に売られる(世に出る)
仕事で携わったゲームは、ゲームソフトやゲームアプリとして世の中にリリースされます。
ゲームソフトの場合、発売前から話題のゲームであれば事前予約が殺到したり、発売後に人気になれば多くの人が買い求めてくれます。
ゲームアプリの場合はダウンロード自体は無料でも、課金できる仕組みになっていることが一般的です。
「自分たちがつくったものを、お金を出して買ってくれる人がいる」という点で、仕事の醍醐味を感じられます。
ゲームの売上が好調ならば、昇給・昇進やボーナスなどに影響することもあるでしょう。
やりがい3:ユーザーの意見が聞ける
ゲームの場合、ユーザーからの生の意見が入ってきやすい側面があります。
たとえば以下のような方法で、ユーザーの意見を聞く機会があることが考えられます。
- 会社に届いた意見
- インターネット上のレビュー・クチコミ
- SNS上の感想
- YouTube(ゲーム実況、ゲーム紹介のチャンネルなど)
- 芸能人や著名人による紹介(お気に入りのゲームとして)
直接会うことはなくても、ユーザーの率直な意見を聞けることで励みになったり、今後のゲームづくりの参考になったりもします。
特にSNSはリアルタイムで最新の感想が投稿されるため、反応を見る目安にしやすいでしょう。
ゲームを仕事にしたい人におすすめの就職方法
最後に、ゲームに関わる仕事に就くための3つの方法をご紹介します。
本気でゲームの仕事に就きたいという方は、自分に合った方法を検討してみましょう。
方法1:独学で専門スキルを身につける
独学で、ゲームプログラミングのスキルを身につけることはできます。
実際に、独学で学んでゲームを自作できるようになった人も少なくありません。基本的には、パソコン、インターネット環境、開発ツールの3つがあれば、ゲームをつくることは可能です。
たとえば、実際にゲーム業界でも使われている有名なゲームエンジンに「Unity」があります。
書籍やYoutubeなどの解説動画なども参考に、こういったツールを使ってゲームをつくる経験をしてみるのもひとつの方法です。
ただし、独学が向いているかどうかはその人の適性によります。「自分ひとりで取り組むのは難しそうだ」と感じたら、挫折する前に別の方法を考えたほうがよいでしょう。
方法2:専門学校に通う
ゲームを学べる専門学校へ通い、専門技術を集中的に学ぶ方法です。
2~4年制のところが多く、プログラミングやデザインなどの学科・コースに分かれているのが一般的です。
卒業生が多数活躍していたり、ゲーム業界への就職実績が強い専門学校もあります。
専門学校で学ぶことで、基礎をしっかりと身につけることが可能になります。
夜間部もあるため、働きながら通うこともできます。学校選びは慎重に行う必要がありますが、本気でゲームに関わる仕事がしたいという人は、進学もひとつの選択肢といえるでしょう。
注意点としては、金銭面です。専門学校は数百万円程度の学費がかかることもあるため、学費をどうするかは必ず考えておかなければいけません。
親に支援してもらう、貯める、奨学金を借りるなど、いずれにしても、負担になりすぎないような方法を選びましょう。
方法3:未経験でも可能な職種から挑戦する
たとえば、今回ご紹介したゲームデバッガーの仕事は、アルバイト募集がメインです。
ゲーム業界を目指す学生や「とにかくゲームに関わる仕事をやってみたい」という人にとっては、よい経験になるでしょう。
一方で、ゲームの「企画・制作・開発」に携わる仕事の場合、まったく経験がなければ就職・転職は難しいでしょう。
新卒であっても完全なポテンシャル採用は少なく、すでに一定の技術・知識を持つ学生を採用しているケースが多く見られます。
ただし、他業界から転職できる可能性はあります。たとえば、Web業界でITエンジニアの仕事をしていて、そこでの実績や経験を評価されゲーム会社に転職、というケースは考えられます。この方法ならば、既卒や第二新卒などにもチャンスがあります。
簡単なことではありませんが、まずはITエンジニアとして経験を積み、そこからゲーム業界を目指すというキャリアもあるということは知っておきましょう。
まとめ
ゲームに関わる仕事は専門職がほとんどのため、仕事に必要なスキル・知識が最低限ないと難しいでしょう。
しかし、たとえばエンジニアとしての経験を積んでから転職など、他業界・他職種から、ゲームに関わる仕事に就くことができる可能性はあります。
ゲームに関わる仕事がしたい人は、現時点でできることはどんなことか考え、目標へ向けて行動していきましょう。


