保険営業が「きつい」と言われる理由は、営業成績に対する厳しいノルマや顧客開拓の難しさが常に求められるためです。
さらに収入の不安定さや厳しい上司、法的制約など、他の職種では考えられないような過酷な現実が立ちはだかります。
この記事では、保険営業が「きつい」と言われる理由を10項目に分けて詳しく解説し、どのような人がこの職種に向いているのか、また年収やメリット・デメリットについて詳しく掘り下げていきます。
これから保険営業を目指す方や、転職を考えている方にとって参考になる内容をお届けします。
この記事の目次
保険営業がきついと言われる理由10選
一般的に、「保険営業はきつい」と言われることが多いのは確かです。高い報酬をもらえる給与体系になっているだけに、その難しさや厳しさも比例します。
ここでは、保険営業がきつい、やめておいた方がいいなどと言われてしまう理由について紹介していきます。
1. 成果主義の報酬体系
保険営業は他業種に比べて高いインセンティブによって、個人の報酬が決まります。つまり、契約を取れる営業社員は報酬が高く、契約を取れない人はいつまでたっても低収入ということになるのです。
毎月毎月たくさんの契約を取れるわけではないので、収入が安定しません。固定給もありますが、インセンティブの割合が高いので、契約が取れない月は月収10万円を切ることもあります。その反面、報酬に上限がないので、売れば売るだけ稼げます。
しかし、こうした不安定さは一般的には「きつい」「厳しい」という見方になります。保険営業は、文字通り完全成果主義の世界です。成果を上げられない人にとっては、非常に厳しい業界と言えます。
2. 高いノルマ・目標必達文化
保険会社の多くは、営業社員に対して営業成績や勤務状況、営業活動などにノルマを設けています。契約数や契約金額、契約者訪問、欠勤日数や遅刻回数、保全手続き、資格の取得などが、それに当てはまります。
会社によって違いますが、だいたい3カ月~半年ごとにノルマが達成できているかの査定が入り、ノルマに達していないと給与が下がったり、昇進が先延ばしになったりします。
なかには、ノルマ未達が続いて雇用契約が打ち切りになるケースもあり、それゆえ「きつい」と言われることが多くなります。
入社前に「ノルマはない」「誰でも達成できる程度のもの」と言われることも多いようですが、保険会社のノルマは他業種に比べても厳しいことは承知しておいた方が良いでしょう。
3. クロージングが大変
保険営業は無形商材でありながら、高額かつ継続的に支払いが続くものなので、非常に成約率が低いといわれています。その分クロージングも大変です。そのため、保険の営業は難しいと言われるのです。
保険営業でクロージングがうまくいかない理由のひとつに、保険営業を鬱陶しいと思っている人が多く、営業社員も無意識に「鬱陶しいと思われているんじゃないか」と考えてしまい、クロージングに罪悪感や抵抗感があるからです。
また、成約率を上げるためには顧客との信頼関係が重要になるので、何度も顧客のもとへ足を運ぶ必要もあります。ノルマ未達の場合、上司などから嫌みを言われることもあり、そうしたことも含めて「きつい」「厳しい」と思われてしまいます。
4. 収入が安定しない
保険営業がきつい理由の一つに、収入の不安定があります。
保険営業は成果主義の職業であり、契約件数や保険料の額によって収入が変動します。
特に営業成績が目標を下回ると、給与の減少が避けられず生活面での不安が増す要因となります。
したがって、収入の安定を求める人にとって、保険営業は非常に厳しい職業と言えるでしょう。
また保険営業は競争が激しい業界であり、同僚との成績比較や上司からのプレッシャーも大きいです。
これにより精神的な負担が増し、ストレスの原因になることも少なくありません。
5. 上司が厳しい場合が多い
保険業界はノルマが厳しく、上司も結果を重視するため、部下への厳しい目標設定と指導が一般的です。特に、営業成績が目標に達しない場合や進捗が遅れている場合には、厳しいフィードバックが繰り返されることがあります。
このような状況では精神的なプレッシャーが増し、ストレスが蓄積することが多く、仕事への意欲を失う社員も少なくありません。
また、上司との関係が悪化すると、職場環境自体が働きにくくなりさらに厳しさを感じる要因となります。
これらの理由から保険営業は上司の厳しさが大きな負担となり、「きつい」と感じられることが多いでしょう。
6. 法律の制約が厳しい
保険営業は、法律の制約もきついと言われる要因になっています。
具体的に保険業界では、消費者保護を目的とした保険業法や金融取引法によって厳しく規制されています。
例として「保険業法」では、保険会社や代理店が適切に運営されるよう、誇張された広告や誤解を与える販売手法が厳しく禁止されています。
また、「金融取引法」では、契約時に顧客に対して詳細な説明を行う義務や、顧客情報の適切な保護が求められています。
これらの法律を守らなければ、重い罰則が科されるリスクがあるため、営業活動において非常に高い慎重さが求められます。
保険営業は法律を守りながら成果を出すという難しいバランスを取らなければならず、「きつい」と感じられることがあるでしょう。
7. 早期解約の恐れがある
保険契約が成立しても顧客が短期間で解約をする場合があります。
解約になってしまうと、その契約に対する手数料や報酬が返金されたり、収益が大きく減少するリスクがあります。
このリスクは特に、新規顧客や初めて保険に加入する顧客との契約で顕著です。
保険業法や金融取引法によって、保険契約時には顧客に対して十分な説明義務が課されていますが、顧客が保険内容を十分に理解しないまま契約を結んだ場合、後に不満が生じて解約に至るケースも少なくありません。
さらに金融取引法は顧客情報の適切な管理や保護を義務付けており、違反すると、早期解約のみならず法的な制裁を受ける可能性もあります。
こうした法律の厳しい制約と早期解約のリスクが、保険営業を難しくする要因となっています。
8. お客様の都合に合わせて、休日出勤もある
保険営業は
顧客の勤務時間や都合に合わせて、休日や夜間の対応が求められることが多くあります。
これにより営業担当者は土日や夜間に働くことが増え、プライベートな時間が犠牲になりがちです。
休日出勤が続くと、家庭や友人との時間が減少し、精神的なストレスが増加する可能性があります。
また、営業担当者は顧客対応の柔軟性を維持するために、優れた時間管理能力と忍耐力を必要とします。
顧客の都合に合わせた勤務が常態化すると、体力的・精神的な負担が増し、仕事が「きつい」と感じる大きな要因となります。
9. 営業経費が自己負担になる
保険営業が「きつい」と感じる理由の一つに、営業経費が自己負担となることがあります。
顧客と良好な関係を築き、契約を増やすためには頻繁な訪問や連絡が必要になります。
これに伴う交通費、通信費、さらには接待費が発生しますが、これらの経費は営業担当者が自己負担するケースが少なくありません。
特に営業成績が振るわない時期には、これらの経費が家計に大きな負担となり、精神的なプレッシャーも増加します。
さらに、正確な契約書類を作成・管理することが求められますが、これには追加の作業工数がかかるケースがあります。
こうした営業経費の自己負担が重なることで、保険営業は厳しい職業と感じられることが多いでしょう。
10. ストレスがかかりやすい
保険営業は目標達成のプレッシャーにさらされ、顧客との交渉においてはお客様のニーズを的確に把握し、最適な保険プランを提案する責任が求められます。
特に契約が思うように取れない場合は、自己評価が下がりやすくストレスがより増す可能性があります。
また、保険業界は競争が激しく、同僚や他社の営業成績と常に比較されることでも、自分へのプレッシャーが増し、精神的な負担が蓄積されやすくなります。
さらに、顧客のライフプランに深く関わるため提案内容にミスがあれば、重大な影響を及ぼすリスクがあり、これも心理的なストレス要因となります。
こうした多くの要因が重なり、保険営業はきついと感じる傾向にあります。
保険営業とは?
保険営業は、個人や法人に対して、将来起こるかもしれないリスクに備える保険商品を販売することです。
また、個人にせよ法人にせよ、環境の変化などに応じて保険の見直しを行ったり、保険の更新を行ったりし、最終的には保険金の支払いまで一貫して行うことも多々あります。
このように保険営業は、顧客と長期にわたってお付き合いをする仕事になります。
また、企業によっては、代理店への商品案内や営業支援、営業管理を行うケースもあります。
保険営業の種類
保健にもさまざまな種類があります。生命保険、損害保険、医療保険などによって、販売する商品も違います。なかには、同時に数種類の保険を扱うこともあるので、それぞれの保険に関する豊富な知識が問われます。
種類1. 生命保険営業
生命保険が販売する保険は、生命保険・養老保険・学資保険・個人年金保険といった「第一分野」と呼ばれる保険になります。個人向けの営業が多いですが、なかには法人リスクに対する保険を販売する法人営業もあります。
いずれにしても、顧客の現状をしっかりヒアリングし、顧客に合わせた最適な保険プランを提案します。また、売って終わりではなく、その後のアフターフォローも必要になります。
生命保険営業では、どの保険商品を販売するとしても、顧客の将来の不安に対して寄り添い、日常生活・企業活動に少しでも安心感を覚えてもらえることは、やりがいにつながります。
また、契約数や保険額によって、目に見えて収入が上がっていきます。こうした収入面も、モチベーションにつながるでしょう。
種類2. 損害保険営業
生命保険が主に「人」に対する保険である一方、損害保険は「物」に対する保険です。自動車保険や火災保険、地震保険などが当てはまり、「第二分野」と呼ばれます。
損害保険営業の場合、顧客に保険商品を販売する保険代理店の営業と、保険代理店の営業サポートを行う損保会社の代理店営業、そして法人に保険証を販売する法人営業に分かれます。
販売する商品や、その営業スタイルは生命保険と若干違いますが、顧客のニーズを汲み取って最適な保険プランを提案して加入してもらうという点では同じです。想定されるトラブルに対して安心感を与え、いざというときに助けになるというのはやりがいがある仕事です。
種類3. 医療・介護保険営業
医療保険、介護保険、がん保険など、公的医療保険(国民健康保険や後期高齢者医療制度など)でカバーできない医療費を補填するもので、「第三分野」と呼ばれます。この「第三分野」の保険商品は、生命保険会社でも損害保険会社でも扱うことができます。
医療保険などの第三分野の保険は、顧客にもわかるくらい各社に違いがあるので、自分の商品を選んでもらえたという達成感も違ってきます。
そのためには他社商品の調査・研究が必要になりますが、そうした知識もダイレクトに顧客に還元できるので、営業としてのやりがいにつながります。
また、生命保険や損害保険と同じく、契約数の多さが収入アップにつながるので、収入面でもやりがいを感じられるでしょう。
保険営業の年収
保険営業の報酬体系は、契約獲得によるインセンティブで大きく上下します。令和2年賃金構造基本統計調査によると、金融・保険業の平均年収は479.2万円でした。
男女別に見ると、女性の年収の方が低いのですが、女性の場合は年齢を重ねても年収の下げ幅が小さいという特徴があります。
ただ、保険営業は会社によってインセンティブが、契約金額の20~70%と幅があるため、年収も大きく差が出ます。
たとえば、保険営業で年収約1,100万円以上稼ぐ人だけが加入できるMDRTという組織があり、2021年4月現在で日本人加入者は9,363名います。中には年収1億円以上を達成した人もいるようです。
会員の内訳を見ると、ジブラルタ生命やメットライフ生命、プルデンシャル生命などの外資系保険会社が多くなっており、インセンティブの高さを物語っています。
保険営業は女性が活躍している?
前記した通り、保険営業は齢を重ねても女性の給与が減りづらいので、あらゆる年齢層で女性が活躍することが多いです。
令和2年度民間給与実態統計調査によると、金融・保険業の女性の平均年収は416万5,000円となっており、他業種と比較しても高い数字を誇っています。
もともと国内の保険会社はセールスレディとして女性営業職を多く採用してきた経緯もあって、他業種と比べても女性が働きやすい環境が醸成されています。家庭との両立もしやすい企業も多く、そのため、齢を重ねても活躍する女性が多いといえます。
だからといって、男性が活躍できないわけではありません。令和2年度民間給与実態統計調査によれば、平均年齢も平均年収も、他業種と比べて見劣るところはなく、平均年収はむしろ高い方です。
保険営業のメリット
保険営業に就職、転職しようと考えているのであれば、保険営業のメリット・デメリットを知っておく必要があります。職に就いてから「思っていたのと違った」となってしまっては困ります。
まずは、メリットから紹介します。
メリット1.結果が出れば稼げる
何度も繰り返しになりますが、保険営業の最大のメリットは、結果を出せば稼げるということです。しかも、際限なく稼げます。とくに高額商品の契約を取り付けることができれば、収入は一気に膨れ上がります。20代で年収1,000万円を超える人もいます。
日本の保険会社もインセンティブが主な収入源となりますが、外資系の保険会社は、それに輪をかけてインセンティブに重きが置かれます。
会社によって報酬形態は違いますが、契約を獲得した初年度は保険料の20~70%がインセンティブになることが多いです。
その後、2~4年目くらいで10%前後となり、5年目以降はゼロになるケースが多く、新規契約を取り続けないと収入が減ってしまうケースが多いです。
売れば売るほどインセンティブが加算されていくので、営業が得意な人は際限なく稼ぐことが可能です。
メリット2.やりがいも感じやすい
保険営業は煙たがられることも多いのですが、顧客のライフプランや企業活動のリスクヘッジに直接作用する仕事なので、実際は顧客の役に立っています。
環境が変わるたびに、現在の環境にマッチしたプランニングを行うことで、顧客から感謝されることも多くなり、それはダイレクトにやりがいにつながります。
とくに個人の場合は、契約前から顧客とコミュニケーションを取り続け、契約後も長い付き合いになるので、顧客の生活に密着し、安心して生活を送っていただけるための手助けとなります。
その分責任は重くなりますが、顧客が増えるにつれ、勤続年数が長くなるにつれ、それはやりがいとなってモチベーションの維持にもつながります。
メリット3.紹介で人脈が広がるのが楽しい
保険商品を買う立場からすると、その商品の品質だけで「じゃあ、この保険に入ろう」とは、なかなかなりません。無形商材なだけに、自分ひとりで判断するのが難しく、専門的な知識も必要となるだけに、信頼できる営業パーソンの存在が大きいといえます。
それだけに、顧客からの紹介で、さらに顧客が増えていくのは、保険営業の醍醐味と言えます。商品の品質だけではなく、営業パーソンとしての信頼感や安心感を持っていただけた結果です。
こうした顧客とのつながりは、働けば働くほどモチベーションにつながっていきます。
お客様は、その営業パーソンを信用していなければ、わざわざ知人に紹介しようとは思いません。紹介をいただくということは、ひとりの人間として認められたということなのです。
保険営業のデメリット
保険営業にはメリットだけでなく、もちろんデメリットも存在します。保険営業をこれからの仕事としたいと考えているのであれば、デメリットもしっかり把握しておきましょう。メリットとデメリットを理解したうえで、就職や転職の判断をしてください。
デメリット1.目標のために泥臭く働く必要がある
前記したように、保険営業にはノルマがついて回ります。そのノルマは、勤続年数が長くなるにつれ厳しくなります。ノルマや目標を達成できないと、給料が下がるなどのペナルティも存在します。
そのため、休日を返上して営業活動を行っている営業社員は数多くいます。
また、顧客の都合に合わせて訪問する必要があるので、商談が夜間になるケースもあります。
とくに自営業の顧客が相手だと、店や会社が終わってからでないと面談ができないことも多く、ノルマ達成のためにプライベートの時間を削らなければならないときもあるのが現実です。
このように、ノルマや目標を達成するために、泥臭く働く必要があることは覚えておいた方がいいでしょう。
デメリット2.しつこいほどのクロージングが必要
保険は、生命保険にせよ損害保険にせよ、成約率が低い商品になります。高額な無形商材ですから、顧客はなかなか首を縦に振ってくれません。
契約を取るために、何度も何度も顧客のもとに足を運び、さまざまなプランを提案し、ときには何度もクロージングが必要になることもあります。しつこいほどのクロージングは顧客から嫌がられることもあり、精神的に厳しくなる場面も多々あります。
自分が「これは良い商品だから買ってほしい」と心から思っていれば別ですが、前述のようにノルマがあるので、そうした商品ばかりとは限りません。そうしたとき、何度もクロージングをすることが苦痛になることもあるでしょう。
これらは保険営業に限った話ではありませんが、こうしたデメリットの存在も把握しておきましょう。
デメリット3.身内に営業を強制される場合も
ノルマや目標を達成できない場合、身内や友だち、知人への保険営業を強いられるケースも多く見られます。「うちの保険はいい商品だから、身内に勧めても大丈夫」という論理はもっともですが、営業する側としては躊躇して当然です。
親兄弟なら「仕方ないな」と言ってもらえる可能性はありますが、年に数回しか会わない親戚や、友人に営業をかけることになれば話は違ってきます。
こうした身内への営業は、一度でも失敗してしまうと、人間関係を壊してしまうこともあり、非常にデリケートな問題です。また、一度の失敗が周囲に知られれば、何気ない電話でも「保険を買わされるかもしれない」と壁を作られてしまうこともあります。
現在では、入社して何ヶ月、何年の間は身内への営業を禁止する会社もありますが、そんな会社ばかりではないので、気をつけてください。
保険営業に向いている人
保険営業のメリット・デメリットをしっかり把握していただいた後は、自分はそもそも保険営業に向いているのか、向いていないのかを知りましょう。基本的には、デメリットを払拭できる人が向いていると言えますが、ここでは、もう少し深く掘り下げたいと思います。
向いている人1.人の人生をサポートしたい人
向いている人はたくさんいますが、そもそも論として、保険は顧客の人生をサポートするものですから、「人の人生をサポートする」ことにやりがいを感じたり、楽しさを感じたりできる人は、間違いなく向いています。
人生のサポートに楽しさを感じられれば、多少の営業デメリットにも耐えることができるでしょう。また、契約を取りつけたときの達成感や、その後のモチベーションも、他の人とは比べ物にならないと思います。
向いている人2.数字を追うのが苦手でない人
ここで言う数字は、いわばノルマのことです。つまり、インセンティブが仕事のモチベーションになる人は、どの業界の営業職より、保険営業が向いていると言えます。
先に何度も述べましたが、保険営業は売り上げれば売り上げるほど報酬は高くなり、上限なく青天井に増えていきます。報酬を第一に考える人なら、ノルマの厳しさや、営業の難しさも乗り越えていくことができるでしょう。
向いている人3.人と話すことが好きな人
保険営業は、顧客との長い付き合いになるので、コミュニケーション能力が非常に問われます。そのため、元から人と話すことに抵抗がない人、人と話すことが好きな人は保険営業に向いています。
契約に至らなくても、見込み客を作って置くことは営業の基本です。そのためには、人見知りをしている場合ではありません。飛び込み営業やテレアポに抵抗がない人も、保険営業向きと言えるでしょう。
保険営業に向いていない人
保険営業に向いていない人は、簡単に言えば「向いている人」の反対です。また、デメリットに対して「私には無理だな」と思ったら、やめておいた方がいいでしょう。
ここでは、もう少し具体的にイメージできるように紹介していきます。
向いていない人1.人の懐に入るのが苦手な人
保険営業の基本は、顧客との会話です。ヒアリングをして何が不安で心配なのかを聞き出し、その不安を解消するためのプレゼンテーションをしなければなりません。
ときには、家族構成やその人の年収といったところまで踏み込む必要もあり、コミュニケーションを深めていかなければなりません。
そのため、人見知りで人の懐に入っていくのが苦手な人は、保険営業に向きません。表面的な付き合い方だけでは、高額の無形商材はなかなか売れません。
向いていない人2.公私ともに密な関係が苦手な人
直前の「人の懐に入るのが苦手な人」とかぶる部分もありますが、保険営業で大切なのは何より顧客とのコミュニケーションです。しかも、他業種に比べても長期間の付き合いになるので、仕事上の付き合いだけではもちません。
ときには仕事と関係のない雑談をかわすこともあるでしょう。中には、顧客から仕事と関係のない愚痴を聞かされるだけのこともあります。
こうした公私ともに密な関係を築くのが苦手な人は、保険営業には向きません。また、同様に「一人でいるのが好き」というような人も、コミュニケーションの段階でストレスを抱えてしまいがちなので、向いているとは言えません。
向いていない人3.給与を安定させたい人
保険営業の報酬は、その大部分をインセンティブが占めます。したがって、保険が売れている時はいいですが、売れていない月になると一気に報酬が減ります。冗談ではなく、月10万円以下というケースもあります。
多額の報酬を得られる可能性がある反面、給与は安定しません。したがって、安定した給与を求めている人にとっては、まったく正反対の業界と言えます。給与の安定感を求めるのであれば、他の業界を選んだ方が賢明です。
保険業に就職/転職する際のポイント
保険業への就職、転職を考えている人も多いと思います。ここでは、保険営業ならではの就職・転職のポイントを紹介します。保険業界への就職・転職を考えている場合は、ぜひ参考にしてください。
ポイント1. 清潔にして第一印象を磨く
保険営業において、第一印象はとても大切です。身なりが不衛生だったり、あまりにも軽かったりすると、門前払いされてしまうのがオチです。それは、採用段階においても同じです。
服装に清潔感はあるか、シャツの襟が汚れていないか、靴はちゃんと磨かれているか、爪は短く切られているか、女性なら派手なメイクになっていないか、など、注意すべき点はたくさんあります。
また、相手とのコミュニケーションが大事な仕事になるので、言葉遣いや礼儀正しさも問われます。しかし、だからといって堅苦しすぎてもダメなので、この塩梅はなかなか難しいです。
とにかく第一印象をどれだけよくできるかというのは、保険業界への就職・転職に関するポイントのひとつです。
ポイント2. 自分の人生と保険を結びつける
保険業界では、企業ごとにそれぞれ独自の保険商品を販売しています。知識がないと、どの商品も同じに見えてしまうので、採用試験を受ける企業の保険商品については予習しておきましょう。
それと同時に、自分の人生の中で、なぜ保険と関わりたいと思ったのか、というエピソードを考えておくのも良いでしょう。これから自分が販売する商品について、その人なりのエピソードは、採用側に刺さることが多いです。
無理して嘘をつくのはよくありませんが、しっかり自己分析をして、自分と保険の関わり合いを話せるようにしておきましょう。
ポイント3. 結果を出すまで続ける忍耐力をアピール
保険営業の厳しさは、すでに何度も述べました。ただし、結果を出し、ノルマさえ達成してしまえば、意外と自由に行動できるのも保険営業の良さです。
そのため、結果を出すために苦労は厭わないこと、成果を上げるためなら休日返上もやむを得ないなど、結果が出るまでがむしゃらに働くことができる精神力をアピールすることはアドバンテージになります。
ただ、根性論だけではダメです。保険商品という性質上、論理的な思考、説明が必要になるので「とにかく頑張ります」というだけでなく、成果を上げた先を見据えた問答ができるように準備しておいてください。
まとめ
以上、そもそも保険営業とは何か、生命保険・損害保険・医療保険による営業スタイルの違い、保険営業の年収などをご紹介しました。
また、一般的に保険営業がきついと言われている理由と、保険営業のメリット・デメリットを解説し、それを踏まえて保険営業に向いている人・向いていない人についても言及しました。
保険営業は、顧客の人生の不安に寄り添う、やりがいある仕事であることは間違いありません。一方で、向いている人、向いていない人がいることも事実です。
自分の性格や特性を振り返って、自分にあったキャリア選択をしていきましょう。
「保険営業」に関するよくある質問
「個人や法人に対して、将来起こるかもしれないリスクに備える保険商品を販売すること」です。保険の見直しや更新、保険金の支払いまで一貫して行う場合もあります。保険営業の3つの種類や、平均の年収額について、「保険営業とは?」の章で紹介していますのでご参照ください。
「人の人生をサポートしたい人」「数字を追うのが苦手でない人」「人と話すことが好きな人」が、保険営業に適性があるタイプです。それぞれの特徴について詳しくは「保険営業に向いている人」をご覧ください。また、逆に適性が低いタイプについては「保険営業に向いていない人」の章でご紹介しています。
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