中卒の末路とは、と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?実は中卒の末路には3パターンあります。なぜなら、仕事、恋愛、メンタルで分けられるからです。
こちらの記事では、中卒者の末路や中卒者の不安や末路を変える方法などを解説しております。こちらの記事を読むことで、中卒からの末路を変えることが出来ます。
中卒者の末路とは
中卒者の末路は、大きく以下の3パターンに分けられます。
- 仕事面
- メンタル面
- 恋愛面
それぞれどのような末路が待っているのかについて、解説していきます。
仕事面での末路
仕事面は「中卒者にとって最も苦労する問題」で、具体的には、以下5つの問題点があります。
- 自分の好きな仕事を選べない
- 給与/賞与が少ない
- 勤務時間が長くなりやすい
- ブラック企業へ入社しやすい
- 役職になるのが困難
以下、それぞれの詳細を解説していきます。
自分の好きな仕事を選べない
中卒だと、自分の好きな仕事を選べないケースが多いです。なぜなら、多くの企業が採用基準を「高卒以上の学歴」としており、中卒だと応募できる企業が少ないからです。
その根拠として、厚生労働省が公表している令和3年3月卒業者の求人情報を紹介します。
求人数 | 求職者数 | 求人倍率 | |
---|---|---|---|
中卒者 | 1,168 | 394 | 2.96倍 |
高卒者 | 386,325 | 146,314 | 2.64倍 |
図1 ハローワークにおける求人数、求職者数(令和3年卒業者)
求人倍率において、中卒と高卒の差はほとんどありません。しかし、中卒が応募できる求人数は、高卒が応募できる求人と比べて300分の1以下であり、選択肢が非常に少ないといえるでしょう。
参考「厚生労働省:令和4年3月高校・中学新卒者のハローワーク求人における求人・求職・就職内定状況を公表します(9月末現在)」
給与/賞与が少ない
給与や賞与においても、中卒は高卒以上の人と比べて少ないことが特徴です。生活の質に直結する給与や賞与は、仕事選びにおいて重要視する人も多いでしょう。
厚生労働省の調査によると、令和元年における月額給与は、中卒と高卒で2万円程度の差があります。しかし、ボーナスは月額給与をベースに算出されるため、年収ベースで考えると「数十万円の差」になることが多いです。
月額給与(円) | |
---|---|
中卒 | 249,100 |
高卒 | 267,600 |
高専・短大卒 | 283,200 |
大学・大学院卒 | 372,600 |
図2 学歴別月額給与
勤務時間が長くなりやすい
先ほど「中卒の人は給与/賞与が少ない」と説明しましたが、低収入を回避しようとすると、以下の特徴を持つ仕事に就く人が多いです。
- 肉体労働
- 勤務時間が不規則
こうした職種は長時間労働になりやすく、どうしても「体力負荷の大きい仕事」といえるでしょう。
頭脳労働は資格が必要なことも多く、必然的に学歴が重視されます。そのため、中卒で高収入を得る仕事に就くとなると、長時間働かざるを得ないのが現実です。
ブラック企業へ入社しやすい
「学歴不問」の求人情報には、ブラック企業が多いことも特徴です。具体的には、以下に該当する企業は「ブラック企業」と考えられます。
- 上司や同僚からハラスメントを受ける
- 給与を時給換算すると、異常に低い
- 残業代が出ない
- 休みが極端に少ない
こうした企業は人材がどんどん辞めてしまうため、学歴を見て採用する余裕がありません。そのため「学歴不問」や「高めの給与」などの好条件を提示して、人材を確保しようとします。
良いことばかりが書かれている求人情報を見つけても、注意しましょう。実態は上記のようなブラック企業である可能性も高いため「なぜそれだけの好条件なのか」をしっかりリサーチすることが大切です。
役職になるのが困難
中卒の人は、出世スピードが遅く「役職に就くのが困難」というのも特徴です。近年では、昇進に学歴を考慮しない企業も増えていますが、日本の企業はまだまだ学歴社会の側面が強いです。したがって、大卒や大学院卒の人が最も早く出世し、高専卒や短大卒、高卒、中卒という順番で、出世スピードは遅くなります。
大阪大学の調査によると、係長、課長、部長への昇進スピードは、学歴によって以下のような差となっています。
図3 学歴による昇進スピード
この調査では中卒は対象外となっていますが、中卒は高卒よりもさらに昇進スピードが遅くなることが予想されます。
参考「大阪大学大学院国際公共政策研究科:昇進競争における学歴と性別~百貨店業の事例~」
メンタル面での末路
中卒であることは、メンタル面にも影響を与えます。もちろん、考え方は人によってさまざまですが、傾向として、中卒の人は以下の考え・行動をする人が多いです。
- 限界が低いと考えてしまう
- 学歴を言い訳にしてしまう
- 人との関りを避けてしまう
- 面倒なこと、努力が必要なことを避けてしまう
自分の限界が低いと考えてしまう
中卒者は、周りにいる大卒や高卒の人たちと比較をして「自分は劣っている」と考えてしまい、自分の限界を低く考える傾向があります。
前述した、仕事上の給与面や昇進面でも差があるように、たしかに、中卒者は「大卒や高卒の人よりも劣っている」と感じやすい場面が多いかもしれません。しかし、中卒者でも社会で成功している人も多くいるため、決して「劣っている」とは考えないようにしましょう。
自分の学歴を言い訳にしてしまう
中卒の人は、何かうまく行かないことがあった場合に「自分は中卒だから」と学歴を言い訳にして、諦めてしまう人も多いです。例えば、以下のようなことが起こった場合、あなたはどう考えるでしょうか。
- 希望した就職先から内定をもらえなかった
- 好きだった人に告白したが、振られてしまった
- 資格試験に落ちてしまった
ここで、学歴を言い訳にして現実から目を背けるのか、それとも「次はどうすれば上手くいくのか?」と前向きに考えるのかで、大きな差が出ます。
困難に直面しても、後者のように考えられる人は、きっと将来も好転していくでしょう。成功している人は、必ずといっていいほど困難を乗り越えて成長しています。
人との関りを避けてしまう
学歴にコンプレックスを持っている中卒の人は、学歴の話をされたくないという思いから、人との関わりを避ける傾向にあります。さらには、人と関わることがだんだん嫌になり、ニートになる中卒者も少なくありません。
令和3年度の学校基本調査によると、1年間に増える中卒者人数は52,458人です。
そして、「労働政策研究・研修機構:非求職無業者(ニート)の経歴と意識、世帯の状況」によると、中卒のニートの割合は18.1%となっています。
人との関わりを避けることで、約2割もの人がニートになってしまう現実があります。
参考「政府統計ポータルサイトe-Stat:令和3年度 学校基本調査(状況別卒業者数)」
参考「労働政策研究・研修機構:非求職無業者(ニート)の経歴と意識、世帯の状況
面倒なこと努力が必要なことを避けてしまう
中卒者の中には、面倒なこと・努力が必要なことに直面すると、避けてしまう人が多いです。中卒であることをリンクさせてしまい「どうせ自分には上手くいかない」と思って諦めてしまうのです。
しかし、何事も挑戦しなければ成功はありません。また挑戦して努力できなければ、成長することもないでしょう。このような考えの末路としては、何も新しいことに挑戦できず、どんどん人生がしんどくなっていきます。
恋愛面での末路
中卒であることは、恋愛面にも影響があります。具体的な末路としては、以下3つのパターンです。
- 結婚の際に相手の親に反対される
- マッチングアプリでマッチングが出来ない
- 合コンや出会いの場で恋愛対象外となる
以下、それぞれを詳しく解説していきます。
結婚の際に相手の親に反対される
結婚を決意する際、中卒だと相手の親に反対されることも多いです。それは、あなたを結婚相手として見たときに、以下のイメージを持たれるからです。
- 仕事が上手くいかず、生活が苦しくなるのではないか
- 子育ての際、教育に影響が出るのではないか
中には、あなたの人間性をよく見ずに「中卒」という学歴だけで、人柄を判断する人もいます。その場合、きちんと人間性を理解してもらえるよう、忍耐強く関わっていくことが必要でしょう。
マッチングアプリでマッチングが出来ない
近年マッチングアプリを使った出会いも増えてきました。しかし、中卒だと、なかなかマッチングできないことも多いです。というのも、マッチングアプリは利用者のプロフィールを参考にしながら、興味をもった人にメッセージを送る仕組みだからです。そこで「中卒」と記載があると、以下のような印象を持たれがちです。
- 知性が低そう
- 結婚を考えると大変そう
- 周りからも反対されそう
恋愛において、決して条件だけでは判断できませんが、マッチングアプリではプロフィールによる第一印象も大切です。そこで良い印象を持たれないとマッチングすることもないので、恋愛のきっかけを掴めません。
合コンや出会いの場で恋愛対象外となる
中卒だと、合コンや出会いの場で「恋愛対象外」とされる可能性もあります。社会人同士で合コンをする場合においても、話の流れで中卒であることを話すシーンもあるでしょう。そこで、中卒であることを伝えると、付き合うと将来を不安に感じる人も多く、恋愛対象外にされてしまうことも少なくありません。
中卒の末路で感じる3つの不安
先ほど「仕事面」「メンタル面」「恋愛面」の3つの視点で中卒の末路を解説しましたが、ここでは「中卒者が不安に感じやすい3つの不安」についても解説します。
- 中卒での就職は可能なのか?
- 中卒でも稼ぐことは可能なのか?
- 中卒は結婚できるのか?
それぞれについて解説をしていきます。
中卒での就職は可能なのか?
中卒でも就職することは、十分に可能です。中卒者の場合、募集求人の総数は少ないものの、令和3年3月卒業の中卒者の就職率は、95.4%と非常に高い水準になっています。
ただし、中卒だと就ける職種が限られているため、職業の選択肢が少ないことは理解しておきましょう。
参考「厚生労働省:令和4年3月高校・中学新卒者のハローワーク求人における求人・求職・就職内定状況を公表します(9月末現在)」
中卒でも稼ぐことは可能なのか?
中卒でも高年収を稼ぐことはできます。ただし、それ相応の努力が必要なのは、いうまでもないでしょう。厚生労働省によると、令和元年における中卒者の平均月額給与は以下の通りです。
図4 中卒者の平均月額給与(単位:千円)
給与が最も高くなるのは55〜59歳です。これに夏冬それぞれ1か月分の賞与があったとすると、平均年収は400万円程度になります。国税庁の公表によると、令和元年における全体の平均年収は436 万円なので、中卒者の場合、平均よりも若干少ない結果となっています。
しかし、この結果はあくまで平均であり、努力次第では平均を超える年収を得ることも可能です。近年では副業もしやすく、本業+副業で稼げる時代にもなっています。高年収を稼ぎたければ、諦めずに行動し続けることが大切といえるでしょう。
中卒は結婚できるのか?
中卒でも、結婚して幸せな家庭を築いている人はいます。先ほども説明したように「相手の親に結婚を反対される」などの苦難があるかもしれませんが、それでも中卒であることと、結婚できることは別問題です。
もし周りから反対されることがあっても、あなたの「結婚したい」という意思を真剣に伝えたり、それに見合った行動をしていきましょう。その結果、相手の親が漠然と抱いていた「中卒者が結婚相手だと将来が不安だ」という気持ちは和らいでいくはずです。
中卒の末路を変える方法
これまでお伝えしてきた中卒の末路を、明るい未来へ変える方法を紹介します。具体的には、以下の3ステップを実行することです。
- 目標設定をする
- 目標を達成させるためのスキルを考える
- 目標達成のための仕事を探す
それぞれの手順を、順番に解説していきます。
方法1:目標設定をしてみる
まずは「自分が将来どうなりたいのか」を具体的にイメージしてみましょう。おすすめは「ベーシック法」という目標設定手法を使うことです。以下4つのステップに従って、目標を設定してみましょう。
- 1:目標の設定:何を達成するのか
- 2:達成基準の設定:達成の具体的な基準は何か
- 3:期限の設定:いつまでに達成するのか
- 4:達成計画の立案:どうやって達成するのか
例えば、英語の能力を身に着けたい場合は、次のように考えます。
- 1:目標の設定:ビジネスで使える英語スキルを身につける
- 2:達成基準の設定:TOEIC800点取得
- 3:期限の設定:1年後
- 4:達成計画の立案:毎日1時間ずつ、リーディングとリスニングの勉強をする
このように、具体的な計画に落とし込んで実践していくことで、目標達成までの道のりが現実的なものになっていきます。目標や計画が曖昧であったり、期限が決まっていない目標は途中でやる気を失ってしまう可能性が高いので、注意しましょう。
方法2:目標を達成させるためのスキルを考える
次は、立てた目標を達成するうえで「必要なスキル」を考えます。例えば、システムエンジニアになりたいと考えた場合、以下のスキルが必要です。
- パソコンやデータベースに関する基礎知識
- プログラミングスキル
- 論理的思考力
- スケジュール管理
必要なスキルが決まったら、環境を整えていきましょう。上記の例であれば、パソコンとネット環境があれば、スキルの習得ができます。それに加えて、プログラミングスクールを検討するなど、目標達成に向けて必要なことを考えます。これによって「具体的に何をすればいいか」が明確になるでしょう。
方法3:目標達成のための仕事を探す
目標を達成するにあたって理想的なのは「目標が達成できる仕事」をすることです。1人で努力するのではなく、周囲の人に助けてもらいながら成長していける環境に身を置くと、自然と目標達成が近づきます。
そこで「自分の獲得したいスキルが身につく会社はどこか」を考えて、就職を目指しましょう。それを見極めるには、転職エージェントに相談することが効果的です。自分の獲得したいスキルが身につく会社を選ぶのは難しいので、就職支援のプロに相談しながら就活を進めるのがおすすめです。
適した会社に就職できれば、仕事をしていく中で、自然とスキルアップができるでしょう。
まとめ
以上、中卒の末路と、その末路を変える方法について解説しました。中卒で将来に不安を抱いていた人も、少し前向きな気持ちになれたのではないでしょうか。
中卒者の末路がどんなものなのかを理解し、それを打開するための方法をコツコツと実践していくことで、あなたの未来は必ず開けます。じっくり1つずつで構いませんので、今回紹介した方法を、ぜひ実践していってください。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい