「ハローワークは中卒でも利用可能なの?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、ハローワークは中卒の人も利用可能です。なぜなら、ハローワークは15歳以上の方であれば、誰でも利用可能だからです。
こちらの記事では、ハローワークの有効な活用方法を解説しております。中卒の人がハローワークを利用する際のコツを理解し、就職活動を前向きに進めていきましょう。
- ハローワークは、満15歳以上かつ働きたい意志のある人であれば誰でも利用できる!
- ハローワーク利用の3つのコツ【とにかく通う、絞り込みすぎない、積極的に相談窓口】
- 希望の求人が見つからない場合は「エージェント活用」など3つの対処法も試してみよう
この記事の目次
ハローワークは中卒でも利用可能
ハローワークは、満15歳以上かつ働きたい意志のある人であれば誰でも利用できます。
学歴によって使える・使えないが決まるわけではないので、中卒の人であっても利用可能です。
なお、ハローワークと一口に言っても、実はさまざまな種類が存在します。特に若年層に特化したサポートを実施しているのが「わかものハローワーク」です。
わかものハローワークとは、「主に正社員での就職を目指す35歳未満を対象とした就業サポート機関」のことで、次のような支援を無料で受けられます。
- 専任担当者によるマンツーマンでの個別支援
- 正社員就職に向けた就活プランの作成、仕事の紹介
- 正社員就職に向けたセミナー、グループワークなどの実施
ハローワークは全国に544ヵ所設置されている一方で、わかものハローワークは25ヵ所と少なめです。しかし令和2年の実績を見ると、およそ17.9万人の若者が利用し、そのうち約6.8万人が就職を実現させています。
社会人経験のない既卒者やフリーターの就職も支援しているので、自宅近くにわかものハローワークがある人、そして正社員を目指している人は利用してみましょう。
中卒はハローワークを使って就職ができる
中卒であっても、ハローワークを使っての就職活動は可能です。満15歳以上であれば、学歴に関係なく誰でも利用できることが理由のひとつですが、たとえば先ほど紹介したわかものハローワークは「正社員での就職を目指す35歳未満を対象とした就業サポート」をうたっており、若者の就職を後押しする体制が取られています。
なお、厚生労働省が発表した「平成30年若年者雇用実態調査の概況」によると、およそ35.4%の中卒者が正社員として就業しています。これは高卒56.3%、大卒80.9%と比べれば低い割合ですが、中卒者の約3人に1人が正社員として働いているという事実に勇気づけられる人もいることでしょう。
一方で、正社員として働いていない中卒者の多くは、契約社員や派遣社員、またはパートやアルバイトなどの「非正規」として勤務しています。非正規の働き方は、会社に縛られにくい自由な面はあるものの、正社員と比べると給料が低かったり、経営が傾いてきたときに真っ先にリストラの対象になったりと、不安定な働き方であるという側面もあります。
安定的に働いていきたい場合には、ハローワークを含めた就職サポート機関を活用して、正社員での就職を目指して行きましょう。
ハローワークを中卒で利用するコツ3選
中卒者がハローワークを利用するコツを3つ紹介します。
- コツ1:ハローワークに、とにかく通う
- コツ2:職種や業種を絞り込みすぎない
- コツ3:積極的に相談窓口を利用する
いわゆる「学歴社会」が色濃く残る中で、企業としては高卒者・大卒者を優遇する傾向がまだまだ見られます。その中で中卒者が仕事を獲得していく、さらには正社員就職を勝ち取っていくには、ハローワークを上手く活用することが欠かせません。
では、それぞれのコツを解説します。
コツ1:ハローワークに、とにかく通う
まず、ハローワークには何度も足を運ぶようにしましょう。面倒くさいかもしれませんが、特に正社員求人には人気が集まるため、こまめに求人をチェックしていないとチャンスを逃してしまう恐れがあります。
可能であれば週に2回は通いたいところですが、難しい場合には週1回でも構いません。大切なのは「求人をチェックする習慣を作ること」です。無理のない範囲で、足繫くハローワークに通い続けましょう。
なお、ハローワークの求人はおおむね30分ごとに最新の情報がアップされています。ハローワーク内の検索機で全国の求人を確認できるので、足を運んだ際はまず求人のチェックから始めてみてください。
コツ2:職種や業種を絞り込みすぎない
ハローワークで求人を探す場合には、職種や業種を絞り過ぎないこともポイントです。選択肢を狭めてしまうと、それだけ就職できる可能性が遠のいてしまうからです。
たとえば「事務職」は学歴を問わず人気がある職種ですが、中卒者でも応募できる「学歴不問」の求人となると、応募できる求人数はかなり限られます。そのため「絶対に事務職として働きたい!」と考えていると、そもそも求人が見つからず、就職まで漕ぎ着けないこともあるのです。
一方で少しだけ視野を広げてみると、「プログラマー」や「コールセンター」なども、事務職と同じデスクワークであることが分かります。特にプログラマーのようなIT系職種は、学歴を問わずに採用している企業が少なくありません。そのため「会社の中で働く仕事に就きたい」「一人で黙々と進められる仕事をしたい」と考えている場合には、事務職以外のデスクワークの仕事にも目を向けてみることで、就職できる確率をグッと広げられる可能性があるのです。
繰り返しになりますが、中卒の就職は、高卒・大卒に比べると応募できる求人数がどうしても限られてしまいます。そんな中で内定を獲得するためには、まず選択肢を多めに持ちつつ、広い視野で求人を探していきましょう。
コツ3:積極的に相談窓口を利用する
3つめのコツは、ハローワークの相談窓口を積極的に利用することです。なぜなら、就職活動をよりスムーズに進められる可能性があるからです。
ハローワークには、就職活動をサポートしてくれる「相談員」と呼ばれるスタッフが常駐しています。そして相談員には、次のような相談・質問が可能です。
- 自分に向いている求人を紹介してほしい
- 履歴書や職務経歴書を添削してほしい
- 応募企業の面接において、過去にされた質問を教えてほしい
ハローワークはあくまで就職をサポートする機関のため、相談員が無理に就職を勧めてくる、あるいは求職活動に身が入っていないことを怒られる、なんてこともありません。むしろ内定に近づくノウハウや知識をやさしく教えてくれるので、自分だけで就職活動を進めるには不安がある場合には相談窓口をぜひ積極的に利用してみてください。
なお、ハローワークには多くの人が訪れます。相談員も忙しいため、待っていれば相談員の方から声を掛けてくれる、というようなことは期待できません。そのため「情報を自ら手にしていく」という意識を強く持ちつつ、自分から質問していけると良いでしょう。
ハローワークで中卒者が狙うべき求人5選
他の学歴に比べて、中卒者が応募できるハローワークの求人は少なめです。そのため就職に近づくためには、次のような「競争率が低い求人」をあえて狙ってみる、というのもおすすめです。
- 中小企業/零細企業
- 人材不足の職種/業種
- 実力主義の職種/業種
- 夜勤ありの職種/業種
- 大型/特殊車両の運転をする業種
なお「競争率が低い=就業環境が厳しい」とも限りません。選択肢を広く持っておくためにも、ぜひ幅広い分野で求人を探してみてください。
求人1:中小企業/零細企業
中小企業や零細企業の多くは、なかなか応募者が集まらずに苦労しています。採用のハードルを下げている企業も多く、中卒でも採用してくれる企業が見つかりやすい傾向にあるので、中卒者にとっては狙い目の求人と言えるでしょう。
ちなみに中小企業基本法では、中小企業を次のように定義しています。
製造業 その他 | 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社 または常時使用する従業員の数が300人以下の会社および個人 |
卸売業 | 資本金の額または出資の総額が1億円以下の会社 または常時使用する従業員の数が100人以下の会社および個人 |
小売業 | 資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社 または常時使用する従業員の数が50人以下の会社および個人 |
サービス業 | 資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社 または常時使用する従業員の数が100人以下の会社および個人 |
「資本金」と聞くと難しく感じてしまう人は、ざっくりと「従業員300人未満の会社」が中小企業である、とイメージしておくと良いでしょう。なお零細企業は、厳密には「小規模企業者」と呼ばれる会社で、おおむね従業員数20人以下の会社を指します。
求人2:人材不足の職種/業種
人手不足の職種や業種の求人には、「学歴不問」で応募を受け付けているものも少なくありません。
次にあげる業界は、特に人手不足が深刻です。こうした業界に興味がある場合には、応募を前向きに検討してみましょう。
- 建設・建築・土木業界
- 運送・流通業界
- 医療・介護福祉業界
- 飲食・サービス業界
- IT業界
求人3:実力主義の職種/業種
実力主義の会社が多い業界も、「学歴不問」で応募者を受け付けている企業が目立ちます。たとえば、次のような業界です。
- 金融業界(保険営業など)
- 不動産業界(不動産販売営業など)
- 化粧品業界(美容部員など)
こうした仕事は、学校で学んだ内容が仕事に活かせるか、というとそうでもありません。むしろ、その人の人柄や、コミュニケーション能力、ストレス耐性などが成果を左右するため、学歴がそれほど重要視されないのです。
なお、企業は「利益を上げてくれる人材を採用したい」と考えるため、その仕事に慣れていたり、実績がある経験者を優先的に採用する傾向があります。そのため、未経験の場合には、「未経験者歓迎」と書いてある求人を探すことも意識してみると良いでしょう。
求人4:夜勤ありの職種/業種
中卒者の場合、夜勤が発生する仕事を見てみるのもおすすめです。なぜなら、生活リズムを調整するのが難しく、応募者がなかなか集まらない仕事だからです。
夜勤がある仕事としては看護師や警備員などが知られていますが、そうした「体力が求められる仕事」以外にも、コールセンターやインフラエンジニアなど、デスクワークでも夜勤のある仕事が見つかります。
そして、22時から翌朝5:00までの深夜帯の仕事には「給料+25%」の割増賃金が支払われ、夜勤手当も別途支給する会社もあります。一方で給料面でのメリットとは裏腹に、たとえデスクワークの仕事だとしても、どうしても体力は削られていきます。無理は禁物ですが、もしも体力に自信があれば夜勤の求人もチェックしてみると良いでしょう。
求人5:大型/特殊車両の運転をする業種
大型車両や特殊車両を運転する配送業の仕事も、中卒者が検討する価値がある仕事の一つです。
大型トラックのドライバーや、工事現場で活躍するクレーン車の操縦などが主な業務ですが、こうした仕事は免許が必要であるため、誰でも応募できるわけではありません。そのため応募者が少なく、学歴を重視しない会社も多いので、中卒でも採用される確率を高められるのです。
ハローワークに中卒向けの求人がない場合の対処法
ハローワークに行ったにも関わらず、希望する求人が見つからなかった場合の対処法を3つ紹介します。
- 1:複数の求人を候補にしておく
- 2:知人/友人にツテがないかを確認する
- 3:就職エージェントを利用
では、それぞれについて見ていきましょう。
対処法1:複数の求人を候補にしておく
1つめは、複数の求人を候補に入れておくことです。
たとえば「東京勤務、月給25万円以上」を条件に求人を探している場合、もう少し条件をゆるめて「関東圏、月給20万円以上」の求人も探しておきます。
このとき、希望をピンポイントに満たす求人ではなくても、希望に近い求人を“保険”として候補に入れておくことが大切です。なぜなら、いざ「求人がない」という状況に追い込まれても、慌てずに職探しを続けられるからです。
なおハローワーク以外にも、求人を紹介してくれるサービスはたくさんあります。一つでも多くの求人をチェックしたい場合には、後ほど紹介する「就職エージェント」も活用してみるのがおすすめです。
対処法2:知人/友人にツテがないかを確認する
対処法の2つめは、知人や友人のツテを頼ることです。
中卒者を採用する企業としても、応募者のことを詳しく知っている知人や友人の紹介があれば安心して採用できます。
一方で、ツテを頼りに入った会社を辞めたいと思った場合に「せっかく友人に紹介してもらったのに、辞めるのは申し訳ない……」と考えてしまうなど、入社後に窮屈な思いをする可能性があることはデメリットとして認識しておきましょう。
対処法3:就職エージェントを利用
ハローワークで思うように求人が見つからない場合には、「就職エージェント」も活用してみましょう。
就職エージェントとは「専任の担当者が、就職活動のすべてをサポートしてくれる民間サービス」のことで、無料で利用できます。
たとえば、あなたに適した求人を紹介されますし、書類選考や面接のアドバイスも受けられるなど、内定獲得に向けて二人三脚でサポートしてくれるのがメリットです。
特に私たちジェイックは、18歳以上であれば中卒の方も支援しています。求人の紹介や、選考過程でのアドバイス提供はもちろん、自己分析やマナーについて学べる講義、さらには書類選考なしで受けられる面接会も開催しているます。「中卒でも内定をもらえるかな……」と少しでも不安がある場合には、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
中卒の人がハローワークを利用する方法について、求人検索のコツも含めてお伝えしてきました。
中卒者は他の学歴に比べると正社員での就職割合は低めですが、それでもおよそ3人に1人は正社員就職を実現しています。そしてハローワークは学歴問わず、正社員就職に向けたサポートを行ってくれるので、仕事探しで悩んでいる人は一度足を運んでみましょう。
一方で、中卒でも応募できる「学歴不問」「中卒歓迎」といった求人の数は多くないため、まずは条件を少しゆるめ、視野を広くして求人を探していく姿勢も大切です。少しでも気になる求人があれば、ぜひ積極的に応募していきましょう。