職歴なしからの就職は厳しそう…そう感じる人も多いかと思います。
この記事では、職歴が無い人の就職事情について解説し、就業経験なしからでも正社員として就職できる仕事や、おすすめの就活方法を20代・30代の年代別に紹介します。
職歴が無いと劣等感を抱きがちですが、就職する意欲があるうちに正社員での就職を目指すことが重要です。今すぐに、新たな一歩を踏み出していきましょう!
- 職歴なしの就職率は新卒より低いが、半数は就職できている!早めのスタートが重要
- 職歴なしの人におすすめの仕事は、営業職、介護職、エンジニアなど
- 職歴なしから就職するために、転職エージェント、転職サイト、ハローワークを活用しよう!
職歴なしの就職事情を解説
まず「職歴」とは、学校卒業後の「入退社の履歴」を指します。
「職歴なし」とは、『正社員・契約社員として働いた経験(職務経歴)が無い状態』を指します。正社員に応募する際の履歴書には、契約社員以上の職歴を表記するのが一般的です。
そして、学校を卒業後に『正社員としての職歴がない人』は、いわゆる「既卒」の状態に該当します。「既卒」とは、高卒・大卒などの学歴を問わず「学校を卒業したあと正社員としての職歴がない人」を指します。卒業後に就労経験がない場合、企業からは「既卒」と認識されることになります。
さらに、ここが重要なポイントになりますが、卒業後の期間が長いと「職歴なしの中途採用扱い」になり、短ければ「既卒として新卒枠での採用」になる可能性があります。後者の方が応募先の選択肢が増えますので、正社員での就職を実現しやすくなります。
ただし、既卒としての就職活動も、新卒と比べれば難度が上がります。詳しくは次にご紹介します。
職歴なしの就職率は高くない
リクナビとマイナビが発表した、新卒・既卒の就職率は下記のとおりです。
- 新卒者の就職内定率:95.2%
- 既卒者の就職内定率:42.4%
既卒者の就職内定率は、新卒者の半分程度しかないことがわかります。
参考:就職プロセス調査(2022年卒) 2021年12月1日時点 内定状況
職歴なしからの就職が難しい理由
新卒で就職しなかった理由として、よく聞かれるのは以下のような事情です。
- 公務員を目指していた
- 新卒時代に就活をしなかった、できなかった
- 自分のやりたい仕事がわからなかった
日本の企業は、職歴なしの既卒者よりも新卒を優先的に採用する傾向にあります。
事情はさまざまあるにせよ「新卒者向けの就職活動をせずに(あるいは活動したが)既卒になった人」よりも「新卒のタイミングに合わせて準備を進め、就職活動を行っている人」の方が、書類選考の段階では『入社後の仕事も安心して任せられる』という印象を与えるからです。
また、本人が「職歴なし」を過剰に気にしてしまい、就活にしっかり打ち込めなかったり、面接時にネガティブな対応をとってしまう等、みずから内定を遠ざけてしまうケースも多々あります。
けれども、今の時点が一番若く、正社員で就職できる可能性がより高い状況にあると言えます。職歴が無い人は、新卒とは異なる努力や工夫も必要になってきます。これからご紹介する「おすすめの仕事」や「就職方法」を参考に、一刻も早く行動に移しましょう。
職歴なしから就職する際におすすめの仕事とは
既卒で職歴がない場合、やはり正社員就職の難度は上がってしまいます。
さらに「応募倍率が高い人気業界、人気の職種」に狙いを定めてしまうと、就職の可能性をもっと狭めてしまうことになります。
そこで視点を変えて、『正社員として採用されやすい業界・職種』という切り口から、就職先を探していくのがおすすめです。「職歴がない既卒者でも正社員就職がしやすい」のは、常に人手不足に悩んでいる業界・職種です。
厚生労働省の有効求人倍率(令和3年2月度)を参考に、比較的に正社員就職がしやすい職種をご紹介します。有効求人倍率は「求職者1人に対して、何人分の求人があったかを示すもの」です。1倍を超えていれば、基本的に売り手市場(就職したい人に有利)と言えるでしょう。
営業職(有効求人倍率1.69)
営業職には、新規開拓・ルート営業などいくつかの種類がありますが、いずれも製品・サービスの提案・受注、顧客へのフォローやサポート、社内外との調整などが主な仕事内容です。おすすめする理由は以下の点からです。
- 求人募集が多く、他の職種に比べて採用されやすい
- 未経験でも応募が可能であることが多い
そして、営業職に向いてるのは下記のようなタイプの人です。
- 人の話をよく聞き、ニーズを把握できる人
- 共感力がある人
- コミュニケーションが好きな人
また収入面について、doda「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 【最新版】」によると、営業職(20代)の平均年収は378万円です。
業務を通じてコミュニケーションスキルが向上すれば、他業界へも営業職として転職できるなど将来の展望も広がります。
販売職(有効求人倍率1.26)
販売職は、基本的には接客・レジ・清掃・品出し・問い合わせ対応など、店舗運営にまつわる業務が主な仕事内容です。店長やマネージャーになると、売上やシフトなど全体を管理する業務も担当します。おすすめする理由は以下の点からです。
- 求人募集が多い
- 未経験であっても、採用されやすい
販売職に向いてるタイプは、下記のような人です。
- 人当たりが良く、人と話すのが好きな人
- 人に何かを説明するのが得意な人
- 雰囲気が明るい人
収入面に関して、doda「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 【最新版】」によると、販売職(20代)の平均年収は298万円です。
販売職として経験を積むことで、営業職への転職も可能となるでしょう。好きな製品やブランドがあったり、人と関わるのが好きな人にはおすすめです。
介護職(有効求人倍率3.10)
介護職の主な業務は、要介護者施設において、利用者の日常生活のサポートや夜間等の見回り、イベントやレクリエーションの企画・運営、利用者家族への対応などがあげられます。
おすすめする理由は以下の点からです。
- 慢性的に人手不足であり、多くの求人募集がある
- 未経験でも、人材育成の環境がありスキルが身に付く
そして、介護職に向いてる人は、以下のようなタイプの人です。
- 感謝されることに喜びを感じる人
- 特に需要が高い業界で働きたい人
また収入面では、求人ボックス給料ナビ「介護福祉士の仕事の年収・時給・給料情報」によると、介護職の平均年収は305万円です。
高齢化社会において介護職は常に必要とされている仕事のため、将来性のある業界で働きたい人にもおすすめです。
施工管理(有効求人倍率4.55)
施工管理とは、主に建設現場などにおける工事全般の管理業務を担当し、予算や安全面の管理、スケジュールや予算の管理、提出書類の作成や各種手続きなどを行う業務です。おすすめする理由は以下の点からです。
- 人手不足が常態化しており、求人が多くある
- 未経験でも、人材育成の環境がある
施工管理職に向いてる人の特徴としては、以下があります。
- 人との調整や計画を立てることが得意な人
- しっかりとスキルを身につけたい人
収入については、求人ボックス給料ナビ「施工管理の仕事の年収・時給・給料情報」によると、施工管理職の平均年収は474万円です。
現場で身体を動かすというよりも、スケジュールを組んだりスタッフがスムーズに業務に取り組めるよう準備したりする仕事です。また、実務を通じてマネジメント業務を体得できるため、長く使えるスキルを身につけたい人にもおすすめです。
エンジニア(有効求人倍率1.77)
ここでは、ITエンジニアについてご紹介します。
仕事内容は、情報システムやWebサイト、ソフトウェアなどにおいて、システム設計・開発、テスト、運用などの工程を担当します。以下が、おすすめする主な理由です。
- 慢性的に人材不足のため、未経験者でも募集がある
- 文系出身者でも採用する企業がある
そして、ITエンジニアに向いてるのは、下記のようなタイプの人です。
- 集中力がある人
- 物事をコツコツと続けられる人
- 論理的思考ができる人
IT業界は今後も人材需要が高いと見込まれ、キャリア形成や給与面でもメリットがある職種と言えるでしょう。doda「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 【最新版】」によると、ITエンジニア(20代)の平均年収は372万円です。(※技術系【IT/通信】の平均年収)
専門的な知識やスキルが身につき、将来の転職もしやすい職種と言えるでしょう。
職歴なしから就職するための方法【年代別】
職歴がない人におすすめの就職方法として、下記の3つがあげられます。
- 転職エージェント
- 転職サイト
- ハローワーク
まずは、それぞれの特徴を解説します。
就職エージェント
民間企業が提供する、無料の就職支援サービスです。専任のキャリアアドバイザーが現状や就きたい仕事などについてヒアリングをして、希望に近い企業を紹介します。
就活に関する講座への参加や、書類添削・面接対策なども利用でき、個々に合った仕事や企業探しをサポートします。
就職エージェントが扱う求人は、自社スタッフが求人企業を実際に訪問し詳細を確認しています。労働条件はもちろん、社風や社内の雰囲気などについても把握しているため安心です。一人ひとりにプロのアドバイザーがつくため、質問や相談がしやすいのも利点です。また、面接の日程調整や企業に聞きづらい質問などの連絡も代行してもらえるため、自分でなければできない活動に専念できます。
ただ、とにかく早く就職するよう急かしてきたり、希望とまったく異なる求人ばかり紹介するエージェントや担当者には要注意。合わないと感じる場合は、担当者の変更を申し出る、他のエージェントに切り替えるなどの対応も検討しましょう。また、エージェントを活用すると就職の成功率は上がりますが、必ず就職できると確約されているわけではない点を理解しておきましょう。
就職サイト
就職サイトは、氏名や住所、年齢、学歴や職歴などを登録することで利用できます。希望職種や給料、勤務地などの条件を入力して求人検索し、気になる企業があれば、サイト上から応募できます。大手が運営するサイトのほか、特定の業界や職種が中心、女性向け、若者向けなどの特徴を持つ就活サイトもあり、複数のサイトを併用することもできます。
スマートフォンからでもチェックできるため、自分のペースで就活を進められます。履歴書や職務経歴書を登録すると、企業側から「応募しませんか」「面接を確約します」などの連絡が来ることもあるため、自分に合う企業が見つかる可能性もあります。
一方、すべての連絡を自分で行うため時間と手間が掛かったり、選考段階では企業に質問などがしづらいと感じることもあります。求人情報に書かれている内容は限られているため、実際に入社してから「思っていたのと違った」と感じるリスクもあります。
ハローワーク
国が運営を委託している、全国に設置されている職業紹介施設です。失業者しか使用できないわけではなく、求職登録をすれば誰でも利用可能です。求人の閲覧や応募だけでなく、職員への相談やハローワーク主催のセミナー・イベント参加、条件を満たしていれば職業訓練の受講などもできます。
ハローワークは管轄している地域の企業の求人を多く扱っているため「地元で就職したい」人にとっては便利です。職業訓練など、就職するためのスキルを身につけられるサービスを活用するのもよいでしょう。
ただし、企業側が求人情報を出したり採用するのも無料であるため、人材採用に経費をかけられない企業や、労働環境や条件面で見劣りする企業などの求人も混ざっている点は否めません。相談員も求人内容の詳細や社内の雰囲気までは把握していないこともあり、事前に知っておきたい情報が得られないケースもあります。また、正社員の求人に特化しているわけではなく、パートなどの求人数も多めです。
職歴なしの就職方法【20代】
20代であれば「既卒として、新卒枠に応募できる求人」もあり、30代に比べれば求人数も多い傾向にあります。そのため、上記3つの方法のいずれを使っても一定の効果は見込めます。
ただ、職歴がない既卒者は、新卒と比べれば就活市場では不利な立場です。応募書類の書き方や、面接での受け答え(「なぜ新卒時に就職しなかったのか?」、「卒業後の期間は何をしていたのか?」などの答えにくい質問)に対して、事前にしっかりと準備をしておく必要があります。
こうした対策を自分ひとりでも行えそうな方は「就職サイト」のみでも希望通りの就活が進められるかも知れませんが、不安な場合は「転職エージェント」でアドバイザーから無料の就活支援を受けるのがおすすめです。
職歴なしの就職方法【30代】
30代・職歴なしであっても、正社員として就職するチャンスはあります。しかし、20代に比べれば、ハードルはかなり高くなります。
30代の人を雇用する場合、企業は「すぐに活躍できるスキル・経験を持つ人材」や「専門性のある人材」、あるいは「マネジメント経験のある人材」を採用したいと考える傾向にあるからです。ポテンシャルや人柄が重視される20代とは異なり、30代で職歴がなくても応募できる求人はかなり数が限られています。
そこで、30代で職歴のない人の就活支援をしている「就職エージェント」の活用をおすすめします。「30代の支援をしている」ということは、「30代未経験でも正社員就職できる求人」が紹介できる可能性が高いのです。
私たちジェイックも、既卒者の就活サポートを得意とするエージェントです。職歴のない20代への就職支援はもちろんのこと、34歳までの方も対象とした就職支援サービスも行っています。
自己分析のサポートだけでなく、業界・企業分析のお手伝いもしています。また、書類選考なしで複数の企業と一度に面接できるイベントも行っています。
まとめ
職歴がなくても、正社員として就職できる道があることをご紹介してきました。
ご自身の現状を冷静に受け止め、不利な部分があればそれをカバーするための戦術をぜひ参考にしてください。
適切な方法をとれないと、貴重な時間をさらに費やしてしまう恐れがあります。また焦って「どんな会社でもいいから、とにかく正社員になることを優先」してしまい、ブラックな職場環境の企業に入ってしまう事態も避けなければなりません。
自分ひとりだけで何とかしようとせず、さまざまな就活支援サービスをうまく取り入れてみてください。
やはり若ければ若いほど有利になる面はありますので、本気で正社員就職を目指すのならば、今すぐに就職活動をスタートしましょう!
「職歴なしの就職」に関するよくある質問
「職歴がないと、正社員としての就職ができない」ということはありません!ただ、新卒に比べて就職率は低いのが実情です。「職歴なしの就職事情を解説」で詳しくご紹介していきます。
職歴がない人におすすめの就職方法は3つ、転職エージェント・転職サイト・ハローワークの活用です。「職歴なしから就職するための方法【年代別】」ではそれぞれの特徴を解説し、20代・30代の年代別の活用術もご紹介します。