英語を使う仕事とは、と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
英語を使う仕事にもいろいろあります。こちらの記事では、英語を使う仕事一覧や仕事に就くポイントを解説しております。気になった方は是非参考に読んでみてください。
英語を使う仕事とは?
英語を使う仕事の定義は、日常的な業務の中で、英語を「話す」「聞く」「読む」「書く」のいずれかが発生する仕事です。定義が幅広い分、一言で「英語を使う仕事」といっても様々な仕事があります。
国際ビジネスコミュニケーション協会によると、必要な英語力は大きく以下の3種類に分けられます。
- 日常会話レベル(TOEIC基準は470点)
- ビジネスレベル(TOEIC基準は730点)
- ネイティブレベル(TOEIC基準は860点)
というのも、年々グローバル化が進んでおり、英語が使える人と使えない人では、キャリアプランの選択肢が大きく異なります。そのため英語は、近年多くの人が注目しているスキルです。
参考「一般社団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会:PROFICIENCY SCALE」
英語を使う仕事10選
ここでは、実際に英語を使う10の仕事を紹介します。
- 入国審査官
- ITエンジニア
- 英文事務
- 航空管制官
- 外資系企業
- パイロット
- 中学校/高校の英語教員
- 英会話スクール講師
- 通訳者
- コンサルタント
それぞれの「仕事内容」「向いている人」「仕事をする際の注意点」「平均年収」「必要な英語力の目安」を解説しています。
仕事1:入国審査官
入国審査官は、日本を訪れた外国人に対し、入出国の審査を行う仕事です。在留予定の外国人に対しては「在留資格を持っているかどうか」の審査をします。
以下に当てはまる人は、入国審査官に向いているといえるでしょう。
- 法律に沿って行動できる、正義感や責任感のある人
- 問題が起きても冷静に対応できる人
- 外国人の多様な価値観を理解できる人
一方、私情に流されないことは、入国審査官を務めるうえで重要です。例えば「大切な人に会いに来た」という目的で来日した外国人が、入国条件を満たしていなかったとします。このとき、同情する気持ちがあっても「入国条件を満たさない人の入国は許可しない」という自分の役割を全うする姿勢が求められます。
平均年収は600〜700万円で、必要な英語力の目安は、TOEIC500点以上です。
仕事2:ITエンジニア
ITエンジニアとは、以下4つの職業をまとめた情報技術者の総称です。
- システムエンジニア
- プログラマー
- サーバーエンジニア
- ネットワークエンジニア
英語を使えると、海外のサイトからも情報収集することができます。IT業界は全世界にわたって通用する知識・スキルが多いので、海外の情報を取り入れられると、大きな武器になるでしょう。
ITエンジニアに向いているのは、最新のトレンドを勉強し続けられる人や、論理的思考力・コミュニケーション力がある人です。コミュニケーション力は意外に思うかもしれませんが、ITエンジニアはチームで1つのプロジェクトに関わることが多いので、チーム内の連携も欠かせません。反対に、パソコン作業が苦手な人や最新のテクノロジーに興味がない人にとっては、あまり向いていない仕事かもしれません。
平均年収は650〜750万円で、必要な英語力の目安は、TOEIC500点以上です。
仕事3:英文事務
海外向けの事業を行う企業では、事務作業にも英語が使われます。このような企業で、英文事務は以下の業務を行います。
- 海外の企業と電話連絡
- 英語でのメールや資料作成
- 受け取った資料の翻訳
このように英文事務の仕事は、多岐にわたります。
英文事務に向いている人は、英語が好きで、事務作業がストレスなくできる人です。反対に仕事上の注意点は、海外と時差がある関係で、残業が発生しがちなことです。そのため「極力、定時で帰りたい」という人は、求人探しに苦労するかもしれません。
事務員の中でも英文事務は「専門スキルを持った人」と位置づけられるので、平均年収も400〜500万円と、一般事務よりも100万円ほど高いです。必要な英語力の目安は、TOEIC600点以上です。
仕事4:航空管制官
航空管制官の仕事は、レーダーや無線機を使って、航空機の進路誘導や着陸指示を行います。空ではさまざまな航空機が同時に飛び交っているため、接触事故を起こさないためにも航空管制官は重要な役割です。海外の航空機・パイロットとコミュニケーションを取るため英語力は必須であり、航空管制官の採用試験にも英語の筆記試験・面接試験があります。
航空管制官に向いているのは、以下に当てはまる人です。
- プレッシャーに強い人
- 責任感のある人
- 機械に強い人
機械に強い方がいい理由は、業務の中で最新の通信機器を扱うからです。責任の大きい仕事にやりがいを感じられる人は、向いていると考えられます。航空管制官として働く際の注意点は、異動が多いことです。2〜3年で勤務地が変わることも珍しくないため、このような条件が受け入れられない人は、苦労するかもしれません。
平均年収は500〜600万円で、必要な英語力の目安は、TOEIC600点以上です。
仕事5:外資系企業
外資系企業とは、日本以外にビジネスの拠点を置く企業や、海外企業の出資によって日本に設立された企業です。外資系企業で働く人は、外国人とのミーティングが発生するため、英語力は必須といえるでしょう。メール連絡も英語が使われるので、リーディング・ライティング力も必要です。
異文化を受け入れる柔軟性がある人や、実力主義な考えに共感できる人は、外資系企業で働くことに向いています。特に結果を出せれば、若くして昇進・昇給することも十分可能なため、大きなやりがいを感じられる人も多いです。裏を返せば、結果を出せないとクビになる可能性もあります。自己主張が苦手な人や安定志向の人は、向いていないかもしれません。
平均年収は750〜850万円で、必要な英語力の目安は、TOEIC700点以上です。
仕事6:パイロット
パイロットは、航空機を操縦し、目的地まで人や物を安全に届ける仕事です。先ほど紹介した航空管制官と英語で連絡を取りながら、安全なフライトができるよう努めます。
パイロットに向いているのは、冷静な判断力と責任感を持ち合わせている人や、長時間のフライトをこなす体力のある人です。またパイロットには「飛行の12時間前からアルコール摂取が禁止される」など、厳しい社内規定が設けられています。そのため、高い自己管理能力も必要といえるでしょう。
パイロットは責任感や冷静な判断力が求められますが、他にも航空機の点検なども行います。そのため、機械系統への苦手意識がないことも重要です。緊張感のある仕事ですが、その分やりがいも大きい仕事といえます。
平均年収は1,100〜1,200万円で、必要な英語力の目安は、TOEIC700点以上です。
仕事7:中学校/高校の英語教員
英語教員は、仕事内容:学習指導要領に沿って、中学校や高校で英語の授業を担当します。最近では、公立高校でも約半数の学校が授業を英語で行っており、英語を日本語で教えるのではなく「英語で英語を教えるスキル」が求められています。そのため、向いている人は、明るくハキハキ話す人や教育熱心な人です。
また、英語教員は英語を教える以外にも、以下の業務が発生しがちです。
- クラス担任
- 部活動の顧問
- 生活指導
- 進路指導
教員を目指す際の注意点は、このように授業以外にもやるべき業務が多いことでしょう。
平均年収は550〜650万円で、必要な英語力の目安は、TOEIC800点以上です。
仕事8:英会話スクール講師
英会話スクール講師は、民間の英会話スクールで社会人を対象に英語を教える仕事です。人によって学習スピードが異なり、生徒の進捗に合わせた指導も求められるため、向いているのは、根気がある人や計画性のある人といえるでしょう。
また、英会話スクール講師ならではの注意点として、生徒の多くは「ビジネス目的」でレッスンを受講します。そのため、英語力とともにビジネス経験が必要な場合もあります。
平均年収は450〜550万円で、必要な英語力の目安は、TOEIC850点以上です。
仕事9:通訳者
通訳者は、異なる言語を話す人たちの間に入り、それぞれの言語に変換して伝える仕事です。商談・会議・番組などの放送など、通訳者はさまざまなシーンで必要とされます。
向いているのは、慎重さや集中力のある人、向上心のある人です。一方、相手の言葉を聞き取り、瞬時に通訳しないといけないので、頭の回転の速さも求められます。
平均年収は600〜700万円で、必要な英語力の目安は、TOEIC900点以上です。
仕事10:コンサルタント
コンサルタントの仕事は、企業や団体の課題・原因を見つけ、それを解決するための方法を提案することです。コンサルタントに英語が必要な理由は、英語を主言語としたプロジェクトが多いからです。そのため、語学力に加え、各国の情勢や文化事情も理解しておくことで、仕事の幅が広がるでしょう。
コンサルタントは、クライアントが納得するような説明と結果を残さなければなりません。そのため、向いているのは、ロジカルシンキングが得意な人やプレッシャーに強い人です。反対に、短期間で無理難題を相談されるケースもあり、コンサルタントはこのような状況下でも、最善を尽くす必要があります。プレッシャーの大きい仕事ですが、クライアントに貢献ができたときは、大きな達成感を味わえる仕事です。
平均年収は800〜900万円で、必要な英語力の目安は、TOEIC900点以上です。
英語を使う仕事に就く3つのポイント
ここでは、英語を使う仕事に就く際に、大事なポイントを3つ紹介します。
- 専門学校や短大卒の学歴が必要な場合もある
- 求められている英語力やスキルを把握する
- 英語力と業界に必要なスキルを身につける
以下、それぞれのポイントを詳しく解説していきます。
ポイント1:専門学校や短大卒の学歴が必要な時がある
就きたい仕事によっては、一定以上の学歴が必要です。例えば、英語教員になりたいと思った場合、以下の学歴条件があります。
- 高校:大卒以上
- 中学校:短大卒以上
- 小学校:高卒以上
他にもパイロットになりたい場合は「航空大学」を卒業する必要があります。航空大学の入学条件が「専門学校卒業以上」もしくは「大学に2年間在籍し、必要な単位を取得していること」とあるので、高卒の人はパイロットになれません。このように、就きたい仕事がある場合は、まず「学歴条件を満たしているかどうか」を確認しましょう。
いずれにせよ、英語を使う仕事は高学歴な人が就くことが多いので、できるだけ以下の2つは意識しておきたいポイントです。
- 大卒以上の学歴を手に入れる
- TOEICで少しでも高得点を目指す
ポイント2:求められている英語力と求められるスキルの把握
条件を確認したら、次は「求められる英語力」と「求められるスキル」を把握します。先ほど紹介した10の職業では、目安となるTOEICの点数をお伝えしました。このように就きたい職業で「どれくらいの英語力が必要なのか」はチェックしておきましょう。
また、職業によっては、英語力だけでなく業界知識や文化の理解も必要です。英語力はもちろん、それ以外に求められる能力も把握しておきましょう。
ポイント3:英語力と業界に必要なスキルを身につける
最後に、現状とのギャップを確認し、就きたい仕事に必要な英語力とスキルを身につけていきましょう。例えば、今のTOEICの点数は600点で、外資系企業に転職したいと思っている人は、まず目安から不足している「TOEICスコアを100点アップする」などの目標が立てられます。
その上で、就職したい業界や企業が求める資格やスキルを研究し、順番に習得していきましょう。おすすめの資格を業界ごとにまとめると、以下になります。
- ITエンジニア:ITパスポート、応用情報技術者
- 英文事務:マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト(MOS)
- 通訳者:通訳案内士
まとめ
以上、英語を使う仕事一覧や就職するためのポイントを解説しました。英語を使う仕事に興味がある人は、1度就きたい仕事で求められる英語力、必要なスキルを調べてみてください。そのうえで不足している英語力や資格・スキルを習得していけば、着実に就職成功へと近づきます。