「工場の仕事とは、どんなものだろう?」と知りたい方もいるのではないでしょうか?
実は、工場の仕事と一口に言っても多種多様です。なぜなら、工場の仕事は塗装する方や商品の研究をする人など多くの職種が存在するからです。
こちらの記事では、工場の仕事内容ややりがいなどについて解説しております。工場勤務について理解でき、就職活動も有利に進めることができるでしょう。
ぜひ最後までお読みいただき、就職活動に活かしてください。
- 「工場勤務の仕事内容」を、大きく7種類に分けて詳しく解説
- 向いている人の5タイプは【初心者、集中力、体力、ものづくり好き、コミュ力が高い】
- 「工場の仕事が楽な理由」と「きつい理由」どちらも把握して自分の適性を見極めよう
この記事の目次
工場勤務の仕事内容
工場勤務の仕事内容は、大きく以下の7種類に分かれています。
- ライン作業
- ライン管理
- マシンオペレーター
- 製品検査
- ピッキング
- 塗装
- 開発研究
以下それぞれの仕事を、詳しく解説していきます。
内容1:ライン作業
ライン作業は「製造ライン」という、工場で製品ができていく一連の流れに携わります。工場の中でも代表的な仕事であり、ベルトコンベアや台車に乗って流れてくる部品を決められた時間内に組み付けたり、検査を行う業務が中心です。
企業によって造る製品は違いますが、製品は多くの工程を経て完成します。よって多くの工場では、工程ごとに担当が割り振られ、作業員は担当作業を次々こなすのが一般的です。
作業に慣れるまでは大変かもしれませんが、基本的には単純作業で、無資格・未経験でも働けます。一般の人向けに「工場見学ツアー」を開催している企業もあるため、工場の仕事に興味のある人は、具体的なイメージを掴むためにも、ぜひ工場見学に行ってみましょう。
内容2:ライン管理
ライン作業を滞りなく進めるために必要な役割が「ライン管理」です。ライン作業では、決められた時間内に一定の作業を終わらせなければなりません。そこでライン管理の担当者は、予定通りに作業が進むように、以下の管理を行います。
- 作業ミスがないか
- 作業遅れがないか
- 設備のトラブルはないか
- トラブル対応
このように、工場全体の状況を正しく把握し、状況に応じた対応が求められます。ライン管理は初心者がすぐにできる業務ではありませんが、重要なポジションでやりがいも大きい仕事といえるでしょう。
まずはライン作業から初めて、ライン管理にキャリアアップしていく流れです。
内容3:マシンオペレーター
マシンオペレーターは、工場で扱う機械を操作する仕事です。難易度は扱う機械によってさまざまで、中には部品をセットして起動ボタンを押すだけのような単純作業もあります。そのため、必ずしも専門的な知識や技能を持っていなくても就職できます。
ただし、工場にある機械は大型のものも多いため、一歩間違えると重大な事故になりかねません。決められたルールを守らずに使用したり、体調不良で作業に集中できていないことは言語道断です。もし、異変を感じた場合は、すぐに保全担当者に報告する必要があります。
このようにマシンオペレーターは、ルールを正しく守るマナーや、毎日集中して安全に作業できる健康を持っていることが大切です。
内容4:製品検査
製品検査はその名の通り、出荷する製品の性能や品質をチェックする仕事です。もし、不具合を発見した場合、直ちに担当者へ報告して指示を仰ぎましょう。
ものづくりにおいて「100%不具合が発生しない」とは言い切れません。しかし、不具合のある状態で製品を市場に出してしまうと、顧客からの信頼を失ってしまいます。そのため、製品検査は高い集中力が求められる、重要な役割といえるでしょう。
高い集中力が必要な分、ローテーションを組んで適度に休憩をはさみながらの作業が多いです。
内容5:ピッキング
ピッキングは、与えられた伝票や指示書に従い、部品や商品をピックアップする仕事です。そのため、スピードと正確性が重要といえるでしょう。他にも、大きな倉庫で働くため、長い距離を歩く体力も必要です。
また、業種によっては、飲料品のケースのような重量物をピックアップすることもあります。その場合は「フォークリフトの運転免許」が必要なので、ピッキングの求人に応募する際は、募集要件をしっかり確認しましょう。
内容6:塗装
塗装は、自動車や金属製品に色を塗る仕事です。基本的には、ハケやエアコンプレッサーを使用し、手作業で塗装します。塗料の厚みにムラがあると見た目にも影響が出るため、作業は丁寧に行わなければなりません。
塗装工程の特徴として、専用のクリーンルームで作業することが多いです。理由は、ホコリや髪の毛などの微小な異物が間に入ると、品質に悪影響を及ぼしてしまうからです。
注意点としては、塗料を希釈するために使用するシンナーによる刺激臭がきつく、作業中の臭いに我慢できることも条件の1つといえるでしょう。
内容7:開発研究
開発研究は、新製品の開発や技術の基礎研究を行います。専門的な知識が必要となるため、一朝一夕にできる仕事ではありません。消費者のニーズに応えた製品を作るのは大変ですが、製品が市場に流通した際の達成感はとてつもなく大きいでしょう。
開発研究は長期的なプロジェクトになることが多く、企業としては長く働ける人材を求めています。そのため、人材育成に力を入れなければならない分野です。
工場の仕事に向いている人
工場勤務に向いているのは、以下5つの特徴を持つ人です。
- 初心者の方
- 集中力のある方
- 健康で体力がある方
- ものづくりが好きな方
- コミュニケーション能力が高い方
以下、それぞれの向いている理由を解説します。
初心者の方
工場の仕事は、以前に別の工場で働いていた人より、初心者の方が向いていることも多いです。理由は、体で覚える作業が多く、余計な先入観がなく作業に取り組めるからです。
反対に、別の工場で勤務経験のある人は、体が前のルールややり方に慣れてしまっており、新しい工場のルールに戸惑うこともあります。
よって、「工場で働いた経験がないから不安…」と思わなくても大丈夫です。
集中力のある方
集中力のある人は、工場での仕事に向いています。集中力はどの職業でも大事ですが、特に工場の仕事は作業をスピーディーにこなす必要があるため、より高い集中力が求められます。
また、マシンオペレーターの紹介でも述べたように、工場での仕事では集中力が欠けていると重大な事故に繋がります。ミスなく正確に作業できる集中力は、必要不可欠といえるでしょう。
過去に集中力を必要とする仕事をしていた人や、集中力を必要とする趣味がある人は挑戦してみても良いでしょう。
健康で体力がある方
健康で体力に自信のある人も、工場の仕事に適しています。工場の仕事は、肉体労働や立ち仕事が多く、重量物を扱う工程もあれば、歩行が多い工程も多いからです。健康や体力はどの仕事でも活かせますが、工場勤務では特に重要といえるでしょう。
ただし、工場で仕事をしていくうちに体力は自然とついていきます。肉体労働が嫌でなければ、入社時に自信がなくても問題ありません。それでも心配であれば、入社前に体を鍛えるなど準備しておくと良いでしょう。
ものづくりが好きな方
工場の仕事で共通していることは「ものづくり」です。勤める企業によって造る製品は様々ですが、以下のようなものづくりが好き・得意な人は、やりがいを持って前向きに働けることでしょう。
- 手先が器用
- こだわりが強い
- 工作、手芸、DIYなどの趣味を持っている
特に機械や道具を扱うことが好きな人は、より工場での仕事に適性があるといえます。
コミュニケーション能力が高い方
コミュニケーション能力が高い人も、工場の仕事に向いています。一見1人で淡々と作業するイメージが強いかもしれませんが、何か不具合があった場合はすぐに担当者へ連絡し、状況を正しく伝える必要があるからです。また、重量物は複数人で扱うことが多いため、コミュニケーション能力があってチームプレーの得意な人は、職場内でも重宝されるでしょう。
コミュニケーションに不安がある人は、コミュニケーションに関する本などで勉強していくのもおすすめです。
工場の仕事のやりがい
工場勤務は立ち仕事である上に単調な作業が多いため、長時間勤務するのがつらいのではないかと思う方もいることでしょう。
その反面、多くのスタッフが力を合わせて製品を作り上げていく工程にやりがいを感じる、というような魅力がある仕事でもあります。
ここからは、工場での仕事のやりがいについて解説します。
スキルアップができる
工場勤務は、臨機応変な対応力が必要とされます。繁忙期には生産ラインを増やしたり、逆に閑散期は減らすなど、いかに効率よく対応できるかがカギとなります。こうした的確な判断力や対応力は、どんな仕事にも活かせるポータブルスキルです。
また、業種により、塗装や組立など専門的な技術や資格が必要とされます。これらを身に付けることにより目に見える形でのスキルアップが実現でき、資格手当など給与面でのメリットも期待できるでしょう。
有名な製品の製造に関わることが出来る
世間に名の知られた製品の製造に関われる可能性があることも魅力の一つです。自分が生産に携わる製品が誰もが知る人気商品であれば、達成感や充実感を感じられることでしょう。
また、新製品の開発に携わり、成長に関わることができれば、大ヒットしたときの喜びはひとしおでしょう。
管理職/研究職へのステップアップが可能
最初はライン作業からスタートしたとしても、本人の努力次第では管理職や研究・開発職へのステップアップが期待できます。目標が明確であれば、そのために尽力することにやりがいを感じることでしょう。
工場の仕事が楽な理由
工場勤務の求人は比較的多く、未経験でも応募が可能なものも多い傾向にあります。しかし、工場の中を見る機会はあまりなく、どんな仕事なのか、楽しく取り組めるのかが気になる人もいるでしょう。
ここでは、工場の仕事が楽に感じられるポイントについて紹介します。
理由1:コミュニケーションがあまり必要ない
組み立てや加工などの工場勤務では、担当する作業内容が明確に決められています。また、マニュアルがしっかりと整備されている場合が多く、その通りに行えばスムーズに仕事ができるように工夫されています。そのため、いったん業務に慣れてしまえば、上司や同僚と話す機会はそこまで多くありません。人とコミュニケーションを取るのが苦手な人や、自分の作業に集中したい人に適しています。
理由2:未経験でもできる仕事が多い
前述のように、作業内容のマニュアルが整備されている場合が多いため、未経験者でも一定の期間を掛ければ習得できる仕事がほとんどです。
もちろん、経験やスキルが必要な難易度の高い業務もありますが、いずれはその域に到達したいと思うことが良いモチベーションにもなるでしょう。
最初のハードルは低めですが、上を目指したい人にはその道も用意されている職場です。
工場の仕事がきつい理由
人によっては、工場の仕事がつらいと感じる方もいます。つらく感じる主な理由を3つ、紹介します。
理由1:肉体労働なので辛い作業がある
製品の運搬など、重いものを運ぶ作業は体力面で厳しいと感じる人もいます。
ただ、従業員の安全確保のため、あまりにも重いものは機械を使って運搬するルールが法律で定められているため、ある程度の力があれば心配ないでしょう。
理由2:単純作業で飽きやすい
加工や組み立てなどのライン業務では、同じ作業を何度も正確に行わなければなりません。作業の精度を上げる、そのレベルを保つことにやりがいを感じる職人気質の人であれば適性がありますが、日々さまざまに異なる業務を行う方が好きな人は飽きてしまうかも知れません。
理由3:作業環境が過酷な場合がある
たとえば、ガラスや金属の加工など高温の物体を扱う工場では、建物内の温度や湿度が高くなります。また、ゴムや樹脂などの製造工場では、素材特有の刺激臭があります。どの工場も、温度や視覚・嗅覚など人体に悪影響がないレベルへの整備を求められていますが、それらの環境要素に敏感な人にとっては勤務が困難な場合もあるでしょう。これらは生理的な向き・不向きの問題ですので、無理に克服することはありません。
工場の仕事のメリット
工場の仕事におけるメリットは、大きく以下の5つです。
- 未経験OK/年齢不問の求人もある
- 社員食堂や寮がある
- 友人同士やカップルでの応募が可能
- 日払い/前払いが可能
- 外国の方への語学サポートがある
それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
特徴1:未経験OK/年齢不問の求人もある
工場の仕事は、未経験OKや年齢不問の求人が他職種に比べて多いです。理由は単純作業が多く、繰り返すことで自然と業務に慣れていくからです。また、特別な資格を必要としないため、30代以上でも転職しやすいことが工場勤務の大きな特徴といえるでしょう。
まったく新しい仕事に挑戦したい人や、これまでの職歴に自信がない人でも、転職できる可能性が高いです。
特徴2:社員食堂や寮がある
24時間体制で稼働している工場で働く場合、基本的に社員寮が完備されています。これは直接雇用だけでなく派遣社員として働く場合も同様の待遇です。
通勤は、徒歩で通える距離から電車で通う必要がある場合など様々ですが、企業によっては通勤用のシャトルバスが出ています。また、工場内や寮には社員食堂があることがほとんどで、他の仕事に比べて食費や住宅費などの生活費が抑えられる点は、大きなメリットといえるでしょう。「お金を貯めたい」という目的で、工場勤務を選ぶ人もいます。
特徴3:友人同士やカップルでの応募が可能
工場の求人は、1度に大量の求人を募集することもあります。そのため、友人同士やカップルで応募することも可能です。初めての仕事で不安でも、仲間がいると頑張れるタイプの人にとっては、友人や恋人が一緒だと心強いでしょう。
※ただし、必ず採用されるわけではないので、履歴書や面接対策はしっかり行ってください。
特徴4:日払い/前払いが可能
小さな工場であれば、給与を日払いや前払いに変更してもらえる可能性があります。日払いが可能な企業では、1日の終わりに現金で給与が支払われます。前払いに関しては、従業員と雇用主との信頼関係によるところが大きいですが、一定期間働いた人であれば申請して受理されることも多いようです。不足の事態などでお金に余裕がない場合は、ありがたい制度といえます。
特徴5:外国の方への語学サポートがある
企業によっては、外国人労働者への語学サポートがあります。「技能や能力はあるが、語学には自信がない」という外国人労働者にとっては、給与をもらいながら語学の勉強もできるという点で、大きなメリットといえるでしょう。
厚生労働省によると、2020年時点で、日本で働く外国人労働者は約172万人にのぼり、そのうち製造業に従事している人は28%、約48万人います。多くの外国人労働者を抱えている企業は多く、今後も働きやすい環境は整備されていくと考えられます。
参考「厚生労働省:新型コロナウイルス感染症禍における外国人雇用の状況について(現状)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000755657.pdf
工場の仕事を楽にするポイント
工場での仕事に前向きに、なるべくラクに取り組むためコツはあるのでしょうか?ヒントになる視点を2つ、お伝えします。
ポイント1:目標を見つける
仕事をする上で明確な目標があると、前向きに取り組むことができます。
そこで、業務に使える資格取得を目指してみましょう。例えば、「衛生管理者」や「フォークリフト運転技能者」などの専門資格を取得すると、資格手当が支給される会社もあります。資格は将来、転職する場合に評価される可能性もあるため、長期的なキャリアプランにおいてのメリットも期待されます。
ポイント2:興味を持てる工場への就職/転職を考える
家電や自動車などのメカニックが好きな人にとって、自分の手で製品を作り上げられる仕事は大きな喜びをもたらします。工場で働いているからこそ、製品の構造や仕組みなど学べることもたくさんあります。
ある工場で一定の経験を積んでから、より興味を持てる製品のメーカー企業へ転職を目指すのもおすすめです。
工場の仕事を探している人の就職方法
最後に、工場の仕事を探している人におすすめの就職方法をご紹介します。
方法1:ハローワークを利用する
ハローワークは、地元での就職に強く、求人数が多いのがメリットです。資格取得や職業訓練などの無料サポートもあるので、ぜひ活用しましょう。
ただ、求人企業側も無料で利用できるため、中には人材採用にお金をかけられない企業や、入社した人がすぐに辞めてしまうブラック企業がまぎれ込んでいる可能性も否定はできません。ハローワークの求人情報だけでなく、在職者や退職者の口コミ情報などを自らネットで検索する等の調査を行うといいでしょう。
方法2:就職サイトを利用する
インターネットを使える環境があれば、就職サイトで自ら求人を探すこともできます。就職サイトで求人を探す場合は、ターゲットをしぼることがポイントです。例えば、「工場」「製品名」「未経験者歓迎」「学歴不問」などのキーワードを使って求人を絞っていきましょう。自分にも可能性のありそうな求人を狙うことで、成功率が上がります。
しかし、転職サイトでの職探しは、基本的にひとりで行うことになります。履歴書や面接のサポートがないので、就活に不安がない人に向いている方法でしょう。
方法3:就職エージェントを利用する
もっともおすすめなのは、就職エージェントの活用です。無料の研修制度があり、自己分析や企業分析の方法、ビジネスマナーなど、就職活動に必要な知識を得ることができます。キャリア・アドバイザーが個別に担当し、あなたに合った求人を紹介してくれます。
自力の調査だけでは知りえない情報が得られるため、就活の幅が広がりますし、活動量が増えれば内定率も上がります。
ポイントは、未経験者やフリーターの就職支援を得意とするエージェントに相談することです。私たちジェイックも、そんなエージェントのひとつです。ぜひお気軽にご相談ください。支援サービスはすべて無料でご利用できます。
まとめ
- 工場での仕事内容や種類
- 工場勤務に向いている人の特徴
- 工場で働くメリット
本記事では、これらについて解説しました。工場の仕事には様々な種類があり、未経験者や年齢不問の求人も多いことから、比較的採用されやすい仕事といえます。もし「工場の仕事に興味がある」「適性がありそう」と思った人は、仕事選びの候補として、工場勤務を入れてみてはいかがでしょうか。
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