就職を考えるにあたって、銀行営業に興味を持っている人も多いでしょう。銀行営業にはさまざまな仕事内容があり、担当者は幅広い業務に対応しています。銀行営業への就職を目指すなら、仕事内容について詳しく把握しておくことが大切です。
また、銀行営業はきついと言われるケースも多く、実際はどうなのか心配している人もいるかもしれません。とはいえ、実際には大きなやりがいを感じて活躍している人も多数います。
この記事では、銀行営業の仕事内容について詳しく解説したうえで、きついと言われる理由を説明します。銀行営業に向いている人と向いていない人の特徴についても言及するため、就職先を選ぶ際の参考としてぜひ役立ててください。
この記事の目次
銀行営業は法人営業と個人営業に分かれる
銀行営業は、法人営業と個人営業に大別できます。法人営業は、企業向けに営業活動する仕事です。主に融資について相談に乗り、実際にお金を貸します。
一方、個人営業は、一般家庭向けに営業活動する仕事です。金融商品を販売したり、融資をおこなったりします。個人営業は「リテール営業」と言われることもあります。
同じ銀行営業でも、法人営業と個人営業では仕事内容が異なります。銀行営業への就職を目指すうえでは、それぞれの違いをよく理解しておくことが大切です。より自分に合うほうを選びましょう。
銀行営業(法人)の仕事内容/年収/向き不向きの特徴
銀行営業のうち法人営業は、具体的にどのような仕事なのでしょうか。ここでは、法人営業の仕事内容とともに年収やメリット・デメリットなどを解説します。自分にあう仕事か判断するために役立ててください。
銀行営業(法人)の仕事内容
法人営業は、主に企業へ融資する仕事です。ただし、実際にはほかにもさまざまな仕事内容があります。具体的には、事業承継・ビジネスマッチングや資産売却・M&Aなどがあります。それぞれ解説します。
仕事1. 融資・出資
融資とは、お金を貸すことです。融資すると金利が発生し、それが銀行にとっての利益になります。
法人営業の担当者は、資金を必要としている企業に対して営業活動をおこない、融資について情報提供します。自分の知識を活かして各企業のビジネスを手助けでき、多くの人から感謝される場面も多いです。
一方、出資とは、成長を期待できる企業に対して資金を提供することです。出資した銀行は企業の経営に対して発言力を持ち、ビジネスを成長させるためにさまざまな助言をします。
出資した企業が成長して利益を出せば、その分の配当やキャピタルゲインで還元を受けられる仕組みです。出資先の企業が成長すると利益が得られるだけでなく、大きなやりがいも感じられます。
仕事2. 事業承継・ビジネスマッチング
事業承継とは、会社の事業を第三者へ引き継ぐことです。経営者のなかには引退を考えているものの、後継者がいなくて困っている人も少なくありません。
事業承継するにはさまざまな手続きも必要であり、課題が多いです。事業承継に携わると、仕事を通してそのような経営者をサポートできます。
ビジネスマッチングとは、ニーズが合致する企業同士を結びつけることです。ビジネスを拡大するため、協力できる他社を探している企業もたくさんあります。銀行は各業界のさまざまな企業と取引しており、そのネットワークを通じて企業同士をマッチングしています。
ビジネスマッチングに携わると、新しいビジネスを生み出すための協力ができるでしょう。
仕事3. 資産売却・M&A
資産売却とは、企業が保有する資産を売却して資金を調達する方法です。銀行は自ら資金を貸し出すだけでなく、企業の資産売却をサポートして資金調達を支援するケースもあります。法人営業の担当者として的確なアドバイスができれば、企業から感謝されるでしょう。
また、M&Aとは、企業の合併と買収のことです。「Mergers and Acquisitions」を略してM&Aと呼ばれています。M&Aを行えば複数の企業が1つにまとまるため、より大きなビジネスを展開できる可能性があります。M&Aに取り組もうと考える企業は増えており、法人営業の担当者としてM&Aに携わるとさまざまな経験を積める可能性が高いです。
銀行営業(法人)の年収
法人営業の平均年収は、504万円程度です(dodaより)。ただし、実際に勤務する銀行によっても、年収には違いがあります。勤め先の規模によっても、年収の水準が異なる可能性があるでしょう。
ある程度経験を積んだ30代以降になると、年収1,000万円以上を稼げる人もでてきます。高年収を得るには、スキルや実績も必要です。まずは法人営業の経験をしっかり積み上げ、活躍できるよう努力しましょう。
銀行営業(法人)のメリット
銀行の法人営業として働く場合、さまざまなメリットがあります。ほかでは経験できないさまざまなことを経験できるため、やりがいも大きいです。
ここでは、銀行の法人営業の担当者になるメリットを解説します。
メリット1. 大きなビジネスに関われる
基本的に、銀行と取引していない企業はありません。そのため、銀行の法人営業は、世の中のさまざまな企業とやり取りする機会があります。各企業の経営についてくわしく把握でき、それぞれのビジネスに深く関われます。
相談を受けた時点ではまだあまり世間に知られていない企業も、自分のアドバイスやサポートがきっかけとなり大きく成長する可能性があるでしょう。企業の成長を間近で応援できるため、大きなやりがいを感じられます。
場合によっては、かなり大きなビジネスに携われるケースもあります。仕事を通して世の中にインパクトを与えたい人は、銀行の法人営業の仕事が適している可能性が高いです。
メリット2. 企業の経営の中枢に関われる
法人営業の担当者は、取引する企業の経営に深く関わります。その企業では幹部でないと扱えない情報が共有され、重要な経営判断について相談されるケースもあります。
企業にとって資金繰りは特に重要な要素のひとつです。銀行の法人営業の担当者になれば、資金繰りという視点からさまざまなアドバイスを求められるでしょう。
若いうちから企業の経営の中枢に携われるのは、銀行の法人営業ならではの醍醐味です。同世代の人がなかなか見聞きできないような幅広い経験を積める可能性があります。特に企業の経営に興味がある人にとっては、貴重な経験となるでしょう。
就職してすぐの段階で実務を通して企業の経営に関する知識を身につけられる仕事は、ほかにはあまりありません。
メリット3. 責任ある仕事で稼げる
銀行の法人営業は、各企業の経営に対して直接影響を与えます。そのため、自分自身が負う責任も大きくなります。責任が大きい分、本気で取り組んで大きなやりがいを感じることが可能です。
責任が大きいとプレッシャーを感じる人もいるかもしれません。しかし、基本的には先輩や上司などのサポートを受けながら業務を進めるため、それほど心配する必要はないでしょう。
また、責任が大きいということは、給与も高くなりやすいということです。大変な部分もあるものの、それに見合う給与をしっかり受け取ります。やりがいのある仕事に取り組んで稼ぎたいという人は、銀行の法人営業として活躍しやすいでしょう。
銀行営業(法人)のデメリット
銀行の法人営業には大変な部分もあり、デメリットといえる部分も存在します。銀行の法人営業の仕事を選ぶうえでは、デメリットについても事前に把握しておくと安心です。
ここでは、銀行の法人営業の担当者になるデメリットを解説します。
デメリット1. 責任が伴い、ミスができない
銀行の法人営業は、企業の経営に関わる責任の大きな仕事です。普段の業務において、各企業にとっての重要な局面に対応する必要があります。すでに触れたとおり責任が大きく、ミスは許されません。
万が一ミスをした場合、状況によっては大きな問題やトラブルに発展するリスクもあります。銀行の法人営業として働くうえでは、自分自身が負う責任についてきちんと理解しておくことが大切です。
もちろん、どんなに気をつけていても人間はミスをする可能性があります。ミスをする可能性があることを踏まえ、なるべくミスを防げるよう常に注意して業務に取り組まなければなりません。
ミスをすると具体的にどのような影響が生じるのかについても把握しておきましょう。
デメリット2. 結果が顧客の頑張りにも左右される
銀行の法人営業として評価されるためには、結果を出す必要があります。たとえば、企業に融資した場合、その企業が順調に利益を出してきちんと金利を回収できなければなりません。
また、ビジネスマッチングにおいてはそれぞれの企業のニーズを把握したうえで、着実に企業同士を結び付ける必要があります。
ただし、銀行の法人営業として出す結果には、取引している企業の頑張りも大きく影響します。自分だけが努力しても結果につながるとは限らないため、注意が必要です。さまざまな人に働きかけ、求められているような結果を目指す必要があります。
なお、状況によっては、結果が運に左右されるケースも無いわけではありません。
デメリット3. 採用人数が多く、出世が大変
銀行は、まとまった人数を一度に採用するケースが多いです。そのため、ライバルもたくさんいます。同期が多いと何かと心強いものの、自分より優秀な人が多ければその分だけ自分が出世できる可能性が低くなるでしょう。
基本的には、ある程度以上の経験を積んで実績を積めば、出世できるシステムを取り入れているところが多いです。とはいえ、銀行の法人営業はライバルが多いため、大きな結果を出さなければなかなか出世できません。
すでに触れたとおり、自分の頑張りだけで結果を出せるわけではないため、思うようにいかず苦しむ場面もあるでしょう。そのような状況を踏まえたうえで自分なりのやり方を確立し、出世のためにコツコツ努力する必要があります。
銀行営業(法人)に向いている人
銀行の法人営業は大きなやりがいがある仕事ですが、大変な部分も多いです。では、どのような人が銀行の法人営業に向いているのでしょうか。
ここでは、銀行の法人営業に向いている人の特徴を具体的に説明します。
向いている人1. 責任感ある仕事をしたい人
銀行の法人営業に向いているのは、責任感をもって仕事に取り組みたい人です。法人向けの融資や出資は金額が大きく、その分だけ多くの責任があります。銀行の法人営業になれば、常に責任感をもって日々の業務を進める必要があります。
責任のある仕事は苦労する部分もありますが、やりがいも大きいです。仕事を通して多くの人の役に立ちたいと考えている人は、銀行の法人営業として活躍できるでしょう。
向いている人2. コツコツと積み重ねるのが得意な人
銀行の法人営業は、すぐに結果につながる仕事ではありません。まずは各企業との日々のやり取りを通じ、信頼関係を構築していく必要があります。各企業と銀行がやり取りする金額は高額であり、信頼関係ができていなければ契約を交わすのは困難です。
信頼関係は短期間で簡単にできるわけではなく、時間をかけて積み重ねていくことが大切です。そのため、すぐに結果が出なくてもコツコツ努力を重ねられる人が銀行の法人営業に向いています。
向いている人3. 資金繰りに詳しくなりたい人
銀行の法人営業として働くうえでは、企業の資金繰りについて幅広い知識を身につける必要があります。基本的な知識を頭に入れるだけでなく、経験を積みながら実践的な知識を身につけていきます。
そのため、企業の資金繰りに詳しくなりたいと考えている人は、銀行の法人営業の仕事が向いているでしょう。
企業の資金繰りに関する知識は、ビジネスに携わるうえで重要です。将来的により幅広い仕事に取り組むために役立てられる可能性もあります。
銀行営業(法人)に向いていない人
性格や考え方によっては、銀行の法人営業の仕事が向いていない人もいます。銀行の法人営業を目指すかどうかは、自分自身の適性も考慮したうえで考えることが大切です。
ここでは、銀行の法人営業に向いていない人の特徴を解説します。
向いていない人1. 仕事で責任を求められたくない人
なかには、仕事で大きな責任を負いたくないと考えている人もいるでしょう。責任のある仕事はやりがいもありますが、大きなプレッシャーによりストレスを感じてしまうケースもあります。
銀行の法人営業は、特に責任が大きい仕事です。そのため、あまり大きな責任を負いたくない人やプレッシャーに弱い人などは、向いていない可能性があります。就職してから後悔しないよう、自分の適性をよく理解したうえで選択しましょう。
向いていない人2. 顧客の成功にコミットできない人
銀行の法人営業は、顧客の成功のために尽力する仕事です。そのため、他人の成功を一番に考えられない人は、銀行の法人営業には向いていないでしょう。
また、銀行の法人営業の仕事では、自分の力だけで結果を出すのは難しいです。しかし、それを理解したうえでさまざまな努力を積み重ね、顧客の成功を目指す必要があります。
顧客のためにさまざまな工夫をし、幅広い関係者を巻き込みながら行動する素質が求められます。
向いていない人3. 役員などの管理職に出世したい人
銀行では出世競争も激しいため、役員以上の管理職を目指したい人にもあまりおすすめできません。もちろん、実績やスキルがあれば出世は可能ですが、自分ではどうしようもできないことが出世を左右する要因になる可能性もあります。
また、ライバルも多いため、出世を目指すなら並々ならぬ努力が必要です。出世を第一に考えるなら、年功序列で着実に役職が上がる企業を選んだほうが安心でしょう。
銀行営業(個人・リテール)の仕事内容/年収/向き不向きの特徴
銀行には個人営業の仕事もあります。ここでは、銀行営業の仕事内容とともに年収やメリット・デメリットなどを解説します。個人営業も銀行で働くうえでの選択肢のひとつとなるため、特徴をよく確認しておきましょう。
銀行営業(個人)の仕事内容
銀行の個人営業の仕事内容としては、どのようなものがあるのでしょうか。法人営業と同じく、個人営業にもさまざまな仕事があります。ここでは、銀行の個人営業の仕事内容について、具体的に解説します。
業務1. 預金商品の営業
預金商品とは、銀行にお金を預ける預金のサービス全般を表しています。預金商品としては、口座を作ってお金を自由に出し入れできる普通預金が最も一般的です。
それ以外にも、当座預金や定期預金などさまざまな種類の口座があります。銀行の個人営業は、顧客のニーズに合わせて最適な口座を紹介しています。
顧客に合わせた提案をして口座を開設してもらうのが銀行の個人営業の役割です。口座の種類によって、預金する期間や金利に違いがあります。違いを分かりやすく説明すれば、顧客はより便利に銀行を利用できるようになるでしょう。
顧客に寄り添った接客に対して感謝の言葉をかけられる場面もあります。
業務2. 収益商品の営業
銀行はさまざまな収益商品も扱っています。たとえば、債権や保険などを扱っており、銀行によって種類はそれぞれ異なります。商品の種類によって仕組みが違うため、顧客は自分自身のニーズに合わせて選択可能です。
銀行の個人営業の担当者は、顧客に対して収益商品をアピールします。なかには各金融商品の違いがよく分からないという人もいるでしょう。そのような人に丁寧に説明し、契約を目指します。
それぞれの顧客の状況を考慮して最適な商品を紹介できれば、契約につながる可能性が高いです。自分に合う商品を契約すると顧客にとってメリットがあり、感謝されるでしょう。同時に、銀行の収益アップにも貢献できます。
業務3. 信託商品の営業
銀行では、信託商品も扱っています。信託商品とは、銀行にお金の管理や運用を任せられる商品です。信託商品を利用するには一定の手数料がかかるため、それが銀行の利益になります。
顧客が信託商品を利用すれば、手間をかけずにお金の管理や運用ができます。銀行の個人営業は、そのようなメリットを顧客に明確に伝えるのが仕事です。銀行によってそれぞれ異なる信託商品を扱っているため、違いを分かりやすく説明する必要があります。
自社の信託商品の魅力を理解してもらえると、顧客のお金の管理や運用がよりスムーズになるでしょう。また、その結果として銀行にも利益をもたらせます。顧客と銀行の双方に良い影響を与えられるため、大きなやりがいを感じられます。
銀行営業(個人)の年収
個人営業についても、平均年収は419万円程度となっています(dodaより)。実際には、勤務している銀行によって、収入の基準が異なる可能性があります。銀行の規模によっても、得られる年収は変化するでしょう。
個人営業でも、年次が上がったり、インセンティブを獲得できたりすれば年収1,000万円以上を目指せます。具体的には、30代〜40代になると年収1,000万円を超える人もでてくるようです。
銀行は出世競争も激しいため、努力を重ねて結果を残すことが年収アップへの第一歩となります。
銀行営業(個人)のメリット
銀行の個人営業として働く場合、さまざまなメリットがあります。具体的には、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、銀行の個人営業として働くメリットを具体的に解説します。
メリット1. 実力主義で稼ぎやすい
銀行の個人営業は基本的に実力主義です。実力があれば結果を残しやすい環境であり、活躍のチャンスがたくさんあります。契約を獲得すれば自分の結果として認められるため、評価が分かりやすいところも大きなメリットです。
ライバルと自分の評価の差も一目瞭然であり、自分の立ち位置も分かりやすいでしょう。結果が出ていなければすぐに分かるので、成長意欲がある人も努力しやすいです。自分に厳しくして高い結果を残したいという人には、銀行の個人営業の仕事が特に向いています。
努力を重ねて活躍すると、インセンティブもその分だけ多くつくようになります。自分の頑張りが収入に直結するため、稼ぎたいという気持ちが強い人は大きなやりがいを感じられるはずです。
メリット2. 顧客への貢献が実感しやすい
銀行の個人営業は、個人の顧客の資産に直接関わる仕事です。お金に関する悩みを聞く機会も多くあります。お金について真剣に悩んでいる人に向き合って仕事ができるため、自分自身も本気になれるでしょう。
親身になっておこなったアドバイスがきっかけとなり、顧客が自分自身に最適な資産形成の方法を選べるケースも多いです。
資産形成の結果は数字で確認できるため、顧客への貢献も実感しやすいです。自分の努力が顧客の利益に結びつくため、「この仕事をしていてよかった」と思う場面も多くあるでしょう。
それぞれの顧客を大切にしてしっかり向き合いたいと考えているなら、銀行の個人営業の仕事にやりがいを感じられる可能性が高いです。
メリット3. プライベートで仲良くなることも
顧客の相談に乗るなかでは、個人的な話題で盛り上がるときもあります。その結果、顧客に対する理解が深まり、より役立つアドバイスができるケースも多いです。
人と人との関わりを大切にして仕事に取り組みたい人は、銀行の個人営業としてしっかり活躍できます。コミュニケーションが得意な人も有利です。
顧客にとって満足のいく結果を残せれば、顧客とプライベートでも付き合うようになる場合もあるでしょう。銀行の個人営業では業務においてさまざまな相手と関わりをもつため、人脈を広げやすいです。
仕事を通してさまざまな人の考え方や価値観に触れられるので、社会人としても大きく成長できる可能性があります。
銀行営業(個人)のデメリット
銀行の個人営業にはさまざまなメリットがある反面、デメリットといえる部分もあります。銀行の個人営業に魅力を感じている場合でも、デメリットについてもしっかり把握しておくことが大切です。
ここでは、銀行の個人営業のデメリットについて解説します。
デメリット1. ウェットなコミュニケーションが求められる
銀行の個人営業として業務に取り組むうえでは、顧客と密なコミュニケーションが必要になります。お金の悩みについて相談に乗るなかでは、相手のプライベートな事情を見聞きする場面も少なくありません。
そのため、自分自身のプライベートについても、話題に出さなければならないケースもあります。ウェットなコミュニケーションに抵抗を感じる人は、注意が必要です。
すでに触れたとおり、仕事を通して顧客と仲良くなるパターンも珍しくありません。仕事とプライベートをはっきり分けたいと考えている人は、銀行の個人営業の仕事が苦手に感じられる可能性があります。
ドライな人間関係を望んでいるなら、銀行の個人営業は避けたほうがいいでしょう。
デメリット2. しつこいくらいの営業が必要なときも
銀行の個人営業は、顧客のニーズに応じて各金融商品を紹介します。
しかし、銀行の経営のためには利益を出す必要があるため、状況によっては顧客に対する営業活動を強化せざるを得ない場合もあります。特にノルマが設定されていると、積極的に顧客へ声をかける必要があるでしょう。
頻繁に顧客へ営業活動をしていると、ときにはネガティブな反応をされる可能性もあります。それをつらいと感じる人も少なくはありません。積極的な営業活動をスムーズに進めるには、気持ちの強さや高いコミュニケーション能力も必要です。
自らアピールするのが苦手な人は、銀行の個人営業の仕事に大きな負担を感じる可能性もあるでしょう。自分の性格も考慮したうえで銀行の個人営業が向いているか検討してください。
デメリット3. ノルマに追われやすい
銀行の個人営業では、あらかじめノルマが設定されている場合も多いです。ノルマとして掲げられている目標の数字を達成するには、顧客に積極的に声をかけて契約を促す必要があります。常にノルマに追われて焦りを感じている人も少なくはありません。
しかし、たくさん営業活動をしたからといって、必ず契約してもらえるとは限らないでしょう。思うように結果が出なければ、インセンティブもあまりつきません。
銀行の個人営業はインセンティブの付与が前提となっており、基本給が低めに設定されているケースも多いです。結果を出せないと稼げないため、安定的にまとまった収入を得たいと考えている人は注意しましょう。
銀行営業(個人)に向いている人
銀行の個人営業には、どのような人が向いているのでしょうか。銀行の個人営業にはデメリットもあるものの、性格や考え方によってはおすすめできる場合もあります。
ここでは、銀行の個人営業に向いている人の特徴を解説します。
向いている人1. 自分の営業力で稼ぎたい人
基本的に、銀行の個人営業は実力主義であり、結果に応じて給料にインセンティブが加算されます。実力がある人は、その分だけ高収入を得ることが可能です。
そのため、自分の実力を磨いて稼ぎたいという人は、銀行の個人営業に向いています。努力次第で収入を上げられるという環境に魅力を感じるなら、銀行の個人営業として活躍できる可能性が高いです。
入社した直後は何も分からない状態ですが、そこから努力を重ねられるかどうかが銀行の個人営業としての収入を大きく左右するでしょう。
向いている人2. 相手の懐に入るのが得意な人
銀行の個人営業では、個人の顧客とやり取りします。プライベートな話題で盛り上がるケースも多く、それが契約につながるきっかけになる場合も多いです。
そのため、相手の懐に入るのが得意な人は、銀行の個人営業としても活躍しやすいです。相手が何を求めているのか理解し、先回りした回答や助言ができると信頼されやすくなります。
コミュニケーション能力が高く、どのような相手ともすぐに打ち解けられる人は銀行の個人営業に向いているでしょう。
向いている人3. 顧客への貢献実感が欲しい人
銀行の個人営業は、それぞれの顧客へ直接アドバイスします。その結果、顧客が求める資産形成を実現できる場合も多いです。資産形成の結果は数字で把握できるため、どの程度貢献できたのかについてもすぐに把握できます。
仕事を通して誰かの役に立ちたいと思っている人は、銀行の個人営業の仕事を選ぶとやりがいを感じやすいでしょう。営業活動がスムーズに進めば、相手に貢献できている感覚も得やすいです。
銀行営業(個人)に向いていない人
人によっては、銀行の個人営業の仕事が向いていない可能性もあります。
ここでは、銀行の個人営業に向いていないのはどのような人なのか解説します。自分に合う仕事を選ぶために、ぜひ確認しておいてください。
向いていない人1. 仕事ではドライな関係がいい人
すでに触れたとおり、銀行の個人営業で活躍するにはウェットなコミュニケーションが必要です。それぞれの顧客と真剣に向き合い、ときには自分のプライベートについても言及しながら営業活動を進める必要があります。
また、顧客との付き合いは長期的になるため、そのような関係を長く続けなければなりません。仕事とプライベートの区別をはっきりさせたい人は、銀行の個人営業の仕事に抵抗を感じる可能性があります。そのため、あまり向いていないでしょう。
向いていない人2. 数字に追われるのが苦手な人
銀行の個人営業として働くうえでは、常にノルマや目標を意識する必要があります。よって、常に数字を意識して業務に取り組まなければなりません。数字を意識するあまり、仕事に対してプレッシャーを感じる人も少なくはないでしょう。
数字に追われるのが苦手な人は、銀行の個人営業に向いていない可能性が高いです。目標があるとやる気が出るという人でないと、銀行の個人営業で思うように成果を出せないでしょう。
向いていない人3. マメに連絡をとるのが苦手な人
銀行の個人営業は、顧客とマメに連絡をとって信頼関係を構築していきます。単に頻繁に連絡をとるだけでなく、毎回誠意のある対応を心がけなければなりません。丁寧な連絡をマメにおこなわないと、顧客からはなかなか信頼されないでしょう。
そのため、マメに連絡をとるのが得意でない人は、銀行の個人営業もあまり向いていません。普段の自分を思い返し、頻繁に連絡する作業に抵抗を感じないか確かめましょう。
銀行営業がきつい、やめとけと言われる理由
銀行営業はきついと言われる場合も多いです。そのため、なかにはやめとけと言う人もいます。そのように言われるのは、なぜなのでしょうか。
ここでは、銀行営業がきつい、やめとけと言われる理由について具体的に解説します。
理由1. 高い営業ノルマがある
銀行営業には基本的に営業ノルマがあります。常に目標の数字を達成するための努力が必要であり、きついイメージをもっている人も少なくないようです。たしかにノルマを達成するには努力が必要であり、思うように結果が出ないと悩むでしょう。
ただし、営業職は、銀行に限らずノルマを設定しているところが多いです。銀行に就職しないとしても、ほかの企業で営業職になるならノルマの達成を目指す必要があります。
理由2. 責任が求められる
銀行営業は、顧客のお金に関わる重要な仕事です。責任が大きいため、ちょっとしたミスも大きな問題につながる可能性があります。自分が良かれと思ってしたことが、裏目に出てしまうケースもあるでしょう。
銀行営業は責任が重い分、精神的にきついと感じる場面も少なからずあります。ただし、責任が重いからこそ、成功したときには大きなやりがいを感じられるのも事実です。結果を出せれば、その分だけインセンティブも期待できます。
理由3. 法人営業は結果が出るまでに時間がかかる
銀行営業のうち特に法人営業は、顧客に働きかけてから結果が出るまでに時間がかかります。積極的に営業活動をしても、なかなか結果が出ないケースも少なくありません。
結果を出すためには、思うようにいかない時期も歯を食いしばって努力を続ける必要があります。その過程をつらいと感じる人もいるでしょう。
とはいえ、銀行の法人営業は、ほかではなかなかできない貴重な経験ができる仕事でもあります。すぐに結果が出なくても、考え方次第でさまざまなやりがいを見いだせるでしょう。
銀行営業に就職する際のポイント
銀行営業としての就職を目指すうえでは、さまざまなポイントがあります。内定を勝ち取るためにも、ポイントをしっかり意識して選考に挑みましょう。ここでは、銀行営業に就職する際のポイントを具体的に解説します。
ポイント1. 清潔感ある第一印象に
銀行営業として活躍するには、顧客から好かれる見た目でなければなりません。そのためには、清潔感のある第一印象が重要です。選考においては第一印象が特にチェックされるため、身だしなみには十分に注意しましょう。
スーツや髪型などをしっかり整え、誰が見ても不快な印象を抱かないようにすることが大切です。ビジネスの場にふさわしい格好をし、スムーズに契約を獲得できそうな印象を出すようにしてください。
ポイント2. 真面目さ誠実さをアピール
銀行営業は顧客のお金を扱う仕事であり、真面目さや誠実さが重要です。セールストークに長けていても、真面目さや誠実さを感じられなければ顧客は契約してくれません。よって、選考においても、自分自身の真面目さや誠実さをしっかりアピールする必要があります。
自分自身の過去の経験を整理し、真面目さや誠実さが伝わるようなエピソードを披露しましょう。具体的なエピソードがあると、自分自身の特徴をより詳しく伝えられるようになります。
ポイント3. メンタルの強さをアピール
銀行営業は責任が大きい仕事であり、大変な部分も多いです。そのため、銀行営業として活躍するには、メンタルの強さも必要となります。
選考でメンタルの強さをアピールすれば、銀行営業として長く活躍できそうだと評価される可能性が高いです。大変なことや挫折を乗り越えた経験を披露し、銀行営業としての素質があるとアピールしましょう。
困難に立ち向かう際に自分がどのように考えて行動するのか伝えることが大切です。
まとめ
銀行の法人営業は大変な部分も多いですが、その分やりがいも大きな仕事です。銀行の法人営業の仕事内容をまとめると、以下のとおりとなります。
・預金商品の営業
・収益商品の営業
・信託商品の営業
また、銀行営業がきついと言われるのは、以下の理由からです。
- 高い営業ノルマがある
- 責任が求められる
- 法人営業は結果が出るまでに時間がかかる
高い目標に向かって努力できる人は、銀行営業として活躍できる可能性があります。ほかではできないさまざまな経験を積めるため、仕事の特徴を押さえたうえで銀行営業としての就職を目指しましょう。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい
・融資・出資
・事業承継・ビジネスマッチング
・資産売却・M&A