「大学中退でも正社員就職は可能なの?」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
大学中退でも、正社員就職は可能です。こちらの記事では、大学中退での正社員就職を成功させるポイントや、具体的な方法を解説しております。
大学中退で、就職活動を少しでも有利に進めたい方は最後まで読んでみてください。
大学中退で正社員就職は可能
結論から言うと、大学中退から正社員就職は可能です。労働政策研究・研修機構が行った調査によると、従業員数が300人以下の企業においては、大学中退者と大卒者で就職率にほとんど差は見られませんでした。従業員数が300人以上の大企業においてのみ、それぞれ以下の就職率となっています。
- 大学中退者:約60%
- 大卒者:約90%
ただし、募集要項に「大卒以上」と書かれている企業も一定数あります。大学を中退していると学歴が「高卒」となるため応募できる求人が限られ、就職活動が厳しくなるのは事実です。
しかし、重要なのは学歴ではありません。自己分析をして強みをアピールできれば、大学中退であっても正社員として就職できます。また、多くの就活生は自己分析のやり方が分からず悩んでいるので、しっかりと自己分析をすることで周りと大きな差がつくでしょう。
参考「労働政策研究・研修機構:新規学卒採用の現状と将来ー高卒採用は回復するかー」
大学中退で正社員就職を成功させるポイント
大学中退で正社員就職をするには、大きく以下の4つのポイントがあります。
- 大学中退の理由を前向きに説明する
- 将来のビジョンを明確にする
- できるだけ早く就職活動をする
- 資格を取得する
まず大切なのは、応募書類や面接において「大学を中退した理由をポジティブに伝えること」です。大学を卒業していない人は「最後まで物事をやり遂げられない人」と思われるケースもあります。たしかに企業の立場からすると、せっかく採用してもすぐに退職しそうな人を採用したいとは思わないでしょう。
しかし、大学中退した理由を「前向きなもの」もしくは「意味のあるもの」にできれば、ネガティブなイメージにはなりません。具体的には、以下のような理由があげられます。
- 大学の勉強以上に、特定の仕事への関心が強まった
- 大学中退してから、真剣に自分と向き合った
- 現在やりたいことが明確になり、それに向かって努力している
嘘をついたり無理に理由を作る必要はありませんが、大事なのは「大学中退の理由を前向きに伝える」または「現在は目標に向かって努力している姿勢を伝える」ことです。この時に、自分が正社員になってどうしたいのかも併せて明確にしておきましょう。入社後のビジョンが明確になっていれば、応募する企業で働きたい意思が伝わります。
そして、できるだけ早く就職活動をするのも大切です。中退してからの期間が長いと「あまり働く気がないのかな?」と思われてしまい、イメージがよくありません。実際、労働政策研究・研修機構の「労働政策研究報告書No.199」によると、フリーター期間と正社員になれる割合は以下の関係となっています。
このようにフリーター期間が長くなるほど、正社員になれる割合は下がっていきます。焦る必要はありませんが、できるだけ早く就職活動を始めるのがおすすめです。
また職種にもよりますが、資格を取得すれば正社員就職の可能性を上げられます。なぜなら、資格を取得することで一定レベル以上の知識やスキルがあることを証明でき、即戦力と見なされる場合もあるからです。
特に以下の資格は、未経験からも挑戦しやすいうえに就職活動においても有利になるため、興味のある分野と被る場合はぜひ挑戦してみましょう。
- 簿記(事務・会計・経理・営業などに活かせる)
- 宅地建物取引士(不動産業界で全般的に役立つ)
- 登録販売者(医薬品を販売できる)
- 基本情報技術者(ITエンジニアの仕事に活かせる)
- 保育士(保育園以外に、福祉施設や一部の企業への就職も有利)
あなたの目指している職種やキャリアプランによって、取るべき資格は変わります。また、求人によっては必要な資格がないまたは重視されない仕事もあります。まずは自分のキャリアプランを考えて、それに関連する資格がある場合は取得を検討してみてください。
参考「労働政策研究・研修機構:労働政策研究報告書No.199(p128)」
大学中退から正社員就職を成功させたい方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
大学中退後に就職できる人と就職できない人の違いとは?
先ほどの「大学中退で正社員就職を成功させるポイント」の内容ともやや被りますが、同じ大学中退でも就職できる人とできない人に分かれます。ここでは、大学中退して正社員就職ができる人とできない人の違いを解説していきます。
正社員として就職できる人
大学中退から就職できる人の特徴は、以下の4つです。
- 仕事選びの基準が明確になっている
- 履歴書でしっかり自己PRができている
- 面接対策にも力を入れている
- 熱意がある
先ほど紹介した「大学中退で正社員就職を成功させるポイント」に加えて、これら4つができていることが理想です。1つずつ順番に解説していきます。
特徴1.仕事選びの基準が明確になっている
正社員就職できる人は、仕事選びの基準が明確になっています。条件が明確になっているからこそ、応募企業に対して堂々とアピールできるのです。
まずはあなたなりに「仕事で譲れないポイント」を決めましょう。仕事選びの基準が具体的に決まっていると、応募するかどうかの判断がしやすくなります。「選択肢が多すぎて応募する企業が選べない」と悩んでいる人はぜひ試してみてください。
具体的には、以下の条件について考えます。
- 仕事内容
- 勤務時間や休暇
- 勤務地(テレワークの有無も含む)
- 収入(給与、賞与、昇給など)
- 福利厚生(育児休暇、家賃補助など)
- 将来性
この中で自分がどのような条件で働きたいのか、考えてみましょう。譲れない条件が明確になっている人ほど「入社後に希望と違った」と後悔する確率を減らせます。
ただし、譲れないポイントが多すぎる人は、理想が高すぎてなかなか就職が決まりません。条件は多くても3つまでにし、さらに順位まで決まっていると理想的です。
特徴2.履歴書でしっかり自己PRができている
正社員就職に成功している人は、履歴書を見ても上手く自己PRができています。書類選考に通過できないと、どれだけ面接対策をしても努力が活かせません。そのくらい応募書類の作成には力を入れましょう。
志望動機や自己PRなど、履歴書には重要な項目がいくつもあります。作成するときは、相手企業の求める人物像に沿って記入しましょう。「この会社はどんな人に入社してほしいと思っているのか」を把握することで、自然と魅力的な自己PRができます。求める人物像は、企業のホームページや役員のSNSを見るとある程度見えてきます。
もし「1人で魅力的な履歴書を作成できるか不安…」という人は、私たちJAICのような就職エージェントの活用を検討してみてください。就職エージェントでは履歴書や職務経歴書のサポートも行っています。就職支援の専門家であるキャリアアドバイザーに相談しながら進めることで、魅力的な履歴書が作れるでしょう。
特徴3.面接対策にも力を入れている
面接で好印象を残すことも、正社員就職を目指すなら大切なポイントです。入社試験では「全ての企業が面接試験を導入している」と言っても過言ではありません。そのくらい面接は入社試験において重視されています。
もしあなたが企業の採用担当者だった場合を考えてみてください。どれだけ経歴が優秀な人であったとしても、会ったことのない人を採用するのは不安に思いませんか?このように、一緒に働くかどうかの最終的な決め手は「人柄」だといえます。
具体的な面接対策の方法は、事前に面接で聞かれそうなことを整理し、回答を準備しておくことです。面接でされる質問はある程度決まっているので、よくされる質問を知っておけば十分対策できます。
よくある質問はネットで検索すると出てきますが、回答の仕方に悩む人がいるかもしれません。そんな人は履歴書と同様、就職エージェントの活用をおすすめします。特に面接対策は誰かに模擬面接をしてもらうことが重要です。就職エージェントなら就職支援の専門家であるキャリアアドバイザーが的確なアドバイスができるので、効率的な面接対策ができるでしょう。
特徴4.熱意がある
「大学中退」という経歴は就活で不利になりやすいですが、正社員として就職できる人はそれを跳ね返すほどの熱量を持っています。特に20代であれば、ポテンシャルを評価されて採用される可能性も十分あります。大学中退などこれまでの経歴に不安があるかもしれませんが、あまり気にする必要はありません。自分の強みを理解し、どのように貢献したいのかを堂々とアピールしましょう。
正社員として就職できない人
反対に、正社員として就職できない人の特徴は以下の5つです。
- やりたいことが明確に決まっていない
- 希望条件が多い
- 就職活動対策が不十分
- 自信がない
- 人に相談しない
先ほどの「大学中退で正社員就職を成功させるポイント」で解説した4つのポイントができていないことに加えて、以上の5点ができていない人は、残念ながら就職活動でも不利になります。こちらも1つずつ解説していきます。
特徴1.やりたいことが決まっていない
やりたいことが明確でない人は、就職活動をしてもなかなか採用されません。それは企業側からみても、本人の意思や仕事に対する熱量を感じられないからです。
大学を中退したものの、特にやりたいことがなく「とりあえず働こう」と考える人は一定数います。たしかに、空白期間が長くなると就職活動でも不利になるので、早めに行動するのは素晴らしいことです。
しかし「就職できればどこでもいい」という理由で応募しても、志望動機の弱さや熱意が伝わらず、なかなか内定はもらえません。まずは自己分析をして興味のある分野を明確にしたり業種や職種のリサーチをして、やりたいことの方向性を定めましょう。
特徴2.希望条件が多い
希望の条件が多い人も、採用が難しいです。他にも「絶対にこの職種で働きたい!」のようなこだわりが強すぎる人も、就職活動が難航しやすいでしょう。
「選択肢を減らす」という観点ではいいかもしれませんが、あまりにも希望条件が多かったり理想が高すぎると「当てはまる企業がない」という事態に陥ってしまいます。
先述の通り、希望条件を3つ以内にして優先順位をつけたり、視野を少し広げるなどして、いくつか応募企業の候補が見つかる状態にしておきましょう。
特徴3.就職活動対策が不十分
正しい就職活動の方法(就活のルール)を知らない人も、正社員就職は難しいでしょう。それは言い換えると「準備不足」ということです。
採用担当者もこれまで何人もの人を選考しているため、基本的な就職活動対策ができていない人は相手にしっかりと伝わります。必要な知識や行動に移さなければならない事は多くありますが、1つずつ確実にやっていくことで、採用に近づけるでしょう。特に大学中退している人は書類選考が不利になりやすいため、より入念に準備を進める方が得策です。
一方で、基本的な就職活動対策ができていないまま、なんとなく就活している人も多いです。そのため、正しいノウハウを知って対策するだけで、他の就活生と大きな差別化につながります。
特徴4.自信がない
自信がないと相手にネガティブな印象を与えてしまうため、採用には繋がりません。「大学中退」という経歴にコンプレックスを抱いている人も一定数おり、さらに就職活動をしても内定を獲得できない日が続くと自信をなくしてしまう気持ちも分かります。
しかし、気持ちを上手く切り替えるのも、社会人として求められるスキルです。自分に自信がないと「積極的に動けない」「はきはきと話せない」など、マイナスな印象となってしまうので注意しましょう。
自信がない人は、まず自分の良いところを探すのも1つの手です。「自分には長所なんてない‥」と思う人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。小さな成功体験や人から褒められたことは、誰しもが経験しているはずです。自分の長所を知って、自信を取り戻していきましょう。
特徴5.人に相談しない
人に相談せず自己流で就職活動する人も、なかなか就職先が決まりません。
特に大学中退している人は新卒に比べて、情報を手に入れるのが困難です。大学生であれば、ほぼ一斉に就職活動が始まるので、友人との情報交換や大学のセミナーなどで知識や情報が身につきます。一方で大学中退者が自力で就活をした場合、インターネットや本などから情報収集をするため、深いところまで知識やノウハウが身に付かず、就職活動でも不利になってしまうのです。
また、就職活動が上手くいかなかった時に相談できる相手がいないと、解決策が見つからずに挫折してしまう恐れもあります。そのため就活を始める際は、家族・友人・先輩などで正社員経験のある人、もしくはハローワークや就職エージェントなどの就職支援の専門家に相談しながら進めるのがおすすめです。
大学中退者が正社員就職する5つの方法
正社員就職できる人の特徴を理解したところで、ここからは「大学中退した人がどうすれば正社員就職できるのか」といった具体的な方法論を解説していきます。大学中退者が正社員就職をする方法は、以下の5つです。
- 正社員登用制度で就職する
- 友人や両親に相談する
- ハローワークに相談する
- 求人サイトで就職する
- 大学中退者専門の就職エージェントに相談する
以下、それぞれの方法を詳しく解説していきます。
方法1:正社員登用制度で就職する
1つめは、正社員登用制度を利用する方法です。正社員登用制度とは、アルバイトやパートなど非正規雇用の人材を正社員として登用する制度を指します。
厚生労働省の「労働経済動向調査」によると「75%の事業所に正社員登用制度がある」という結果でした。このデータからも、多くの企業が「優秀な人がいれば、非正規雇用から正社員に登用したい」と考えていることが分かります。
また同調査では、正社員登用制度がある企業のうち、約半分の企業が過去1年で登用実績があることも発表されていました。正社員登用制度があって実績もある企業なら、非正規雇用から正社員になれる可能性は十分あるでしょう。
ただし、非正規雇用の時にある程度の評価をもらえないと、正社員登用は難しい点には注意が必要です。
参考「厚生労働省:労働経済動向調査 令和4年2月(p13)」
方法2:友人や両親に相談する
友人や両親など、周りの頼れる人に相談することも正社員就職への近道といえるでしょう。先述の通り、大学中退者は情報が不足しがちなうえに、身近に不安を相談できる人が多くありません。そんな時、1人で抱え込まずに周りに相談することで、心が晴れたり的確なアドバイスがもらえることもあります。
注意点としては、相談相手をよく見極めることが大切です。相談相手が不適切だと偏った見方でアドバイスされ「実際は役に立たなかった」というケースも珍しくありません。普段からよく相談事をする人や、実際に就職活動をした経験のある友人など、信頼できる人を見極めながら相談してみましょう。
方法3:ハローワークに相談する
正社員就職を目指すなら、ハローワークの活用も1つの方法です。ハローワークは厚生労働省が設置する「公共職業安定所」の愛称です。住んでいる自治体のハローワークで求職者登録を行うと、企業の求人情報を閲覧できたり、履歴書や面接の相談ができます。ハローワークは企業も無料で利用できるため取り扱い求人数も豊富で、地元の中小企業の求人が多いのも特徴です。
ただし求人数が多い分、中には「ブラック企業」と言われる求人が混ざっている点には注意しましょう。ハローワークは公的機関のため求人に関する厳しい審査もなく、ハローワークの相談員は登録企業の細かな実態までは把握できていません。気になる会社を見つけてもすぐに応募せず、情報収集を重ねてから応募しましょう。
方法4:求人サイトで就活する
求人サイトを利用して就活する方法もあります。求人サイトは好きなタイミングで希望条件を入力したり、求人を探せるのが大きな特徴です。求人サイトによって、年齢・性別・職種など得意なジャンルが異なるため、あなたの希望に合った求人サイトを活用しましょう。
注意点は、自分で応募する企業を判断しなければならないことです。また、自分ではマッチすると思っていても、企業側からすると「実は求めていない人材だった」というケースも珍しくありません。そういった事態を防ぐためにも「中途採用」や「未経験者歓迎」などの文言が求人に記載されているかをよく確認しましょう。
求人サイトは、キャリアプランや希望条件が明確な人向けの方法です。もし「求人サイトだけでは不安がある」という人は、次に紹介する就職エージェントとの併用をおすすめします。
方法5:大学中退者専門の就職エージェントに相談する
大学中退者専門の就職エージェントに相談するのも1つの方法です。特に大学中退から正社員就職できるか不安な人にとっては、有効な方法といえるでしょう。
就職エージェントとは民間企業が運営する就職支援サービスのことで、相談するとキャリアアドバイザーによる就職サポートを受けられます。就職エージェントも求人サイトと同様、さまざまな種類があるので「大学中退者専門」のエージェントを利用するのがポイントです。
基本的には担当のキャリアアドバイザーに相談する形になりますが、もし「適切なサポートをしてくれない」と感じる場合は、まず積極的にこちらのキャリアプランや希望条件を伝えましょう。こちらの要望を理解できていなかったために、適切な求人が紹介できなかった可能性もあります。就職エージェントを有効活用するには、できるだけ担当者と密にコミュニケーションを取るのがコツです。それでも対応に不満を感じる場合は、担当者の変更を申し出るのも1つの方法です。
私たちJAICも就職エージェントを運営しています。取り扱っているのは全て正社員の求人かつ大学中退者への就職サポートも得意としております。
中退者に特化したコースもあり、ビジネスマナーや自己分析など、就職活動の基礎を1から学べる点も強みです。ここでも就職支援のプロであるキャリアアドバイザーに相談しながら学べるので「就職活動を何から始めていいか分からない」「やりたいことが定まっていない」という人でも、安心して利用できます。
まとめ
大学中退から正社員になるポイント、就職できる人とできない人の違い、正社員就職する方法を解説してきました。
まずはあなた自身が「将来的にどんな働き方をしたいのか」「どんな環境で働きたいのか」など、希望条件を考えてみてください。そして本記事で紹介した方法を参考にしながら、就職活動を進めましょう。
繰り返しになりますが、私たちJAICは大学中退から正社員就職のサポートを得意とする就職エージェントです。よろしければ、情報収集など就職活動ツールの1つとして活用してください。
こんな方におすすめ!
- 学歴に自信がないから就職できるか不安
- 就職について、誰に相談したら良いか分からない
- 中退しようかどうかを迷っている
- 学歴に自信がないから就職できるか不安
- 就職について、誰に相談したら良いか分からない
- 中退しようかどうかを迷っている