「単純作業の仕事には、どんなものがあるんだろう?」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
単純作業の仕事では、特別な資格が必要とされない場合が多く、たとえば工場で行われる組み立て作業などが該当します。
単純作業の仕事にはどんな種類があって、どのように探せばいいのかも紹介します。
気になった方はぜひ読んでみてください。
単純作業の仕事とは
単純作業とは「業務が定型化された作業」のことです。
「マニュアル作業」とも呼ばれますが、データ入力や、工場での組立作業など、特殊なスキルを必要としない作業がほとんどです。
一方で、国家資格が必要とされる仕事は「専門職」と呼ばれます。
専門職には定型のマニュアルがない事も多く、状況に応じた対応が求められます。
多くの単純作業では資格は不要です。ただ、中には資格やスキルが求められる作業もあることは押さえておきましょう。
単純作業の仕事5選
単純作業において、代表的な5つの仕事を紹介します。
- データの入力業務
- トラックドライバー
- 軽作業
- 組み立て・加工業務
- 検査・検品作業
それぞれの仕事内容、向いている人の特徴、注意点や平均年収も解説しますので参考にしてください。
仕事1:データの入力業務
データの入力業務とは、数字や文字などをパソコンに打ち込む仕事です。データの集計や請求書などの文書作成において活躍するケースが多く、タイピングができる人であれば特に問題はありません。
入力作業は正確性が求められるため、細部にも目配りできる人に向いています。一度に大量のデータ入力を依頼されることもあるため、スピーディに仕事を進めることに自信がある人にもおすすめです。
基本的には入力作業がメインですが、職場によってはエクセルの関数やマクロを使ってのフォーマット作成が求められる可能性もあります。不慣れな仕事をすることになって後悔しないように、こうした業務に慣れていない人は仕事選びには特に注意しましょう。
単純作業は全般的にみて年収が低めですが、データ入力も例外ではなく、平均年収は320万円と比較的低い水準です。
仕事2:トラックドライバー
トラックドライバーとは、その名の通りトラックを運転する仕事です。荷物の運搬を担い、指定の場所まで配送します。
荷物の大きさや量によって運行距離が変わることが特徴で、たとえば大型トラックのドライバーの場合には一日以上をかけての長距離運転も珍しくありません。一方で中型・小型トラックの場合には、日帰りができる距離の配送がメインです。
トラックドライバーはひとりで過ごす時間が長いため、人間関係のわずらわしさから逃れたい人に向いています。ただし朝が早かったり、仕事によっては夜中もトラックを走らせる必要があり、生活が不規則になることは注意点として理解しておきましょう。
平均年収は378万円ですが、取引件数などによって報酬が追加される会社もあります。受注する仕事量によっては、平均以上の年収を得ることも可能です。
仕事3:軽作業
軽作業とは、倉庫や工場での仕分け作業や、商品の梱包、商品管理などを行う仕事です。基本的にはマニュアルが用意されており、初心者でも比較的早く仕事に慣れることができます。
軽作業は手順が明確に決まっているため、自己流で仕事を進めたい人には向いていません。一方で、与えられた仕事を素直に、かつ丁寧に進められる人に向いている仕事といえるでしょう。商品の運搬を任される場合もあるため、体力に自信がない人は注意が必要です。
軽作業の平均年収は、336万円です(※)。スキルや専門性を特に必要としないため、年収も低くなっています。
※「倉庫内作業」の平均年収を参照
仕事4:組み立て・加工業務
組み立て・加工業務とは、主に工場のベルトコンベアに流れる製品や部品の組み立て、加工作業をおこなう仕事です。「ライン作業」とも呼ばれ、特に機械系の会社や食品会社で募集される傾向にあります。
ライン作業は単調作業の連続のため、一つのことに集中して取り組み続けられる人に向いています。一方で、複数人で組み立て・加工をおこなう場合もあります。こういう職場ではコミュニケーション力が求められ、「ひとりで黙々と作業できる」というイメージとは異なる可能性があることも理解しておきましょう。なお、平均年収は330万円です(※)。
※「ライン作業」の平均年収を参照
仕事5:検査・検品作業
検査・検品作業とは、工場や倉庫内の製品に欠陥などがないかチェックする仕事です。製品を手に取って目視で確認することもあれば、重さをはかって確認する手法もあり、チェック方法は職場によってさまざまです。
検査・検品作業は、製品の安全性を左右する重要な仕事です。スピード感も求められますが、それ以上に「ミスをしないこと」が大切なため、集中力がある人に適性のある仕事といえます。長時間同じ姿勢での立ち仕事が多いので、特に足腰に負担がかかることには注意が必要です。
正社員での募集はあまり見られず、アルバイトやパートの募集がほとんどのため、平均年収は336万円と低めの水準にあります(※)。
※「倉庫作業」の平均年収を参照
単純作業な仕事のメリット3選
単純作業の仕事に就くメリットを3つ紹介します。
- 簡単な仕事内容なので覚えやすい
- コミュニケーションを取る機会が少ない
- 自分のペースで仕事ができる
では、それぞれについて見ていきましょう。
メリット1:簡単な仕事内容なので覚えやすい
1つめのメリットは、仕事を覚えやすいことです。
単純作業は専門スキルが必要とされる場面がほぼないため、作業に慣れればマニュアルがなくても行えます。難しい作業もあまりないため、初心者であっても心配なく仕事に取り組める点は安心材料といえるでしょう。
メリット2:コミュニケーションを取る機会が少ない
2つめのメリットは、人とコミュニケーションを取る機会が少ないことです。
仕事によっては複数人で作業にあたることもありますが、単純作業の場合、基本的にはひとりで過ごす時間がメインです。そのため「人間関係でストレスを溜めたくない」「ひとりで黙々と仕事をするのが好き」という人にはメリットを感じられるでしょう。
メリット3:自分のペースで仕事ができる
3つめのメリットは、自分のペースで仕事ができることです。
たとえばデータ入力の場合、入力数が事前に指定されているケースが多く、時間内にどれくらいの数を入力するかは個人の裁量で決められます。
一方で大型トラックのドライバーの場合は、パーキングエリアでの休憩や、走行時間などのスケジュールを自由に決められるため、マイペースに仕事をしていきたい人にはまさに“天職”と呼べる仕事になるかもしれません。
単純作業な仕事のデメリット
単純作業の仕事に就くデメリットは、次の3つです。
- 単純作業は飽きやすい
- 単純作業はスキルアップが出来ない
- 作業内容次第では体に負担がかかる
どの仕事にも、良い面もあれば、悪く感じられる面もあるものです。いざ仕事を始めてから後悔しないよう、単純作業のデメリットについても理解しておきましょう。
デメリット1:単純作業は飽きやすい
1つめのデメリットは、仕事に飽きてしまう可能性があることです。
単純作業は同じ作業の繰り返しのため、「仕事を覚えやすい」というメリットがあることを前述しました。しかし、それが1週間、1ヶ月、1年と続いていくと、どうしても「飽き」が訪れます。延々と同じことを続けていく時間は苦に感じられることもあり、気持ちが落ち込んでいってしまう人も少なくないのです。
デメリット2:単純作業はスキルアップが出来ない
2つめのデメリットは、スキルアップが難しいことです。
単純作業はマニュアルが用意されていることが多く、基本的には誰でも取り組めます。これは「初心者でも挑戦しやすい」という点ではメリットですが、一方で仕事内容が難しくないため、業務を通じての成長は期待できません。雇う側としても、あえて高い給料を払わなくても募集人員を確保できるケースが多いため、年収はどうしても低めです。
以上のことから、「スキルを武器に転職する」といった目標が叶えにくく、年齢を重ねても年収アップが期待できないことから、人によっては苦しい生活を余儀なくされる場合もあるのです。
デメリット3:作業内容次第では体に負担がかかる
3つめのデメリットは、作業によっては身体に負担がかかることです。
単純作業と聞くと「簡単な仕事」をイメージする人が多いのですが、作業が単純なだけで、実際には体力のいる仕事も少なくありません。たとえば工場や倉庫での作業は立ち仕事が基本ですし、搬入・搬送業務では重い荷物を運ぶ必要があります。
このように、仕事次第では想像以上に体力を消耗する可能性があります。そのため、体力に自信がない人は、単純作業という点だけで安易に仕事に飛びつくのはおすすめできません。まずは求人内容をしっかりと読み込む、または面接官に仕事内容を事前に確認するなどを行い、体力が求められる仕事かどうかをチェックすることをおすすめします。
単純作業の仕事の探し方
単純作業の仕事を探す方法を、次の3つに分けてお伝えします。
- ハローワークの利用
- 就職サイトの利用
- 就職エージェントの利用
それぞれのサービス内容、そして対象としている人についても解説しますので、仕事探しの参考にしてみてください。
探し方1:ハローワークの利用
ハローワークとは、厚生労働省が管轄する「職業紹介所」のことです。
全国各地の求人を検索でき、気になる求人があれば応募も可能です。地元に根差した中小企業の求人が多いため、工場や倉庫作業の求人も見つかりやすい傾向にあります。
ハローワークは老若男女・年齢問わず幅広い求職者を対象としていますが、特に就職活動がはじめての人におすすめです。履歴書の添削サポートや、就職に役立つ知識を学べるセミナーなど、内定に近づくためのさまざまな支援を受けることができます。
探し方2:就職サイトの利用
就職サイトとは、求人が一覧で掲載されているWebサイトのことです。
業界や職種によって扱う求人が分かれていることが一般的で、たとえば製造業に特化したサイトの場合、軽作業や検品作業などの求人が多く見つかります。
なお、就職サイトでは就職活動のサポートは受けられません。そのため転職に慣れている人や、一人で就職活動を進めるほうが気楽に感じられる人に向いている方法といえるでしょう。
探し方3:就職エージェントの利用
就職エージェントとは、専任の担当者が就職活動を支援してくれるサービスです。自己分析・企業分析のやり方を指導してくれたり、応募書類の添削、面接の練習などをサポートするエージェントも多く、あなたの希望にマッチした求人紹介も受けられます。なお、こうしたサポートはすべて無料です。
また、担当者には企業との面接日程の調整や、年収などの条件交渉も任せられます。そのため就職活動に不慣れな人、今の仕事が忙しくて求人チェックや調整作業に時間を割けそうにない人は、就職エージェントの活用によって効率的に就活を進められます。
まとめ
単純作業の仕事について、その定義と具体的な内容を紹介してきました。
単純作業は特に資格を必要とせず、誰でも気軽に始めやすいことから人気の仕事です。
ただし、仕事によっては体力が求められたり、スキルや年収の向上が難しいなど、デメリットも少なくありません。
仕事選びの際は、良い面だけでなく、悪い面もしっかりと理解することが大切です。メリット・デメリットを冷静に比べた上で、自分にとってメリットが上回る場合には、ハローワークや就職エージェントなどを使いつつ、安心して働ける職場を探していきましょう。
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