簿記の仕事に就きたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
この記事では簿記の仕事で求められることや、仕事の特徴、仕事がなくなると言われる理由について解説していきます。
簿記について解説
簿記とは「企業における資金の流れや経営成績・財務状況を把握し、分析する能力」を証明する資格です。ここでは、簿記に関する以下の情報をお伝えします。
- 簿記検定の種類
- 級ごとの身につく能力
- おすすめの簿記の資格
では、詳細を解説していきます。
簿記検定の種類とは
簿記検定は、日商簿記・全経簿記・全商簿記の3種類に分かれています。それぞれの違いを以下の表にまとめました。
日商簿記 | 全経簿記 | 全商簿記 | |
---|---|---|---|
主催 | 日本商工会議所と 各地の商工会議所 | 全国経理教育協会 | 全国商業高等学校協会 |
受験者層 | 社会人 | 経理や会計専門学校の学生 | 商業高校の生徒 |
級 | ・1級 ・2級 ・3級 他にも「初級」と「原価計算初級」があるが、3級から受けるのが一般的 | ・上級 ・1級 ・2級 ・3級 | ・1級 ・2級 ・3級 |
得られる能力 | ・1級:公認会計士や税理士の一歩手前 ・2級:就職や転職でアピールできる ・3級:商業簿記の基本が理解できている | ・上級:税理士の受験資格を得られる ・1級:大規模な会社でも経理ができる ・2級:中規模な会社で経理ができ、経営者が知っておきたいレベル ・3級:商業簿記の基本が理解できている | ・1級:大学の推薦入試基準となる ・2級:株式会社の基本的な会計処理が理解できる ・3級:個人商店を想定した簿記の基礎知識が理解できる |
受験料 | ・1級:7,850円 ・2級:4,720円 ・3級:2,850円 | ・上級:7,800円 ・1級:5,200円 ・2級:4,400円 ・3級:2,000円 ・基礎簿記会計:1,600円 | 各1,300円 |
級ごとの身につく能力
級ごとの身につく能力について、日商・全経・全商の順番で解説します。
日商簿記
日商簿記は3種類の中で最も知名度が高く、就職や転職に役立つ資格です。
- 1級:公認会計士や税理士の一歩手前
- 2級:就職や転職でアピールできる
- 3級:商業簿記の基本が理解できている
級ごとの能力については上記のとおりです。
全経簿記
主に税理士としてのキャリアを目指す学生が受検します。
- 上級:税理士の受験資格を得られる
- 1級:大規模な会社でも経理ができる
- 2級:中規模な会社で経理ができ、経営者が知っておきたいレベル
- 3級:商業簿記の基本が理解できている
級ごとの能力は上記のとおりです。
全商簿記
一般的に、商業高校の生徒が進学を有利にするために受検します。
- 1級:大学の推薦入試基準となる
- 2級:株式会社の基本的な会計処理が理解できる
- 3級:個人商店を想定した簿記の基礎知識が理解できる
級ごとの能力については上記のとおりです。
おすすめの簿記の資格を紹介
簿記資格を活かした仕事をしたい人におすすめなのは「日商簿記検定 2級・3級」です。日商簿記は大学生や社会人が多く受検し、最も実用性に優れているからです。
経理や会計の仕事をしたい人は、最低でも日商簿記3級は取得しておきましょう。ただし、3級は「小規模な会社の経理実務ができる」というレベルなので、中規模以上の企業で経理や会計の仕事をしたい人や転職活動を有利に進めたい人は、日商簿記2級以上の取得をおすすめします。
簿記を取得して仕事で有利になること3選
簿記を取得すると、3つのメリットがあります。
- 就職や転職が有利になる
- 会社の状況を理解できる
- 起業をする際に活かせる
それぞれの詳細を解説していきます。
就職や転職が有利になる
簿記の知識は以下のような業務に直結するため、就職や転職の際に有利になります。
- 企業の経理や財務担当
- 会計事務所や税理士事務所
- 中小企業相手の営業職
- 経営コンサルタント
ただ、就職や転職を有利にするなら「簿記資格を持っています」と伝えるだけでなく、「簿記の知識を仕事でどう活かしたいのか」をアピールしましょう。将来的な視点が評価されるでしょう。
会社の状況を理解できる
日商簿記2級以上を取得していると財務諸表が読めるので、会社の状況をより深く理解できます。財務諸表は「会社経営における成績表」のようなものです。
就職・転職活動で企業選びをする際に、その会社の財務状況を把握でき、企業の将来性を見極めるヒントになるでしょう。簿記の資格を取得したら、就職や転職の際、企業の財務諸表にも目を通してみてください。
起業する際に活かせる
簿記は、あなたが起業する場合も役立ちます。日々のお金の流れをきちんと把握しておくことは、会社経営において必須といえるでしょう。
記帳などの経理業務は社員に任せたとしても、最終的に決算書を読み解いて経営判断をするのは経営者です。簿記の知識があれば、決算書を見て速やかに資金戦略や軌道修正ができます。
個人事業主やフリーランスなら日商簿記3級程度、株式会社など法人の経営者なら日商簿記2級程度の知識を持っておくのが理想的です。非上場企業でも一部の企業は財務諸表が開示されており、自社と同業の非上場企業の財務諸表を見ることで、経営の参考にもなるでしょう。
簿記仕事-資格を活かせる仕事
簿記の知識や資格が活かせる仕事は、主に以下の3つです。
- 経理
- 税理士
- 会計
それぞれの仕事内容やスキルの活かし方、平均年収について解説していきます。
経理
経理は、会社における資産と利益を管理する仕事です。
会社ではお金の流れが必ず発生するので、どの業種の会社でも必要とされます。経理は後ほど紹介する「会計」と混同されやすい仕事ですが、以下のような違いがあります。
- 経理:日々のお金の流れを管理する
- 会計:会社全体のお金を管理する
簿記の知識があると、経理の仕事で発生する以下の書類作成時に役立ちます。
- 伝票
- 請求書や領収書
- 帳簿
- 税務
- 貸借対照表
- 損益計算書
どれも会社に必要な書類であり、簿記を活かしてこれらの作成ができると就職に有利でしょう。経理職の平均年収は450万円程度と、全職種の平均以上の年収を稼げる職業です。
税理士
税理士の仕事内容は、以下の通りです。
- 税金計算や申告の代行
- 税務書類の作成
- 税務や事業継承の相談
税理士業務には簿記の知識が必須で、上記の業務すべてに活かせます。
ただし、税理士はかなりの難関資格であり、合格までに約4,000時間の学習が必要といわれています。これは毎日2時間ずつ勉強しても、5〜6年かかる計算です。その分、高年収であることも特徴で、税理士の平均年収は950万円ほどと高めです。
会計
会計は、経理が作成した書類を用いて、会社全体の資金状況を管理する仕事です。
具体的には、貸借対照表や損益計算書を作る際に必要となる「会計帳簿」という書類を作成します。また、会計の仕事は、税理士をはじめとする外部関係者との連絡業務も多いことが特徴です。
特に、財務諸表を正しく読めるスキルが求められるので、簿記の知識は必要不可欠です。会計職の平均年収は480万円程度と、経理と同等に平均以上の年収を稼げる職業です。
簿記の仕事がなくなると言われる理由3選
一方で、簿記の仕事は「将来的になくなる」とも言われており、その理由は以下の3つです。
- AI導入よりも、人件費の方が高いから
- AIより、人は間違えるリスクがあるから
- AIより、人は処理スピードが遅いから
では、それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
1.人件費を払う必要がある
経理職や会計職を雇えば、人件費が発生します。これらの業務は徐々にAI化が進んでおり、多くの経理・会計業務が自動化しつつあります。しかも、長期的に見れば人件費はAIにかかる費用よりも高額になるため、「経理や会計は、いずれAIに代替される仕事」といわれています。
しかし、多くの会計処理が自動化されたとしても、必ず例外は発生します。それに、会社独自のルールにより、まだ会計ソフトに適応できていない企業も多数あります。今後、自動化が進んでいくとはいえ、現状では人が経理や会計を行う必要性が残されています。
2.人には間違えるリスクがある
人が行う作業ではミスが生じる可能性があり、正確さの点でもAIに軍配が上がります。書類作成や入金処理を手作業でやっていれば、読み間違えるなどのミスが発生しても不思議はありません。Excelで関数を入れればミスなく計算ができるように、一定のルールの下で行う単純作業に関していえば、AIの方が正確といえるでしょう。今後は単純作業はAIが代替し、人は数字で判断できないような企業分析などを担当ようになるともいわれています。
3.人の処理スピードはAIに劣る
処理スピードの点でも、AIの方が優秀です。例えば、AIの計算スピードは人間の数百倍ともいわれており、処理速度に関しては圧倒的な差があります。
今後は複雑な計算処理・帳簿チェック・数値の解析などはAIが担い、人は以下のような業務を担当すると予想されています。
- 貸借対照表や損益計算書から、会社の会計状況を分析する
- 税務や経営戦略などのコンサルティング業務
- 経営者の会計リテラシー向上のための指導
簿記の知識や資格を使って長く活躍するには、AIが不得手とする業務をこなせるようにスキルアップすることが重要でしょう。
簿記の資格に頼らない就職方法とは
簿記の資格を活かした仕事や働き方を紹介してきましたが、最後に「簿記の資格に頼らない就職方法」についてもお伝えします。それは、就職エージェントを上手く活用することです。私たちジェイックも、未経験者の就職支援に特化した就職エージェントサービスを行っています。
では、就職エージェントを活用すれば簿記の資格に頼らなくても就職できる理由を、詳しく解説していきます。
未経験者の就職に特化した就職支援サービス
未経験者の就職サポートに特化した支援サービスです。フリーター・第二新卒・既卒者など社会人経験が少ない人が、安心して長く働けるような求人情報を多数用意しています。また、未経験者には不利といわれる書類選考についても、書類選考なしで面接に臨める「集団面接会」というイベントを開催しています。
ビジネスマナーや面接対策もサポート
先ほどジェイックの利用者は就職成功率が高いと説明しましたが、その理由はビジネスマナー研修や面接対策を丁寧にサポートしているからです。具体的には、以下のような内容を学べます。
- 社会人として身につけておきたいビジネスマナー
- 自分にあった企業を見つけるための、自己分析の方法
- 転職後に後悔しないための、企業研究のやり方
- 魅力的な履歴書・職務経歴書の書き方
- 自分を最大限アピールするための面接対策
未経験の職種に応募したいけれど、自力で就職できるか不安な人におすすめの研修です。すべて無料で受講できますので、活用しない手はありません。
就職後の定着も支援
就職後も専任のキャリアアドバイザーが相談に乗っているため、「就職してからも、安心して社会人生活を送ってほしい」という理念が根底にあるため、このように就活生が安心して利用できるための取り組みを行っています。
まとめ
簿記の仕事をしたいと考えている人に向けて、以下の内容を解説してきました。
- 簿記資格の種類と特徴
- 簿記資格を取得するメリット
- 簿記資格を活かせる仕事
- 簿記に関する仕事の将来性
- 未経験でも、簿記を活かした仕事に就職する方法
ぜひ本記事の内容を、職業選択の参考にしてみてください。