歩合制の仕事とは、と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
歩合制とは、固定的給与と歩合給制度といった2つに分かれています。
なぜなら、固定的給与と歩合給制度でお金の支払い方が異なるからです。
こちらの記事では、歩合制についてや歩合制を採用している仕事についてを解説しております。
こちらの記事を読むことで、歩合制について知ることが出来ます。気になった方は是非参考に読んでみてください。
歩合制とは
「歩合制」とは、売上や業績に応じて毎月の給与額が変動する制度です。「出来高払い」とも呼ばれることもあり、給与額はあらかじめ以下のように決められています。
- 月間売上×〇〇%
- 契約件数×〇〇円
反対に、毎月定められた時間を労働して一定額の給与が支払われるのが「固定給制度」です。
歩合制はさらに「固定給+歩合制」と「完全歩合制」の2種類に分けられます。「固定給+歩合制」では、毎月の労働時間に応じて最低限の給与額が設定されています。そこに、売上額や契約件数などの「成果による報酬額」がプラスされる仕組みです。一方「完全歩合制」は、文字通り成果だけに応じて給料が決まる仕組みです。つまり、売上や契約が月に1件もなければ、給料は支払われません。
仕事内容によって、このどちらかを選べる場合と「固定給+歩合制」にしなければならない場合があります。日本では「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は労働時間に応じ、一定額の賃金を保障しなければならない。」という規則が労働基準法第二十七条に定められています。したがって、完全歩合制で働くことができるのは、個人事業主のように雇用契約を結ばず、業務委託を受けて仕事をする場合のみです。
参考「厚生労働省:e-Govポータル、労働基準法」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049
歩合制採用をしているの仕事3選
歩合制を採用している代表的な仕事は、以下の3つです。
- 営業職
- フリーランスのクリエイティブ職
- ドライバー
また、それぞれの仕事について、以下の点に着目して解説していきます。
- 仕事内容
- 向いている人
- 平均年収
- 仕事の中での注意点
仕事1:営業職
営業職は顧客の困りごと・課題をヒアリングし、その解決策となる自社の商品やサービスを提供する仕事で、歩合制の仕事の代表格ともいえる職業です。営業職はさまざまな種類に分かれますが、大きく以下の種類があることを知っておきましょう。
- 個人向け営業:一般消費者に直接、商品やサービスを提供する
- 法人向け営業:企業に対して解決策となる商品やサービスを提供する
- 反響営業:ネットからの問い合わせがあった場合に営業する
- ルート営業:決まった取引先を訪問して営業する
営業職は顧客と密にコミュニケーションを取って抱えている悩みを見つけ、さらには解決策の提案までを行います。そのため、コミュニケーション能力が高く、忍耐強い人に向いているといえるでしょう。
平均年収は435万円ですが、年収は営業成績によって決められるため、人によって大きな差があります。中には年収1,000万円以上を稼ぐ人も珍しくありません。また、自動車や不動産など扱う商品の値段が高い場合、契約が取れれば大きく年収を上げられます。一方で、値段の高い商品・サービスは契約を取ること自体が難しいという大変さもあるので注意しましょう。
営業職で注意すべきなのは「営業ノルマ」が設定されている会社が多いという点です。もし厳しいノルマが設定されている場合、働くうえで精神的なプレッシャーが大きいかもしれません。
仕事2:フリーランスのクリエイティブ職
クリエイティブ職とは「新聞・テレビ・Web・ゲーム・ファッションなどの分野で新しいものを生み出す職業」を指し、具体的には以下のような仕事があります。
- 動画コンテンツクリエイター
- グラフィックデザイナー
- Webライター
- イラストレイター
クリエイティブ職といっても、どのジャンルや工程を担当するかで仕事内容は大きく異なります。商品のコンセプト設計やデザイン制作を行うクリエイター業から予算・スケジュール管理を行うディレクター業まで様々です。給料の仕組みは、以下のようになっています。
- 制作動画1本あたり〇〇円(動画クリエイターの場合)
- デザイン案1件につき〇〇円(デザイナーの場合)
- 1文字あたり◯円(ライターの場合)
新しいものを生み出すクリエイティブ職には、常に世の中の流れを観察する好奇心や、先入観に縛られずに物事を考える「発想力」のある人が向いています。また、フリーランスのクリエイターは自宅で作業できることが多いので、マイペースにコツコツ仕事を進められる人も向いているでしょう。
企業に勤めているクリエイティブ職の平均年収は450〜500万円程度ですが、フリーランスは完全歩合制の場合が多いので、年収も実力によって大きく左右されます。
クリエイティブ職の注意点としては、クライアントの意向に沿って仕事をする「クライアントワーク」であることです。「自分が制作したいもの」を作ることはアートであり、基本的には「クライアントが求めているもの」を優先しなければいけません。したがって、納入した制作物に対して納得のいかない修正指示があった場合でも、丁寧に対応する姿勢が必要です。
仕事3:ドライバー
歩合制が採用されているドライバーとは、例えば以下の職種です。
- タクシードライバー(月の乗客数や走行距離によって給料が決まる)
- トラックドライバー(荷物の重量や走行距離によって給料が決まる)
ドライバーの役割は「人や荷物を決められた時間と場所に、安全な状態で送り届けること」です。
タクシードライバーは、数あるタクシーの中でどうやって自分を選んでもらうかが重要です。そのため、人や場所をよく観察できる人が向いているといえるでしょう。また顧客は急いでいることが多いため、適切な時間管理能力も求められます。
トラックドライバーは長距離を運転することも多いため、運転が好きで体力に自信のある人に向いています。
ドライバーの平均年収は380万円程度です。注意点としては、健康面のリスクが大きいことです。早朝や深夜の時間帯に運転することも多く、生活が不規則になって体調を崩しやすいので注意しましょう。
歩合制のメリット3選
歩合制の仕事をするメリットは、主に以下の3つです。
- 収入を増やし続けることが出来る
- 仕事を頑張るモチベーションが維持しやすい
- 柔軟な時間の使い方ができる
それぞれについて詳しく解説していきます。
メリット1:収入を増やし続けることが出来る
歩合制では自分自身が生み出した成果に応じて給料が支払われるため、成果次第ではいくらでも収入アップが期待できます。高年収を稼ぎたいと考えている人にとっては、大きなメリットといえるでしょう。日本企業の多くは、まだ昇給が年功序列になっているところが多いので、特に若くして高年収を稼ぎたい人には、完全歩合の仕事がおすすめです。ただし、歩合給に上限を設けている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
メリット2:仕事の意欲を持ち続けることが出来る
成果を出せば評価されて収入も上がるため、仕事に対する意欲を持ち続けやすいことも、歩合制の仕事のメリットです。成績が良かった場合には「さらに収入を増やしたい」というモチベーションに繋がります。反対に、成績が悪かった場合は悔しい気持ちになり「次はここを改善してみよう」と自分を振り返るきっかけができるので、成長にもつながりやすいでしょう。自分のスキルを高め、社会で活躍できる人材になりたいと考える人にとっては、歩合制の仕事をすることは大きなメリットといえます。
メリット3:柔軟な時間の使い方ができる
歩合制の仕事では、とにかく成果・売上を上げることが重要なため、働く時間の融通が利きやすい点もメリットです。企業に勤めるのであれば「定められたノルマ」、個人事業主やフリーランスであれば自分の「売上目標」を達成できれば、決められた曜日・時間に働く必要はありません。旅行に出かけるにしても、人の少ない平日にまとめて休みを取ることも可能でしょう。
毎月きちんと成果を上げ続けるためのスケジュール管理や目標設定などの「自己管理」は大変かもしれませんが、自己管理能力が身につく良い機会です。元々、計画的に物事を進めるのが得意な人にとっては、大きなメリットといえるでしょう。
歩合制のデメリット
一方で歩合制の仕事には、以下3つのデメリットがあります。
- 成績次第で収入が落ちる
- 不和を生みやすい
- 若手の社員がなかなか育たない
それぞれについて詳しく解説していきます。
デメリット1:成績次第で収入が落ちる
歩合制の仕事は成績次第で収入が落ちるため、常に収入の不安と戦う必要があります。成果が出ているときは十分な収入が得られますが、逆に成果があまり思わしくない場合は、費やした時間に対する収入が見合わないこともあるでしょう。収入の少ない期間が続くと、生活への不安からメンタルにも悪影響を与えてしまいます。
思うような成果が出ずに苦労しているときでも、常に「どうすれば改善できるのか」を考えて乗り越えていく精神的なタフさが、歩合制の仕事をするうえで必要です。
デメリット2:不和を生みやすい
完全に個人事業主やフリーランスとして仕事をしているケースを除き、歩合制の仕事は会社内での不和を生みやすいです。歩合制では成果によって評価が見える化されるため「自分は成績がよくないが、同僚は順調に売上を伸ばしている」のような状況も明らかになります。
このような状況で同僚に対する妬みや自己嫌悪が生じてしまうと、職場の雰囲気が悪くなったり、社内の人との協力関係を築けません。「身近に良きライバルがいる」というようにポジティブに捉え、切磋琢磨しながら成果を上げられるような心構えや環境作りが大切です。
デメリット3:若手の社員がなかなか育たない
環境次第では若手社員がなかなか育たず、スキルアップしづらい可能性もあります。歩合制の仕事において同僚や後輩はライバルです。お互いに高め合える関係ならいいですが、悪い捉え方をすると、若手社員の存在が「自分の成果を脅かす」存在にもなりえるのです。
会社によっては、社員同士が強い敵対心を抱いているところもあり、そのような環境では若手社員の育成があまり行われません。その結果「頑張っても上手く成果が上がらない」と若手社員の早期離職が目立っています。このような事態を防ぐには、職場内で日頃から上司や先輩と積極的にコミュニケーションを取り、良い人間関係を構築しておきましょう。
歩合制採用の仕事の探し方
歩合制の仕事を探すうえで、利用すべきサービスを3つご紹介していきます。
- ハローワーク
- 就職サイト
- 就職エージェント
以下、それぞれの活用方法を解説していきます。
探し方1:ハローワークの利用
ハローワークとは厚生労働省が管轄する「公的職業安定所」の愛称です。地元の中小零細企業を中心に、幅広い業種や職種の求人を取り扱っています。ハローワークでは、以下のようなサービスを提供しています。
- 職業紹介
- 就活の進め方相談
- キャリアコンサルティング
- 就活セミナー
- 職業訓練
ハローワークは求職者に対して就職先を紹介するだけでなく、就活の進め方や職業訓練なども実施しているため「何から始めていいのか分からない」という人にも気軽に相談できておすすめです。また、地元企業や中小企業に就職したいと考えている人にとっては、応募できる求人数も多いでしょう。
探し方2:就職サイトの利用
就職サイトとは、インターネット上で企業の求人情報を取り扱っているサイトで、以下のサービスを提供しています。
- 求人情報の掲載
- 興味がある企業へのエントリー
- セミナー・説明会への参加予約
- 自己分析や適性検査
就職サイトはインターネット上で24時間365日利用できるため、自分のペースで就活を進めたい人におすすめです。一方で、自主的に情報を検索する特性上、自分の知らない業界や仕事については情報が得にくい点はデメリットといえるでしょう。
探し方3:就職エージェントの利用
就職エージェントとは、求職者1人1人に専任のキャリアアドバイザーがつき、就活をトータルでサポートするサービスです。就職エージェントが提供するサービスは以下の通りです。
- 就活相談
- 就職支援講座
- 優良企業との面接会
- 就職後のサポート
専任のキャリアアドバイザーがついて就活相談や就職後のサポートも行うので、どのように就活を進めていいか分からない人や、就職後の相談もしたい人におすすめのサービスです。
まとめ
以上、歩合制の仕事に興味のある人に向けて、歩合制の仕事の特徴、メリットとデメリットについて解説しました。向いている人と向いていない人が大きく分かれるため、歩合制の仕事を探す際には、自分の性格や利用するサービスの特徴を理解して、上手に活用していきましょう。