地方の仕事にはどのような働き方があるのか、気になっている方もいると思います。実際には地方での仕事や働き方にはさまざまあり、自分に適した働き方をすることも可能です。
この記事では、地方の仕事についての解説や地方のメリット・デメリット、就きやすい仕事、仕事の探し方についてご紹介しています。
地方の仕事について興味のある方は是非、この記事を参考にしてみてください。
地方の仕事とは
地方の仕事にはどのような働き方があるのか、地方に仕事がないといわれるが本当なのか、地方の仕事をするうえで受けられる支援制度について、それぞれ解説します。
地方の仕事をする際の働き方を紹介
地方での仕事をする場合、主に以下5ついずれかの選択肢が考えられます。
- 地元企業に就職して働く
- 地域活性化に関する仕事で働く
- 一次産業で働く(農業、漁業、林業など)
- 自営業・フリーランスとして働く
- フルリモートの企業で働く
比較的就きやすい仕事については後述しますが、地方で働くといってもさまざまな選択肢があり、自分に合った仕事を探すことも可能です。
地方は仕事がないというのは本当?
「地方は仕事がない」「求人はあってもろくな仕事がない」という話を聞いたことがあったり、そういったイメージを持ったりしている人もいるかもしれません。
地方は、都会と比べると企業の数は少なかったり給料面で劣ったりする側面はありますが、仕事がないわけでは決してありません。実際に、地方自治体のサイトなどを見てみると、求人は常に掲載されています。また、人手不足で、実務経験なしでも歓迎している職場も少なくありません。
ただし、「地方へ引っ越してから仕事を探せばいいや」と安易に考えて移住するのはおすすめしません。思うような求人が見つからないなど、仕事に就くまでに時間がかかる可能性も高いからです。できる限り、仕事を見つけてから地方へ引っ越すことをおすすめします。
地方によっては支援制度もある
地方によって、移住者向けの仕事の紹介や移住費・住居費の補助、子育てサポートなど、独自の支援制度を設けているところもたくさんあります。JOIN「自治体支援制度検索」などの機能を活用し、気になる地方にどのような支援制度があるか調べることが可能です。
「地方で働いてみたいが費用面が不安」「仕事が見つかるか心配」「子育てがしやすいのか気になる」という場合、移住者向けの支援が充実している地方を選ぶことで、安心して、かつ長期的に生活し、働いていくことが可能です。
地方の仕事に就くメリット
地方の仕事に就くメリットとして大きなものを3つ、ご紹介します。
通勤ラッシュから解放される
リモートワークの導入企業も増えてきたとはいえ、職場への出勤が必要な仕事はまだたくさんあります。リモートワークOKの職場でも、場合によっては出社が必要になる日もあるでしょう。
都心部の場合、職場への通勤手段は電車が基本です。場合によってはバスと電車を使用したり、複数の路線を乗り継いだりして通勤することもあります。ガラガラで座れるケースは少なく、混み合う車内で席にも座れない…ということもよくあります。
地方の場合、車通勤が認められている職場が多めです。また、電車・バス通勤でも都会ほど混雑していることはほぼありません。快適にストレスフリーで通勤できるのは、毎日仕事をするうえでは確実に利点といえるでしょう。
人との関わりが深くなる
地方での仕事は、人と交流する機会がたくさんあります。都会の企業に勤めていると、職場の人間関係は比較的ドライだったり、プライベートにはあまり立ち入らなかったりすることも珍しくありません。一方で地方は「人とのつながり」が大切にされていたり、助け合いも盛んだったりします。
そういった人間関係を苦痛に感じる人には、地方での仕事は不向きかもしれません。しかし、無理なく自分のペースで周囲の人と関わっていける環境のところも、探せばたくさんあります。多少面倒だなと思うことがあっても、人との関係性がある程度しっかりあることで孤独になりにくかったり、いざというときに頼れる人たちがいたりして、安心して生活できるでしょう。
生活コストが低い
地方は、都会と比較して以下の2つの面で、生活コストが低く済みます。
- 住居費
- 食費
都会での生活費のうち一定の割合を占めるのが、月々の家賃や住宅ローンです。地方の場合、都会の約半分程度・またはそれ以下の住居費で、同じ広さの家に住める・購入できるといったことは珍しくありません。また、空き家に安く住める制度がある地方自治体もあります。
食費に関しても、都会ではスーパーなどを利用しますが、地方では産直野菜の直売所があったり、おすそわけをもらえたり、そもそもの販売価格が安かったりします。自給自足で野菜を育てたりもできるなど、工夫次第で食費を抑えられます。
これら2つの費用が大幅に減るだけでも、金銭的なゆとりは増えます。仮に地方に就職して前職より年収が下がったとしても、支出そのものが減ればお金に困ることは少ないため、生活コストが下がることで、仕事の時間を減らしてプライベートの時間を増やすといったこともしやすくなるでしょう。
地方の仕事に就くデメリット
地方の仕事には、都会にはない以下のようなデメリットもあります。
収入が都会より低い
doda「平均年収ランキング(47都道府県・地方別の年収情報)【最新版】」によると、都道府県別の平均年収の第1位は東京都で438万円という結果です。また、1位から6位までの上位をすべて関東エリアが占めています。
一方で、和歌山県は369万円、新潟県は359万円、高知県は354万円と、地方の平均年収は関東に比べて低くなっており、最下位は沖縄県の336万円で、東京都と地方では、最大で平均年収に約100万円もの違いがあることがわかります。
都心の企業に所属し、フルリモート勤務で地方へ移住するなどの選択ならば、収入面に変化はないでしょう。一方で、都会での仕事を辞めて地方に転職する場合、少なからず年収は下がる可能性が高いことは知っておくべきです。
都会と比べて仕事の選択肢が少ない
企業の多くは都心部にオフィスを構えたり、本社があったりします。地方の場合は企業の数そのものが少ないほか、一部の人手不足の業界にばかり求人が偏っているケースもあります。職種も限られ、IT・Web系やクリエイティブ系の求人は、特に少ない傾向が見られます。
地方で仕事をすることを考える場合、そもそもの選択肢が少ないことは否定できません。「やりたい仕事・適性がありそうな仕事があまりない」「キャリアを活かせそうな仕事がなかなか見つからない」という悩みは、地方で仕事探しをする際には出やすいといえます。
車社会になりがち
地方は、車を使う機会が確実に都心よりも多くなります。公共交通機関があまり発展していなかったり、車でないと行けない距離の職場や商業施設も多いからです。住む場所によっては、買い物に行く際は毎回車を使う必要があるというケースもあります。
一方で都会は、そもそも自家用車を持っていない人や、必要なときのみカーシェアやレンタカーを利用する、という人も少なくありません。運転免許がなくても特に問題なく暮らせる都会と比べると、地方に住んで働く場合は、運転免許がないとかなり不便な生活になる可能性が高いでしょう。
地方で就きやすい仕事5選
地方での仕事を考える際に、比較的就きやすい仕事(働き方)を5つ、ご紹介します。
地域おこし協力隊【地方の仕事 1/5】
地域おこし協力隊とは、都市部から地方へ移住し、隊員としてその地域での協力活動をして収入を得る仕事のことです。具体的には、地元で採れるものを活かした商品開発や販売・地域ブランドのPR、地域住民の支援などです。地域おこし協力隊としての任期は最大3年ですが、任期満了後も地域に残り、経験を活かして働き続ける人も多くいます。
地域おこし協力隊に向いている人は、好奇心旺盛な人、社交的な人です。過疎地域などを活性化させていくことが主な役目ですので、自分で考えて行動できる人や積極的な人には適性があります。一方で、人と関わることが苦手、面倒くさがりという人には向いていません。
農業【地方の仕事 2/5】
土地を利用して、穀物や野菜・果物、または家畜の飼育をする仕事です。「農業をはじめる.JP」などのサイトを活用して研修を受けたり、就農先を相談したりすることも可能です。自分で新たに農業を開始したい場合、地方自治体によっては、開業資金などを補助してくれるところもあります。
農業に向いている人は、忍耐力がある人、体力に自信がある人です。農業は基本的に屋外で身体を動かす作業がメインとなるため、オフィスでパソコンに向かうような仕事しかしたことがない人はつらいと感じたり、戸惑う可能性もあります。しかし、デスクワークにはない解放感や、自然と触れ合いながら働くことの喜びは確実にあるでしょう。
介護職【地方の仕事 3/5】
生活に介助を必要とする人に対して、施設や自宅などでサポートをする仕事です。「介護の仕事」というと高齢者が対象という印象もありますが、実際には、身体・精神などになんらかの障害を持つ人の介護も、介護職に含まれます。
介護の仕事に向いている人は、困っている人を助けることにやりがいを感じる人、ストレス耐性がある人です。必要不可欠な職種であり、常に需要が高く人から感謝される仕事です。その反面、要介護者から暴力・暴言を受けたり賃金が低めだったりする傾向もあり、離職率が高く、途中で別の職種に転職する人も少なくない職種です。適性のある人には天職にもなり得ますが、「介護職ならすぐ就職できるから」という安易な気持ちで考えるのはやめたほうが良いでしょう。
製造業【地方の仕事 4/5】
原材料の加工や組み立てなどを行い、製品を生産する仕事です。食品加工品、家電・家具、衣類、雑貨、車など、製造業とひとことでいってもそのジャンルは非常に多岐に渡ります。地方で製造業に就きやすい理由としては、土地が広いため工場が多い、地元の素材を活用した製品も多いことが挙げられます。
製造業に向いている人は、コツコツと同じことを続けられる人、正確で細かいことに気が付く人です。仕事中は黙々と作業をしている時間が長いため、人と話していないとつらいという人には向きません。休暇がしっかり取れたり、日勤のみで夜勤なしの職場もあるなど、働きやすい環境のところを選べば長く続けやすいでしょう。
フリーランス【地方の仕事 5/5】
企業に雇用されて働くのではなく、個人で仕事を請ける働き方です。業務委託契約が基本で、在宅でできる仕事ならば全国どこへ住んでも働くことが可能ですし、働く曜日や時間の制約もありません。地方でフリーランスとして働く場合は生活コストを抑えられるため、より自由度の高い働き方ができる点が魅力です。
フリーランスに向いている人は、縛られることが苦手な人、安定よりもやりがいや暮らし方などを重視したい人です。一方で、働けなくなったときなどいざというときの保障がないため、リスクを負いたくない人には不向きです。
地方の仕事の探し方
最後に、地方の仕事を探す方法を3つ、ご紹介します。
ハローワークで探す
ハローワークは全国にあり、地元企業の求人が比較的多めです。検索サービスを利用して全国の求人を閲覧することもできますし、地方就職支援コーナーがあるハローワークで相談することも可能です。
厚生労働省「ハローワークと地方公共団体の連携」によると、ハローワークと地方自治体が一体となった雇用対策も実施されています。地方の仕事探しのひとつとして、ハローワークを活用してみても良いでしょう。
県の支援制度を利用する
たとえば、地方創生「ふるさと求人」では、東京から地方へ移住した人を対象に、最大で100万円の移住支援金を受け取ることができる制度を実施しています。ふるさと求人のほかに、地方自治体独自で職業訓練やインターンシップ、就業体験などを実施しているところもあります。
移住を決める前に一定期間地方に住むことができたり、試しに働いてみてから検討できる制度もあるため、上手に活用してみましょう。
就職支援サービスを利用する
地方で仕事を探したい方にとって、効率的に自分に合った仕事を見つける方法としておすすめなのが、就職支援サービスです。プロのアドバイザーに相談できるだけでなく、非公開求人の紹介や就職活動のサポートなど、きめ細かいサービスを受けられます。
就職支援サービスを実施している弊社ジェイックも、東京・大阪・エリアのほか、仙台・名古屋・福岡にも支店があるため、地方で仕事探しをしたい方のサポートが可能です。就職講座、書類選考なしの合同面接会、就業後のフォローなど、地方の仕事探しから定着まで、長期的にバックアップいたします。
まとめ
地方での仕事には、都会にはないメリット・デメリットがあります。地方で働く暮らしが合うかは人それぞれですが、いきなり移住を決めなくても、まずはお試しで体験ができたり、説明会に参加したりして検討することも可能です。自分の興味や適性に合った仕事を見つけることができれば、地方で働くことでストレスも減り、のびのびと、生活コストを抑えて暮らしていけるでしょう。環境を変えて働きたいと考えている方は、地方で仕事をするという選択肢を視野に入れてみても良いかもしれません。
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