フリーターの人生はどうなるか解説します。若いうちは楽しく自由で気楽だと思うフリーターも、年齢を重ねるごとに少しずつ生活が苦しくなってくるという声が多くあります。
歳を取ったフリーターから人生逆転させるのは厳しい状況があります。後悔する前に就活をして正社員として就職することもぜひ検討してみてください。
この記事では弊社、就職カレッジ®運営の中で集まった相談やお悩みを元にフリーターの方の人生の展開を一例としてご紹介しています。必ずしもこうなる、というものではございません。将来やキャリアを考える上でのご参考にされてみてください。
こちらの動画では、フリーターと正社員の違いをお金の観点から解説しています。そもそも正社員との違いが知りたいという方は是非ご覧ください。
この記事の目次
フリーターの人生まとめ
フリーター人生を選択してしまう人にありがちなのは、以下のような考え方です。
- 「自由気ままに楽しく生きていたい」
- 「やりたい仕事が見つからない」
- 「社畜ってカッコ悪い」
- 「まだしばらくは正社員にならなくていいだろう」
このような思いで、フリーターの人生を選択してしまう人が多い現実があります。
「夢を追っている」「どうしても覚えたいスキルがある」など目的を持って、一時的にフリーターをしている人は問題ありませんが、「人生について深く考えていない」「考えることを後回しにしている」といった状態でフリーターをしていることは危険です。
平成26年度の厚生労働省の「就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」によると、日本の労働人口6830万人に対して、フリーターなど非正規の職員・従業員の労働人口は2120万人です。
つまり、労働者3人に1人はフリーターですし、「なんだ、フリーターがそんなにたくさんいるなら自分も大丈夫だ」と思うのも自由です。
人生という長い期間で考えると、フリーターは人生の後半になるにつれて状態は悪くなり、大きなツケが回ってきます。
「後悔した時には時すでに遅し」となってしまわないように、20代から50代までのフリーター人生をまとめてみましたので、年齢と共にどんな状態になっていくのか参考にしてみてください。
20代フリーターの人生の一例
20代では正社員との差が少なく、フリーターを続けてしまいがちです。
しかし、20代のうちに「フリーターのままではまずい!」と気づけるかどうかが人生のターニングポイントです。
20代フリーターはどんな人生なのかまとめてみました。
フリーターの方が人生上手くいくのでは?と考え始める
大学卒業後に軽い気持ちでフリーターになる人は多いです。
特に、学生時代から働いているアルバイト先はストレスがなく楽しいものです。
大学卒業後に正社員に就職した友人からこんなことを言われた経験はありますか?
「今月のノルマがきつい…」
「毎朝早くから会社へ行って、土日もたまに出勤だ…」
「会社の飲み会が多くてきつい…」
このような友人たちに対して、自分は数字に追われず、時間も自由で責任も少ない状態。嫌なアルバイトなら簡単に辞めて他を探せるメリットもあります。
また、アルバイト先でリーダーになり、若い学生たちに指導する立場になり「フリーターの方が正社員よりいい!」と思ってしまいがちです。
正社員とフリーターで給料がほとんど変わらない
まだ20代前半なので、アルバイトで週5~6日、1日10時間くらい働けます。社員で就職した友人より月給が高いときもあるでしょう。
「正社員になって責任重い仕事したり、ブラック企業に勤めても、給料が変わらないならアルバイトのほうがマシ」と思います。
ただ、「フリーターにはボーナスがほとんどない」ということには若干気になる人は多いです。
でも正社員の友人のボーナス額は聞かないようにして「責任軽い仕事で給料同じならアルバイトでしょ」と思って過ごしてしまいます。
フリーターだとローンや審査が通りにくい
20代前半であれば「そろそろクレジットカードも持っておいた方が良いかな」と思ったり、20代後半になれば「アルバイトでお金も少し貯まってきたし、新しい車買うぞ!」と思ったりもするでしょう。
しかし、実際にクレジットカードの審査やカーローンを申込むと、フリーターは審査に落ちたり、お金を借りられないという現実を突きつけられます。
「月収が安定しないフリーターは社会的信用が少ない」ということを知るときでもあります。
彼女と将来のことを考え始める(男性の場合)
20代中盤~後半になると、彼女と将来のことを考え始めますが、フリーターであることに後ろめたさを感じ始めます。
- 「彼女のことを幸せにするなら正社員にならないとなぁ…」
- 「彼女の親にあいさつするときフリーターとは言えないよなぁ…」
と、不安になりますし、彼女もフリーターの彼氏と一生を共にすることに不安を感じてもおかしくはありません。
大学卒業後にすぐ正社員になった友人の中には結婚する友人も出てきて、さらに焦ります。
フリーターから正社員になろうと思い始める
20代後半になると「そろそろ就職した方がいいかもしれない」と思う瞬間が多くなってきます。
例えば以下のような瞬間です。
- アルバイト先で10歳年下の新人が入ってくる
- 同年代の正社員と収入に格差が表れてくる
- 貯金がほとんどない
- 彼女と結婚を考え始めた
アルバイト先では年下の同僚たちと明らかに話が合わなくなり、裏で「あの人まだアルバイトなの?」と噂されるようになることも…。
また、アルバイト先の正社員で自分より年下の人が出てきます。
正社員の大学の友人たちとの給料の差は明白で、遊びに行く場所や飲みに行くお店のグレードが上がります。
一緒に遊ぶには金銭的に苦しくなり、だんだん友人の誘いを断るようになっていきます。
「さすがにまずいかも…」と思い、正社員への就職を考え始めます。ここで本気で正社員を目指せるか、フリーターのまま30歳を迎えてしまうかが、人生を大きく左右します。
なぜなら、30歳になると正社員就職は一気に難しくなるからです。
コチラの記事では、フリーターが正社員就職するための就活方法や進め方について解説しています。
フリーター人生を卒業するために必要な履歴書・面接などにも触れているので、20代フリーターは後悔する前に参考にしてみてください。
20代のフリーターについて知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
30代フリーターの人生の一例
フリーターのまま30歳になってしまうと正社員就職、正社員登用の門が一気に閉まります。
正社員との友人の格差は圧倒的に開きますし、年齢と共に状況がどんどん悪くなっていきます。
30代でフリーターだとアルバイト先に居づらくなる
アルバイト先の同僚がみんな年下になってきて、居づらくなります。陰で若い同僚たちに馬鹿にされていないか不安に思う毎日を過ごします。
ひそかにアルバイト先で正社員にしてもらえないかなと期待していたものの、年下の社員から「○○さん、まだ就職しないの?」と聞かれ、正社員登用の道がないという現実を突きつけられます。
「今のアルバイト先にいても未来はない」と思い、慣れ親しんだアルバイト先をやめることになります。
正社員の友人とフリーターの自分で明確な差が出てくる
正社員の友人たちは結婚して、住宅ローンを組んでマイホームを購入して、子供もいる生活です。
主任や係長など役職もつき始めるころで、給料も高くなっています。
「連休に家族で沖縄に旅行にいった」「親を連れて温泉にいってきた」など、フリーターの経済力ではとてもできないことを嬉しそうに話すのが心にグサリと刺さります。
フリーターの年収は正社員の友人の半分以下なことに気づく
正社員の友人たちと話しているときに、自分の年収は友人たちの半分以下である現実を知ります。
20代の頃は自分の方が稼げていたと思っていたのに…。
正社員はボーナス以外にも昇給があるのだということに改めて気づき、ショックを受けてしまいます。
ネットで検索すると、フリーターの生涯賃金は約6000万円に対して、大企業の正社員だと2億~3億円と知り愕然とします。
正社員就職を考えつつも、後回しにし過ぎたことを心から後悔するのもこのころです。
友人たちから誘われなくなる
フリーターのまま30代を過ごしていると、正社員で就職した友人たちから誘われなくなるケースがあります。
結婚して子供がいて家庭が忙しいのか、自分が避けられているのか、不安になります。
「結婚しないの?」とも聞かれないので「あいつはフリーターだから結婚なんてできないだろう」とみんなから思われていると、自分を卑下する人もいます。
急に彼女ができなくなる、結婚できない(男性の場合)
20代のうちは彼女ができたのに、フリーターのまま30歳を過ぎると急に彼女ができなくなることが多いです。
同世代の女性は結婚を意識し始めるので、性格や人格が素晴らしくてもやはりフリーターだと結婚は難しいと思われてしまいます。
恋人がいなくなり、友人からもさそわれなくなると孤独感が増していきます。
ちなみに、公益財団法人連合総合生活開発研究所の「第2回非正規労働者の働き方・意識に関する実態調査」によると、フリーターの男性の9割は未婚で、年収が低いほど未婚率が高くなっています。
再度就職活動を始めるが、職歴がなく書類から受かりづらい
30代後半にさしかかり、さすがにもう駄目だと思い就職活動を始めますが、苦戦を強いられます。
働きたいと思える求人のほとんどが20代対象というのが現実です。書類選考もほとんど通りません。
フリーターで多くの職場を経験しているという自信があっても、フリーターは「職歴なし」とみなされてしまう会社も多いです。
ワラをもすがる気持ちで、フリーターの就職支援をしている会社を探しても、対象は29歳以下がほとんどです。
「なぜ20代の時に気付いて行動しなかったのか」と自分を責めますがもう遅いです。
2~3社面接を受けるも厳しいことを言われ、自信を完全に失ってしまう人も多いです。
「もうアルバイトで生きていくしかないのか…」と希望を失ってしまいます。相談できる友人や恋人もなく、性格もどんどん暗くなっていきます。
30代フリーターについてもっと知りたい方はコチラの記事もご参考ください。
40代フリーターの人生の一例
40代になると、体力も衰えてきてアルバイトでも選べる仕事が減ってきます。友人たちとも疎遠になり結婚も難しくなってきて苦しい時期を迎えていきます。
年収は400万円未満で貯蓄ができない
公益財団法人連合総合生活開発研究所の「第2回非正規労働者の働き方・意識に関する実態調査」によると、
- フリーターの半分は年収200万円未満
- フリーターの97.8%は年収400万円未満
- フリーターが稼ぎ手の家庭は4割超が赤字
- フリーターが稼ぎ手の家庭の1/4は貯蓄ゼロ
- フリーターが稼ぎ手の家庭の2割は生活苦で食事を減らしている
という結果になっています。
40代までフリーターを続けても、給料は20代の頃からほとんど変わらないか、むしろ下がってしまいます。
貯金をするどころか、毎月の生活でいっぱいいっぱいになってしまいます。
やはりフリーターは正社員にはなれず、あきらめる
掛け持ちバイトで切り詰めれば何とか生活できますが、貯金もできず、結婚もできないことも明確になります。
ハローワークにも通い就職先を探してみても、あるのはどう見てもブラック企業ばかり。
応募条件で年齢制限のないところを受けても必ず不採用。
40歳を超えて、年下の上司から怒られることも怖い嫌だし、もう正社員になるのも無理なのかもしれないと悟りはじめます。
自分の力で現状を変えることは不可能だと、考えることをあきらめるようになってしまいます。
仕事を転々とするのでスキルが身につかない
40代になると長期のアルバイトにも採用されにくくなり、短期のアルバイトを転々とすることになります。
毎日職場や仕事が変わることでスキルが身につかず、さらに正社員就職が遠のく悪循環に入ります。
社会保険未加入
短期のアルバイトを転々としていると社会保険未加入のフリーターも多いです。社会保険未加入だと雇用保険もないため、失業給付も受けられません。
国民健康保険料を払うのも困難になり、体の不調が出てもお金がないから病院に行かないようになります。
体を壊す
公益財団法人連合総合生活開発研究所の「第2回非正規労働者の働き方・意識に関する実態調査」によると、30代・40代のフリーターの3割超が「健康ではない」と回答しています。
40代にできるアルバイトは肉体労働も多く、暑い夏でも寒い冬でも過酷な環境下で仕事をしなければいけません。
20代であれば体力もあり乗り切れますが、40代は体にこたえます。
アルバイトの仕事が理由で体を壊す人も多いです。
体を壊すとますます収入が減る
40代のフリーターがするような短期のアルバイトは日雇い労働も多いです。
正社員と違って病休や有休休暇はありませんから、体調不良で仕事を休めば収入減に直結します。
体調不良→収入減→病院にいけない→ますます体調が悪化→ますます働けない→ますます収入減・・・という悪循環になってしまいます。
うつ病になる人もいる
体調不良が続き、お金もなくなり、将来に対する希望がなくなるとうつ病になってしまう人がいます。
体調不良と経済的な困窮はメンタルをむしばんできます。うつ病になってしまうと働くことは困難です。
さらにお金はなくなり家賃も払えなくなってしまいます。
50代フリーターの人生の一例
50代のフリーターはキャリアにおいて様々な点で選択の余地がなくなってくることがあります。
体力的にも限界を迎え、本当に苦しい人生になってしまいます。
生きていくことで精いっぱいになってしまう
もう人生をあきらめて、日々生きていくことだけを考えるようになってしまいます。
友人に孫ができたとか、40代でサラリーマンをやめた友人が起業して成功した話を聞いても嫉妬もしなくなってきます。
遠方の派遣先まで体に鞭を打ちながら通い、コンビニバイトで時給990円をもらう日々。国民年金を頑張って払っても老後にもらえる金額は月6万円ほど。
死ぬまでバイトしないといけない、なんでこんな人生になってしまったのか、もうわからなくなってしまいます。
老後破産で生活保護か
いっそのこと軽い罪を犯して刑務所に入って楽をしたいとか、ホームレスになってしまおうか考えてしまう人もいます。
老後破産は目に見えているので、生活保護に頼ろうとも考え始めます。ちなみに、生活保護は申請すれば誰でも受けられるものではありません。
年々生活保護を受ける人は高齢化していて、約5割が65歳以上という統計が出ていますが、生活保護水準の高齢者でも生活保護を受けられないケースがあります。
フリーターにおすすめの職種5選
この章では、フリーターから就職しやすいおすすめの職種を5つ紹介します。仕事内容・平均年収・仕事の注意点・必要な資格などについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
職種1:営業職
営業職は学歴や経験を問わない求人が多いため、フリーターから正社員就職を目指しやすい仕事です。アルバイトで接客経験がある人は評価されます。入社後に商品やサービスに関する研修やビジネスマナー研修を実施している会社も多いため、まったくの未経験からでもチャレンジできます。
仕事内容
営業職は、製品やサービスを顧客に購入してもらうため、提案や売り込みを行う仕事です。
企業などの「法人」を対象にした法人営業と、一般消費者である「個人」を対象にした個人営業があります。また、既に取引のある顧客への「既存営業」と、新たな顧客を開拓をする「新規営業」があります。新規営業には、電話で行う「電話営業」もあります。
ほかにも、自社の店舗や窓口に来訪したお客様を対象にした内勤営業(カウンターセールス)、アポイント無しの飛び込み営業など、営業方法は企業により多種多様です。
フリーターが就職活動をする際は、志望先がどのような営業スタイルをとっているのか、求人の募集要項で確認したり、面接の場で質問すると良いでしょう。
平均年収
「求人ボックス・給料ナビ」によると、営業職の平均年収は377万円です。
営業職の中には契約件数に応じて基本給とは別にインセンティブが付く会社もあるため、年収アップを目指す人にもおすすめです。
仕事上の注意点
営業職には売上目標が課されることが多く、会社の利益に直接つながる仕事ができるやりがいがある一方で、「ノルマがきつい」と感じる人も多いようです。
また、営業職にはコミュニケーション能力が求められます。人と接することが得意でない人や、コミュニケーション力に自信が無い人には向かない場合もあるかも知れません。
必要な資格
営業職を目指す上で必要な資格は特にありませんが、可能であれば「普通自動車免許」を取得しておくと応募先の選択肢が広がるでしょう。営業職の中には、社用車で客先や取引先に出向く場合もあるためです。
職種2:介護職
介護業界は慢性的な人手不足なうえ未経験無資格でも働けるので、フリーターから介護職になって正社員就職する人もいます。介護職は3K(きつい・汚い・危険)な仕事とマイナスイメージを持つ人が多いかもしれませんが、昨今は高齢化によるニーズ増加に伴って、待遇改善や給与水準の向上が行われています。アルバイトで介護職の経験がある人はもちろん、未経験でもご高齢の方と接するのが好きな人におすすめです。
仕事内容
介護職の基本業務は「介護を必要とする方の日常生活や身の回りのことをサポートする」ことで、食事や入浴などの介助、掃除、洗濯などが当てはまります。ほかにも、施設を利用される方同士の交流を図るためのレクリエーションや環境づくり、医師からの指示があればリハビリの手伝いも業務によっては含まれます。
実は、上記の業務は資格がなければできない仕事です。未経験者ができる仕事は、施設の清掃や食事の支度、個室のベッドメイク、介護士のサポートなど、直接介護を必要とする方の身体に触れない業務です。はじめはこうした業務を行いながら、資格の勉強を進める人がほとんどです。資格を取得すればできる業務の幅が広がり、資格手当などで待遇向上も期待できます。
平均年収
「求人ボックス・給料ナビ」によると、介護士の平均年収は322万円です。
仕事上の注意点
介護職の働き方は、事業所が提供する介護サービスによって異なります。たとえばデイケアやデイサービス、訪問介護では基本的に夜勤がなく日勤のみの仕事です。一方で、介護老人福祉施設(特養)やサ高住といった利用者さんが居住している施設で働く場合、介護職は夜勤も日勤も行います。勤務形態が変われば得られる給料も異なるので、どこで働くのが良いかしっかり考えて求人を探しましょう。
待遇や収入が良い介護職の求人を見つけたら、施設見学を行ってから応募するのがおすすめです。実際に施設を見学して、ミスマッチを防ぎましょう。
必要な資格
介護に関する資格を取得していなくても、就職後に働きながら資格取得が可能です。会社によっては資格取得を支援してくれる制度もあります。
もし事前に介護職について知識を得ておきたい場合は「介護職員初任者研修」を受けてみるのも良いでしょう。介護職の基本的な知識を保有している証明になるため、面接時にアピールできます。
また、「ハローワーク」で介護職員初任者研修を無料で受講できる制度もあります。
職種3:ITエンジニア
フリーターから正社員転職を目指すルートとして、「エンジニア職」を選ばれる方が多いようです。IT業界は高い人気を誇っていて、今後もエンジニアの需要は高まり続けることが予測されています。
ITスキルの研修制度も準備されている会社もあるので、未経験の方でもチャレンジしやすい職種と言えるでしょう。ITスキルを身につけておけば、転職市場での価値が高まるため、高年収・高待遇のポジションへの転職のチャンスも広がります。
仕事内容
ITエンジニアとは、IT技術者の総称です。「IT」とは情報技術、「エンジニア」とはエンジニアリング(工学)の専門的な知識・スキルを持つ人という意味です。
ITエンジニアは、コンピューターを動かすためのシステムを設計するのが主な仕事となります。ただし、ITエンジニアのなかでも役割や業務によってさまざまな職種があります。システムエンジニアやプログラマーをはじめ、ネットワークエンジニア、サーバーエンジニアなど職種によって仕事内容が異なり、それぞれ専門的な分野を担っています。また、正社員、派遣スタッフ、パートなどさまざまな雇用形態があり、フリーランスとして活動しているITエンジニアもいます。
平均年収
「求人ボックス・給料ナビ」によると、ITエンジニアの平均年収は497万円です。
仕事上の注意点
IT業界が人手不足で未経験者でも就職できる会社もあるとはいえ、自分から積極的に技術を学ばなければ業務にあたることはできません。技術開発のスピードが目覚ましいIT業界では、常に新たな知識やスキルを習得していかなければ、最悪の場合は職を失うおそれもあります。
また、IT業界では、設備が十分でない小規模な企業や、資金繰りが厳しいブラック企業などに入社してしまうリスクが他業界に比べて高いと言われています。IT未経験者であれば、業界や企業の内部情報に詳しい「転職エージェント」を利用するのがおすすめです。
必要な資格
エンジニアになるには、スキルを証明するための資格は必要ありません。しかし、未経験からの正社員就職ということであれば、「I Tパスポート」「情報セキュリティマネジメント試験(SG)」「基本情報技術者試験(FE)」といった資格を持っていることで、採用選考において有利に働くでしょう。
就職活動と並行してプログラミング学習などを進めておくと、面接でのアピールポイントになりますし、実際に仕事を始める際にも役立つでしょう。
職種4:製造業
製造業には、未経験歓迎や年齢不問という求人が多く見られます。入社後に研修がある企業も多く、社会人経験が乏しいフリーターの方にもおすすめです。
工場によっては夜勤手当や残業手当がもらえるケースもあり、年収アップできるチャンスも高いです。コツコツとした作業が好きな人、体力に自信のある人はチャレンジしてみると良いでしょう。
仕事内容
工場には、例えば自動車工場や食品工場などがあります。自動車工場での仕事は車が好きな人におすすめで、名前が知られた有名企業の工場で働くやりがいがあるでしょう。自動車工場では「期間工」と呼ばれる期間に定めがある働き方が主流で、寮に住み込みで働くことが多いようです。期間工は契約期間が限られているものの、工場によっては契約の更新ができる、正社員に登用されるなど、長期的に働ける環境があるのがメリット。半年、1年といったタイミングで慰労金が支給されたり、大手であれば福利厚生が充実していたりする点も、自動車工場で働く魅力です。
食品工場の仕事はケーキやコンビニ弁当など作る製品によって内容が異なりますが、容器に食品を詰めたり総菜を加工したりする業務があります。単純作業が多いため、「ルーティンでも飽きない」人におすすめです。働く人は女性が多い傾向があるようです。
ほかにも家電や化学製品、印刷など工場によってつくっている製品はさまざま。作業内容や勤務地、待遇などを確認し、自分に合った工場を見つけましょう。
平均年収
厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」によると、製造業の平均年収は約384万円です。
仕事上の注意点
製造職における最大の注意点は、ケガを負うリスクがある点です。特に機械類を扱う業務には注意が必要です。ケガをしなかったとしても、工場の稼働を止めてしまい損害を出す可能性もありますので、十分に注意を払いましょう。
また、日勤と夜勤どちらでの勤務もありえる「交代制」での業務の場合、生活リズムに慣れるまで生活が不規則になりつらいと感じる人もいるようです。生活時間帯が日によって変化する事を好まない場合には、できるだけ交代制ではない職場を選ぶと良いでしょう。
必要な資格
工場での勤務において取得すると評価される、厚遇される資格は多くあります。たとえば、「衛生管理者」「エネルギー管理士」「自動車整備士」「電気工事士」「菓子製造技能士」など、製造する品物や工場の規模などによって、様々な資格があります。
ただ、これらの資格は就職後に働きながら取得を目指す方が無難です。業務未経験のフリーターであれば、優先すべきは資格取得ではなく「まず就職すること」です。就職して業務を習得してから、さらにスキルや待遇面のアップが期待できる資格を取得すれば良いのです。
職種5:公務員
公務員は、試験をクリアすれば就ける仕事です。安定した雇用・収入を手に入れたい人にはおすすめですが、難易度の高い試験に合格する必要があります。
フリーターから公務員になろうと思った時、まず最初に考えるべきなのは国家公務員と地方公務員、どちらを目指すかということです。国家公務員と地方公務員では働き方が異なり、採用に際して受験する試験も異なります。
仕事内容
国家公務員は、各省庁やそれに関連する出先機関などに勤務し、国に関連する業務をおこなう公務員を指します。実は、私たちの身近なところにも国家公務員は勤務しています。たとえば地方の税務署に勤める職員は地方公務員ではなく「国税局の地方支部に勤める国家公務員」です。国家公務員のなかでは最も身近な存在のひとつといえるでしょう。
地方公務員は、県庁や市区町村役場などの地方自治体で働く人々のことを指します。地方公務員は国家公務員よりも、地元の生活に密着して、実際に現場で市民と接する働き方が多くなるといえるでしょう。「地元のために働きたい」という人にとっては、地方公務員は魅力的な選択肢のひとつかもしれません。
平均年収
「総務省 令和3年地方公務員給与実態調査結果等の概要」によると、地方公務員の平均年収は約431万円です。
仕事上の注意点
公務員の給与は、年功序列で決まっています。どれだけ優秀な仕事ぶりを発揮したとしても、個人の実績が給与に直接反映されるわけではないため、実力主義で評価されたい人は物足りなさを感じることがあるでしょう。一般事務などの職種の場合は、基本的に書類作成などのルーチンワークが多くなります。人によっては、公務員の仕事を退屈に感じることもあるかもしれません。
また、公務員は営利にまつわる副業が禁止されています。国家公務員は国家公務員法の第103条及び第104条、地方公務員は地方公務員法の第38条で、明確に副業が制限されています。
必要な資格
公務員試験に合格しなければ、公務員にはなれません。試験には「高卒程度」と「大卒程度」という分類があります。
高卒者でも大卒程度の大卒程度の試験を受けることはできます。しかし高卒程度よりも難易度が高いため、高卒であれば高卒程度の試験を受ける方が一般的でしょう。国家公務員であれば、「国家公務員一般職高卒程度」の試験に合格すれば、一般的な事務職員として国家公務員になることができます。税務職員や刑務官、入国警備官、皇宮護衛官などの専門職も、高卒で受験することができます。地方公務員の場合は、市役所職員として勤める一般事務の他、公立学校での学校事務などもあります。電気や機械、建築、土木といった技術職につくこともできます。このほかにも、消防官や警察官、自衛官といった職種も、高卒で試験を受けることができます。
大卒でフリーターの人は、大卒程度を要件にした試験を受験することになります。国家公務員としては、試験に合格すればいわゆる「キャリア官僚」と呼ばれる国家公務員総合職になることができます。各省庁で将来の幹部を目指し、政策の企画・立案などを行います。総合職のみではなく、一般職の試験を受けることも可能です。警察官の場合は、警察庁に勤める「キャリア組」と呼ばれる警察官になることができます。地方公務員としては、地方上級公務員になることができます。職種は一般事務など高卒程度の職種と共通していますが、上級試験で採用された場合は各自治体の将来の幹部候補として働くことになります。業務も上級の方が幅広い内容になることが多く、政策の立案などに関わることもあります。
フリーターの将来のリスクと対処法
フリーターであることに不安や焦りを感じつつも、若く健康なうちは問題なく生活ができている人が多いかもしれません。しかし、長期にわたってフリーターを続けてしまうと、年齢を重ねてから後悔する可能性が高まります。フリーターで居続けることで想定される悲惨な末路を紹介するとともに、そうならないための対処法についても解説します。
リスク1:低給料で働かされる可能性がある
若いうちは、フリーターと正社員の給与差にさほど大きな開きはありません。しかし、歳を重ねるにつれ、両者の差はどんどん広がっていきます。正社員には定期的に昇給がありますが、フリーターの賃金はほとんど上がらないためです。
フリーターは時給制で働いている人が多く、時給が上がらないとなるとシフトを増やしたり、ダブルワークをして手取り額を上げるしかなくなります。その結果、フリーターは正社員に比べて時間単価が低く、長時間働くことになってしまうのです。
対処法は、なるべく若いうちに正社員になることです。バイト先に正社員登用制度があれば積極的に利用し、もし制度が無ければ他社に正社員就職すべく就職活動をスタートさせましょう。
リスク2:就職をしたくても遅くて出来ないことがある
年齢を重ねたことを理由に、正社員での就職先が見つからなくなる可能性があります。長くフリーターを続けてきた人に対して、求人会社はあまり良い印象を持ちません。正社員での就職先が見つからなければ、止むを得ずフリーターとして働き続けることになるでしょう。
選択肢があるうちは「まだ大丈夫」と、精神的にも余裕を持っていられるかもしれませんが、手遅れになってしまうと取り返しがつきません。
前述のとおり、一日でも早く就職活動を始めることが最良の対処法になります。
リスク3:周りの人が年下の可能性がある
フリーターとして長年働いていると、職場の正社員だけでなくアルバイトも全員年下ばかりになっていきます。新入社員に報酬面ですぐに追い抜かれ、惨めな気持ちになってしまうこともあるでしょう。人によっては、年下の人からの指示に従うことに耐えられないかもしれません。年下が上司という状況の中で働きたくない人は、早めに正社員就職を目指しましょう。
リスク4:親に経済面で依存し続けることになる
稼ぎが少ない場合、親から金銭面の支援を受け続けるケースもあります。30~40代になっても実家暮らしだったり、親に扶養されている状況が続くと、本人も親もやるせない気持ちになるのではないでしょうか。また親が亡くなってしまった場合、一人で生きていくことが困難になる場合もあります。親が元気なうちに、経済的な自立を目指しましょう。
リスク5:年金が少なく定年後もアルバイトが必要
フリーターとして長年働くと、正社員と比べて受け取る年金額が少なくなってしまうため、一般的な定年の年齢を超えてもアルバイトを続けなければならない可能性が高まります。正社員が加入する厚生年金とフリーターが加入する国民年金では、老後に受け取る年金の支給額がかなり大きく異なるのです。
支給額が多い正社員が貯金と年金で余生を楽しく過ごしているのに対し、フリーターを続けた場合は「貯金もなく、年金だけでは生活していけない…」ということになりかねません。
フリーターの末路について知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
フリーターと正社員の3つの違い
フリーターを続けた場合の悲惨な末路を紹介してきましたが、ここからは具体的に正社員とフリーターでどのような差があるのかを紹介します。
違い1:生涯年収が最大1億円以上違う
フリーターと正社員の生涯年収は、非常に大きな差があります。厚生労働省が発表した以下のグラフを見ると正社員とフリーターの所外年収の格差がわかります。
正社員が標準的な勤続年数(18歳就職60歳定年まで勤務)を勤めた場合、生涯年収は平均で約2億2,000万円です。一方で、フリーターの生涯年収は、同じ勤続年数を重ねても6,000万円となっています。その差はなんと1億6,000万円です。
違い2:社会的信用に差がある
フリーターは正社員に比べて生涯年収が低いだけでなく、社会的信用も低くなります。社会的信用が低いと、下記のような状況が発生します。
- 住宅ローン・自動車ローンが組めない
- クレジットカードが作れない
- 賃貸物件が借りられない
収入の安定性が無いことによって、様々な点で不利になってしまうでしょう。これにより、ライフイベントについて前向きに考えられず、結婚や出産などのタイミングを逸することもありえます。
違い3:人生そのものが違う
フリーターと正社員では「生涯年収の差」「社会的信用の差」によって、人生そのものが左右されると言っても過言ではありません。
【正社員の場合】
- 結婚して子供がいる
- 高価な物であってもローンを組んで購入できる
- 老後は資産と年金で安心して暮らせる
【フリーターの場合】
- 結婚したくても生活基盤が不安で躊躇してしまう
- 子供の養育費が捻出できそうになく、子育てを諦める
- 高価な物は現金を貯めないと購入できない
- 老後も仕事を続けないと生活できない
上記は一例ですが、フリーターは金銭面や社会的な信用面で厳しい状況になるおそれが高いです。もちろん、「正社員だから幸せ」「フリーターだから不幸」と一概に言えるわけではありませんが、「正社員の方が、選択肢が多い」ということは間違いないでしょう。
フリーターと正社員の違いについて知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
フリーターから正社員を目指す方法
「なんとかフリーターから正社員になりたいけど、何をしていいか分からない」という方に正社員になる方法を3つ紹介します。
方法1:ハローワークを利用する
ハローワークとは、厚生労働省が運営する国の機関です。正式名称は「公共職業安定所」で、求人の検索や、就職の相談、就職セミナーへの参加などが可能です。
フリーターの人が正社員を目指す方法としてハローワークをおすすめする理由は、以下の通りです。
- 求人数が多い
- 中小零細企業を中心に多くの求人情報を取り扱っている
- どの年齢も利用しやすい
ハローワークは、取り扱う求人の業種や職種が多岐に渡り、求人情報の多さも特徴です。そのため、フリーターでも応募できる求人がたくさんあります。民間の求人サイトには掲載されていない中小企業や地元企業の求人もあるため、幅広く多くの求人情報に接したい人や自宅近くで仕事を探したい人に適しています。利用する際は、最初に求職者登録が必要です。
また、ハローワークを利用する際は、以下の2点に注意しましょう。
- 大企業の求人情報は少ない
- ブラック企業が紛れている場合がある
ハローワークは、企業側も無料で利用することが可能な機関です。国が設置している特性上、公平性を担保するため、厳しい審査もありません。そのため、採用した人が早期に辞めていく傾向がある企業や、人材採用にあまり予算がかけられない企業も一定の割合で紛れている可能性はあります。ハローワークで知った企業について、あなた自身がネットで評判や口コミなどを調べるようにすると良いでしょう。
方法2:就職サイトを利用する
就職サイトとは、求人情報が一覧で掲載されているWebサイトのことです。自分で求人を検索し、応募まで進むことができ、その後の企業との調整作業もひとりで進めていけるため、マイペースに就職活動を進めていきたい人に向いています。
履歴書の書き方や、面接のポイントなど、選考通過に役立つ情報が豊富に掲載されているサイトも多いので、フリーターから正社員就職を目指す場合にはこうした情報も参考になるでしょう。
就職サイトをおすすめする理由は以下の通りです。
- 大企業や外資系企業の求人も掲載している
- 24時間365日利用可能
- 企業側からのスカウト機能がある
自由に求人情報を検索でき、24時間365日いつでも利用できることから、マイペースで就活を進めることができます。また、ハローワークにはないような大手の求人があるのも特徴です。求人サイトによって得意とする職種やターゲット層が違うため、いくつかのサイトに登録して試してみると良いでしょう。自分のペースで就活ができますが、注意点はあなたがよく知らない業界や職種の情報は入手しづらいことです。
方法3:就職エージェントを利用する
就職エージェントとは、キャリアアドバイザーが就職活動をサポートしてくれるサービスです。おすすめする理由は、フリーターから正社員の就職に強いからです。専任のキャリアアドバイザーが求職者の相談に乗り、適した企業への就職をサポートしてくれます。
具体的には、次のような支援を無料で受けられます。
- 自己分析
- 企業分析
- 応募書類の作成
- 企業とのやりとり
- 面接対策
就職エージェントはこれらのサポートや代行業務を行うため、「就職活動を何から始めていいか分からない」という人におすすめです。
ちなみに私たちジェイックは、20代のフリーター・既卒者・第二新卒の就職支援を得意とする就職エージェントです。就活の基礎を学べる就職講座では、下記のような内容を提供しています。
- ビジネスマナー
- 自己分析
- 企業研究
- 履歴書、面接の個別対策
厳選した優良企業約20社と書類選考免除で面接ができる「集団面接会」も開催しており、最短2週間で内定が得られます。さらに、就職後も無料相談ができるため「就職後に上手くやっていけるか心配」という人にもおすすめです。
目的のないフリーター人生の場合は早めの卒業がオススメ
目的のないフリーター人生は本当に危険です。気づいたタイミングが遅いと取り返しのつかないことになります。
正社員就職するには、年齢は若いにこしたことはありません。あなたがまだ20代なのであれば、今すぐにでも行動しましょう。
また、私たちジェイックのような、フリーター専門の就職エージェントを活用することもできます。無料で相談できるので、気づいたらすぐに行動に移しましょう。
「このままではもうやばい」と思った日が、あなたの人生の中で1番若い日なのです。
「フリーター 人生」によくある質問
フリーターという人生を選ぶ人の特徴は、3つあります。自由気ままに楽しく生きていたい、やりたい仕事が見つからない、社畜ってカッコ悪いの3つです。
フリーターという人生を卒業すべきか?といった内容に関しましては、卒業することをオススメします。フリーターでの人生は危険ですし気づくのが遅ければ取り返しのつかないことになるのです。