「フリーターはハローワークを利用できるの?」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
フリーターもハローワークを利用できます。 求人紹介はもちろん、セミナーなどのサービスもあります。
こちらの記事では、フリーターがハローワークを使うメリットやデメリットついて解説をしております。 気になった方は、ぜひ最後までご覧ください。
- ハローワークのメリット5選・デメリット3選について理解しよう
- ハローワークのデメリットを補うため、民間の就職エージェントも活用しよう
- ハローワークと就職エージェント、どちらの強みも活かすなら併用がおすすめ
- 求人紹介やセミナー
希望条件から応募したい案件を見つける最も知られているハローワークの業務 - 職業訓練
就職するのに必要なスキルや知識を取得するできる制度で、料金がかからないケースもある - 雇用保険の受給手続き
フリーターであっても雇用保険に加入していれば退職時に失業保険の受給が可能
この記事の目次
ハローワークでは何ができる?
フリーターの就職活動というと、まずハローワークを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
ハローワークとは、公共の職業安定所のことです。主な業務はさまざまな形で行われる就職支援ですが、そのほかに職業訓練や雇用保険の受給手続きなども行っています。
就職活動をするのに大きく役立つ3つの支援について見ていきましょう。
- 求人紹介やセミナー
- 職業訓練
- 雇用保険の受給手続き
ただし、以下に挙げるのは一般的な内容であり、都道府県によってハローワークで受けられる就職支援の内容には違いがあります。
メインはこれ!求人紹介やセミナー
もっとも知られているハローワークの業務が、求人情報の紹介でしょう。
ハローワーク内に設置してある端末を使って希望条件を検索し、応募したい案件が見つかれば窓口で相談して求人先に問い合わせてもらい、紹介状を書いてもらうというのが一般的な流れです。
ハローワークまで行かなくても、手持ちのパソコンやスマートフォンから公式サイトにアクセスして、求人情報を検索することもできます。
フリーターを続けていると、就職活動をしたいけれど何をどのように進めたらいいかわからなかったり、正社員として働きたいという意思はあるもののどんな仕事が向いているのかさえわからなかったりといった人もいるでしょう。
そのような悩みをもつ人に向けて、窓口では就職に関する相談も行っていますし、随時就職セミナーも開催しています。これらの支援を受けるのに、費用はかかりません。
積極的に利用したい!職業訓練
あまり知られていませんが、ハローワークでは職業訓練の相談、受付も行っています。
職業訓練とは、就職するにあたって必要なスキルや知識を取得するためのトレーニングが受けられるという制度です。
コースの内容はパソコンスキルや簿記、経理から機械や電気関連まで多岐にわたります。期間も、3カ月間から1年かかるものまでさまざまです。
ただし、受けたいコースが随時開催されているわけではありません。また、受講するには一定の条件を満たすことも必要です。
すぐに定員が埋まることもありますので、受けたいコースが見つけたら速やかに職員に相談しましょう。
職業訓練には料金がかかるケースとかからないケースがあるため、その点も確認が必要です。
雇用保険の受給手続き
フリーターであっても、職場と本人の労働条件が一定の要件を満たしていれば、雇用保険に加入できます。
雇用保険に加入していたフリーターが仕事を辞めて就職活動を始めたのであれば、失業保険の受給が可能です。
失業保険の受給手続きもハローワークで行えますので、窓口で尋ねてみましょう。
ただし、雇用要件を満たしているのにも関わらず、雇用者が手続きをとっていないために受給資格がないケースもありますので注意が必要です。
フリーターでハローワークを利用するメリット
フリーターの人がハローワークで求職活動をするメリットには、主に以下の5つがあります。
- メリット1:職員に相談できる
- メリット2:求人数が多い
- メリット3:住んでいる地域に密着した求人が多い
- メリット4:原則として、労働基準法を遵守した求人が紹介される
- メリット5:求人に応募した際は採否が必ず届く
では、順番に解説していきます。
メリット1:職員に相談できる
ハローワークでは、職員に就職・転職に関する相談ができます。仕事探しについてはもちろん、自己分析のやり方や応募書類の書き方などのアドバイスが受けられます。また、希望すれば就職対策の指導も受けられます。
職業相談について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
メリット2:求人数が多い
求人を行う企業側も、ハローワークを無料で使うことができます。企業も人材採用に使える予算に限りがあるので、ハローワークを通じて無料で良い人材が採用できれば有難いと考え、多くの会社が求人情報を出しています。比較的規模の小さい企業や、なかなか採用にコストを掛けられない会社は、ハローワークにしか求人を出していない場合もあります。また、窓口や施設に設置してある検索機では、管轄エリア以外にも全国の求人情報を検索できます。
メリット3:住んでいる地域に密着した求人が多い
ハローワークには、その地域に本社や支店がある企業も多く求人を出しています。転職サイトや転職エージェントよりも、地域に密着した企業の求人に出会える可能性があるでしょう。全国的にはあまり知られていない優良企業が見つかったり、職員さんによっては求人内容に書かれている以上の詳細情報に精通している場合もあります。
家から近い場所で働きたい人は、ハローワークを仕事探しの方法のひとつとして活用すると良いでしょう。自宅から通える範囲で仕事を探したい場合、全国区の転職サイトよりも地域に密着したハローワークのほうが探しやすいケースもあります。「自宅から、なるべく短時間で通える範囲」「通勤時間が長すぎない」といった点を重視して就職先を探したい人は、ハローワークを利用するメリットがあると言えます。
メリット4:原則として、労働基準法を遵守した求人が紹介される
ハローワークでは、労働関係の法令違反があった企業を新卒者などに紹介することのないよう、こうした企業からの新卒求人を一定期間受け付けない制度を実施しています。
前述のとおり、企業にとって無料で求人情報を掲示できるハローワークは、魅力ある採用方法のひとつです。そのため「ハローワークに求人が出せなくなる」のは大きな損失になります。こうした制度が、求人情報における労働基準法の遵守を促す効果があるのです。
もし、ハローワークを通じて企業に入社した後、「求人情報や面接で提示されていた条件と実際が違う」というようなトラブルがあった場合は、遠慮なくハローワークに相談することをおすすめします。
メリット5:求人に応募した際は採否が必ず届く
ハローワークを通じて応募した求人については、応募先の会社から書類審査や面接結果の通知があります。個人が直接応募している場合は、採否の連絡がなかなか来なくても催促しづらいものですが、ハローワークのような仲介機関は企業側への確認連絡に臆することはありません。こうした点でも、ハローワークを有効に活用しましょう。
フリーターでハローワークを利用するデメリット
続いては、ハローワークを利用する場合のデメリットについても解説します。
- デメリット1:求人ごとの情報量が少ない
- デメリット2:職員が非正規職員である可能性がある
- デメリット3:自分で情報を集めて行動しなければならない
上記の3点について、ひとつずつ見ていきましょう。
デメリット1:求人ごとの情報量が少ない
ハローワークの求人情報は、就職サイトやエージェントに比べて、情報量が少ない傾向があります。ハローワークの求人票は、定型の書式に企業側が記入したシンプルな内容なので、その情報だけで企業を見極めるのはなかなか難しいものがあります。より詳細な情報や職場の写真などの掲載が少ないあるいは無い場合も多く、入社後にどのような環境で働くのかイメージしにくいこともあります。
就職サイトなどの民間サービスの利用時と同じ感覚で応募を判断することは避け、希望の求人については窓口の相談員に詳しく聞いてみましょう。さらに、その企業について自分でネット検索するなどの補足調査も行い、情報を補強すると良いでしょう。
デメリット2:職員が非正規職員である可能性がある
数年前、NHKのWEB特集で「ハローワークで働く職員の内、非正規雇用者の割合が全体の7割を超える」ことが取り上げられ、話題となりました。
- 非正規雇用:約28,000人
- 正規雇用(国家公務員):約10,000人
ハローワーク=公共職業安定所で働く人の多くが「雇用が不安定な非正規雇用者」であり、1年ごとの更新制であるというのは何とも皮肉な状況です。翌年も雇用関係を更新できるかどうかは、本人の実績はもちろん、雇用情勢や国家予算の影響も受けるため、雇い止めになることも珍しくありません。実際に「先月までは求職者の相談に乗っていたが、今は自分が失業してハローワークに求職登録している」という元職員も多くいます。
このため、雇い止めにおびえながら仕事を続けている状況では、求職者への就職支援という専門性を維持できないとして、2021年2月ハローワークで働く非正規職員などが厚生労働省を訪れ、待遇改善を求める22,000人余りの署名と要請書を提出しました。
引用:“ハローワーク非正規職員の待遇改善を” 厚労省に要請書提出/NHK・NEWS WEB
ハローワークに限った話ではありませんが、どんなサービスにおいても職員の対応の質や、相談者との相性には善し悪しがあります。個々の能力や人柄の差異だけでなく、「雇用形態により、職員自身の心身の健康状態が万全とは言い難い可能性」についても知っておくと良いでしょう。
そして、そうした点を少しでもカバーするために、あなた自身が主体的に就職活動を行う意識が重要です。ハローワークを利用する際は、質問や疑問点はあらかじめまとめておきましょう。確認したいことが明確になっていれば、職員のスキルや能力・その時の健康状態によって対応がブレるおそれを軽減し、あなたが求める情報や対応を引き出すことができるのではないでしょうか。
デメリット3:自分で情報を集めて行動しなければならない
ハローワークでは求職活動に関する一通りの支援を受けることができますが、積極的に活動していない場合に職員の方から何か働きかけがあるわけではありません。基本的にはあなた自身が主体的に行動していく必要があります。その点、社会人としての経験があまりない人には難しい側面もあるかもしれません。
一方、民間のサービスである就職エージェントでは、登録者の適性や希望に合う求人があれば「この求人はいかがですか?」「この企業も受けてみませんか?」と案内がされたり、面接の日程調整などの連絡をすべて代行してくれたりもします。就職活動に慣れていない方、不安を感じる方や、アルバイト等で忙しいフリーターの人にもおすすめできるサービスです。
ハローワーク以外の方法で就職する方法について知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。
フリーターの就職活動にはエージェントの活用もアリ
就職活動では、さまざまなステップをこなす必要があります。
- 履歴書や職務経歴書の準備
- 求人情報の収集
- 応募
- 面接対策
- 面接
代表的なステップを上げただけでも、以上のようなステップを踏まないと就職することはできません。
ちなみに、以下の記事では履歴書や面接対策など、これらのステップ1つ1つについて解説しています。
正社員とフリーターの間にある格差などについても解説しているので、参考にしてみてください。
話を戻しますが、希望に近い内容の仕事に出会うためには、多くの求人情報を得る必要もあるでしょう。
ハローワークでは相談にはのってもらえるものの、基本的にすべて自力で行わなければなりません。
また、得られる求人情報にも限りがあります。その結果、ハローワークのみに頼った就職活動はあまり効率的に進まない可能性があります。
フリーターから正社員への就職は、正社員から正社員への転職よりも難しく、より効果的に行うことが必要です。そのため、就職エージェントもうまく活用することが望ましいでしょう。
就職エージェントとは?
就職エージェントとは、人材を求めている企業と求職者の間に立って調整する人材紹介サービスのことです。
登録すると、担当のキャリアアドバイザーがつき、正社員雇用まできめ細かなサポートを受けることができます。
エージェントは企業から料金を得ているため、求職者は無料で利用可でき、交通費などをのぞき費用面での心配もありません。
就職エージェントを利用するメリット
エージェントの利用にはさまざまなメリットがあります。まずは、担当のアドバイザーによる徹底したサポートが受けられることです。
たとえば、求人情報の紹介から応募手続き、面接の日程調整、企業への給与や待遇の条件交渉までアドバイザーが行います。
履歴書や職務経歴書の書き方指導、添削、面接対策などもあるため、不利になりがちなフリーターの就職活動の心強い味方となるのです。
また、エージェントの場合は、企業担当の営業が先方に出向き、情報を得ていきます。
そのため、スタッフは企業の仕事内容だけでなく社風や内情にも精通していて、求職者の疑問や不明点にも対応が可能です。
求職者の適性を考えた求人紹介を行ってもらえるため、採用されて働きだしてからこんなはずではなかったと後悔するようなミスマッチも起こりにくい傾向があります。
エージェントを利用する際の注意点
フリーターがエージェントを利用するにあたっては、注意する点があります。
それは、多くのエージェントが正社員から正社員への転職支援に重点を置いている点です。
エージェントは、採用した人材が雇用されれば企業から多額の手数料を受け取れます。
そのため、採用される可能性の高い正社員を優先し、フリーターには十分に対応しないということも珍しくないのです。
ただし、すべてがそうではなく、フリーターの支援に重点を置いているエージェントもあります。
そこで、利用するならフリーターの支援がメインのところを選ぶことが重要です。
知名度が高いといった理由で選ぶと、満足にサポートを受けられないこともありますので、注意しましょう。
エージェントとハロワをうまく活用して内定を勝ち取ろう
新卒での就職活動は、同じように活動する仲間がたくさんいます。
しかし、フリーターの場合は、就職情報を共有したり、企業の求人に応募して落とされ落ち込んだときに慰めあったりできる就活仲間がいません。
そのため、ある意味で孤独との戦いといえるでしょう。手探りでの就職活動は、効率も悪くなります。そのため、就職支援サービスを積極的に利用することが大切です。
ハローワークは地元企業を中心とした求人が多く、職員に就職に関する相談ができるほか、職業訓練といったお得な制度もあります。
しかし、サポート力は弱い面がありますので、ハローワークだけでなくエージェントもうまく組み合わせて活動するといいでしょう。
エージェントにもたくさんありますので、特にフリーターの就職支援に実績のあるところを選ぶことが重要です。
まとめ
フリーターの就職活動は、ハローワークと就職エージェントのどちらがおすすめかについて解説してきました。それぞれの方法に得手・不得手があり、あなた自身の就職に関する嗜好性や適性によっても最適な方法は変わります。どちらを使うか迷うようなら、まずは両方とも活用してみるのがおすすめです。実際に利用してみなければ分からないことも多いですし、他の人にとってのメリット・デメリットがあなたにとっても同様とは限らないからです。
動き出す前から最適解を求めるのではなく、まずは動き出しましょう!フリーターの人が正社員で就職するには、「年齢の若さ=会社に貢献してくれる時間の長さ」は大きなアドバンテージになります。その優位性を活かすためにも、複数の方法で就職活動をスタートさせましょう。
「フリーターのハローワーク」に関するよくある質問
ハローワークでできることは求人検索・応募のほか、就職や仕事探しなどに関する相談、セミナーや講座への参加、失業保険の手続き、職業訓練への参加などがあります。
ハローワークを利用して就職すべきか迷っている方は、ジェイックの「就職相談」にお申込みいただくことで、ハローワークの特徴や、ハローワーク以外の就職方法などもアドバイスさせていただくことが可能です。お気軽にお問い合わせください。
ハローワークの最大のデメリットは、求人や職員の質にばらつきがあることです。相談や仕事探しをするうえで、自分が納得いく就職活動がしにくいこともあるかもしれません。
フリーターから就職する方法やつつ、おすすめの仕事について詳しく知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。