不登校のその後とは、と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか? 実は、不登校でも人生終了ではありません。 なぜなら、不登校の人でもできる仕事はあるからです。
こちらの記事では、不登校になる原因やおすすめの仕事、仕事の探し方ついてを解説しております。 こちらの記事を読むことで、不登校でもできる仕事や仕事の探し方を知ることが出来ます。気になった方は是非参考に読んでみてください。
不登校のその後とは
日本では不登校が増えており、2018年時点でみるとおよそ22万人(※)の児童・生徒が不登校の状態にあると言われています。つまり、不登校というのは決して珍しいことではありません。そして仮に学校をやめることになったとしても、自分に向いている仕事に就くことで毎日をイキイキと過ごしているケースも多く見られます。
そこで、まずは不登校に関して正しい知識をつけるために、その定義と共に、厚生労働省が発表しているデータをもとにして不登校生徒の就職率をお伝えします。
※文部科学省|平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要 2019 (p.14,18)
不登校の定義
厚生労働省は、不登校を以下のように定義しています。
「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」
参考:文部科学省|不登校の現状に関する認識
なおこちらの記事でお伝えする「不登校」に関しては、原則として「高校生以上の学生」を指す言葉として使用します。
不登校のその後のデータ
不登校生徒の就職率に関する公的データは見つかりませんが、参考までに中卒(高校中退を含む)の就職率のデータを参照すると、2018年時点で35.4%の人が正社員として働いていることが分かります。
こちらのデータには不登校ではない人も含まれているので一概には言えませんが、仮に高校を中退したとしても、およそ3人に1人が正社員としての就職を果たしている、といったイメージをまずは持っておくと良いでしょう。
参考:厚生労働省|平成30年若年者雇用実態調査の概況「現在の就業状況」
不登校の末路について知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
不登校になる原因
不登校になってしまう原因は、大きく分けると次の5つです。
- 家庭環境
- 学校生活のトラブル
- 無気力
- 学業不振
- 神経病
では、それぞれについて解説します。
参考:文部科学省|平成25年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」について(不登校になったきっかけと考えられる状況/※小学生・中学生)p.63
原因1:家庭環境
両親の離婚、または経済的な事情をはじめとする「家庭にかかわる状況」により不登校となる子は、全体のおよそ20%にのぼります。子ども自身がストレスを感じ、学校や家族から距離を置いてしまうことも多く、場合によっては非行などに走ってしまうケースも考えられます。
親としてもさまざまな状況を前に苦しんでいるかと思いますが、それ以上に子供は「心配を掛けたくない」という気持ちもあり、苦しんでいるものです。そのため親としては、まずは「安心して過ごしても大丈夫」と子供が思えるような声掛けをしてあげましょう。今の気持ちを互いに話し合うことで、気持ちのすれ違いが解消する場合もあります。
原因2:学校生活のトラブル
学校生活のトラブルに関しては、たとえば「あそび・非行」をきっかけとする不登校がおよそ8%にのぼります。
おおよそ、子供が非行に走る原因としては家庭環境がその要因と言われます。「家のなかに居場所がなくて悪友とつるむようになった」「勉強について親の干渉が激しいことで嫌気が差した」などが理由として考えられますが、不登校から非行に走り、そのまま少年院送りといったケースも散見されるため、早い段階で手を打っておくことが欠かせません。
そもそも学校生活でトラブルを起こす子は、周囲からの期待に対する「反発」が行動となって表れていることが多いため、まずはその子自身のあるがままの姿を認めてあげることが大切です。「元気に過ごせているだけでお母さんとしては十分」と伝えてあげたりするなど、まずは過度な期待を与え過ぎないように注意しましょう。
原因3:無気力
無気力から不登校になってしまう子はおよそ25%、4人に1人が理由として挙げています。良く見られるケースとしては、受験勉強に力を入れ過ぎて「燃え尽き症候群」のような状態になってしまった、中学と高校の環境が変わり過ぎてついていけない、といったことです。
無気力状態が続くと、何に対してもやる気を見出せないことから「ひきこもり」になってしまう子も少なくありません。家から一歩も出ず、家族とも最低限の会話しかしない、といった末路が待っている可能性もあります。
こうした子は、家に長くいることで生活リズムが崩れている可能性が高いです。そのため、まずは朝食や夕食の時間には必ず食卓につくようにさせる、昼間は買い物に付き合ってもらうなど、いつもの時間感覚を取り戻すことを優先しましょう。
原因4:学業不振
「学業不振」を不登校の理由として挙げる子は、およそ9%です。本来の実力よりも高いレベルの学校に入ってしまったことで引け目を感じてしまい、それをきっかけとして不登校になってしまう子も少なくありません。
学業不振が原因の場合、「勉強する場所」としての“学校”という存在に価値が見出せなくなっている可能性が高いです。結果として大学進学に対するモチベーションも湧かず、高校を中退して「中卒」となってしまう未来も考えられるでしょう。
学力面での不安に対しては、まずは子供の自信を回復させることが第一です。家庭教師にお願いする際は子供を褒めてもらうように伝えておく、テストの点数がどんなに低くてもこれまでの努力を認めてあげるなど、子供が前を向けるようなサポートに徹しましょう。
原因5:神経病
精神的な病気、またはメンタル不調により不登校となる子も少なくありません。特に「不安など情緒的混乱」を理由に挙げる子は全体のおよそ28%にのぼるなど、多くの子が心の問題を前にして悩んでいることが分かります。
不安を感じると気分が深く落ち込んでしまい、何をするにも気持ちが乗っていきません。そのため、これまでは普通にできていた「学校に毎日通う」といったことすら高いハードルに思えてしまうのです。
場合によってはウツ状態になり、長い闘病生活を余儀なくされる可能性もあります。子供に異変を感じた場合には精神科を受診してみるなど、まずは専門的なアドバイスを求めるようにしましょう。
不登校の理由について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
また、不登校の後悔について知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
不登校のその後でも目指せる仕事
不登校から就職を目指す場合には、次の仕事がおすすめです。
- Webデザイナー
- Webライター
- プログラマー
- イラストレーター
- YouTuber
これらの仕事は未経験からでも活躍できる傾向にあり、学歴に関係なく、多くの人が活躍しています。では、それぞれの仕事内容などについて見ていきましょう。
以下、年収参考:求人ボックス 給料ナビ
仕事1:Webデザイナー
Webデザイナーは、Webサイトのデザインを手がける仕事です。
ひとりで作業を進める時間が長い仕事のため、コツコツと集中して取り組むことに自信がある人に向いています。専用のデザインソフトの使い方をはじめ、未経験からだと覚えることがかなり多いので、学習に多くの時間が割かれる可能性がある点は注意しておきましょう。
Webデザイナーの平均年収は444万円です。
仕事2:Webライター
Webライターとは、Web上に掲載されている記事を執筆する仕事です。
Webライターは読者がいてこそ成り立つ仕事のため、「どんな情報を求めているんだろう?」と相手の立場になって考えられる人に向いています。副業として始めやすい仕事としても知られているため、参入者が多く、はじめはかなり低い報酬しか手に入らない可能性がある点には注意が必要です。
Webライターの平均年収は423万円です。
仕事3:プログラマー
プログラマーとは、システム開発における「プログラミング」に携わる仕事です。「プログラミング言語」と呼ばれる特殊な言語を使いつつ、仕様書に沿ったシステムを作り上げていきます。
パソコンの前で黙々と作業をする時間が長いため、ひとりで作業を進めていくことが好きな人に向いています。人手不足の会社が多いことから未経験でも採用されやすい点はメリットといえますが、そのぶんプログラマー1人あたりに任される仕事量が多く、残業が常態化している会社も多い点には注意が必要です。
プログラマーの平均年収は417万円です。
仕事4:イラストレーター
イラストレーターとは、Webサイトや雑誌、ゲームなどに使用されるイラストを描く仕事です。
センスが必要な仕事ではありますが、基本的には相手が求めるイメージを具体化することが求められるため、「傾聴力」に長けた人に向いている仕事といえます。
絵が上手いことは前提のため、より活躍していくためにはマーケティングの知識や、営業スキルなど、デザイン以外の能力も高めていく必要があることは理解しておきましょう。
イラストレーターの平均年収は354万円です。
仕事5:YouTuber
YouTuberとは、YouTube上にアップする動画への出演、もしくは動画を作成する仕事です。華やかな仕事ではありますが、編集作業をはじめ、その実態は地味な作業の連続です。そのためこうした作業にも手を抜かず、質の高い動画に向けてコツコツと努力を重ねられる人に向いています。
なお、芽が出るまでは時給換算で数十円~数百円、といった厳しい毎日が待っている可能性があることは注意点として理解しておきましょう。
YouTuberの平均年収は459万円です。ただし一部の人気YouTuberが平均を押し上げているので、現実には459万円よりも低い可能性があります。
不登校の就職について知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
不登校の人の仕事の探し方
不登校から就職を目指す場合には、次の3つの方法で仕事を探していきましょう。
- ハローワークの利用
- 就職サイトの利用
- 就職エージェントの利用
では、それぞれについて解説します。
探し方1:ハローワークの利用
ハローワークとは厚生労働省が運営する機関の俗称で、正式には「公共職業安定所」と呼ばれます。
誰でも無料で利用できることが特徴で、具体的には求人の検索・応募、職員へのキャリア相談、場合によっては就職セミナーや職業訓練にも参加できます。未経験者を採用する企業の求人も多いため、学生をはじめ、はじめての就職を考える人も多く利用しています。
探し方2:就職サイトの利用
就職サイトとは、求人を検索できるWebサイトのことです。基本的には年齢や就業経験などに関係なく利用できますが、就職サイトごとに扱う求人の種類や対象者が異なるため、自分が求める求人が多いかどうかを利用前にチェックしておくことをおすすめします。
「履歴書の書き方」などのコンテンツが充実しているサイトも多いため、はじめての就職の場合にはこうした情報も活用できると良いでしょう。
探し方3:就職エージェントの利用
就職エージェントとは、内定獲得までサポートしてくれる無料のサービスです。一人ひとりに専任のキャリアアドバイザーがつき、仕事の紹介、応募書類や面接のアドバイスをはじめ、就職活動を全般的にサポートしてくれます。
就職エージェントが扱う求人や、対象とする年齢にはそれぞれ違いがあります。たとえば高校で不登校になり、そのまま卒業して就職を目指す方、あるいはフリーターやニートとして過ごしている方はジェイックの「就職カレッジ®」を利用してみましょう。
「就職カレッジ®」は主に仕事未経験から正社員を目指す10代・20代をサポートしているため、はじめての就職活動でも安心です。正社員求人の紹介だけでなく、書類選考なしで多くの企業と一度に面接できる選考会にも参加できるので、学歴や経歴に自信がない方でも採用されるチャンスを広げられるでしょう。
まとめ
不登校のその後について、就職率のデータなどを用いつつ解説してきました。
不登校になったことで学校を中退する子は少なくありませんが、一方で学校から離れ、別の環境でイキイキと過ごしている子が多いのも事実です。就職を目指す場合にはまずは諦めず、今回紹介した就職エージェントなどのサービスを活用して内定獲得を目指して行きましょう。
不登校と引きこもりの違いを知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。