ホワイト企業には共通の特徴があります。
この記事では、就活生が知るべき共通の特徴14選を紹介します。また、ブラック企業とホワイト企業の見極め方も紹介するので、就活生は企業への就職前に特徴を掴んでおきましょう。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
この記事の目次
ホワイト企業の定義
ホワイト企業とは、従業員への配慮が行き届いた、待遇や福利厚生が充実している企業を指します。
ホワイト企業の認定を行う一般財団法人日本次世代企業普及機構によると、ホワイト企業には以下の三つの特徴があります。
- 長期にわたり健全な経営を行うことで、優れたビジネスを維持している
- 従業員が安心して働き続けられるよう、優れた社内統治を実施している
- 時代のニーズに合わせて従業員の働きがいを高め、モチベーションの維持に努めている
これらの特徴により、ホワイト企業は従業員の健康や労務管理、労働安全衛生を積極的に重視していることがわかります。
働き方改革の進展に伴い、企業は従業員が長く安心して働ける環境を整え、職場でのストレスや過労を軽減することが求められています。
ホワイト企業は、従業員の健康と福祉を考慮し、持続可能な労働環境を提供することで、安全で充実した職場を実現しています。
ホワイト企業の特徴-ブラック企業との違い-
ホワイト企業とブラック企業の違いは明確です。ホワイト企業の特徴を知り、企業選びに役立てましょう。
ホワイト企業とはどのようなものか
ホワイト企業には、共通した特徴がいくつかあります。たとえば労働時間が適切なものであったり、給与面が優遇されていたりするなどの条件が該当します。休日がしっかりと設定されている、労働組合の存在なども挙げられるでしょう。
これらの情報は企業のホームページやOB訪問などで知ることができるため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
ホワイト企業の代表的な特徴を紹介します。ホワイト企業で働きたい人は、こちらも合わせて見ておくことをおすすめします。
- 残業が少ない
- 有給休暇取得率が高い
- 基本給が高い
- 福利厚生が充実している
- 女性が働きやすい環境である
- 研修制度が充実している
- 離職率が低い
- 明確な評価制度がある
- 業績がよく財務状況が健全である
- コンプライアンスが守られている
- 安全や健康を確保している企業:ホワイト企業マーク認定
- 若手の育成・教育を推進する企業:ユースエール認定
- 女性の活躍を推進している企業:えるぼし認定
- 育休・子育てサポートに優れた企業:くるみん認定
それぞれについて以下でくわしく解説しますので、ブラック企業に入りたくない人はぜひ参考にしてみてください。
残業が少ない
残業が少ないことは、ホワイト企業の特徴のひとつです。
残業なし=ホワイト企業ではない
仕事をするうえでは、業務量が多かったり期限がせまっていたりするなどして、勤務時間内に終わらないというケースがあります。ホワイト企業でも残業が皆無ということではなく、仕事内容や時期によっては、多少の残業が発生することもあります。
残業ゼロをかかげていても、実際には「家に持ち帰らないと仕事が終わらない」「大変な作業は外部に丸投げしており業界関係者からは評判が悪い」企業なども存在します。
残業がないことそのものが、ホワイト企業を示すわけではないことは知っておきましょう。
ホワイト企業の残業
ホワイト企業は就業規則がしっかりとしており、業務内容も適切な振り分け方をしているため、社員ひとりに無茶な残業を強いることはありません。社員に対してサービス残業も求めないので、残業時間に応じた報酬をしっかりと受け取ることも出来ます。
企業によっては上司や先輩社員が残業していると若手社員が先に退社しにくかったりしますが、ホワイト企業の場合は、無駄な残業が発生しないように積極的に退社をうながしてくれる場合が多いようです。
また、家庭の事情などで残業がむずかしかったり、退社後に用事があることを前もって伝えていたりするにもかかわらず残業を強制する、ということもほぼないでしょう。
有給休暇取得率が高い
ホワイト企業は、一般的な企業と比べて有給休暇が取りやすい傾向にあります。
ホワイト企業は有給を取得しやすい
そもそも有給休暇は労働基準法によって義務付けられており、労働者なら誰でも取得できる権利です。
しかし、企業は社員が労働しなくても報酬を払わなければならないため、有給休暇を嫌がる場合もあります。余裕のない企業の場合「有給を取らせない空気」が蔓延していることもあるでしょう。ホワイト企業ではそのようなことはなく、社員全員が有給休暇を消化できるように社内環境を整えています。
有給休暇が取りやすい企業かそうでないかは、有給休暇取得率の高さを調べるとある程度推測することが可能です。
有給を取れない環境は問題
この有給休暇取得率が極端に低かった場合は、ブラック企業の可能性があります。ブラック企業は、有給休暇を取得しにくい場合が多い傾向にあります。
申請をしても上司からの許可が降りなかったり、有給取得の理由を細かく聞かれたりするなど「有給を取りたくても取れない・取りにくい」という職場環境もあります。長く働くことを考えるのであれば、そのような企業はできる限り避けたほうが良いでしょう。
ホワイト企業では有給休暇を申請する目的をくわしく聞かれたり、理由もなく却下されることはほとんどありません。社員のプライベートに必要以上に踏み込むことはハラスメントにもなりかねないほか、ひとりが有給を取得しても仕事が回るような仕組みづくりをしていることなどが理由です。
基本給が高い
ホワイト企業の多くは、基本給が高めに設定されていることが多いといえます。
ホワイト企業は生活を安定させやすい
企業が高い基本給を設定できるのは、安定した業績を上げているからこそであり、倒産などのリスクが低いことの証明といえるでしょう。
また、基本給の高さは安定した年収につながります。企業というものは業績が悪化すると最初にボーナスを減らすことが少なくありませんが、基本給はすぐに下がる可能性は低いためです。
残業代で稼ぐ必要がない
業績が悪化すると、各種手当をカットするために社員の残業を極力減らすようになることがあります。
このような状況になった場合、収入の大部分を手当てに頼ったままだと経済的に大打撃を受けてしまいますが、基本給自体が高ければ受ける影響も少なくなります。
基本給があまりに低いと「残業代で稼がなければ」ということになり、遅くまで会社に残ったり過重労働で体調を崩したりする可能性があります。
福利厚生が充実している
ホワイト企業は、通勤手当や家賃補助などの福利厚生が充実しています。
手当の効果は大きい
福利厚生が充実しているホワイト企業では、たとえ基本給が他の企業と比べて安く感じても、各種手当を合計すると収入が他の企業を上回ることもあります。そのような企業は、ホワイト企業であるといえるでしょう。
たとえば毎月数万円の家賃補助が出る企業の場合、本来であれば自分で支払う家賃の一部を会社が負担してくれるため、支出を減らすことができます。
企業を見極める際には給料の額面だけで判断するのではなく、トータルの支給額で考えるようにすることが大事です。
福利厚生は企業によってさまざま
また、福利厚生の種類は会社によってさまざまです。たとえば安い金額で栄養バランスの取れた食事が摂れる社員食堂がある、社員やその家族が安く宿泊できる宿泊施設がある、企業の商品を割引価格で購入できるなど、直接お金がもらえるものではなくとも立派な福利厚生である制度も存在します。
誕生日や結婚記念日などに休みが取れるアニバーサリー休暇など独自の休暇制度の充実も含まれるため、こちらもよく調べておきましょう。
女性が働きやすい職場である
女性が働きやすい職場であるということも、ホワイト企業には欠かせない特徴です。
長く働ける環境が多い
ホワイト企業の場合、産休や育休、小さい子どもがいる女性に対しても理解があるため、しっかりとした制度が構築されています。
「子どもの体調が悪くなり病院に連れていかなければいけなくなった」などの予測できないアクシデントが起きても、仕事が滞らないように対応できる体制をととのえていることが少なくありません。
企業や本人の状況にもよるものの、なかには産休明けに元のポストに戻れたりする企業もあるため、制度を活用しやすいでしょう。
スキルアップにも注力している
ホワイト企業では、女性のスキルアップにも力を入れているという特徴があります。
日本の女性の場合は男性とくらべて管理職の比率が低かったり、男性がのほうが昇進しやすかったりする企業もあるものの、ホワイト企業の女性の管理職の数は、一般企業とくらべても多い傾向にあります。
本来は男女を問わず優秀で能力の高い人が昇進することが理想的ではありますが、性別にかかわらず能力によって出世できるというのは、ホワイト企業が女性というくくりではなくひとりの社員としてきちんと評価している証拠のひとつといえます。
研修制度が充実している
ホワイト企業は、社員を育てるための研修制度が充実しています。
人材育成に時間をかける
研修期間中は、社員が企業に対して利益を生むことはありませんが、ホワイト企業は、長期的な目線で社員を育ててくれます。
たとえ時間がかかっても社員をしっかりと育て上げスキルを叩き込んでいくことで、成長した社員が成果を出せるようになれば、結果的に企業のプラスになることを知っているからです。
研修なしの企業の問題点
一方でブラック企業は短期的な考え方をしていることが多く、入社した社員をすぐにでも企業のために働かせようとします。なかには、なにひとつ教えてもらえないままいきなり現場に駆り出されることもめずらしくありません。
そのような状態では満足のいくパフォーマンスを発揮しづらく、ちょっとしたきっかけで仕事に対する自信も失ってしまいやすくなります。また、正しいスキルや知識を身につけにくくなってしまい、ビジネスマンとして成長することもむずかしくなってしまうでしょう。
企業を選ぶ際には、研修制度がしっかりとあるかどうかを調べておくようにしましょう。
離職率が低い
ホワイト企業は、他の企業に比べて離職率が低い傾向にあります。
勤続年数の長さをチェック
離職率の低さは、入社した社員が働きやすい職場であることの証明であり、そのことからも待遇面の充実が想像できます。
平均勤続年数の長さや離職率の低さは、ホワイト企業を見極める時の目安として優れているため、必ず確認しておくようにしましょう。
四季報を活用してみよう
企業のくわしい離職率が知りたければ、就職四季報を参考にすると役立ちます。正確な情報を知りたい場合には、きちんとした裏付けを取った信頼できるデータを参考にすることをおすすめします。
就職四季報には「新卒入社3年後離職率」という項目があるため、新卒で就職活動している場合にはとくに参考になるでしょう。
明確な評価制度がある
仕事に対する明確な評価制度があるのも、ホワイト企業の特徴です。
やったことが評価される
企業における評価は、営業成績などの目に見えるデータに限らず、社員の勤務態度や職場に対する貢献度も含まれます。なぜならば、会社の仕事は直接的に売り上げに貢献する仕事ばかりではなく、縁の下の力持ちのように目立たない仕事もあるためです。
評価制度がしっかりとしているだけでなく、それが給料や役職などに反映されることで、社員も納得して気持ちよく働くことができるでしょう。
社員のモチベーションが高い
ホワイト企業では特定の社員が好き嫌いなどの独断で判断するのではなく、自分の頑張りが正当に評価される環境が期待できます。そのため、社員は仕事に対するモチベーションを高く保つことができるのです。
誰しも、自分のがんばりを認めてもらうことはうれしいものです。社員全体がそのような気持ちを持っていると、職場の雰囲気も自然とよくなります。
業績がよく財務状況が健全である
社員の給料が良かったり福利厚生が充実していても、財務状況があまりに悪ければ、ホワイト企業とは言えません。
決算資料を見て判断
たとえ待遇面が優れていても財務状況がよくなければ、その状態を長く維持することはむずかしくなってしまいます。
企業の財務状況を調べにくいこともありますが、上場企業の場合は決算資料が公表されているため、そちらで確認することができます。
就職活動の際に企業の財務状況まではなかなか目が届かないこともあるかもしれませんが、重要なことなのでぜひチェックしておくようにしましょう。
財務状況を調べる際のポイント
決算資料を調べる場合、特に気にしたいのが直近の財務状況と中期経営計画です。ここに書かれているデータは正確なものなので、しっかりと理解することができれば、企業の方向性や今置かれている状況がわかります。
直近の財務状況を見ると、企業がどのようなものに投資しているかや借金の有無などのデータをおおよそ知ることができます。
これを利用して、企業の財務状況が健全なものかどうかを判断しましょう。中期経営計画では、近い将来に企業が取る経営戦略や企業の成長計画が分かります。
中期経営計画資料は、一般の投資家なども利用するため分かりやすく書かれていることが多いため、慣れていなくても理解しやすいでしょう。
コンプライアンスが守られている
ホワイト企業は、コンプライアンスをしっかりと守っています。
コンプライアンスとは
「法令遵守」という意味を持つこの言葉は政治の世界などでも広く使われています。
ビジネス界においてよく使われる言葉であるコンプライアンスには、労働基準法や税法などの法律の遵守はもちろん、企業が独自に定めた就業規則や、世間に通用する常識や道徳なども含まれています。
コンプライアンスを守るメリット
これらの規則を守って会社を経営していくことは、社員が働きやすくなるだけではなく、企業のイメージにも関係してきます。
コンプライアンスを守らない企業はやがて社員から内部告発をされたり、世間を騒がせてしまうような問題に発展したりして、企業イメージが悪くなってしまう可能性があります。
ホワイト企業ではコンプライアンスを守ることを大事に考えており、社員に対しても研修なども定期的におこなっています。
安全や健康を確保している企業:ホワイト企業マーク認定
就職を希望している企業がホワイトかどうか知るためには、ホワイトマークの有無で判断することもできます。
ホワイトマークとは
ホワイトマークとは厚生労働省が認めた優良企業におくられる証で、いわば「国のお墨付き」ということです。認定を受けるためには、過去3年間において労働安全衛生関連の重大な法律違反がないなど、約80項目の基準を満たす必要があるという厳しいものです。
このマークが認定されているのは企業にとって大きなアピールポイントとなり、就活生から見ても、ホワイト企業かどうかすぐにわかるという優れものです。
ホワイト企業マークは、企業が配っている資料やホームページで確認することが出来るので、気になる人はチェックしておきましょう。
ホワイトマークの種類
ホワイトマークにはいくつかの種類があり、代表的なものには、職場の安全衛生や社員の健康管理に優れている企業が認定される安全衛生優良企業公表制度や、健康経営に優良な取り組みをおこなっている法人が認定される健康経営優良法人認定制度などがあります。
どのような種類があるのかを知っておき、企業研究に役立ててみるとよいでしょう。
若手の育成・教育を推進する企業:ユースエール認定
若者の早期離職を防ぐため、新卒や若手社会人が働きやすい環境を整えている企業の目安となるマークです。
ユースエール認定とは
ユースエール認定は、厚生労働省が若者の採用・育成に力を入れていたり、若者の雇用管理をしていたりする、従業員300人以下の中小企業におくられるものです。名前のとおり、若者が長く働きながらキャリアを積んでいきやすい企業であることを示しています。
ユースエール認定を受けられる条件として、育成・採用状況の状況を公表するほか、残業などの時間外労働の法令順守をしているなど、12の認定基準を満たす必要があります。
ユースエール認定企業の特徴
ユースエール企業の特徴として、残業時間や離職率、有給取得率などに対して一定の基準を満たした企業のみが認定を受けているため、働きやすい環境であることが考えられます。
ブラック企業の場合、若者を労働力として悪い条件で使い捨てるというケースがありますが、そもそもそのような企業はユースエール企業認定を受けることができません。
人材育成や教育の計画も公表しているため「何も教えてもらえずいきなり現場に放り出される」という心配もなく、安心して会社のなかで成長していける環境であるといえます。
女性の活躍を推進している企業:えるぼし認定
女性が長く働きやすく、実力を認めてもらいやすい企業である目安となるマークです。
えるぼし認定とは
えるぼし認定は、女性の活躍推進に積極的に取り組む中小企業に対し、厚生労働省からおくられるものです。えるぼし認定を受けている企業は求人広告などに認定マークを表示できるため、企業選びの際の参考になります。
平成30年9月末の時点では、えるぼし認定を受けている企業は全国で698社と、年々増加しています。
えるぼし認定企業の特徴
企業がえるぼし認定を受けるためには、選考や入社後の勤続年数などに対し、男女の扱いに差をつけていないことを数字などで証明する必要があります。
また、残業時間が一定時間以下である、管理職の割合が平均値以上である、非正社員の女性を正社員に登用するなど女性のキャリアを考えた対応をしている、などの項目もあります。
えるぼし認定を受けている企業は、さまざまな面において女性が活躍しやすい環境づくりに力を入れている企業といえるでしょう。
育休・子育てサポートに優れた企業:くるみん認定
子どもがいても働ける環境に力を入れている企業の目安となるマークです。
くるみん認定とは
くるみん認定とは、仕事と子育ての両立支援に力を入れている企業におくられるものです。くるみん認定を受ける企業は年々増加し、2018年12月時点では、全国で3037社が認定されています。
くるみん認定ができた経緯としては、少子化や人口減少があげられます。子育てをしながら仕事をすることがむずかしい状況では産まれてくる子どもの数がさらに減っていってしまうため、従業員に子どもが産まれても働いていける環境をつくることが、目的のひとつです。
くるみん認定の特徴
くるみん認定を受けるためには、女性だけでなく男性の育児休業取得率が一定の基準を満たしていることなどがあります。残業の削減、有給取得促進、時短・在宅勤務の導入など、働き方の見直しのいずれかを実施していることも基準のひとつです。
男性側も育児に参加しやすい環境を整備しているため、男女ともに働きやすい企業であるといえます。子どもや家庭の状況に応じた働き方ができる制度があるなど、制約のある従業員でも仕事を続けやすいといえるでしょう。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
ホワイト企業の見分け方とは~ブラック企業に注意しよう~
ホワイト企業を知るためには、真逆であるブラック企業についても知っておく必要があります。
ブラック企業には共通する特徴があるので、覚えておくと就職活動の際に役立つでしょう。
次から紹介する特徴は、ホワイト企業にはないものなので、求人募集を見る際には当てはまっていないかよく確認するようにしましょう。
もし該当していた場合は、ホワイト企業でない可能性が高いので、その企業の情報を詳しく調べる必要があります。
求人を頻繁に出している
頻繁に求人情報を出している企業は注意が必要です。
そのような企業は、常に人手不足であるということで、その理由として待遇面が良くないということが想像できるからです。
しかし、場合によっては事業の拡大などの理由で求人を出している場合もあり、その際には企業の評価を改めなければなりません。
もし、応募を希望している企業が頻繁に求人を出していると感じた場合は、そのわけを慎重に調査すると良いでしょう。
たとえ、提示されている給料が高いからといって、それだけで飛びついてしまっては、後から思わぬ苦労をする可能性もあるので注意しておくことが大事です。
社員の年齢に偏りがある
ホワイト企業ではない企業の見分け方としては、社員の年齢に注目する方法もあります。
なぜなら、ホワイト企業は離職率が低く、リストラなどもないため社員の年齢に偏りが出にくいからです。
長年勤めあげる人が多いため社員の年齢層は、20代から50代まで均等になります。逆にブラック企業の場合は、人が定着することは少なく、結果として社員の年齢にも偏りが出てきます。
極端に若者が多く、30代や40代といった働き盛りの年齢層がごっそりと抜けている場合は要注意です。
創立したばかりといった特殊な事情がない限り、その企業がホワイトである可能性は限りなく低くなります。
ホワイトな中小企業の見分け方
大企業に限らず、中小企業にもホワイト企業はたくさんあります。むしろ、ホワイトの中小企業の方が就職倍率が低く、就職しやすいといったメリットも考えられるでしょう。
ここでは、ホワイトに働ける中小企業を見つける方法について解説します。
法人向けビジネスが主流か
ホワイトな働き方をしたいのであれば、個人向けビジネスをしている企業ではなく、法人向けビジネスをしている企業を中心に求人を探していきましょう。
法人向けビジネスをしている企業を選ぶ理由は、仕事のしやすさと働きやすさにあります。
法人向けビジネスをしている企業であれば、コミュニケーションの相手は当然ながら先方の法人担当者になります。
自分と同じような仕事をしているため、話を進めやすく理不尽なクレームを受けることも少ないため、精神的なストレスを感じにくいのが特徴です。
また、勤務時間的な意味での働きやすさが高いのも魅力的なポイントとなります。
法人は基本的に営業時間が限られていますので、自社の営業時間外になれば先方から連絡や仕事の依頼が来ることも少なくなります。
そのため、時間外に対応しなければならない業務が急に発生しにくく、残業を抑えて働くことが可能です。
離職率が少ないか
ホワイトな中小企業を見つけたいのであれば、離職率についても調べるようにしましょう。
離職率とは文字通り、「入社してからどれくらいの従業員が退職(離職)しているか」という数値のことであり、一般的に離職率が高いと、働きづらい会社だと見ることができます。
離職率については「入社後3年内」で算出されることが多く、3年内離職率が5%程度以下であれば、ホワイト企業だと考えられるでしょう。
ただし、離職率は企業が必ず公表しなければならない数値ではありませんので、求人に興味はあるものの離職率が分からないという場合もあります。
離職率を公表していない理由は、「公表できないほど離職率が高い」「離職が滅多に発生しないので、わざわざデータを取得していない」の2つが考えられます。
どちらにせよ、離職率を公表していない企業は慎重に応募を検討する必要がありますし、就職エージェントなどを活用して離職率を調べるアクションも大切になってきます。
面接が複数回あるか
就職活動において、履歴書に基づく書類選考が終わった後は面接がありますが、この面接の回数が複数回ある企業はホワイト企業の可能性が高いと考えられます。
面接は企業の採用したい人物像と応募者のスキルやスタンスがマッチしているかを測る重要なものですので、複数回に分けて実施されるのが通常です。
しかし、常に人手不足となっているブラック企業では、面接を複数回してしまえば他社に応募者を取られてしまうと考えますので、一回の面接だけで内定を出しがちです。
その点で考えると、複数回面接があるということは、その分人的余裕があるということが言えますので、結果的にホワイト企業である可能性が高いと考えられるのです。
面接の回数は企業の採用戦略によって決められるものですので、面接が一回だからと言って必ずしもブラック企業ということではありませんが、一定の目安にはなるでしょう。
面接回数については求人票や求人広告に記載されていることがほとんどですので、ここで解説した他の二点と合わせてチェックするのがおすすめです。
ホワイト企業の多い業界
ホワイト企業は、特定の業界に多い傾向にあります。
特に入りたい会社はなくても、ホワイト企業で働きたいという方は、次の業界に注目して求人を探してみるのが良いでしょう。
インフラ業界
インフラ業界とは、電気・ガス・水道といったライフラインに関する事業をしている業界です。
人々の生活に必要不可欠なビジネスをしているだけでなく、競合企業が参入しづらい業界になっていることから、ホワイトな働き方ができるといった特徴があります。
また、インフラ業界は平均年収が高水準であるのも特徴です。
仕事が楽ということではありませんが、しっかり稼いでオンとオフを切り替えながら働けますし、ビジネスモデル上倒産するリスクも限りなく低いことを認識しておきましょう。
メーカー
メーカーは、商品やサービスの企画や開発、生産を行って世の中に提供する業界のことを言います。
主に法人向けビジネスとなることから、ホワイトに働ける職場が多い傾向にあります。
メーカーと勘違いしやすい業界として製造業が挙げられますが、製造業の場合は若干ブラックな働き方になりやすいことに注意しましょう。
メーカーと製造業の見分け方としては、「製造業務を発注しているか受注しているか」が挙げられます。
他社から製造依頼を受け、大量生産のみをしている企業は製造業であり、どんな商品を大量生産するかを考えるのがメーカーです。
製造業には「業務中の事故が多い」「作業のような仕事が多く、スキルが身につきづらい」といった注意点もありますので、メーカーとの見分け方はマスターしておくようにしましょう。
大学職員
業界とはやや異なりますが、大学で事務作業を中心に行う大学職員も、ホワイトに働ける仕事として知られています。
特に、私立大学職員は仕事も残業も少ないことから働きやすい環境にあります。
大学には事業会社のような競合が存在しないため、ハードワークを強いられる状況にはなりづらいです。
また、大学職員は勤め先の大学生に関係する事務作業が中心となるため、夏休みなどの長期休暇ではまとまった休みが取りやすいのも魅力的なポイントです。
仕事内容としても、比較的誰でも取り組めるような事務作業が中心となりますので、多くの人におすすめできるホワイトな仕事と言えるでしょう。
文系・理系別|ホワイト企業への入社で注意すべき業界
ホワイト企業が多い業界もあれば、逆にブラック企業が多い業界も存在します。
ホワイト企業への就職を希望している方向けに、応募する上で注意しておきたい業界を文系・理系別に分けてご紹介します。
なお、ここで紹介した業界に属する企業が全てブラック企業ということではありませんので、誤解しないようにしてください。
ホワイト企業に入社したい文系が注意すべき業界
まずは、ホワイト企業に入社したいと思っている文系が注意すべき業界を3つご紹介します。
広告業界
広告業界は、テレビCMやWeb広告を始めとしてチャネルにおいて、動画や画像などでクライアントの製品をPRすることが仕事の業界です。
一見すると華々しいイメージも強い業界ですので、毎年多くの就職活動生や転職希望者が応募していますが、会社やプロジェクトによってはつらい働き方を強いられる可能性があります。
広告業界は事業競合がひしめいていますので、発注をもらうために長時間労働をしなければならない場面が多々あります。加えて、業界全体として長時間労働が常態化しているため、法人向けビジネスながら深夜まで働くということも珍しくありません。
就職活動をする時は、「働いていてなんとなく楽しそう」というイメージだけで選ぶのではなく、必ず企業研究をして働き方のイメージを具体化するように努めてください。
飲食業界
ブラックなイメージの強い飲食業界ですが、やはり働く上で他の業界よりも大変なポイントはいくつもあります。
個人向けの仕事になりますので、クレームが多くなりやすいことはもちろん、作業量も非常に多く、肉体的にも精神的にも疲労感が溜まるでしょう。
また、店舗によっては休みが取りづらいといったケースもあり、サービス残業や残業代の未払いも起きやすいという声もあります。
大手チェーン展開をしている飲食企業であってもブラックな働き方を強いられるケースもあり、就職を検討するのであれば細心の注意を払いましょう。
介護業界
介護業界は、業務の大半が肉体労働になることから、働いていてホワイトだと感じることは少ないでしょう。
ただし、施設を吟味すれば、定時で退社しやすい会社を見つけられますし、介護サービス利用者から直接感謝の言葉をもらえるといったやりがいのある仕事でもあります。
未経験からでも就職しやすい業界ですが、全体的に給料が低い点には注意が必要です。
労働量に対して賃金の不足感が否めず、やる気を失ったまま働いている人も少なくはありません。
ホワイト企業に入社したい理系が注意すべき業界
続いて、ホワイト企業に入社したいと考えている理系が注意すべき業界を3つご紹介します。
SES業界
理系はそのバックボーンからITエンジニアを目指す人が少なくありません。確かにITエンジニアになること自体は、高い将来性から考えてもおすすめの就職先ですが、SES業界への就職をする場合は注意が必要です。
SES業界とは、ITエンジニアとしてクライアント先に常駐し、開発や保守業務を行う業界です。
未経験者でも一人で客先常駐させられることもあれば、常駐先の社員に雑用ばかりさせられるなど、配属先によってブラックな働き方をしなければならないこともあります。
SES業界の企業に応募する時は、どれくらい下請けの案件を請けているのかをチェックし、二次請け以上の会社には応募は避けておくのが無難です。
ゲーム業界
ゲームが好きな人からすれば、ゲーム業界で働くのは「趣味を仕事にできる」としてポジティブに考えるかもしれません。
しかし、実態として業界全体が下火であることに加え、業界に古い慣習があるなど、働きにくさを感じる場面が多くなっています。
また、ハードワークの割に給料が低いといった一面もあるため、イメージだけで就職するのは避けるべき業界だと言えます。
建築業界
ハウスメーカーやプラント系など、建築業界は現場職でなかったとしてもブラックな働き方になる可能性が高いです。
労働環境が悪かったり、労災が起きやすかったり、過労死が目立つなど、大きな志がないと長く働くのは厳しいでしょう。
ホワイト企業に就職するコツ
ホワイト企業には多くの人が就職したいと思っていますので、十分に就職活動対策を行わなければ入社は難しいでしょう。
ここでは、ホワイト企業に就職するコツを解説します。
自己分析をしてアピールポイントを明らかにする
選考通過率を高めるためにも、面接で自分の強みをアピールすることが大切です。
そのために行うべきなのが「自己分析」になります。
自己分析とは、今までの経験を棚卸しし、強みと弱みを明らかにすることで、自分のアピールポイントを正しく自己認識する分析のことを言います。
正しく自己分析ができれば、選考で効果的なアピールができるだけでなく、自分らしく働けるホワイト企業を見つけやすくなるでしょう。
ネットの意見は参考程度に留める
ホワイト企業を見つけるために、様々な情報をネットで検索すると思いますが、ネットに書かれている意見はあくまでも参考程度に留めるようにしましょう。
就職活動では特に情報が重要となってきますが、事実とは異なることが書かれていることもあるネットの情報を鵜呑みにしてしまうと、誤ってブラック企業に就職しかねません。
中立な立場で情報を提供している「就職四季報」や、就職エージェントを活用し、正しい情報を集めるのがポイントです。
就職エージェントを活用する
ホワイト企業への選考通過率を高めつつ、正しい情報収集をするためには就職エージェントの活用がおすすめです。
就職エージェントを利用することで、自分に合った企業がわかるだけでなく、履歴書の添削やホワイト企業の紹介など、様々なサポートを受けながら就職活動が進められるようになります。
就職エージェントによって受けられるサポートの内容や、紹介してもらえる企業に違いがありますので、気になるサービスを見つけたらいくつか並行して利用するのがおすすめです。
綿密な企業研究でホワイト企業を見つけよう!
ホワイト企業を見つけるためには、給料などの待遇面や福利厚生などあらゆる角度から見極める必要があります。
求人情報で魅力的なものを見つけてもすぐに飛びつくのではなく、一度立ち止まってみてください。
そして今回紹介した情報を参考にして、その企業の詳しい情報を調べるとホワイト企業かそうでないかを判断することが出来るでしょう。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
⇓⇓25卒・26卒の方はコチラ⇓⇓
1.新卒だからこそ成長できる企業をしっかりと見極めよう
2.ホワイト企業とブラック企業の違いを理解しよう
3.ホワイト企業と謳っている企業ほど注意して研究しよう