ブラック企業の特徴をあらかじめ知って、就職活動に活かしたいという方は多いのではないでしょうか?
ブラック企業に軽い気持ちで入社してしまうと、病気や生活水準の低下といった様々なデメリットを感じかねません。
この記事では、ブラック企業とはどのようなものなのか、ブラック企業によく見られる特徴を20個ご紹介しつつ、ホワイト企業に就職するコツやおすすめのサービスについて解説します。
この記事の目次
ブラック企業とは
我々が使う「ブラック企業」という言葉ですが、そもそもブラック企業とはどのような企業のことを言うのでしょうか。
厚生労働省においては「ブラック企業」を明確に定義していないようですが、一般的な特徴として、以下のような状態にある企業のことを指すと言われています。
- 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課している
- 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど、企業全体のコンプライアンス意識が低い
- このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う(労働者の自由を奪う)
本記事の下記でブラック企業の特徴を20個詳細に解説してしますが、まずは上の3つの特徴についてみていきましょう。
1. 極端な長時間労働やノルマがある
当然ですが、会社は従業員を無制限に働かせることはできません。労働基準法において、従業員は一日や一ヶ月という単位で働く時間の上限が定められています。
いわゆる定時を超えて働かせようとする場合、従業員と企業の合意を持って一定上限まで残業ができるわけですが、それだとしても超えてはいけない残業時間のラインが存在します。
ブラック企業は、そういった法律を知りながらにして、従業員に極端な長時間労働を強いてきます。
それも、通常通り働かせては労働基準法違反を指摘されることを理解しているので、働いた痕跡を残さないような指示をしてくることもあります。
また、定時内では終わらないようなノルマを課し、「自主的な残業」を行わせ、「自主的なら残業代を支払わない」と言い捨てサービス残業をさせる企業も存在します。
法律に違反するような働かせ方をしている企業は、間違いなくブラック企業だと言い切っていいでしょう。
2. 様々なハラスメントが横行している
会社は本来従業員に対して、一人一人が自分らしく働けるような環境を整備すべき存在です。しかし、従業員の意識が低いようなブラック企業の場合、ハラスメントが横行するなど、真逆の環境で放置していることがあります。
ハラスメントの種類も多様化してきていますが、以下のようなものが代表的です。
通称 | 正式名称 | ハラスメントの内容 |
---|---|---|
パワハラ | パワーハラスメント | 主に上下関係において生じるハラスメント |
セクハラ | セクシャルハラスメント | 性的な言動によるハラスメント |
モラハラ | モラルハラスメント | モラル的に問題のある正式的なハラスメント |
リモハラ | リモートハラスメント | リモートワークにおいて発生するハラスメント (web会議で部屋の背景をチェックしたり、 チャットで無視をするなど) |
マタハラ | マタニティハラスメント | 妊娠・出産・子育てを理由に生じるハラスメント |
これ以外にも多くの種類のハラスメントがありますが、いずれにせよ働いていて少しでも「嫌だ」と感じることがあれば、ハラスメントの存在するブラック企業だと言えます。
3. 労働者の働く自由を奪う
本来会社は、従業員の働く意思を尊重して仕事を割り振っていきます。
しかし、ブラック企業の場合は労働者の働き方を大きく制限してくるような行為をしがちです。
「常識的にありえないような転勤を言い渡す」「退職を申し出ても受け入れない」など、働く自由を奪ってくるような企業はブラック企業となります。
ブラック企業に就職しないほうがいい理由
ブラック企業に好んで就職しようとする人はいないはずです。しかし、なぜブラック企業に就職すべきでないのか理由をしっかり把握している人は少ないのではないでしょうか?
ここでは、ブラック企業に就職すべきでない理由を改めて5点解説します。
理由1. ブラック企業から抜け出せなくなってしまう
ブラック企業は、仕事で身につけられるスキルが比較的少なめであるというデメリットがあります。
単純作業のような仕事により多忙となってしまえば、仕事で得られるものが疲れしかないということも十分考えられるでしょう。
そのような状態で年齢を重ねれば、仮に転職をしたいと思ったとしても、アピールできるスキルがありませんので、ホワイト企業への転職も難しいものとなります。
結果的に、ブラック企業からブラック企業への転職しか選択肢が存在せず、ブラック企業の輪から逃れられなくなるという未来が待っています。
理由2. 職場と家を行き来するだけの人生になる
のちほど触れますが、ブラック企業の特徴の一つとして「長時間の残業が常態化している」
というものがあります。
毎日毎日朝早くに出社して、夜遅くまで残業をして帰宅するという生活をし続けることになれば、平日は職場と家を行き来するだけの毎日になってしまうでしょう。
また、仕事を頑張って無事休日を迎えられたとしても、平日に溜まっている疲れが身体に重くのしかかっていることで、趣味や外出をしようとする気にもなれないはずです。
結果的に休日も家でゴロゴロとしているだけの時間を過ごしてしまい、時間を無駄にしやすい日々を送りかねません。
「自分の人生は仕事だけに使えればいい」という決意を持っている人であれば問題ないですが、多くの人は「仕事だけでなく、プライベートも充実させたい」と考えているはずです。
ブラック企業に就職すると、人生の彩りが極端に減りかねない点に注意してください。
理由3. 人並みのライフイベントが送れなくなる
ブラック企業は、激務にも関わらず給料が低いといった特徴があります。
もともとプライベートの時間は残業の多さで少なくなっていますので、使うお金は少なめであるものの、生活をするだけでいっぱいいっぱいの家計状況に陥ることが考えられます。
お金に余裕がなくなれば、厳しい環境の家に住むことを余儀なくされたり、車などの大きな買い物ができなくなったり、結婚をしたくても一歩を踏み出せなかったりと、ライフイベントにも大きな影響を与えることは必死です。
また、ブラック企業に入社して、時間も精神力も削られることになれば、プライベートを充実させたいという考えに至らなくもなるでしょう。
結果的に、人並みのライフイベントが送れなくなってしまい、つまらない人生を歩んでいると自覚しながら生活することになるかもしれません。
このような末路を迎えたくないという方は、ブラック企業の特徴をしっかりと理解して、就職活動に役立てていくようにしましょう。
理由4. 働くことが嫌いになってしまう
仕事は生活費を稼ぐために必要なものですが、同時に自分の価値発揮をして社会貢献をしていく尊いものであるはずです。
大なり小なり、やりがいを持って向き合うべき仕事にも関わらず、ブラック企業に入社してしまうことで、働くことそのものが嫌いになってしまうという末路が考えられます。
仕事は毎日するものですので、仕事をつまらなく、作業のように感じて向き合うようになれば、人生すらも彩りのない日々となるかもしれません。
理由5. 二度と社会復帰できない精神状態になることも
ブラック企業で働き続けると、肉体的な疲労だけでなく精神的な負担も大きく感じることになります。
人の精神はいつまでも健康ということではありませんので、ブラックな環境に居続ければ、いずれうつ病やPTSDといった精神病を発症することが考えられます。
精神病は、一度かかってしまうと完治させるのは非常に難しく、仕事だけでなく日常生活においても大きな悪影響を及ぼします。
また、仕事そのものに対して強いトラウマを感じるようになるレベルまでいってしまうと、二度と社会復帰できない精神状態になることもあるでしょう。
いずれにせよ、ブラック企業で働くことにメリットはなく、人生に大きな悪影響を与えかねませんので、できる限りの努力をしてブラック企業への就職を避けるようにしてください。
ブラック企業の特徴20選
ここからは、ブラック企業の特徴を20個解説していきます。
なお、これら全ての項目に当てはまっていなかったとしてもブラック企業の場合があることや、いくつかの項目に当てはまっていてもブラック企業と感じない場合もあります。
あくまでブラック企業と感じるかどうかは個人の感情によるものが大きいので、参考程度に留めるようにしてください。
休みが少ない[ブラック企業の特徴1/20]
ブラック企業の特徴として最も分かりやすいのが、休みが少ないということです。
休みが少ないなか連続で働くことになれば、身体的・精神的ストレスは大きくなっていき、毎日つらい気持ちで仕事を強いられることになります。
就職までに休みが少ないかどうかを見分けるためには、二つの方法があります。
まず一つ目が、求人票の「休暇」欄の表記を確認することです。
休暇の種類は大きく「完全週休二日制」と「週休二日制」の二つに分かれており、どちらも似たような言葉ですが、意味合いは大きく異なります。
「完全週休二日制」とは、毎週必ず二日間の休みが確保されているという意味ですが、「週休二日制」の場合は、1週間で二日間休みがある週が月最低一回あって、残りは週一回以上休みがあることという意味になります。
つまり、完全週休二日制か週休二日制かによって、毎月5日前後休みが変わってくるということになるのです。
二つ目が、年間休日日数をチェックすることです。
一般的に年間休日日数が120日以上あれば十分休みが多く、90日台だと休みが少ないと言われています。
ブラック企業の特徴として、年間休日が90日〜100日という会社が多い傾向にありますので、求人票をしっかりとチェックしておきましょう。
残業が多い[ブラック企業の特徴2/20]
ブラック企業の代名詞とも言えるのが、残業が多いという特徴です。
基本的に仕事は定時内で片付けられることが理想ですが、ブラック企業の場合組織体制が上手く統率されていないこともあり、社員一人一人にかかる負荷が増え、結果的に残業が増えてしまっているのです。
残業が多いか少ないかは、企業が公開している「月平均残業時間」が目安になってきます。
月平均 残業時間 | 見られる傾向 |
---|---|
~5時間 | ほとんど残業が発生せず、定時で帰れている |
~20時間 | 毎日残業が発生する可能性があるが、生活に大きな支障は出にくい |
~40時間 | 残業が多いと感じる 帰宅は夜遅くなり、プライベートの充実感を感じにくくなっている |
60時間~ | 残業に生活をほんろうされる。ブラック企業に多い残業時間 |
なお、企業によっては月平均残業時間を公開していないケースがあります。
単純にデータを取得していない場合と、残業が多すぎて公開できないパターンの2種類に分かれますので、企業の内情を細かく知っている就職エージェントなどを活用し、情報収集を行うのがおすすめです。
残業代が出ない[ブラック企業の特徴3/20]
ブラック企業の中には、残業をしても本来支給されるべき残業代が支払われないことがあります。
定時になったらタイムカードを切らせ、さも定時帰りしているような記録を残しながら残業を強要してきますので、結果的に「残業をしているのに残業をしていないことになっている」という状況を作らされてしまうのです。
いわゆる「サービス残業」というものをさせられてしまえば、どれだけ働いても給料に反映されることはなく、自分がなんのために頑張っているのかが分からなくなってしまいます。
もちろん、残業をしている実態があるにも関わらず残業代を支払っていないということは、法律違反をしている会社ということになります。
もし入社した後にこの事実に気づいた場合は、できるだけ早く別の会社への転職を検討する必要があるでしょう。
土日出勤が多い[ブラック企業の特徴4/20]
ブラック企業の場合、平日の勤務時間や残業をしたとしても業務が終わりきらず、土日出勤を余儀なくされることも珍しくありません。
本来休日に指定されているような日でも仕事を強いられるだけでなく、出勤とカウントされずにタダ働きをさせられるブラック企業も存在します。
ただ、土日に自社主催のイベントがあるなど、明確な目的があって土日出勤が多いケースもあります。
そのような場合だと、土日出勤をした分、代休を取得することが義務付けられていることがありますので、気になる場合は面接で代休の有無を企業に直接聞いてみると良いでしょう。
土日に会社行事を大量に入れてくる[ブラック企業の特徴5/20]
土日などの休みに、強制参加の会社行事を大量に入れてくる会社もブラック企業の可能性が高いです。
バーベキューや社員旅行など、ホワイト企業によっては福利厚生の一環で実施をしていて、楽しい時間を過ごせるといった場合もありますが、ブラック企業の場合は「休日に転職活動をさせない」といった目的で開催されていることがあります。
会社行事の積立金として給料から天引きされているようなケースもありますので、求人の魅力ポイントに「社員旅行あり」のように書かれている場合は注意しましょう。
有給休暇が取れない[ブラック企業の特徴6/20]
企業に一定期間勤めていれば、有給休暇が付与されるようになっています。
本来有給休暇は従業員が使いたいと思ったタイミングで使用できるものであり、上司の許可・承認は不要というのが正しい運用方法なのですが、ブラック企業の場合有給休暇を取らせてもらえないといった特徴があります。
友人の結婚式や自分の趣味のために有給休暇を使うことができず、そのまま有給休暇の使用期限が切れてしまい、一度も有給休暇が取れなかったという声も多く耳にします。
このように、従業員の権利を剥奪しているような企業は、ブラック企業といって間違いありません。
基本給が低い[ブラック企業の特徴7/20]
ややテクニカルですが、ブラック企業は見かけの給料は一定水準であるものの、基本給が低く設定されているというのも特徴の一つです。
求人票や求人広告における「月給」は25万円以上と記載されていたとしても、内訳をよく見てみると「基本給18万円+固定残業代3万円+各種手当」のように、様々な手当でかさ増しされている可能性があります。
毎月もらえる給料が変わらないのであれば、問題がないのではないかと感じてしまうかもしれませんが、これは企業が経費を削減しながら応募を集めるメジャーな方法の一つになっています。
企業が支払う賞与(ボーナス)は、基本給をベースに計算されます。
当然基本給が少なければ、企業は支払う賞与額を削減できますので、結果的に経費削減に繋がるのです。
また、あえて手当を入れて求人票に月給を記載することで、他の求人に見劣りしないように見せかけているとも考えられます。
求人を比較する時は、基本給も忘れず確認するようにしてください。
求人広告に共通する文言が書かれている[ブラック企業の特徴8/20]
求人サイトに掲載されているような求人広告には、応募したくなるような企業の魅力やキャッチコピーが書かれています。
この求人広告には、ブラック企業の場合次のような特徴的な文言が書かれている傾向にあります。
- アットホームな職場
- 風通しがいい環境
- 若手活躍
これらの言葉はいずれも抽象的なものであり、どのような企業であっても使うことができる「なんだか良さそうな会社だと感じさせられる単語」となっています。
ブラック企業と自覚している会社は、求人広告に具体的なアピールポイントを記載することができないため、このような言葉を多用しがちです。
もちろんこれらの文言が使われていてもホワイト企業の場合はありますが、できるだけ注意しておきたいところです。
若手から役職につかされる[ブラック企業の特徴9/20]
若手から役職につかされやすいのもブラック企業の特徴です。
なぜブラック企業が若手をすぐに役職につけたがるのかというと、経費削減をするためです。
諸条件はあるものの、一般的に管理職は残業代を支払わなくてよい決まりになっています。
そのため、若手を役職者にすることで、残業代を支払うことから避けようとしているのです。
とはいえ、中には若手でも成果次第ですぐに昇格させるような、実力主義の会社が存在することも事実です。
この特徴からブラック企業かどうかを判断するためにも、求人探しの際は、管理職の平均年齢を調べてみるのがおすすめです。
募集職種名が一般的でない[ブラック企業の特徴10/20]
求人募集をしているブラック企業は深刻な人材難に陥っていますので、すぐにでも人を採用したいと考えています。
そこでブラック企業は、求人票や求人広告に記載される募集職種名を「やりがいのある仕事ができそう」な単語で記載し、応募を集めようとしがちです。
「○○コンサルタント」「企画提案営業職」など、一般的な名称ではない募集職種名で求人募集をしている場合は注意が必要です。
この場合、ブラックとされている職種を隠している可能性が考えられますので、仕事内容も合わせてチェックするよう心がけてください。
離職率が高い[ブラック企業の特徴11/20]
ブラック企業では、既に働いている従業員が悲鳴を挙げていることもあり、離職率が高いという特徴があります。
離職率が高いことにメリットは存在せず、少ない人数で業務を回していかないといけないため、業務負担は相当なものになるでしょう。
なお、就職・転職の場において企業ごとの離職率を見る時は、「入社後3年以内離職率」を参考にしましょう。
ブラック企業の場合、3年後離職率が30%を越してきますので、数値上の基準にしてみてください。
精神論が多い[ブラック企業の特徴12/20]
ブラック企業の特徴として、とにかく業務をやる気だけで進めていこうとすることが挙げられます。
もちろん、業務に対してやる気があること自体は好ましいのですが、「ただ努力すれば結果がついてくる」と考えているケースが非常に多いのが現実です。
「実績になかなか繋がっていないのは、頑張りが足りないからだ」「達成するという気持ちがあればなんとかなるだろう」など、根本解決にならないような精神論が管理職から伝えられやすいのが、ブラック企業でよくある光景です。
このような企業の場合、「長く働いて頑張ったこと」が評価されることになるため、自然と残業時間も伸びやすいといった特徴も併せもちます。
異常なまでのノルマ至上主義[ブラック企業の特徴13/20]
特に営業職の人員が多いような業界で見られるのが、ノルマ達成を徹底的に求めてくるような企業です。
「ノルマが達成できなければ人として扱われない」「ノルマを達成するまで執拗にプレッシャーをかけてくる」といったブラックな環境である可能性が高く、メンタルに大きなダメージを受けることになるでしょう。
ノルマ至上主義の会社かどうかは、求人票や求人広告を見るだけでは判別がつきにくいのが現実です。
実際に働いている人の感想を調査するためにも、口コミサイトを使って企業研究をするのがおすすめです。
常に求人募集をしている[ブラック企業の特徴14/20]
求人サイトを始めとし、常に求人募集を行っている会社は、常に求人募集をしなければならないほど人材不足に陥っていると考えられ、ブラック企業の可能性があります。
採用しても、それ以上に社員が退職しているようなケースだと、物理的に求人を出し続ける必要があり、従業員を「使い捨て」のように考えているような企業かもしれません。
ただ、採用計画がしっかりと策定されていて、その計画に沿って継続的に募集をかけているようなホワイト企業の可能性があるのもまた事実です。
人員不足による募集なのか、計画的な増員による募集なのかなど、求人募集に至った背景を理解できれば、ブラック企業なのかどうかを判別する材料にできます。
企業の内情を理解している就職エージェントであれば、ネットに載っていないような採用背景を知っていますので、気になる企業の採用動向を質問してみると良いでしょう。
労災が多い[ブラック企業の特徴15/20]
工場や建築などの現場職として働く場合、労働中に事故や怪我に巻き込まれるような「労災」に巻き込まれるリスクが急増します。
もちろん大型の重機を扱うような仕事だと、労災はどうしても起きてしまいやすいものですが、業界水準よりも労災が多い企業は、現場の統率が成り立っていないことが考えられます。
管理職が適切に業務を管理できていないということであり、ブラック企業である可能性も高いでしょう。
労災が全くない[ブラック企業の特徴16/20]
労災が多すぎるのは当然問題ですが、逆に現場職にも関わらず労災がゼロ件というのも注意すべきポイントです。
なぜなら、労災が発生した事実を会社が検知しても、従業員の労災申告を無視してもみ消していることが考えられるからです。
事件や事故をもみ消すのはブラック企業の大きな特徴でもありますので、労災件数については注視しておきましょう。
労働組合がない[ブラック企業の特徴16/20]
労働組合がない職場だと、企業がどれだけ劣悪な待遇を提示してきたとしても、従業員が反対の意思を伝えることができません。
つまり、どれだけブラックな働き方を要求されようが、甘んじて受け入れ業務をするしかないということになります。
労働組合がないことがブラック企業を助長させてしまっているケースもありますので、これから就職する時は労働組合がある企業を選んでいくのがおすすめです。
社員の男女比が極端[ブラック企業の特徴17/20]
男女比が極端な会社も、ブラック企業の特徴の一つです。
特に、男性が9割以上を占める企業の場合、違和感を感じるような社風であったり、女性が働きづらいと感じるような職場環境であったりする可能性があります。
また、合わせて女性管理職の割合についても意識しておきましょう。
従業員割合だけでなく、管理職の割合も女性が少ないような企業だと、男性優位な職場の可能性があり、特に女性は働きづらさを感じながら仕事をすることになりかねません。
職場の男女比については、企業の採用ホームページに記載されていることも多いため、企業研究の一環として調べておいてください。
社員の年齢構成比が極端[ブラック企業の特徴18/20]
従業員の男女比だけでなく、年齢構成比が極端な場合もブラック企業の特徴として挙げられます。
極端に若手が多いような職場であれば、入社しても長年続けることができないような厳しい職場だと考えられますし、反対にミドル〜シニア層が多い職場だと、若手にきつい当たり方をしてくるブラックな職場とも考えられます。
年齢構成比については、業界や企業視点によっても大きく左右されてくる要素ですので、あくまでもブラック企業かどうかの参考程度に留めておきましょう。
下請け・孫請け企業[ブラック企業の特徴19/20]
IT業界や建築業界では、下請けビジネスがたびたび問題となっています。
業界の構造上、どうしても下請けや孫請けといった会社が存在してしまうのですが、下請け企業の場合は「発注企業の納期を遵守しなければならない」「契約金額が低く、どれだけ作業をしても会社が稼げない」といった特徴があり、ブラック企業に陥る要素を多く含んでいます。
全ての下請け・孫請け企業がブラック企業ということではありませんが、下請け企業である以上稼ぎが低く、業務時間は多いという傾向にあることは事実です。
このことをしっかりと頭に入れた上で、就職活動を進めていく必要があります。
労働集約型のビジネスをしている[ブラック企業の特徴20/20]
社員の労働力に頼っているような「労働集約型」のビジネスをしている企業は、ブラック企業の特徴を持っているといえます。
労働集約型ビジネスだと、従業員が成果を挙げれば挙げるほど会社は利益を出すことができます。
そのため、従業員に負荷をかけてでも働かせようとする思考に結びつきやすく、残業時間の増加や有給不許可といった、他のブラック企業の特徴に繋がりがちです。
とはいえ、多くの企業は労働集約型のビジネスをしているということもまた事実です。
社風や組織構造、待遇などを総合的に判断して、ブラック企業かどうかを確認していかなければなりません。
ブラック企業の求人情報の見分け方
これから就職活動を始めようとしている人の中で、「ブラック企業に入社したい」と思っている人は一人もいないのではないでしょうか。むしろ、ブラック企業をどのように見分け
、就職しないようにするか悩んでいる人の方が多いと思います。
ここからは、ブラック企業の見分け方について、5つの方法をご紹介します。
年間休日が業界平均よりも少なすぎないか
求人票や求人広告には、一年間でどれだけの休日があるかを示す「年間休日」が書かれていることがあります。
年間休日は業界や職種によって大きく変わってきますが、ブラック企業かどうかを見極める基準として、「業界平均よりも年間休日が少なくないか」が挙げられます。
なお、年間休日ごとにどのような休みになるかについて、以下で表にまとめました。
年間休日日数 | 目安 |
---|---|
125日以上 | 土日祝日休み+夏季休暇+年末年始休暇がある。 休暇日数の観点で言えば最もホワイト |
110日 | 土日休みのみで祝日は出勤。 もしくは隔週で土曜出勤などであり、 まだホワイトに働けるレベル |
105日 | 労働基準法の最低ラインであり、毎週一日休みが基本。 ブラック企業の可能性がある |
105日未満 | ブラック企業と考えて良い |
特にやりたい仕事が決まっていないものの、十分に休みを取れる仕事に就きたいという場合は、年間休日が110日以上はある求人を中心に応募していきましょう。
月平均残業時間が長すぎないか
ブラック企業の特徴でもある長時間労働を避けるためにも、月平均当たりの残業時間をチェックしておくことも大切です。
月平均残業時間の目安としては次の通りです。
月平均 残業時間 | 働き方 |
---|---|
~5時間 | ほとんど残業が発生せず、定時で帰れている |
~20時間 | 毎日残業が発生する可能性があるが、 生活に大きな支障は出にくい |
~40時間 | 残業が多いと感じる。 帰宅は夜遅くなり、プライベートの充実感を感じにくくなってくる |
60時間~ | 残業に生活を翻弄される。ブラック企業に多い残業時間 |
なお、月平均残業時間については、求人票や求人広告のほか、企業の採用ホームページで確認することができますが、公開していない企業も少なくありません。
残業時間を公開していない企業を含め、実態を理解したい場合は、企業との連結を密にとっている就職エージェントの活用がおすすめです。
離職率が高すぎないか
ブラック企業では、その過酷な労働環境から退職者が後を絶ちません。
そのため、離職率をチェックすることで、ブラック企業かどうかを見分けることが可能です。
一般的に離職率は、入社後三年以内の離職率として計算され、30%を超えているとブラック企業の可能性が高まります。
反対に、離職率が5%以下といった企業であれば、長期間働くのに適した環境であるホワイト企業の可能性が高いと考えられますので、できるだけ離職率の低い職場を見つけていきましょう。
求人広告に抽象的な言葉が多用されていないか
企業が求人募集する際に掲載する求人広告には、企業の魅力的なポイントを凝縮したキャッチコピーが記載されていることがあります。
ホワイト企業が技術力や待遇をアピールする中、ブラック企業はアピールポイントがないため、以下のような抽象的な言葉を使いがちです。
- アットホームな職場です
- 風通しの良い職場です
- 若手活躍中
これらの言葉は非常に抽象的で、捉えようによってはどの企業でも当てはまるアピールポイントになり得ます。
この他の単語でも、どの企業でも当てはまるような抽象的な言葉が多用されている場合は、ブラック企業の可能性があることを認識しておきましょう。
口コミサイトの評価が悪いか
企業の働く環境を情報収集するためには、口コミサイトの評価を見ておくのも非常に重要です。
口コミサイトでは現職・退職済みの社員が口コミを投稿することになるため、賛否両論となることが多いですが、もし評価があまりにも悪い場合はブラック企業を疑いましょう。
単純に考えれば、従業員の半分以上が企業に対して悪い感情を抱いている場合、口コミサイトで悪い評価になるはずです。
つまり、企業の口コミサイトで悪い評価がついているということは、これから働く時に相当不快に感じる出来事が待ち受けていることが想像できます。
ブラック企業が多い業界
ブラック企業は、いくつかの業界で多く見られる傾向にあります。
次のような業界に応募する時は、特に求人票や企業概要をチェックした上で応募するようにしましょう。
なお、以下に挙げる業界の企業全てがブラック企業ということはありませんので、誤解しないよう注意してください。
建築業界
建築業界は、建物の建築に関わる不動産系の業界です。
特に現場職の場合は肉体労働になるだけでなく、工期が決められていることから、業務時間が長くなりやすいといった特徴があります。
また、業界全体として多重下請け構造で成り立っているということもあり、「たくさん働いているのに給料が低い」「やることが多く仕事中常に緊張してしまう」といった、ブラックな働き方に繋がりやすい傾向にあります。
SES業界
SESとは、System Engineering Serviceの略称であり、クライアントにITエンジニアを派遣するビジネスのことを指します。
「人を派遣する」という構造上、常に下請けという立場になってしまいますので、賃金が少なめな職場が多いです。
また、SESはクライアント先に常駐して仕事をすることになるため、勤務先の環境がプロジェクトごとに大きく変わります。
特に、自分だけが違う社員として下請けで働くということから、厳しい業務指示や働き方をさせられても文句が言えないという状況も考えられるでしょう。
介護業界
介護業界は、特に高齢者の生活においてなくてはならない重要な仕事をしていますが、その働き方はブラックな会社が少なくありません。
体力仕事ということに加え、賃金が低く、時には介護利用者から理不尽なクレームをもらうなど、身体的にも精神的にもストレスがかかりやすくなっています。
また、職場が物理的に狭く閉鎖的であることから、溜まったストレスを同僚にぶつけてくるといった職場環境のケースも少なくありません。
とはいえ、利用者から直接感謝の言葉をもらえたり、社会貢献をしている実感を持ちやすい業界であることも事実ですので、働きやすい職場をしっかり見つけられれば仕事のやりがいを感じられるでしょう。
ブラック企業の特徴がある職場に就職しないコツ
ブラック企業の特徴を持たない、いわゆるホワイト企業に就職するためには、就職活動でいくつかのコツがあることを理解しておきましょう。
コツ1. 企業研究をとにかく行う
この記事で挙げたブラック企業の特徴に該当していようがいまいが、結局は企業それぞれがどのような組織風土で事業を行っているかによって、ブラック企業かどうかが変わります。
言い換えると、ブラック企業の特徴に一つしか合致していなかったとしてもブラック企業だと感じることがありますので、必ず企業研究をする必要があるということです。
企業研究とは、求人票や求人広告、採用ホームページから口コミサイトに至るまで、幅広い情報収集を行い、企業で働くイメージをつけるための情報収集のことを言います。
企業研究がしっかりできれば、就職する前にブラック企業かどうかをある程度判別することが可能です。
企業研究はパワーのかかるものになりますが、少なくとも本当に行きたいと思える会社には全て行っておくようにしましょう。
コツ2. 求人票を隅々確認する
ブラック企業の特徴でも挙げた通り、いくつかの特徴は求人票を事前に見ることで確認できます。
休日の制度や基本給の金額、募集職種の確認など、求人票を隅々まで確認しておけば、ブラック企業に入社するリスクを減らすことが可能です。
特に以下のポイントには注意して、求人票・求人広告を確認してみてください。
- 給与体系や給与水準
- 休暇に関する記載
- 従業員の構成比(年齢・性別)
- 仕事内容全般
求人票は文字が多く書かれていることもあり、よく読まないまま就職活動をしているケースも見られますが、それではいけません。
自分でできることを最大限取り組み、ブラック企業への入社を避けるようにしましょう。
コツ3. 就職エージェントを活用する
ブラック企業かどうかを高い精度で見極めるためには、どれだけ正しい情報を収集できるかにかかっています。
口コミサイトでの情報収集もいいのですが、より中立的な立場で確からしい情報を教えてもらう方法として、就職エージェントの活用がおすすめです。
就職エージェントは、企業と直接やりとりすることで求人票を作成していますので、誰よりも詳しい内部情報を知っていることがあります。
社風など求人票には書けないような内容についても知っているため、うまく活用して情報収集ができれば、さらにブラック企業に入社するリスクが減らせるはずです。
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まとめ
ブラック企業の特徴20選やブラック企業の求人情報の見分け方などを紹介してきましたが、この特徴にたくさん当てはまっている企業=ブラック企業ということではありません。
中には、1つの特徴しか当てはまらないのにブラック企業と感じる場合もありますので、しっかりと企業研究を行うことが大切になります。
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