通信制高校は人生終了だと聞いて不安に感じている方もいるのではないでしょうか? 通信制高校で人生終了ということはありません。人生終了と言われる理由としては高卒資格が取れないと考えている人がいるなど様々です。
この記事では、人生終了と言われる理由や人生終了しないためにやるべきこと、ポイントについて紹介・解説しています。 興味のある方は、是非参考にしてみてください。
この記事の目次
通信制高校で人生は終了しない
結論からお伝えすると、たとえ通信高校出身だとしても「人生終了」ということはありません。なぜなら就職率や大学への進学率などを見ると、全日制や定時制高校とそこまで差が見られないからです。
高等学校 (平成30年卒業者) | 就職率 | 大学等 進学率 |
---|---|---|
通信制 | 19.6% | 18.0% |
全日制 | 17.2% | 55.5% |
定時制 | 42.1% | 12.3% |
文部科学省|高等学校通信教育の現状について(令和2年1月15日)p.14
上記の表を見ると、就職率では定時制高校が頭一つ飛び抜けていますが、通信制と全日制を比べると大差はありません。大学等進学率に関しては全日制が抜け出ていますが、こちらも通信制と定時制と比べると差はなく、むしろそれぞれの割合で通信制は2位につけています。
通信制高校で人生終了と言われる理由
お伝えしたように、卒業後に一定数の生徒が就職、あるいは大学などへの進学を成功させていることから、通信制高校卒業後の未来は決して暗くありません。しかしこうした状況はありつつも、なぜ通信制高校は「人生終了」と言われてしまうのでしょうか?
理由はいくつか考えられますが、特に次の3つの理由から偏見を持たれるケースが多いようです。
- 通信制高校だと世間の目が気になる
- 高卒資格が取れないと思っている
- 就職できないと考えている
では、それぞれの理由についてお伝えします。
通信制高校だと世間の目が気になる
1つめの理由は、通信制高校だと「世間の目が気になるのでは?」と思われてしまうからです。
そもそも日本では、高校といえば「全日制」を思い浮かべる人が大半です。実際、ほとんどの高校が全日制過程を置いているため、通信制は“マイナー”な存在と思われることが多く、「肩身の狭い思いをしているのでは?」「全日制に通っている生徒に引け目を感じているのでは?」といった認識を持たれてしまうことが多いのです。
しかしながら、前述したように就職率や進学率は決して悪くなく、むしろ意思をもって通信制への進学を決めた生徒も多く在学しています。つまり「世間の目が気になるのでは?」という考えは、単なる憶測に過ぎないのです。
周りから「通信制に通っていて大丈夫なの?」と心配されるにつれ、「本当にここにいて大丈夫なのかな……」と不安を抱いてしまう人も多いかもしれませんが、そうした心配は無用です。通信制高校の内情を知らない人がイメージだけで語っているケースがほとんどのため、そうした声は良い意味で聞き流しつつ、通信制を選んだあの時の自分の決断に自信を持つようにしましょう。
高卒資格が取れないと思っている
2つめの理由は「高卒資格が取れない」と思われているからです。しかしこれは、明確な誤解です。実際には「教育機関」として国から認められているため、卒業すれば高卒資格を得ることができます。
ちなみに通信制高校の場合、以下の要件を満たすことで高卒資格が得られます。
- 3年以上の在籍
- 74単位以上の取得
- 特別活動に30時間以上参加
通信制高校の仕組みについて詳しく知りたい場合には、以下の記事も参考にしてみてください。
就職できないと考えている
3つめの理由は「通信制高校の生徒は就職できない」と思われているからです。
ただし、こちらに関しても単なる誤解に過ぎません。前述したように就職率でみると全日制を上回っていますし、実際のところ「普通科か実業系か」といったことを気にする企業は多いものの、それ以外の違いはそこまで重視されないため、通信制高校だからといって採用で不利になることはないのです。
ちなみに履歴書には「通信制」と書かなくても良いとされていますが、場合によっては書かないことで「何か後ろめたいことでもあるのかな?」と思われてしまう可能性もあります。書いたとしても採用で不利になることはまずないため、履歴書には「通信制課程普通科」と書いておくことをおすすめします。
通信制高校で人生終了しないためにやるべきこと
通信制高校卒業後、暗い未来が訪れないようにするために在学中から意識しておきたいことを3つお伝えします。
- 目的をもって生活しよう
- やりたいことを見つけよう
- しっかり卒業しよう
少しでも良い未来を手に入れたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
目的をもって生活しよう
まずは一つでも良いので、何かしらの「目的」をもって日々の生活を送ってみましょう。なぜなら通信制高校は、生徒一人ひとりの「自主性」が大切な意味を持つ環境だからです。
全日制や定時制は勉強のカリキュラムが整っているため、そのカリキュラムを踏まえて勉強していけばある程度の学力は身につきます。一方で、通信高校の場合には「自学自習」が基本です。つまり誰かが勉強時間を決めてくれるわけではないため、勉強する明確な目的がないとどうしてもサボってしまう可能性があるのです。
ちなみに、現時点で明確な目的を持っていなくても大丈夫です。「目的をもたなきゃ……」と焦ってしまうと自分自身を苦しめてしまうため、目的が見つからない場合には「次のテストで80点を取る」「1日5単語ずつ覚える」といった小さな目標でも構いません。
小さなことをクリアしていくことで達成感を得ることができ、もっと頑張ろう!と思えてくるものなので、まずは焦らず、自分ができることから取り組んでいきましょう。
やりたいことを見つけよう
通信制高校に通っている場合には「やりたいこと」を積極的に探していくことも大切です。なぜなら、モチベーションアップにつながるからです。
前述のように、通信制高校は一人で物事を進めていくことが求められる環境です。教室に通うのも週1~2回程度のため、友人と切磋琢磨したり、刺激を受けたり、といったこともあまり期待できません。
こうした状況では、ただ何となく毎日が過ぎていき、日々の生活に充実感を得ることも難しくなっていきます。すると気持ちが暗くなっていき、将来に対する希望も抱きにくく、場合によっては「退学」という道を選択してしまう人も少なくないのです。
そこで大切なのが「やりたいこと」を見つけることですが、この時に注意したいのが「周りに話したら笑われるかな……」と思えるようなことでも気にしない、ということです。あくまで自分の人生ですし、自分自身のモチベーションが高まる夢であれば何でも構いません。
有名企業に就職してお金持ちになる、海外を飛び回って自由に暮らす、といった夢でも良いでしょう。「その夢に向かって頑張ろう!」と思えると気持ちが奮い立ってくるものなで、ぜひ自分にとってワクワクすることを見つけてみてください。
しっかり卒業しよう
通信制高校に通っている、または通うことを決めている場合には「必ず卒業する」という強い意志を持つことも忘れないようにしましょう。なぜなら卒業できずに「中卒」となってしまうと、就職や、その他のさまざまな面で不利になってしまう可能性が高いからです。
一方でしっかりと卒業し、高卒、あるいは大学に進学してさらに上の学歴を手にできると、選べる選択肢が増えます。そして、自学自習を進めつつ卒業要件を満たすことができたという自信は、この先の人生にプラスに働くことも間違いありません。
ちなみに卒業要件を満たすことができなかった場合でも、「高認(高等学校卒業程度認定試験)」を受験することで大学などへの受験資格は手に入ります。しかしながら、高認はあくまで「高校卒業者と同程度の学力がある」と証明するものに過ぎません。そのためたとえ高認を取得したとしても、学歴上は「中卒」となってしまうことは注意点として理解しておきましょう。
通信制高校卒業後に人生終了しないためのポイント
通信制を卒業後、より良い人生を歩みたい場合には、今のうちから将来についてのイメージを膨らませておくことも大切です。具体的には、次の3つを意識してみてください。
- 進学もしくは就職をしよう
- 自己分析をしよう
- 目標を考えよう
では、それぞれについて解説します。
進学もしくは就職をしよう
まずは、進学もしくは就職を目指しましょう。なぜなら、将来の選択肢が広がるからです。
進学と就職のメリットとデメリットは下記のとおりです。
進学 | 就職 | |
---|---|---|
メリット | 就職の選択肢が広がる 友人・知人が増える | 早くお金を稼げる |
デメリット | 学費がかかる 就職が遅くなる | 高卒だと 就職先が限定されてしまう |
将来に希望が持てると、勉強のモチベーションアップにもつながります。将来にも目を向けつつ毎日を過ごせると良いでしょう。
自己分析をしよう
自己分析の時間もぜひつくってみてください。なぜなら、自分の進みたい道が明確になるからです。
自己分析とは、過去の経験を振り返るなかで、自分自身の価値観などを見つけていく作業のことです。このとき意識したいのが、第三者の目線を取り入れることです。友人や家族など、身近な人でも構いません。自分ひとりで自己分析を進めると、固定観念もあり、自分の本当の気持ちは見えてこないため、可能であれば誰かと一緒に自己分析を進めてみましょう。
なお、この先で紹介する、弊社ジェイックが運営する就職エージェントでは、プロのキャリアアドバイザーが自己分析をサポートします。より正確に自分の価値観を知りたい場合には、ぜひ利用してみてください。
目標を考えよう
将来の目標も考えてみましょう。目標があることでモチベーションを保つことができ、日々の生活を充実したものにできるからです。
目標を考える場合には、自分の気持ちに正直になることが大切です。世間一般に言われている「大企業に就職して安定して暮らす」「マイホームや車を買う」といった目標である必要はありません。
どんなに素晴らしいとされている目標でも、自分の心が躍らなければそれは「良い目標」とは言えません。まずは自分の心に素直になり、挑戦してみたいことや、なりたい理想像などを思い浮かべてみましょう。
通信制高校卒業後のおすすめの就職方法を紹介
通信制高校を卒業後、就職を考えている場合には、私たちジェイックが運営する就職エージェントの活用がおすすめです。以下3つの特徴をお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 未経験の就職に特化!
- 無料の就職講座を実施
- 就職後のサポートも充実
では、それぞれの特徴について解説します。
未経験の就職に特化!
専任のキャリアアドバイザーが就職活動を無料でサポートするサービスです。
主に社会人未経験者の10代・20代の就職支援に特化していることが特徴で、高卒の方でも問題なく利用できます。
利用の流れとしては、まずはキャリアアドバイザーとの1対1の面談後、希望に合った企業の紹介を受けられます。その後は、就職講座や集団面接会に参加しつつ、キャリアアドバイザーと一緒に内定に向けて就職活動を進めていきます。
はじめての就職で不安を抱いている方におすすめです。利用された方の正社員就職率も80%を超えていますので、内定獲得に近づきたい方はぜひ利用してみてください。
無料の就職講座を実施
私たちジェイックでは、無料の就職講座も開講しています。この講座では、主に次のようなことを学べます。
- ビジネスマナー
- 自己分析
- 企業研究
- 履歴書、面接の個別対策
就職活動の基本的な知識・ノウハウが効率的に手に入るので、就職活動がはじめての方はこちらの講座にもぜひ積極的に参加してみましょう。
なお、ジェイックでは「集団面接会」も定期的に開催してます。こちらの面接会も無料で参加でき、さらには書類選考“なし”でいきなり面接に臨めるため、学歴に自信がない方でも安心です。業界問わず、一度に多くの企業と出会えるのも嬉しいポイントと言えるでしょう。
就職後のサポートも充実
ジェイックが運営する就職エージェントでは、就職後もサポートを受けられます。
はじめての就職は不安なことも大きいかと思いますが、たとえば「仕事が覚えられない」「環境に馴染めない」といったことがあれば、どんな小さな悩みでもキャリアアドバイザーに相談しに来てください。問題を解決するお手伝いをさせていただきます。
まとめ
通信制高校は人生終了なのか、という疑問にお答えしてきました。結論、お先真っ暗ということはなく、就職率、あるいは進学率の面でも全日制・定時制と比べても大差ありません。しかしながら通信制高校の場合には周囲からの強制力がないぶん、自立して勉強に取り組める人でないと「ついついサボってしまう」といったリスクもあります。
そこで大切なのが、目標を持つことです。モチベーション高く毎日を過ごすためにも、少し先の未来にもぜひ目を向けてみてください。やりたいことや、挑戦したいことが見えてくると、日々の生活もより充実したものにできるでしょう。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい