「第二新卒とはフリーターや既卒とどう違うのか」という疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。また、第二新卒に該当するが1社目を退社してフリーターをしている、という方もいるかもしれません。この記事では、第二新卒・フリーター・既卒の違いや、第二新卒が企業から求められる理由、就職活動をするうえでのポイントや注意点などについて解説します。「自分は『第二新卒』『フリーター』『既卒』のどれに該当するのか知りたい」「1社目を辞める(辞めた)ので第二新卒の就職を成功させたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
第二新卒・フリーター・既卒は何が違うのか?
第二新卒・フリーター・既卒の違いと、就職・転職市場における既卒とフリーターの呼び方や意味の違い、第二新卒の採用ニーズが高い理由について解説します。
「第二新卒」「フリーター」「既卒」の違い
第二新卒、フリーター、既卒は、それぞれ意味が異なります。これらの違いについてまずは知りましょう。
第二新卒
大学卒業後に企業へ就職し、3年以内に退職した・これからする予定人のことを指します。社員として企業で働いたことがあるという点で、ビジネスマナーや社会人としての常識が身についており、年数は少なくても社会経験を積んでいることが特徴です。
企業からは「社会人経験のある若手」「新卒に近い人材」と企業からは見なされます。
フリーター
アルバイトで働き、生計を立てている人のことを指します。正社員を辞めてフリーターになり、そこからまた正社員就職を目指しているという人もなかにはいるでしょう。
ただし第二新卒とフリーターをくらべる場合、ここでのフリーターとは、主に正社員経験がない人のことを呼ぶのが一般的です。
既卒
既卒とは、大学や専門学校などを卒業してから、社員として企業に就職していない人たちのことを指しています。「卒業後、就職はしていないがアルバイトをしている」という場合も、既卒に含まれます。
第二新卒とは違ってビジネスマナーなどをゼロから覚えさせる必要がありますが、既卒者にも門戸を開いている企業も少なくありません。
若年層のフリーター=既卒扱い?
フリーターとは「フリーアルバイター」という和製英語の略で、はっきりとした明確な定義を持っているわけではありません。一般的には、アルバイトやパートなどの非正規雇用で生計を立てる、15歳から34歳までの若年層のことを指します。
過去に会社員経験があるフリーターもいますが、就職・転職市場では「就職活動をする時点で非正規雇用で働いているのかどうか」がポイントになります。そのため「既卒の種類のひとつとして、フリーターという考え方が含まれている」というふうにも捉えられます。
「卒業後に就職したがその会社を辞め、いまはアルバイトをしている」という卒業後3年以内の人を、第二新卒扱いとする企業もあるでしょう。
若年層の就職・転職活動は、本人の社会人経験や正社員経験の有無を基準として、第二新卒・フリーター・既卒に分けられると考えておくとよいでしょう。
第二新卒の採用ニーズが高い3つの理由
第二新卒は、現在の労働市場では非常に採用ニーズが高い存在です。第二新卒の採用ニーズが高い3つの理由をご紹介します。
年齢が若い
第二新卒は学校を卒業後、新卒で就職してから3年以内に退職する人材です。そのため、年齢としては20代前半〜半ばであることがほとんどです。若年層の中でもさらに若い年代であることから、若い人材を求めている企業にとっては、需要とマッチングしていると考えられています。
また、若年層の人材に対しては今後の昇給などを考えて、正社員で採用しても最初は給与などを低く設定することもできます。そのため、コストを抑えて人材を確保したい企業側にとってもメリットの多い存在であるといえます。
社会人経験が確実にある
社会人経験がない、または正社員経験がない人を採用した場合、企業はビジネスマナー研修などをしなければいけません。そうなると教育に関して時間や手間がかかり、教育期間も長く設ける必要が出てきます。
第二新卒であれば、ある程度の社会人経験や正社員経験を積んでいることは確実です。そのため、新人教育期間を短くすることができると考えられています。
その企業のカラーに染めやすい
社会人経験はあるもののまだ経験が浅い第二新卒は、言い換えれば、新しい仕事や環境に慣れやすいというメリットにもつながっています。中途採用者ほど勤務経験が多いわけではないため、新しい環境への順応性や仕事の吸収力の高さも期待できます。
企業ごとに、方針や社風などは異なります。第二新卒は比較的自社のカラーに染めやすいという点も、企業からのニーズが多い理由のひとつだといえます。
第二新卒がフリーターをしながら転職活動するメリット・デメリット
第二新卒が企業に求められる理由の次は、第二新卒が退職後、ニートではなくフリーターとなって転職活動をした方が良い理由について解説します。
会社を辞めた第二新卒がフリーターをしながら就職(転職)活動をするメリット・デメリット
人によっては「転職先を決める前にすでに1社目を退社した」という卒業後3年以内の人もいるかもしれません。その場合も、就職先が決まるまではアルバイトなどをしておくことをおすすめします。それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
会社を辞めた第二新卒がフリーターを続けながら転職活動するメリットは、以下の通りです。
- 生活リズムを維持できる
- お金に困りにくくなる
- 「社会で働く」という経験を引き続き積むことができる
そのため、アルバイトやパートを通じて、就職活動中も社会人としての経験を積んでおくことで経験の浅さをカバーすることが可能です。就職活動だけに専念すると、不規則な生活になったりお金がなくなって困ってしまう可能性もあるかもしれません。
可能な範囲でアルバイトをしながら活動したほうが、メリットは多いといえるでしょう。
デメリット
会社を辞めた第二新卒がフリーターを続けながら転職活動するデメリットは、以下の通りです。
- 就職活動に専念できないことがある
- 収入が得られるので就職活動に身が入らなくなることがある
アルバイトの勤務日数や勤務時間が多すぎると、そちらに時間を取られてしまうことがあります。そうなると就職活動をするための時間が取れなくなったり、面接などの都合が合わせられなくなるため就職活動が長期化してしまい、本末転倒にもなりかねません。
また、ある程度フリーターとして収入を得られることで、就職活動をする意欲や目的を見失ってしまう人もいます。正社員として就職したいと考えている人は、フリーターの仕事と就職活動の配分には注意が必要です。
短期など期間限定のアルバイトにしたり、就職活動に理解の得られるアルバイト先を選んだりするのがおすすめです。
第二新卒の転職が決まりにくいときの理由
基本的に第二新卒は企業からの採用ニーズがある人たちですが、転職がうまくいかない第二新卒も多いです。
ここでは、転職が成功しにくい第二新卒の特徴を紹介します。
慎重になりすぎている
第二新卒は一度就職して正社員として仕事をしているという経験を持っているところが強みです。ですがその反面、短期間で退職してしまったという事実から、自分に自信を無くしてしまっている人も少なくありません。
一度は就職したけれども、自分がイメージしているものと違って失望してしまった第二新卒にとって、就職活動や転職活動は「自分が理想としている環境を見つける作業」でもあります。そのため「こんな自分を採用してくれるだろうか」「この企業に決めて本当に大丈夫だろうか」と考えすぎてしまい、慎重になりすぎる傾向もみられます。
その結果、なかなか応募に至らず、就職が決まりにくくなってしまうケースもあるのです。
就職活動の意欲が低下している
企業側にとって第二新卒は一定のニーズがあるのは事実ですが「採用してもまたすぐに辞めてしまうのではないか」とマイナスイメージを持つ企業も存在します。このため面接を受けてもなかなか採用されないことが続く人もいて、就職活動が長期化してしまうケースもあります。
そうなると就職活動に関する意欲が低下してしまい、積極的に行動できなくなってしまうことがあるのです。行動しない期間が長期化することで不利になってしまい、さらに就職が決まらないという悪循環に陥ってしまうのです。
ネガティブな退職理由を伝えている
第二新卒に限った話ではありませんが、退職理由を前の会社やそこの社員、労働環境のせいにしてしまうと、それが事実であったとしても企業からの印象が悪くなりがちです。
第二新卒は就職から3年以内という短期間での退職なので「また同じようなことを繰り返すのではないか」と警戒される可能性が高いことから、ネガティブな退職理由を面接などで伝えることで、より就職が決まりにくい要因と考えられています。
計画性がない
第二新卒のなかにははっきりとした理由もなく「なんとなく辞めたいから辞める」「若いから辞めても大丈夫だろう」と、無計画に退職してしまう人もいます。
計画性のない短期間での退職や志望理由やキャリアプランに一貫性のない行動は、企業にとって採用するリスクが高い人材だと判断されることがあるため、注意が必要です。
第二新卒(一部フリーターを含む)の転職活動のポイントと注意点
第二新卒や、就職経験がある卒業後3年以内のフリーターが就職活動をする際のポイントと注意点について解説します。
第二新卒の転職活動の3つのポイント
第二新卒が就職活動を成功させるためには、まず企業が第二新卒に求めているポテンシャルを理解して強調し、前職の退職理由をポジティブに語ることです。
ポテンシャルを強調する
企業にとって第二新卒のように職歴や社会人経験が浅い人材に求めるものは、入社後に成長してくれるのかどうかという点だと言われています。
そのため社会人経験や正社員経験以外のポイントで自分がどのようにその企業で成長していくのか、自分がどのような強みを持っているのかをこれまでの経験を転用しながらアピールしていく必要があります。
前職の退職理由をポジティブに変換する
前職の退職理由がネガティブなものだと「入社しても同じような理由ですぐに辞めてしまうのではないか」と思われてしまう危険性があります。退職理由が本当にネガティブなものだったとしてもポジティブな理由に変換して、前向きな姿勢をアピールすることがよいでしょう。
そうすることで、過去の経験を活かそうとしているという前向きな姿勢や、自分自身のアピールにつなげることもできます。
転職エージェントに相談する
なかなか就職活動が上手くいかなかったり、どのようにアピールすればいいのかわからないという第二新卒者は、就職活動の専門家である転職エージェントに相談するというのもひとつの方法です。
若年層向けの転職エージェントは、第二新卒の就職活動に関しても経験が豊富です。そのため、個々に合ったアドバイスやサポートが期待できます。
第二新卒の転職を成功させるポイントなどについて、以下の記事でくわしくご紹介しています。
第二新卒として転職を成功させたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
第二新卒の転職活動の3つの注意点
第二新卒の転職活動では、注意すべきポイントも多いです。ここでは、第二新卒の転職活動で気を付けるポイントを紹介します。
退職のタイミングを考える
第二新卒が就職活動をする前に気をつけておかなければいけないのが、退職するタイミングです。就職してからあまりにも短期間で退職してしまうと、既卒やフリーターと同様に「ビジネスマナーや社会人としての経験を積んでいない」と判断されてしまう可能性があります。また、退職してから就職活動をすると空白期間ができてしまいます。
そのため入社後の短期間での退職は避けるようにして、よほどの事情がない限りは、次の就職先が決まってから退職したほうがよいでしょう。
焦って決めないようにする
1社目を辞めることを決意した・または辞めた第二新卒のなかには「早く次を決めなくては」と焦って就職活動をする人もいます。ただ、焦って就職してしまうと自分の能力や希望条件とミスマッチな企業に就職してしまう可能性があり、失敗してしまうことも考えられます。
正社員として2社目に入社したが会わずに短期間で辞めるとなると、次の転職のハードルも上がってしまいます。応募先の企業の条件や仕事内容などを、慎重に検討することが必要です。
待遇面だけで選ばない
企業の求人を検討する際、給与面などの待遇面ばかりを重視して決めるのは危険だといわれています。もちろん給与面などを重視することも大切ではありますが、勤務時間や仕事内容が自分に合っていないと、仕事を続けていくことは難しいとされています。
このため将来のキャリアプランなども考えながら、待遇面だけではなく仕事内容が自分の経験やスキルに見合うものなのかどうかを見極めなければいけません。
第二新卒や就職経験のあるフリーターは自信を持って就活を
第二新卒は若さやある程度の社会人経験を有していることから、企業からのニーズも高い人材として重宝されています。1社目を辞めてフリーターをして間もないという人も、その若さや過去の経験を評価してくれる企業はいずれ見つかるでしょう。ポイントを押さえた就職活動をすることで、自分が求めていた職場環境や仕事を見つけることも可能です。なかなか就職活動が上手くいかない第二新卒やフリーターの方は、専門家である転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。
こんな人におすすめ!
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