「早期離職をするとどんなデメリットがあるのか?」「早期離職をこれから考えているが、どんな点に注意すればいいのか?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
早期離職は長い目で見た時に様々な面で不利になることが考えられますが、あらかじめ注意点や早期離職後の転職活動で意識すべきポイントを理解しておくことで、デメリットを最小限に抑えられます。
この記事では、早期離職を考えている方や、早期離職をしてしまった人が知っておきたい知識を分かりやすく解説します。
早期離職とは?
「早期離職」という言葉自体はよく目にしたことがあると思いますが、どのくらいで辞めたら早期離職という扱いになるのか、あまりよく分かっていないという人も少なくありません。
早期離職について詳しく解説する前に、まずは早期離職とはどんな離職のことを言うのかであったり、早期離職をする人の推移や傾向にはどういったものがあるのかという点について解説します。
入社から1〜3年の期間で退職すること
早期離職という言葉には、実は明確な定義がありません。ただ、一般的には「入社してから1〜3年以内の短い期間で退職すること」とされています。
元々早期離職という言葉は、「定年直前の50代の人が、定年を待たずして退職すること」という今とは違った意味で使われていました。しかし、現在ではそういった人よりも、入社してすぐに離職する人の方が多い傾向にあるため、意味合いが変わったのです。
現在の早期離職では、離職する時の年齢は関係ありません。20代であろうが40代であろうが、入社して1〜3年で退職すれば早期離職と言われます。
なお、特に20代で早期離職をした人については、「第二新卒」という呼ばれ方をすることもあります。この場合、企業の募集によって新卒と同じように就職活動ができることもあることを合わせて認識しておくと良いでしょう。
第二新卒についてさらに定義など詳しく知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。
早期離職者の推移は横ばい〜緩やかに増加の傾向
早期離職者の推移は、年々横ばい〜緩やかに増加している傾向が見られます。
厚生労働省が令和3年に発表した調査結果から、中卒〜大卒までの学歴別早期離職者
の推移を見てみると、大卒・高卒、短大等卒・中卒でそれぞれ似たような動きをしていることが分かります。
また、早期離職者の推移は急激に上がったり下がったりすることなく、緩やかに増減しており、大まかに見れば一定の水準が保たれているということも見て取れます。
学歴別で全く同じような推移をしていないことから、特に経済動向や就職倍率の変化は影響していないということが考えられ、「辞めたい時に仕事を辞める」という人が常に一定割合で存在すると言えるでしょう。
毎年1割程度の人が1年以内に離職している
同じく厚生労働省の調査結果から、特に1年以内の超早期離職をしている割合を学歴別に見てみると、以下のような数値となっています。
学歴 | 中卒 | 高卒 | 短大等卒 | 大卒 |
---|---|---|---|---|
1年内離職率 | 31.0% | 15.0% | 16.2% | 10.6% |
このように、入社してから1年以内という非常に短い期間で離職する人はたくさんいることが分かります。ただ、日本の最終学歴としては大卒と高卒の割合が多く、中卒や短大等卒の割合は少ないため、1年内早期離職者の実数としては大卒・高卒が多いと言えます。
とは言え、1年内離職率が10%〜30%の間となっていることについて、「思っていたよりも多い」と感じる方も多いと思います。
早期離職をしてしまう理由や対処法については、この後詳しく解説していきます。
業界ごとに早期離職率は異なる
学歴ごとだけでなく、業界ごとに早期離職者の割合を見てみると、以下のようになっています。
業界 | 新規高卒就職者の3年以内離職率(%) |
---|---|
鉱業、採石業、砂利採取業 | 24.4 |
建設業 | 42.7 |
製造業 | 27.2 |
電気、ガス、熱供給、水道業 | 9.2 |
情報通信業 | 37.4 |
運輸業、郵便業 | 32.8 |
卸売業 | 39.2 |
小売業 | 47.8 |
金融業、保険業 | 28.1 |
不動産業、物品賃貸業 | 44.2 |
学術研究、専門・技術サービス業 | 36.4 |
宿泊業、飲食サービス業 | 61.1 |
生活関連サービス業、娯楽業 | 56.9 |
教育、学習支援業 | 50.1 |
医療、福祉 | 46.2 |
複合サービス事業 | 26.3 |
業界 | 新規大卒就職者の3年以内離職率(%) |
---|---|
鉱業、採石業、砂利採取業 | 11.5 |
建設業 | 28.0 |
製造業 | 19.0 |
電気、ガス、熱供給、水道業 | 11.1 |
情報通信業 | 27.4 |
運輸業、郵便業 | 25.0 |
卸売業 | 27.7 |
小売業 | 37.4 |
金融業、保険業 | 24.2 |
不動産業、物品賃貸業 | 34.5 |
学術研究、専門・技術サービス業 | 31.6 |
宿泊業、飲食サービス業 | 51.5 |
生活関連サービス業、娯楽業 | 46.5 |
教育、学習支援業 | 45.6 |
医療、福祉 | 38.6 |
複合サービス事業 | 25.8 |
早期離職者割合が高いトップ3は「宿泊業、飲食サービス業」、「生活関連サービス業、娯楽業」、「教育、学習支援業」であり、いずれもサービス業という特徴があります。
個人を相手に仕事をすることがメインの業界だと、どうしても心理的なストレスが増えてしまったり、休みが少なくなってしまったりといった傾向が見られるため、早期離職に繋がっていると考えられます。
反対に、早期離職者割合の少ないトップ3は「電気・ガス・熱供給・水道業」「鉱業、採石業、砂利採取業」「金融業、保険業」であり、いずれも社会インフラ的な業界となっています。
業務量が比較的安定しており、給料も高めということがあって、離職率が低くなっているものと考えられます。
このように、早期離職は業界の違いによって大きく差が出てくることも、あらかじめ知っておけると役立つでしょう。
早期離職をしてしまう5つの理由と対処法
早期離職者は意外と少なくないと言うことが分かりましたが、なぜ早期離職をしてしまうのでしょうか?就職活動は決して楽なものではありませんので、それなりの時間や労力をかけてまで入社した会社を早期離職するのはもったいないという見方もできます。
ここでは、早期離職を決断する5つの主な理由をご紹介しつつ、その理由に当てはまっている人が早期離職をしないためにできる対処法がなにかについて解説します。
給料に不満があるから
給料に対する不満が募って早期離職をする人は多いです。「入社前に求人票で給料が分かるのに、なぜ確認しないのか?」と思うかもしれませんが、ここには3つの理由が考えられます。
まず、実際に入社してみたら求人票の給料の書かれ方に認識の齟齬があるケースです。
求人票には、応募を集める目的で上限の給料を目立たせて書かれている場合があります。その上限の給料がもらえると思って入社したら、実際は最下限の給料しかもらえなければ、早期離職を考えることもあるでしょう。
続いて、入社した後の昇給幅が少ないことが分かったからというケースです。
一般的な会社であれば、職位や等級などで給与テーブルが社内規定で定められています。給与テーブルは基本的に入社するまでは確認することができませんので、入社後に昇給幅が全然ないことを知るということもあり得ます。
「頑張って長く勤めても、この会社では稼げない」ということを感じれば、早期離職に繋がるでしょう。
最後に、実は求人票の給料を確認しないまま入社したというケースです。
就職に急いでいたり、所構わず応募をしていれば、一件一件の求人をよく確認しないまま選考に進んでしまうことがあり得ます。そのまま雇用条件も見ずに入社し、入社後に給料の低さにようやく気づくといったこともあり得ます。
これらの理由から、給料に不満を感じて早期離職することが考えられます。
対処法
給料が低かったり、昇給幅が少ないことに不満を持つ場合は、自分が頑張るか会社に頑張ってもらうかの二択の対処法が考えられます。
自分で頑張る場合は、副業や転職が手段になってくるでしょう。今では副業する人口も増えてきていますし、未経験でも何らかの副業に取り組みやすい環境となってきています。
副業禁止の会社でないのであれば、自分にできる範囲で副業による収入アップを目指してみてください。
また、給料を上げるために転職するというのも活発に行われています。一般的な年収アップの相場は105%〜110%と言われており、職種によっては100万円レベルで年収を上げることも可能です。
一定のスキルがないと転職による年収アップは見込めませんので、まずは現職で実績を上げることに勤めてみるのがおすすめです。
会社に頑張ってもらう方法としては、給料アップの交渉をすることです。
噛み砕いて言うのであれば、会社の昇給要件を確認し、上司に対して自分を昇格させてもらうよう働きかける方法となります。
ただ、この場合は仕事で実績を出さないと給料は上がりませんし、昇格は時間のかかるものですので、会社に未来がないと判断するなら副業や転職を考えるのが無難でしょう。
人間関係に不満があるから
人間関係に不満があるというのも、早期離職に繋がる主な理由と考えられます。
「配属ガチャ」という言葉があるように、入社後にどのような部署に配属され、そこにはどのような性格の人がいるのかは入社前に知ることはできません。
もし自分が真面目に仕事に取り組もうと思って入社したとしても、意地悪をされたり仕事を意図的に教えてもらえなかったりしたら、モチベーションはすぐに落ちてしまいます。
入社前に入社後の人間関係を想像することができないことを考えると、人間関係がきっかけの早期離職は避けられない原因とも言えます。
また、会社組織の風土文化が自分の性格と全く合わず、ストレスを感じることもあるでしょう。文化や風土についてはホームページである程度掴むこともできますが、限界があるのも事実です。
対処法
人間関係に不満がある時にまずできる対処法としては、上司に相談することが挙げられます。
前提として、上司は自分の部下が転職してしまうことに対してネガティブなことと捉えているケースが多いです。それは、「部下が転職してしまうのは、上司の管理監督不足ではないか」という評価に繋がりうるためです。
この前提を考えると、部下が人間関係に関する相談をしてきたら、上司は「相談してきた部下を異動させてあげる」か、「元凶となっている人を異動させる」という思考になると期待できます。
転職活動は時間も労力もかかるものですので、今いる職場のまま環境そのものをリセットできるのが理想です。人間関係について相談することは恥ずかしいかもしれませんが、自分の精神的な安定のためにも動いてみることも視野に入れてみましょう。
仕事内容に不満があるから
仕事内容に不満があるというのも、早期離職に繋がる理由の一つです。
給料と同じく、仕事内容も求人票に必ず書かれているのですが、求人票の内容だけではどうしても実際に働いてみた時の仕事内容とギャップを感じることは少なくありません。
例えば「法人顧客に対する営業」と求人票に書かれていたとしても、実際に入社してみたら「オフィスに片っ端から飛び込み営業する」といった仕事の場合もあります。
イメージしていた仕事内容と、入社してみて実際に向き合う仕事内容にギャップを大きく感じてしまうことで仕事を辞めたいと思うのは、特に早期のタイミングで感じやすいこととなっています。
対処法
仕事内容に不満がある場合、真っ先に転職を考えると思いますが、安易に転職をすることはあまり良い対処法とは言えません。
なぜなら、求人票の仕事内容と実際の仕事内容が異なるというリスクは、いつまでも付きまとうものだからです。
取るべき対処法としては、こちらも上司への相談が第一に考えられます。
会社は組織であるからこそ、適材適所に人員を配置すべきです。今の仕事に不満を感じている社員がいるのであれば、その人の適性を発揮できるジョブを与えることで生産性を上げられるため、希望の部署に異動できることもあるでしょう。
また、目の前の仕事に本気で取り組むのも有効です。
本気で今の仕事に向き合うことで、その仕事の奥深さや楽しさを感じられることもあります。特に、実績を出して評価されればどんな仕事でもやりがいを感じるでしょう。
このようなアクションをしてみても、なお仕事内容に不満が残るのであれば、転職も検討してみてください。
長続きしない性格だから
元々物事を長続きさせられない性格といった、個人の性格的な問題での早期離職も見られます。特に学生時代のバイトや部活を転々としていたような人は、社会人になっても早期離職をしやすいと考えられます。
社会人として仕事をする期間は、実に40年以上です。これまでの人生とは比べものにならないほど長いスパンで仕事をし続けることになるため、仕事そのものに飽きが来てしまうのも無理はありません。
ただ、同時に仕事は国民の義務の側面もあるので、長続きしない性格を改めることも視野に入れる必要があるかもしれません。
対処法
長続きしないことが原因で早期離職をするのであれば、中長期的な将来のビジョンを一度考えてみることをおすすめします。
先ほどもいった通り、仕事は40年以上続くものですので、将来の目標のようなものがないとどんな人でもモチベーションを維持できません。
「○歳までには結婚したいから、ここまでに○円貯金しておくためにも仕事を頑張る」など、仕事以外のライフプランを元に将来設計をしても大丈夫です。
自分が仕事を長く続けたいと思えるようにするために、何を考えればいいかを考え、自分自身で仕事に対するモチベーション維持をするよう心がけてみましょう。
組織的に問題のあるブラック企業に入社してしまったから
ブラック企業に入社したと感じて早期離職する人も多くいます。ブラック企業は、当然ながら選考時点ではブラック企業であることを隠しますので、ブラックなことを知らないまま入社する人は残念ながら後を断ちません。
ブラック企業に入社してしまうと、具体的には以下のような不利益を受けることになります。
- 長時間残業やサービス残業
- 土日出勤
- 業務時間に見合わない低賃金
- ハラスメント
- 休日の拘束
特に組織的に問題のあるブラック企業の場合は、そのまま働き続けてもポジティブな影響は起きないので早期離職することは逆にいいこととして考えてよいでしょう。
対処法
ブラック企業に入社した場合は、転職することが最も有効な対処法です。ブラックであれば組織の全員がブラック企業に慣れてしまっているので、上司に相談しても空振りすることが考えられます。
自分のメンタルを犠牲にしてまでブラック企業に勤め続ける必要はないので、すぐに転職活動を始めるようにしてください。
早期離職するメリット・デメリット
早期離職することは、一見するとデメリットが大きいことと考えられますが、視点を変えてみれば少ないながらもメリットは存在します。
早期離職は自分の社会人としてのキャリアに大きく影響してくる出来事ですので、メリットとデメリットを正しく理解した上で決断することを意識しましょう。
早期離職するメリット
まず、早期離職によって得られるメリットについて2点解説します。
目先のストレスからすぐに解放される
早期離職をするメリットの大部分を占めるのが、目先のストレスからすぐに解放されるというものです。
先ほど解説した通り、早期離職をする理由としては「給料」「人間関係」「仕事内容」「自身の性格」など「今の現状に困っている・不満を感じている」というものが多いです。
これらの不満に対しては、中長期的な観点で見れば解決できなくもないですが、やはり労力も時間もかかってしまうのが現実です。
このことから、今すぐにつらい現実から楽になれるのが早期離職の大きなメリットと言えます。
若ければ次の就職先はすぐ見つけやすい
早期離職をすると、次の職場探しでは苦戦が強いられる傾向にありますが、20代前半程度であれば比較的転職活動も成功させやすい傾向にあります。
今では多くの会社で人材不足が続いています。特に若手の中での働く価値観が大きく変わってきており、「若いうちから転職することは当たり前」と考える社会人も増えてきています。
その結果、会社は未来の事業を作るような若手の不足に焦っているという現状があります。このことが追い風となり、20代の早期離職者であっても、ポテンシャル枠として採用する企業も少なくない数見られるようになってきました。
この社会的な流れの変化も相まって、若い人が早期離職をしてもすぐに次の仕事を見つけやすい環境ができているのです。今の不満から即時解放され、次の職場も見つけやすいというのは、現状に困っている人からすれば嬉しいポイントと言えるでしょう。
早期離職するデメリット
続いて早期離職するデメリットについて4つ解説します。早期離職のメリットはあるとは言え、どうしてもデメリットの方が多くなってしまいますので、しっかり確認しておきましょう。
将来的に転職活動で不利になる可能性が高い
やはり早期離職は転職活動に対するデメリットが大きいのは認識しておくべきです。
厚生労働省のデータから、大卒で約3割の人が早期離職をしているという事実はあるものの、企業としては早期離職をしていない7割の中から採用をしたいと考える傾向にあります。
なぜなら、早期離職する人に対して企業は以下のようなイメージを抱きやすいためです。
- 採用しても長く勤めてくれなそう
- 仕事を覚えるつもりがなさそう
- 人間関係でトラブルを起こしそう
- 勤め先から戦力外通告を受けるような何かをしていそう
早期離職をしていると、このようなイメージをどうしても偏見で持たれやすいため、面接はもちろん書類選考の通過率も下がることが考えられます。
また、もし20代で早期離職と転職を繰り返していれば、さらに就職そのものが難しくなるでしょう。20代であれば早期離職をしていてもポテンシャル枠で就職できると解説しましたが、30代以降になればその理論は通用しにくくなります。
職歴というキャリアは一生ついて回ってくるものですので、30代以降も早期離職のクセがついてしまっていれば、なかなか就職できずに一生フリーターという末路も考えられます。
早期離職がクセづいてしまう
早期離職する人はデータで見ても少数派です。早期離職を繰り返す人となれば、さらに割合は下がるでしょう。
多くの人は早期離職が将来的な転職に悪影響があることを知っていますので、なんとかして仕事を続ける選択をしています。そのため、早期離職の判断をすることそのものに壁を感じていると言えます。
しかし、一度早期離職を経験すると「合わなかったらすぐ辞めればいい」という誤った思考に繋がってしまい、適当に転職活動をして早期離職を繰り返すといった行動を取りがちになるでしょう。
早期離職がクセづくと、キャリアだけでなく社会的な信用も落ちるなど、仕事だけでないデメリットにも繋がっていきます。
タイミングによっては失業保険が受けられない
自分から退職を申し出たにしろ、企業のせいで退職することになったにしろ、仕事を辞めて一定条件を満たしていれば「失業保険」というお金を受け取ることができます。
ただ、早期離職の場合はこの失業保険の受給要件を満たさないケースがあることは認識が必要です。
失業保険をもらえる条件はいくつかのパターンによって異なりますが、「仕事や会社の人間関係が嫌になった」などの自己都合による退職の場合は、離職の日以前2年間で雇用保険の被保険者期間が12カ月ある必要があります。
言い換えると、直近で1年以上働いていなければ失業保険が受けられないということになります。つまり、1年未満の早期離職を繰り返しているような場合は、失業保険は一切受けられないといったデメリットがあると言えるでしょう。
社会的信用が落ちる
早期離職はキャリアだけでなく、社会的信用が落ちるというのもデメリットの一つです。
例えば、銀行の住宅ローンの審査上は「会社員であれば1年以上の継続勤務が必須」としているケースもあるそうです。1年未満の超早期離職をしている人は、まとまった金額の融資を受けられないほど社会的信用が低くなると言えるでしょう。
また、婚活などでは、異性に対して「仕事が長続きしていない」ということを伝えれば声はかかりにくくなるはずです。「仕事が続かないような人と一生を過ごすのは無理」「家計が大変なことになりそう」など、ライフイベントでも大きなデメリットを感じることになるかもしれません。
早期離職の理由を面接で伝える時のコツ
早期離職は転職活動において、企業からの見え方が悪くなりやすいということを解説しました。しかし、早期離職をした理由の伝える内容や伝え方によっては、面接官が事前に感じているネガティブイメージを払拭することも可能です。
ここでは、早期離職の理由を面接で伝える時に知っておきたいコツを5つご紹介します。
ポジティブなものに言い換えるのが原則
早期離職の理由は、先ほど解説した通りほとんどがネガティブなものだと考えられます。しかし、基本的に面接ではいいイメージを企業に与えることが大原則となってきますので、ネガティブな理由をポジティブなものに言い換えることを徹底しましょう。
具体的には、以下のような言い換えが考えられます。
- 給料に不満がある→スキルを身につけてキャリアアップを早期からしていきたい
- 人間関係に不満がある→チームプレイで一つのプロジェクトに携われる仕事がしたい
- 仕事内容に不満がある→仕事に取り組む中で、自分はXXの仕事に携わることに興味が出てきた
- 長続きしない性格/ブラック企業だったから→腰を据えて働ける環境に身を置き、仕事に集中していきたいと思っている
このように、同じ理由でも伝え方によって見え方は180度変わってきますので、特に応募書類の志望動機を書く際には注意してみてください。
明るくハキハキと伝える
早期離職を悪いことと捉え、暗いトーンで会話してしまうと印象はさらに悪くなります。「早期離職という書面上のマイナスイメージ」と「人柄から受けるネガティブイメージ」がかけ合わされば、面接に通過することは非常に厳しくなるでしょう。
そうならないためにも、せめて明るくハキハキと早期離職の理由を伝えることがおすすめです。人一倍ポジティブな人間っぽさをアピールできれば、早期離職をしていても選考に通過できる可能性は高まります。
面接で嘘をつくことはNG
早期離職をしている事実を隠すなど、明らかに実態と異なる嘘を面接で言うことは絶対に辞めてください。
「バレなければ大丈夫」と考えているかもしれませんが、面接で嘘をつくことはデメリットしかありません。面接で嘘を言ったことに対して深掘りをされ、答えられずに見送りになることもありますし、仮にウソのまま入社できても社会保険の加入実績からバレることもあるでしょう。
入社後に面接での嘘が分かった場合、最悪損害賠償請求という話にも繋がりかねませんので、嘘を転職活動で伝えることだけは避けましょう。
会社が原因の場合は素直に伝えて良い
給料未払いやサービス残業の常態化など、企業が原因で早期離職せざるを得なかった場合は、その理由を素直に伝えて問題ありません。
面接であえてそのことに言及することで、「あなたたちの会社にはそういうブラックな一面はないですよね?」という牽制にもなりますし、理由をしっかり話したという誠実さが評価されることもあります。
必ず前もって何を話すか決めておく
早期離職をしている場合、面接で早期離職の理由を聞かれる可能性は非常に高くなるため、確実に受け答えできる用意をしておきましょう。
受け答えを用意する時の流れは以下の通りです。
- 1.「なぜ早期離職をしたか?」という問いに対し、自分なりの本心を用意する
- 2.その後、本心をポジティブなものに言い換える
- 3.言い換えた内容に対して、3回「それはなぜ?」という自問自答を繰り返す
- 4.自問自答の回答内容と、1.で考えている自分の本心に矛盾がないかを確認する
このように準備をしておけば、仮に面接で深掘り質問をされたとしても、矛盾のない形で回答ができるでしょう。
早期離職後の転職活動の注意点
最後に、早期離職をした後の転職活動で意識すべき注意点について解説します。
自己分析や企業研究をより人一倍行う
早期離職後に再び早期離職を繰り返してしまうのは避けるべきです。そのためにも、自己分析や企業研究をより丁寧に行うよう心がけてください。
自己分析や企業研究は、自分が腰を据えて気持ちよく働ける職場を見つけるために必要なアクションです。これらに取り組まないまま転職活動をしてしまうと、入社してすぐに辞めたくなる会社に再び入社することになるでしょう。
自己分析や企業研究を初めてするという場合は、直接プロに教わるのがおすすめです。就職カレッジ®︎では、誰でも無料で参加できる無料就職講座を定期的に実施しています。気になる方は以下のリンクからお申し込みください。
期間を決めて集中的に活動する
ダラダラと転職活動をしていては、面接に落ちても何も感じにくくなりますし、いつまでも就職できないことに焦りを感じにくくなります。
何事もメリハリをつけて行動した方が成功率は高まりますので、「○週間以内に次の仕事のイメージを決める」「○月までには内定を取る」などの期間を決めて集中的に転職活動しましょう。
一人で転職活動を行わない
一人で転職活動を行っても、どんな点に注意していけばいいのかであったり、正しい情報の精査ができなかったりと、効率的に活動が進められないことが予想されます。
家族や友人などの周囲の人だけでなく、中立な第三者である就職エージェントなどにも相談しつつ転職活動を進めれば、自分では見つけられなかったような優良企業を見つけられるかもしれません。
特に就職エージェントについては利用料が無料なだけでなく、自分に合った求人を紹介してもらえるといったメリットもありますので、早期離職に悩む方にとっては特におすすめです。
まとめ
早期離職者は年々一定の割合で存在していますが、少数派ということやイメージの問題もあって、転職活動で苦戦しやすいことが予想されます。
早期離職をしたいと思ったら、まずは手元で対策できないかを考えてみて、どうしても難しければ転職を考えてみてください。また、転職活動の際は、この記事で解説したコツや注意点を意識するのも忘れないようにしましょう。